やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

156 / 731
クリスタルスターダスト・クルセイダーズ

sideミドラー

 

ネーナ「チュミミミミーン!ミドラー!裏切り者の貴様ではこのゾンビの群れに食い殺されるのが相応しい末路だよ!」

 

ミドラー「ネーナ…あたしはあんたを仲間だと思っていたのにね。あんたのDIO様への忠誠心と、数少ない女性のスタンド使いの戦士として、敬意を持っていた…だからあたしの娘にあんたの名前を付けたのに」

 

あたしはハイプリエステスを様々な武器に変え、敵を倒していく。だけどあまりにも屍生人が多すぎる。ハイプリエステスは本来、敵の見えない位置から暗殺することを得意とするスタンド能力だ。

こうして身を晒して大太刀回りをするのには向いていない。

ハイプリエステスを岩に取り付かせ、円月輪のように飛び回らせて屍生人達の四肢を削っていく。だけれど、一般的なゾンビのようにゆらゆら動くのではなく、機敏に動いて来るので息をつく暇がなく次から次へと屍生人達が襲ってくる。

 

ネーナ「あたいらが仲間だって!?笑えるジョークだねぇミドラー!美しい容姿を持っていたあんたにあたいの気持ちがわかるもんか!見ていて妬ましかったよ!あんたも、マライアも!肉人形でしか美しさを出せなかったあたいの気持ちなんかわかるもんか!チュミミミミーン!」

 

ネーナ……。こんなに歪んでいたなんて思いたく無かった。あたしにとってはDIO様に忠誠を誓い、戦っているネーナもマライアも敬意を持って接していたというのに、彼女にとっては妬みの対象でしか無かったらしい。

 

ミドラー「バカだねぇ…ネーナ。」

 

スタンドを失った代わりに強靭な身体能力を得たネーナが襲いかかってくる。

 

ネーナ「アチョオ!」

 

ドカドカドカドカ!

 

ハイプリエステスを盾に変えてネーナの拳を受けきるあたしだけど、とても耐えられる威力ではなかった。

 

ミドラー「ぐうううっ!」

 

娘の方のネーナやンドゥールを置いてきていて正解だった。特にネーナは自分の名前の元となった人間が、こんな女だと知ったのならばショックを受けていたに違いない。ネーナ…ンドゥール…あたしの大切な宝物…。

そうだ。あたしはこんなところで死ぬつもりなんてない!二人の子供と、これからも一緒に暮らしていくんだ!いつかは一人立ちして、一人になるかも知れないけれど、その時までは…いや、それからも二人はあたしのカワイイ子供だ!考えるんだ…あたしが生き残る術を!

 

ミドラー「ぐぅぅぅ…ネーナ…負けられないよ。あたしは…結婚こそ出来なかったけど、引き取った大切な子供があたしにはいるんだ…」

 

ネーナ「はっ!だったらあたしの女帝(エンプレス)で作った子供をあの時いくらでも作ってやれたじゃあないか!何人も殺しておいて、今さら善人ぶるな!チュミミミミーン!」

 

ドカドカドカドカ!

 

ミドラー「ぐああああ!」

 

再び攻撃を受けてあたしは倒れる。あたしの目の前には懐中電灯が転がっていた…懐中電灯?

確か吸血鬼は太陽に含まれる紫外線が弱点だったはず。

ならばこの懐中電灯をハイプリエステスで改造して紫外線照射装置に変えれば…。

一か八かだ!いけっ!ハイプリエステス!

 

ネーナ「とどめだよ!ミドラー!」

 

ミドラー「ネーナァァァァァァ!」

 

あたしは懐中電灯に紫外線照射装置に足りない部品をハイプリエステスの力で補い、それを屍生人達に照射する。

 

ネーナ「か、体が……灰になる……何をしたぁ!ミドラー!」

 

ミドラー「力押しでダメなら工夫するさ。今ではあたしだってジョースターの仲間だ。あんたなんかと違って、あたしの助けになってくれる本当の仲間。大事な子供を守ってくれた大切な仲間。そして八幡は…DIO様の転生はあたしの子供達の大切な友達だ。あんたらなんかに好きにさせるかぁ!母の偉大さを知れ!ネーナ!」

 

ネーナ「み、ミドラーァァァァ!」

 

断末魔の叫びをあげてネーナは消滅した。

 

ミドラー「ハァ…ハァ…ネーナ。親にはなったことの無かったあんたには、一生わからないよ。子供を大切に思う親の気持ちが…スタンド能力も宿主に寄生するだけだったあんたには…化けて出てきても…ね」

 

紫外線照射装置に改造した懐中電灯をもって、あたしはかつては敵だった…今は大切な仲間であるジョースター一行の援護をするべく足をすすめた…

 

ネーナ(オリジナル)…死亡

 

 

side海老名姫菜

 

マニッシュ「ラァリホォォォォ!」

 

デス13が持っていた大鎌を振り回しながら、マニッシュはわたしに攻撃を仕掛けてくる。あれだけの大鎌を振り回すのだから、周りの屍生人達の首も次々と刈り取られていく。

わたしはただマニッシュの攻撃を必死に避けることしか出来なかった。反撃しないわたしが弱いと見たのか、マニッシュの攻撃は更にノリノリになって鋭くなってくる。

 

海老名「ひゃあああああ!」

 

マニッシュ「死ね!死ね!花京院!」

 

マニッシュはどんどん調子に乗ってくる。

 

海老名「ハァ…ハァ…相変わらず、周りの被害なんて考えないんだね?マニッシュ」

 

マニッシュ「はっ!宗教的な理由で迫害されてきた俺の気持ちがわかるかよ!なんで同じ悪魔の歯形を持つ比企谷小町は愛され、俺はバカ共に迫害されなきゃなんねぇんだ!」

 

音石さんやアナスイさんから聞いていたマニッシュの最期。死ぬその瞬間までマニッシュは世界を怨み、呪詛の言葉を吐きながら死んでいったらしい。

あの時ジョセフ・ジョースターさんが作った離乳食(汚物入り)を食べさせた赤ん坊…。それが亡霊となってこんな姿に成り果ててしまった。

赤ん坊だった故に殺さなかった…。

でもわたしは…花京院典明はあのセスナが墜落した時、あの赤ん坊を殺しておくべきだったのかも知れない。

そうしていればマニッシュは世界の汚さを知ることもなく、世界に絶望する事も無かった。

わたしや優美子、ヒキタニくんのように幸せな家庭で転生出来ていたのかも知れない。

 

マニッシュ「花京院んんんんん!」

 

マニッシュは力任せにどんどん大鎌を振るいまくる。

甘いよ?マニッシュ。

メガネキャラで腐った趣味を持っていて、薄い本を作っているわたしだからよく誤解されるけど、わたしは決して貧弱じゃあないんだよ?

打倒ヒキタニくんを掲げ、優美子と…アヴドゥルと再会してからはそれなりに…運動部も顔負けの厳しい訓練を積んできたんだよ?そんな見え見えの大振りに当たるわたしじゃあない!

それにね?スタンド能力を無くしたあなたに、わたしが何をしたのかわからないよね?

 

屍生人「ガアアアア!」

 

マニッシュ「なっ!?何で屍生人が僕を押さえる!止めろ!押し倒すな!」

 

海老名「腐っ腐っ腐っ腐っ腐……二十五年前にも思ったんだけどさ、あなた達DIOの刺客は本当に相手の能力とか予習してきたのかな?今回は突然の復活だったとは言っても、わたしは花京院だよ?ハイエロファントの能力は少し力が強くなったくらいで、大きく変わってないんだよ?」

 

屍生人「GAAAAAAAA」

 

口を開けた屍生人の口からキラリと緑色が光る。

そう、わたしは屍生人の体内にハイエロファントを忍び込ませ、屍生人を操ったんだよ。

わたしは人形劇で使うような糸つきの人形を出す。

 

海老名「いやぁ、リアルでゾンビのレ○プ物をやれるとは思わなかったよ。良い資料ができたかな?」

 

あれ?何か露伴先生が混じっちゃった気もするけど、まぁいっかな♪

組伏せられたマニッシュは屍生人にー自主規制ーされ、ー自主規制ーされ、体を食べられながら、さらにー自主規制ーされていく。ふんふん、リアルでやるとただグロいだけだけど、まぁ、参考にはなったかな?

 

マニッシュ「花京…院……よくも…他の屍生人は何で攻撃しない……。スタンドを屍生人に取り付かせている今がチャンスなのに……」

 

海老名「うん?仲間ごと大鎌で切り裂いちゃっていたから怒っちゃったんじゃあないかな?ほら、あちこちに君が切り裂いちゃった仲間が転がっちゃってるじゃん?」

 

わたしはただ必死に避けていただけじゃあない。

少しでも周りの屍生人を巻き込むように計算して逃げ回っていたんだよ。

仕込みでハイエロファントを使っちゃっていたから、反撃出来なかっただけ。仕込みで使っていた屍生人がやられちゃっても、他の屍生人に潜り込ませれば良いだけだったしね。

 

海老名「大体わかったから、もう消えてもらって良いよ?やっぱり、想像と実物じゃあ全然違うね?ただただグロい光景でしか無かったよ。じゃあね~♪ハイエメラルド・スプラッシュ!」

 

ハイエロファントは取り付いた屍生人の内側からハイエメラルド・スプラッシュを発射した。

 

マニッシュ「ぐああああああ!ちくしょう!呪ってやる!世界を!ちくしょぉぉぉぉぉぉ!」

 

内側から破裂した屍生人の影からマニッシュの内側にハイエロファントを取り付かせ、今度はマニッシュの体を破裂させる。

好きなだけ世界を呪いなさい?マニッシュ。あんたはそれしか出来ないんだから。それに囚われていたから、世界に名を残す天才になれた君が、ただの復讐者に堕ちてしまったんだから。

 

海老名「君は…死神にすらなれなかったんだよ。マニッシュ」

 

マニッシュ…死亡

 

 

sideサブレ(会話は人間語に訳してお送りします)

 

サブレ「ガルルルルル!」

 

俺は砂を硬い刃に変えてラクダやら犬のゾンビ達を切り裂きまくる。

人間じゃあ対処しずらい動物のゾンビが相手なら、俺が適任だ。ヤレヤレ、やっぱりコイツらは俺がいないと駄目みたいだな。ポルナレフの奴に至っては幽霊だし。

 

フォーエバー「クソ犬がぁぁぁぁ!」

 

サブレ「お前、結局死んだのかよ」

 

猿のゾンビが俺に怨嗟の声を上げる。

東京ワンニャンショーではまだ生きていたじゃあないか。

 

フォーエバー「殺処分されちまったんだよ!客にセクハラする猿なんか誰も引き取らないって!」

 

サブレ「自業自得じゃあねぇか。逆恨みしてるんじゃあない」

 

こいつの前世はオラウータンだったか?それに比べたら猿のゾンビの方がやりやすい。すばしっこいが、デカブツのオラウータンよりはましだ。力が強いし。

こいつを買わないでペットショップを買った八幡は正解だったぜ?あいつは何回か俺を助けてくれたしな。アイツも無事だと良いけどな。

 

フォーエバー「何でだよ!何でペットショップはDIO様に買われて、俺は殺処分されちまうんだよ!」

 

サブレ「ミドラーや陽乃に嫌われていたからじゃあないのか?八幡はお前は要らないって呟いていたしな。アイツの回りには沢山のメスがいる。殺処分されるくらい躾が悪い猿だったお前がそいつらにセクハラしないわけがないじゃあないか。どのみち八幡に殺処分されていたんだよ。お前は」

 

フォーエバー「きー!ふざけるなクソ犬がぁ!何でお前やクソ鳥はDIO様に可愛がられ、俺はこんな目に遇わなきゃあならないんだ!逆じゃあないかー!」

 

クソ猿は手当たり次第に物を拾って俺に投げてくる。

 

サブレ「ワン!」

 

俺はザ・フールで飛来する物をガードする。

アホかクソ猿。圧縮された砂のガードがどれだけ丈夫か分かっていねぇのかよ。生まれ変わった花京院の弾丸だって中々通さねぇんだよ!

 

サブレ「ガルルルルル!」

 

俺は砂を変形させて突進する。硬い鉄の塊になって体当たりしたと思えば良い。

 

フォーエバー「キィィィィィ!」

 

サブレ「そのまま手足を切り落としてやるぜ!」

 

ズバァァァァァン!

 

フォーエバー「ぎゃあああ!」

 

体が欠損し、醜い叫びを上げるクソ猿。

 

サブレ「わりと今の平和な生活を気に入ってるんだ。お前らなんかにメチャクチャにされてたまるかってんだ。あの鳥や猫も含めてな!クタバレ、クソ猿!」

 

ザ・フールを一番扱いやすい形に変え、その爪先を鋭くして猿を輪切りにする。

 

フォーエバー「この…クソ犬がぁ………」

 

サブレ「クソ犬じゃあない。俺はサブレ様だぜ。覚えておきな」

 

フォーエバー…死亡

 

 

side三浦優美子

 

カメオ「ヘイル2U!」

 

三浦「邪魔だし!」

 

屍生人「GAAAAAAAA!」

 

しつこい…。ここが森の中だから、あーしは全力で力を使うわけにはいかない。

気のせいか、あーしと承太郎とジョジョに大量の屍生人を配置された気がする。

 

三浦「エンポリオ!準備って何だし!早くしろし!」

 

あーしは懐に入れた亀のココに向かって叫ぶ。

 

あーしの所にはJ・ガイル、カメオのかつてのポルナレフが倒した敵と戦っている。指揮官クラスの屍生人二体と戦うのは正直骨が折れる。

 

J・ガイル「殺してやるぞぉ…アヴドゥルぅ…」

 

三浦「やられねーし!ふざけんなし!」

 

あーしはクロスファイヤーで周囲の屍生人達を燃やし、灰にする。

 

ホルホース「そこだぁ!」

 

三浦「しまった!あんたもいたのか!」

 

パァン!

 

やられた……こいつに二度もやられるなんて…

あーしは死の覚悟を決める。だが…その瞬間は訪れなかった。

 

ギィン!

 

ホルホースの実銃の弾丸を、何かが弾く。

 

???「待たせたな、アヴドゥル。コールドスリープ状態から戻すのに手間取った」

 

そこにいたのは……

 

三浦「ポ、ポルナレフ!」

 

逆立った銀色の髪、黒いタンクトップ、白いズボン…。

生身のポルナレフだった。

 

ポルナレフ「生き返った訳じゃあない。アヴドゥル。この体は今でも既に死んでいる」

 

だけどポルナレフは現に生身であーしの前に立っている。そして、白銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)も確かにある!これはどういうことだし!

 

ポルナレフ「見ればわかる」

 

ポルナレフはチャリオッツの剣で自分を刺す。しかし、そこから血は流れて来ない。

 

ポルナレフ「鶴見留美って小学生がいただろ?アイツの前世が陥った状態さ…体は死んでいながら、ジョルノの力で仮初めの生命力を得た状態。それが今の私だ」

 

あーしはポルナレフの体に触ってみる…。冷たい…確かに死んでいる…。

 

ポルナレフ「先代パッショーネのボスに殺された私だったが、ジョルノは私の死体を治してコールドスリープ状態で保存していてくれていた。失った命を完全に戻すことはジョルノでも、仗助でも、いろはでも不可能だったが、僅かな時間だけこうする事が出来るのは分かっていた。この体に戻った時だけ、チャリオッツが使えることもな」

 

三浦「何だっていーし。あんた風に言うのなら…メルシー、ポルナレフ」

 

ポルナレフ「ふ……お前には沢山の借りがあるからな。少しだけ返しただけだ。それに、いつぞやの死んだ振りのやり返しも出来て満足だ」

 

ポルナレフはニヤリと笑った。大人になって、変な渋い魅力が出てきたし?ポルナレフ。

 

ポルナレフ「J・ガイルとホルホースは俺が受け持とう。カメオは任せるぞ。アヴドゥル…いや、優美子」

 

三浦「頼んだわよ。ポルナレフ」

 

あーしは周囲の屍生人達の半分をポルナレフに任せ、カメオの周囲にいる屍生人達を次々と灰に変える。

どんな形でも良い。あんたがあーしを助けてくれた。無理を押してまで。その気持ちが嬉しい。

それに、三人を分散させてくれただけでも楽になった。

 

三浦「カメオ…あんたはモハメド・アヴドゥルに願いを聞いてきたよね?アヴドゥルの願いはあーしになっても変わらない!」

 

あーしは屍生人を燃やしながら更に進む!

 

三浦「第一の願いはあんたに「痛みの叫び」を出させること!屍生人が痛みを感じるかはわからねーけど!」

 

クロスファイヤーでカメオの顔を燃やす!

 

カメオ「ぎゃあああ!」

 

痛みの叫びが夜の森に響く。あちこちから叫び声が聞こえるけどね。

 

三浦「そして第2の願いはッ!「恐怖の悲鳴」をあげさせること!」

 

カメオ「く、くるなぁ!この死に損ない!」

 

川崎が言うには屍生人は恐怖を感じないっていっていたけど、こいつは恐怖を感じているらしい。

 

三浦「さらに第3の願いは!「後悔の泣き声」だッ!あんたを灰にしてやるし!あんたの血で真っ赤に染まった灰に!レッド・バインド!」

 

ヒキオが一番警戒していたあーしの技。レッドバインドの本来の使い方をする。レッドバインドの炎が手足を拘束し、鼻と口を塞ぐ。

 

三浦「体の内と外から火葬してやるし!くらえ!灼熱の本当のレッドバインドを!」

 

カメオ「!!!!」

 

口から侵入した炎が内臓を燃やし、拘束の炎が手足を焼けただらせる。

 

カメオ「あうううう……」

 

燃えながら声を出すカメオ。恐らく、アヴドゥルと言ったのだろう。

 

三浦「敢えて名乗るし!あーしは三浦優美子!あの世で覚えておくし!」

 

カメオ「ぃぅぁ…ぅぃぉ………」

 

カメオはあーしの名前を言いながら、崩れ去った。

 

三浦「チッ♪チッ♪…yes I am」

 

カメオ…死亡

 

 

sideジャン・ピエール・ポルナレフ

 

さて、優美子にカッコつけた分、私も本気を出さねばなるまい。実際、この体はいつ限界がきてもおかしくはない。ブチャラティとは違い、いつもは体から魂が離れているのだから。

 

ポルナレフ「せいやぁ!」

 

チャリオッツが一歩踏み込んで突きを屍生人にお見舞いする。

 

ポルナレフ「せいっせいっせいっせいやぁ!」

 

そして得意のスピードを活かした滅多刺しで一体ずつ確実に脳を破壊する。屍生人の親玉であるDIOだって脳をやられては再起不能になるわけだしな。

 

ホルホース「ポルポルゥー!」

 

だぁん!

背後から私を狙っていたホルホースが狙撃する。

 

ポルナレフ「甘い。ミスタからの報告とおり、全く成長をしなかったようだな?ホルホース」

 

ホルホースの弾丸を私は剣で弾き返す。ホルホースの銃弾はそのまま反らされ、私の背後に迫っていたJ・ガイルに命中する。

 

J・ガイル「ぐあっ!」

 

ポルナレフ「まずはお前からだ、J・ガイル。シェリーの仇を二度も取ることになるとはな。だが、判決はかわらん。死刑。滅多斬りだ」

 

チャリオッツの鎧を脱ぎ捨て、J・ガイルを細切れに切り裂く。

 

ポルナレフ「ブラボー!オー!ブラボー!」

 

悲鳴をあげる間もなく、J・ガイルはただの肉片となる。

 

ポルナレフ「ハングドマンがないお前など、ただの両腕が右手なだけの下衆野郎だ。さて…下衆…と言えば、お前も墜ちたらしいな?ニューヨークで」

 

私はホルホースを睨む。

 

ホルホース「J・ガイルの旦那をあっさり…お前は本当にポルナレフか…?」

 

ポルナレフ「ポルナレフさ。我が名はJ・P・ポルナレフ。パッショーネのNo.2だ。幽霊だがね」

 

ホルホース「ぐ……ポルポル」

 

脳みそまで屍生人になったか?ホルホース。

 

ポルナレフ「行け。下衆に構ってる暇は私にはない。どうせ朝が来ればお前は灰になる。皇帝(エンペラー)がないお前など、相手にする価値はない」

 

ホルホース「へ…へへへ…そうさせてもらうぜ…ポルナレフ…へへへ…」

 

背を向けて走り去るホルホース。愚かな…今、名乗ったはずじゃあないか。

 

ポルナレフ「飛べ、剣先よ」

 

チャリオッツの剣先をホルホースに飛ばす。剣先はホルホースの脳を貫いた後、木々に反射して何度もホルホースの頭を貫通する。

 

ホルホース「なぜ……騎士道は……どうした…」

 

ポルナレフ「ジョルノがいたらこう言うだろう。『自分を知れ。そんなおいしい話があると思っているのか』とな。言ったはずだ。私はパッショーネのNo.2だと。ギャングに騎士道を求める方がまちがっている。騎士道は騎士道を貫く者にのみ発揮する。ましてやお前なんかに騎士道は勿体ない」

 

ホルホース「おのれ………パッショーネ………」

 

私は崩れ墜ちたホルホースを更に細切れにしてとどめを刺す。

さて、ココに戻ろう。そして窮屈な幽霊生活に戻ろうではないか。

 

ポルナレフ「私は卑怯なこともした。地獄に落ちることも何度だってやった。だが、逃げることだけはしなかった。何度も逃げられて当たり前だと思っていたお前との決定的な差だよ。ホルホース。続きは地獄でやってろ」

 

私はココ・ジャンボの元に戻り、体をエンポリオに預けてカメのポルナレフに戻った…。

 

J・ガイル…死亡

ホルホース…死亡

 

 

side空条承太郎

 

エンヤ「承太郎!お前がDIO様と同じタイプのスタンドじゃと!?」

 

承太郎「だから何だと言うんだ?エンヤ婆」

 

エンヤ「道端の路傍の石でしかないジョースターのお前が、こともあろうにDIO様と同じ力を得るなんて烏滸がましいとは思わんのか!?」

 

承太郎「そのDIOが今では俺の仲間なのだがな」

 

エンヤ「ほざけぇ!DIO様がお前の仲間になるはずがないのじゃああああ!ゆけぇ!ゾンビ共ぉ!」

 

ヤレヤレ。何故二十五年前の復讐者共は八幡の事を認めないのだろうか?

八幡がとりわけ陽乃やペットショップを可愛がる理由がわかる気がする。

それにしても、ジャスティスで死人を操っていただけの事はある。屍生人の扱いが他の屍生人達とは段違いじゃあないか。だがな。

 

S・P「オラオラオラオラオラオラオラオラ!」

 

承太郎「忘れたのか?俺のスタンドはゾンビなど物ともしないということを。まだお前のジャスティスで操ったゾンビの方が倒し甲斐があるというものだ」

 

あまりにも余裕過ぎてタバコを吸う余裕すらある。

ちっ!タバコは徐倫に取り上げられていたのだったな。ヤレヤレだ。

 

エンヤ「おのれ…おのれ承太郎」

 

承太郎「それは俺のセリフだ。お前はディアボロから買った弓と矢をあちこちで売り捌いたな?それがどれだけ迷惑を被ったか。お前のせいで死ななくてもよかった奴らが何人も死んだ。…死んでも迷惑な奴だった…ヤレヤレ…」

 

俺はエンヤ婆の前まで歩み、拳を握る。

 

エンヤ「知るものかぁ!このド腐れ帽子がぁ!」

 

承太郎「オラァ!」

 

俺は素手でエンヤを殴り飛ばす。

いっぺんで良いからこいつの顔をぶん殴ってやりたかった。

杜王町、ネアポリス、フロリダ…こいつがやったことで仗助、ジョルノ、徐倫がしなくて良かった苦労をどれだけしたことか…。絶対に許せねぇ。

 

エンヤ「おのれ!おのれ承太郎!ジャスティスがあれば…ワシのジャスティスがあればお前なんかにぃ!」

 

承太郎「後がつかえてるんでな。その汚い顔ともお別れだ。屍生人になっても、お前は汚いままだったな。エンヤ婆。小町もジョルノも慈悲深いぜ。ラバーズを殺してお前の仇をとってやったんだからな」

 

S・P「オラオラオラオラオラオラオラ!オラァ!」

 

エンヤ「うがああああ!DIO様ぁぁぁぁぁ!」

 

断末魔の声をあげて潰れたエンヤ婆。

ヤレヤレ…八幡の救護に向かわなければならないのに、面倒な時間を食ってしまった。

矢はないから大丈夫とは思うが…早まるなよ?八幡。

 

エンヤ婆…死亡

 

 

side静・ジョースター

 

静「邪魔だっつーの!この腐れゾンビ共ぉ!」

 

私は波紋の力で屍生人達を灰に変える。

 

静「私はお兄ちゃんの所に急いでるんだ!」

 

お兄ちゃんのチームには波紋の戦士がいない。いま、一番危ないのはお兄ちゃんのチームだ。特に前世を含めて戦闘訓練を録に積んでいない城廻先輩が危ない。危ないのはママの転生の京華ちゃんもだけど、あっちはパパやマーチも含めて三人の波紋の戦士がいる。

やっぱり一番危ないのはお兄ちゃんのチームだ!

 

静「ドラララララララララ!」

 

波紋を込めて屍生人達を殴り飛ばすアクトン・クリスタル。

 

戸部「べー。ジョースターさん強すぎっしょ!やっべー!」

 

静「うるさいな!黙ってやられてろや!」

 

A・C「ドラララララララララ!」

 

戸部「わわわっ!サード・ノース・アイランド!跳ね返すっしょぉぉぉぉぉ!」

 

TNI「ベエエエエエエエエ!ドララララララララ!」

 

静「くっ!」

 

アクトン・クリスタルがもうひとつ現れ、私を殴り飛ばすべく拳のラッシュが飛んでくる。

 

静「こおおおおおおおおっ!」

 

波紋で力を高めてガードする私。

 

静「ぐううぅぅぅぅ!」

 

初めてアクトン・クリスタルの攻撃力を受けた。

サンシャイン・ルビーの威力に慣れていなければこれで終わっていたくらいに強いじゃない!

っていうか、弾丸とかだけじゃあなくて、近距離パワー型の攻撃まで跳ね返すなんて、舐めてたよ…

やっぱり私が屍生人を担当して承太郎おじさんに任せるべきだったかな…スター・プラチナなら時間を止めて戸部本体にラッシュをかければ良いんだから。

とりあえず、もう一当てするかな?

 

静「てやっ!波紋疾走(オーバードライブ)!」

 

TNI「ベエエエエエエエエ!波紋疾走(オーバードライブ)!」

 

…………うん。試しにやってみただけだから背反する波紋で打ち消すけど、生身の攻撃も跳ね返すのね?

うーん…。仕方ない、やるっきゃないか。

 

静「ぴょっ♪」

 

私はジャンプして木の上に立つ。

陽炎のお銀、出張サービス♪

 

戸部「今度は上から攻撃する気っしょ?無駄だべー」

 

静「まぁ、跳ね返されて終わりだろうね。だから最後の手段に出ることにした」

 

戸部「最後の手段?何をしたって無理っしょぉ」

 

静「そうでも無いんだな?コレが…こればかりはあんたにはどうしようもない。だって…私の最後の手段は…」

 

くるっ♪シュゴォォォ!

 

静「逃げるんだっつーのォォォ!ヘルプミー♪承太郎おじさぁぁぁぁん!」

 

ピョイン♪ピョイン♪ピョイン♪

 

私は木々を飛び移りながら承太郎おじさんの気配に向かってジャンプする。

 

静「アッハハハハハハハ!私はお銀!陽炎のお銀♪」

 

いきなり逃げ出した私に呆気に取られる戸部。

 

戸部「待つっしょおおおお!逃げるのは卑怯だべぇぇぇぇ!」

 

追ってくる戸部。お、サッカー部で鍛えてるだけあって中々速い速い♪だ・け・ど、甘い甘い♪

ステーン!

いきなり戸部がスッ転ぶ。引っ掛かったな?戸部と戦う前から転倒させる為にロープを張っておいたんだよ!それをアクトンの力で透明にしておいたのさ♪

ワイルド・ハニーのように透明にした場所がわかるのなら地面を走って逃げてたけど、アクトンはその能力はないから、自分が引っ掛からないように木々を飛んで逃げてた。大体の場所ならわかるからね♪

 

静「だとしたら、確かあの辺に……」

 

私はナイフを四本、別々の木に向かって投げる。

 

戸部「な、なんだべ!見えない網に絡まれてるっしょぉぉぉぉぉ!」

 

忍法網縄の術ぅ♪

大漁大漁♪屍生人もろとも網に絡まる。

もちろん、これも私が張った罠だ。ロープを張った道の上に同じく透明にした鉄製の網を仕掛けておいたんだよねー。これは絶対に破れない。パパ譲りの騙しのテクニックのアクトン利用版って奴。これは多分、誰が相手でも引っ掛かると思って昼の間から準備していた。こっちがせっせと準備している間にハッチ達は川で遊んでいたみたいだけど。

大体さぁ、木々を飛び移っていたとはいえ、戸部ごときに私を追ってこれるわけないじゃん?ハッチやマーチ、パパほどではないにしても私だって上級波紋の戦士。

普通の人間が追える速度じゃあない。

それにさ、本気で逃げるなら自分自身を透明にして逃げるっつーの。

 

静「ドラドラドラドラドラ!」

 

私は木々を移動しながらナイフを透明にして戸部にナイフを投げまくる。ついでに風車も。弥七サイコー!

 

戸部「イテェ!いてぇよぉぉぉぉぉ!酷いっしょ!卑怯っしょ!罠を仕掛けるなんてぇ!」

 

静「知らないっつーの。罠に引っ掛かる方が悪い」

 

お?痛みでスタンドを出すのを忘れてる。だから言ったのに…闘いの初心者がスタンド使いの世界に踏み込むなって。

とりあえず、一網打尽っしょ♪あ、やなやつの口癖が移っちゃった。

 

静「銀色の波紋疾走(メタルシルバー・オーバードライブ)!」

 

バリバリバリバリ!

 

戸部「ぎゃあああああああ!」

屍生人「GYAOOOOO!」

 

まとめて一気に灰になる屍生人。

 

静「終わりだよ戸部。単純なヤツで助かった。さあ、トドメだ!」

 

戸部「わ、わあっ!スタンドが……で、出ない…」

 

静「初めて実戦でスタンドを使ったアンタが、痛みで集中出来てない状態でスタンドが使えるか!アクトン・クリスタル!」

 

A・C「ドラララララララララ!」

 

戸部「ベエエエエエエエエエエエエ!」

 

戸部は全身骨折で再起不能になる。

まぁ、肉の芽だけは取り除いておいてあげよう。

 

戸部「べぇ……スッキリした気分だべぇ…惚れそうっしょ。ジョースターさん」

 

静「あ、無理。私、婚約者いるから」

 

戸部「べー……」

 

戸部をあっさり振った私。次の瞬間…

 

ドオオオオオオオオン!

 

ものすごい音が響きわたったと思った瞬間…戸部の体が浮き上がる。

 

戸部「な、なんだべぇ!こんなの聞いてないっしょ!わ、わ、わああああ!ゆ…………わああああ!」

 

戸部が空へと消えていった…。

こ、これは………新たな柱の一族の誕生!?

ハッチ!

 

戸部翔(サード・ノース・アイランド)…再起不能の後に生死不明。

 

←To be continued




今回も長かったですが、ここまでです。

第三部組の活躍はいかがでしたか?
ポルナレフの一時的な復活はいかがでしたか?

それでは次回もお願いいたします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。