やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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第2章、機中に潜む女神のこの世界バージョンです。


専用機に潜む女神

side一色いろは

 

メンバーが決まり、いざ出発!………という段階になっていきなり暗礁に乗り上げた。何故なら…

 

陽乃「1つ良い?」

 

いろは「どうしたんですか?陽乃さん」

 

陽乃「いろはちゃんって異世界から来たんだよね?パスポートとかどうするの?」

 

!!!

ダラダラダラダラ…

考えてみたら千葉村からダイレクトでこの世界に来たからパスポートはおろか、現金も大して持ってきていない。それに現金はいざ知らず、パスポートはこの世界に持ってきてあったとしても意味がない。

だってシリアルナンバーや出入国記録がこの世界からしたらおかしいことなるもの。さらにいうならば私達の戸籍はない。いや、わたしと川崎さんならどうにかなる。

この世界の自分に事情を話してパスポートを借りれば良いのだから。だけどアメリカ組と本人も行くSPWさんはそうもいかない。アナスイさんは現役で囚人だし、エルメェスさんと徐倫は現在身柄を拘束されている(先ほど苦労をしたけどSPW財団に確認を取った)。

終わった!第4章ー1、完!

 

 

 

 

 

って待ってください!どうすんの?!これ!まだズィー・ズィーと戦ってないのにいきなり公式メタやってしまったよ!

 

 

 

 

 

徐倫「安心して。こういう時こそあの人の出番よ。ストーン・フリー!」

 

徐倫がストーン・フリーを出して時計型平行世界通信機を起動させる。

 

ヴァレンタイン『どうかしたかね?空条徐倫』

 

徐倫「パスポート問題が発生しました。そちらの根回しは終わってますか?」

 

ヴァレンタイン『安心したまえ。そうなることはわかっていたから既に手は打ってある。そちらの私が日本政府に政府専用機を用意させたと言っていた。あと、弥七の件も対策を考えてある。大したものだ。彼女は』

 

また弥七か……徐倫が黒い顔をしている。あの大統領が対策を立てるほどとは…。立ってるものなら親でも使え…とは言うけれど、ジョースター家ほどその精神を最大限に発揮する家もないだろう。

 

雪乃『国家権力を味方にするなんて…スケールが大きすぎて想像がつかないわ』

 

わたしたちも十二年前まではそちら側でしたけどね。

 

陽乃「私達も大概だけど、ここまではやらないよね。世界を変えるってとんでもないことだわ…」

 

変えるんじゃなくて変えられるのを止める側ですよー。

 

めぐり「とんでもない人達にかかわっちゃったねー」

 

あなたはこちら側では年の差を気にせず押し掛け妻をやってますけどね。

 

『さーがーしーにー○ーくーんーだー♪そーこーへー♪』

 

ハルさんの携帯が鳴る。春○きか…わたしも着信音にしてるからなー。ちなみにハチ君はGreat Daysだ。

bre○k down!brea○ down!

 

陽乃「お父さんから?何だろう?八幡の事かな?もしもし」

 

春樹『陽乃!何があったんだ!?いきなり外務大臣から連絡が入ったぞ!アメリカ大統領から政府専用機でアメリカに行くことになったって聞いたぞ!どういうことだ!説明しろ!』

 

ハルさんが青ざめてダラダラと汗をかいている。

確かに一足飛びに状況が進んでいればこうもなるか…。

そこで更に状況の混乱が加速することに。

 

ヴァレンタイン「どジャアァァァン!」

 

閣下ー!

 

陽乃「え……?」

 

風野「あ、アメリカ大統領…!はっはー!」

 

風鈴さん…。あなたは水戸黄門に出てくる悪役ですか。

閣下が登場すると必ずこういう人が出てくるな。

まぁ、普通は混乱する物だろうね。慣れてしまっているわたし達が異常なんだと思う。でも、どっちの閣下だろうか?わたしたちの世界の閣下?こっちの世界の閣下?

 

陽乃「ヴァ、ヴァ、ヴァレンタイン大統領(英語)!」

 

ヴァレンタイン「貸したまえ。私から説明しよう」

 

大統領はおもむろにハルさんから携帯を奪う。

 

ヴァレンタイン「hello、nice to meet you ミスター雪ノ下」

 

閣下は言葉巧みに雪ノ下春樹さんを説得する。この世界のパパノ下さんは夏樹じゃあなくて春樹さんなんだ。

 

ヴァレンタイン「説得は終わった。なかなか優秀な人物なのだな。日本の一地方議員にしておくには勿体ない人物だ」

 

閣下に目を付けられましたよ?春樹さん。

 

ヴァレンタイン「初めまして、諸君。既に知っているとは思うが私はアメリカ合衆国大統領、ファニー・ヴァレンタイン。ようこそ平行世界のジョースター。我が世界の危機に立ち上がってもらえるようで協力に感謝する。聞けばそちらの私とは友人関係と聞いている。私とも同じような対応で構わない。雪ノ下家の関係者も同様だ」

 

八幡「は、はい!あ、ありがとうございます!」

 

あー、先輩もカチカチになってる。いくら先輩でも初めて大統領を相手にすればこうなるか。ハチ君も緊張しすぎて変なこと口走っていたもんね?

 

ヴァレンタイン「時間も惜しい。必要な物は日本政府を通じて用意してある。私は弥七と接触することにしよう。半日後に準備を整えて総武高校の前に集合してくれたまえ。成田までの車を手配しておく。健闘を祈る。では、どジャアァァァン!」

 

閣下はどの世界でも閣下だった。あっちの面々は完全に置いていきぼりで真っ白になっている。ハルさんや先輩も含めて。諦めて下さい。あの人に逆らうのはいろいろな意味で無理です。ごめんなさい。

 

徐倫「……………」

 

あれ?徐倫がぶつぶつ言っている。なんだろう?

 

 

side弥七(仮)

 

やばい。知らないうちに巻き込まれてる。もともと介入するつもりだったけど、大きな力に目をつけられた。逃げないと…。

あれ?これはあの空条徐倫って人のスタンドの糸?なんか声が聞こえるけど!

 

S・F(徐倫)「逃げられないと思うわよ?諦めて」

 

バレてるぅぅぅぅぅぅ!

 

S・F「戦略的撤退の逃げるんだよォォォはジョースター家の戦いにおける伝統よ。退き時を見極めるのは得意なの」

 

なんですか?その変な伝統は

 

ヴァレンタイン「どジャアァァァン。諦めたまえ。弥七……いや……………」

 

弥七「あは……あはははは……さしものわたしの組織も国家権力相手じゃ太刀打ちできませんか…」

 

ヴァレンタイン「大したものだ。君みたいな者にあそこまでのものを組織できるとは。CIAやFBIにスカウトしたいくらい優秀だよ。君は。裏社会にまで影響力を持っているとはね」

 

弥七「光栄です。大統領…それで、わたしをどうするおつもりですか?」

 

わたしは白旗をあげながらも逃げる隙を伺う。だけど、多分無理。だって……ここには

 

沙希(ツェペリ)「…………」

 

わたしの力をもってしてもいつ背後に回り込まれたかわからないタイミングで現れた向こうの世界の川崎沙希さん…ツェペリさんがいるんだもの。大統領本人だけならともかく、この二人からは無理。一人一人は何とかなっても…というか、特に川崎さんの殺気がやばい。あっちの人達って一人一人がわたしクラス!?

ヴァレンタイン「なに。あくまでもサポート役として協力してもらうだけだよ。バラバラに動くよりは連携した方が互いの為になるとは思わないか?弥七くん。それに、ただでとは言わない。君に力をあげよう。沙希くん…と言ったかな?頼めるかね?」

 

川崎沙希がわたしに近付く。何をするつもり?

 

沙希「才能次第だよ。弥七(笑)、あんたのスタンド能力はあたし達がこの世界から離れたら無くなるかも知れない。だけど、今からあたしが与える力はあんたの力になる。その才能…もしかしたら…パウッ!」

 

ドズッ!

 

川崎さんはわたしの横隔膜に小指を突き立てる。

 

弥七「コォォォォォ」

 

沙希「肺の息を全て吐き出すつもりで……そう、その呼吸だよ。波紋の力。スタンドの力とは別の、あんた自身の力としてこの力はあんたに残る。あたし達が去ったとしても。少し極めれば、100Kmを全力疾走しても息が切れる事はないよ。若さも美しさもサボらなければ六十代になっても二十代の若さを保てる。悪くはない贈り物でしょ?」

 

確かに凄い力…。体の内側から力が溢れてくる。悪くはない贈り物だ。

 

沙希「大丈夫。空条先生もジョジョの方の比企谷もあんたの事は黙っているつもりだから」

 

弥七「ジョジョ?」

 

沙希「DIOと名乗っているあたしの世界の比企谷だよ。あたしの前世はディオに殺されているから、その名前は好きじゃあない。だから比企谷のもう1つの前世、ジョナサン・ジョースターの愛称であるジョジョと呼ぶことにしたわ」

 

ジョジョ…ねぇ。わたし的にはどちらも八幡先輩に取り付いた悪霊みたいなものだけど。

 

沙希「それにしても大した才能ね、弥七(笑)。あたしの世界のあんたは波紋の才能は皆無だけど、あんたはジョセフ・ジョースターに匹敵する才能。この世界に永住できたら、弟子にしたいくらいだよ。じゃあ、あたしは戻るから。頼りにしているよ」

 

まぁ、こんな便利な力を貰ったんでし、とっとと八幡先輩から悪霊退散してもらわないと。わたし達を助けてくれるみたいですけど。それとこれとでは話が別ですしね。

 

ヴァレンタイン「君は手荷物を持って二時間後にここに来たまえ。先に政府専用機に案内しよう」

 

弥七「あのどジャアァァァンじゃ無いんですか?」

 

ヴァレンタイン「それでも構わないが、刑務所に潜入したいのかね?彼らの直接支援ではなく?」

 

弥七「専用機でお願いします。むしろこんな機会を逃したら専用機なんて乗れる日は無いですから専用機が良いです!」

 

数時間後、わたしは自分の言葉に後悔することになった。

 

side一色いろは

 

現在、わたし達は成田空港から政府専用機に乗ってニューヨークのケネディ空港へと向かっている。わたし達の世界でのこの旅は一般旅客機でフロリダ行きの飛行機が敵の策略でニューヨークに不時着する事になったが、今回は始めからニューヨーク行きの飛行機に乗っている。

理由は簡単。SPW財団の力を借りる為だ。

この世界のわたし達は財団とは無関係。だから、大統領を通じて財団と同盟を結んでおきたい。

 

陽乃「意外な形でSPW財団と関わり合いになるなんて…」

 

八幡「でも、上手くいけば雪ノ下建設的にもプラスになるな。特に病院とかであのクソの母親を頼ることがなくなるし」

 

雪乃「ああ、葉山くんの……確かにSPW財団の医療スタッフが主治医になってくれれば頼ることもなるなるはずだもの。でも、義兄さん達、本当に彼のことがきらいなのね」

 

葉山隼人……。どこの世界に行っても大抵は彼は敵かトラブルメーカーだね。世界の意思に嫌われてるなぁ…。

かなりの割合で葉山隼人とそのグループは敵対かトラブルメーカー。三浦先輩や典明おじさん…つまり海老名先輩も含めて…。

この世界では三浦先輩は先輩のシンパになったみたいだけど。

 

いろは「そういえばこの世界のわたしはどうなんだろ?大抵の場合は先輩の年齢と時期を基準に考えると無関係の場合が多いんですよね?基本世界と同じようにあの葉山隼人が好きだと思い込んでるとかホントやめて欲しいです」

 

思わず口に出して言うと、向こうの風野さんが答えてくれた。

 

風鈴「多分ですけど、八幡さんはお兄ちゃんスキルが強すぎて、男女問わず後輩に大人気なんです。だから一色さんも多分葉山のクソには見向きもしてないと思いますよ?」

 

いろは「そうなんですか…」

 

答えながらわたしはイチャイチャしている先輩とハルさんを見る…。いつもならあそこには…。

ダメ!今は我慢するんだ…。あのハチ君は別人…あのハチ君は別人…。

そう思っても……あの先輩の中にはハチ君の欠片が眠っている…。

 

いろは「うう……」

 

思わず涙が出てくる。

 

小町「いろはさん……」

 

小町ちゃんが泣くわたしを見て心配してくれている。多分、目線とかで気付いているだろう。

 

いろは「ごめんね…。心配させちゃって…。大丈夫だから……………あれ?わたし、マチちゃん、ハルさん?確か四年前のこのタイミングだったら…皆さん、コンセントには気を付けて下さい。絶対に触らないように」

 

確か四年前にはわたしとマチちゃんとハルさん…そしてジョジョ先輩と一緒に倒した敵が潜り込んでいたはず!

四年前はハチ君を殺さないように敵も気を付けていたけれど、今回はいきなり皆殺しでも問題ない。

 

小町「どうしたんですか?」

 

風鈴「急に警戒を始めましたけど…」

 

材木座「敵でもおるのか?」

 

いろは「ええ。四年前にはマライヤという女が機内に潜り込んで……」

 

わたしがそこまで言った時…。

 

徐倫「それなら弥七が対応したって。もうお縄になっているそうよ」

 

何やらパソコンを操作していた徐倫が答えた。

弥七凄い!本当に何者なの?!

 

エルメェス「というか、イーハ。ちゃんと四年前の資料を読み返しておきな。細かい状況は実際に体験したあんたが頼りなんだから」

 

四年前はMVPだったわたしが、今回はマヌケになってしまいました……。ショックだ。

 

 

side弥七

 

確かに貴重な体験ですね!政府専用機に乗れるなんて貴重ですとも!

 

マライヤ「ムームー!(ビチクソがぁ!)」

 

それも貨物室でフライトなんて中々ないたいけんですよー♪

……

………

何でですか!何で貴重な政府専用機のフライトを貨物室で過ごしてるんですかぁ!

 

ガシガシッ!

 

思わず足元で転がっているマライヤを踏みつける。

この女がいたからこんな事になってるんです!そもそも、何でこの女はここにいるんですか!

と、そこで機内の会話が無線機を通して聞こえてきた。

 

いろは『そういえばこの世界のわたしはどうなんだろ?大抵の場合は先輩の年齢と時期を基準に考えると無関係の場合が多いんですよね?基本世界と同じようにあの葉山隼人が好きだと思い込んでるとかホントやめて欲しいです』

 

風鈴『多分ですけど、八幡さんはお兄ちゃんスキルが強すぎて、男女問わず後輩に大人気なんです。だから一色さんも多分葉山のクソには見向きもしてないと思いますよ?』

 

もちろん、一色いろはは八幡先輩ファンクラブに所属している。風鈴さんが言うように、あの男には見向きもしていない。もちろん、わたしもファンクラブの一員だ。

 

いろは『ごめんね…。心配させちゃって…。大丈夫だから…』

 

あのDIOの婚約者、一色いろはがすすり泣く声が聞こえる。あのDIOのどこが良いのかわからないけど、その声にわたしも同情してしまう。何でもあっちの世界でみんなを助けるために禁断の力を使ってしまったのだとか…あの性格の悪そうなDIOが?

 

ピンローン♪

 

メール?内容を確認してみると…空条徐倫さんからだ。

 

徐倫『お疲れ様、弥七』

 

とりあえず返信しておこう。

 

弥七『いえいえ。それよりもこの貨物室から出れませんか?せっかくの専用機なんですから』

 

徐倫『良いわよ?マライヤを同乗しているFBIに引き渡して後はゆっくりしてて頂戴。FBIと同じ勤務員の席で悪いけど』

 

弥七『了解です。今はまだ八幡先輩の前に出たくないのでそっちで良いです』

 

ついでに聞いてみよう。

 

弥七『それにしてもそのDIOは本当に八幡先輩なんですか?わたしには性格の悪い悪霊にしか見えないんですけど?』

 

徐倫『確かに普段のハッチはそうね。だけど、見てればわかるわ。ハッチの黄金の魂が。真剣な時には原石が放つ輝きが光を放って宝石になる姿を。比企谷八幡とは違うかも知れない。ハッチと比企谷八幡は生まれから違うから。だけど、根は同じだと思う。ハッチなりの比企谷八幡があなたにも見えると思うわよ?この旅で』

 

そうだと良いですけどね。まぁ、期待しないで見ていますか。

 

マライヤ(セプテト女神)…ケニーG(ジョジョ第3部原作・第2章ともに)ばりに出番なく弥七に捕縛され、FBIに引き渡され、再起不能(リタイア)

 

←To be continued




はい、マライア戦は呆気なく終了。
弥七、使い勝手良すぎです!
次回はニューヨーク到着です。第2章では億泰とミスタの見せ場でしたが、今回は…アルス様のキャラでドンパチさせてみようと思います。
毎度同様、斜め下のやり方で。

ところで何故、マライヤがいたのか?その辺はおりを見て説明していこうと思います。

それでは、第3章の『原作との相違点』に代わって第2章との相違点。

飛行機は一般旅客機のエコノミークラス➡政府専用機

向かう先はフロリダ➡最終目的地はフロリダだが、まずはニューヨークのSPW財団本部

マライア戦はニューヨーク到着後➡フライト中

倒したのは静のサポートを受けた陽乃、小町、いろは➡弥七が何もさせなかった。ちなみに大統領命令。

それでは次回もお願いします。

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