やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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ラストバトルです。


ー真なる世界の鎮魂歌ー

side一色いろは

 

GDstから帰還したわたし達はマイアミのホテルでスピードワゴンさん達と合流しました。

スピードワゴンさん達はディオの息子達(毎度思いますが腹立ちます。わたし(エリナ)以外のジョナサンの子供という点で)と和解を果たし、再起不能や死亡することなく円満に解決したそうです。ジョルノにすごく感謝されました。

良かったですね。わたし達の世界では三人とも殺すしか手段はありませんでしたし、承一郎先輩の世界でもウンガロ、リキエルは廃人になり、ヴェルサスは結局死んでしまったのですから、和解に至ったこの世界は凄く嬉しい結果だったと思います。

こっちはこっちでいろいろありましたけど。

それで今は何をしているのかと言うと…

 

いろは「ハチ君。ナデナデが固いです」

 

G・S「無茶言うな。仕方がないだろ。スタンドなんだから」

 

わたしはザ・ジェムストーンに膝枕されてナデナデしてもらっています。今まで我慢していた分、思う存分に甘えますからね!…と言いたい所ですが、流石に固いですね。

 

いろは「スタンドでも甘えたいのに…はっ!なんですか!?ナデナデが固いならキスをすれば良いじゃあないかという事ですか!?たしかに魅力的なお誘いですけどその剥き出しの唇も固そうですしみんなの前ですしなによりやっぱり本当のハチ君の体とキスをしたいので無理です!ごめんなさい!」

 

G・S「みんなの前で出来るかぁ!そう思うならここでイチャイチャするのもやめてくんね?恥ずかしいんだが?」

 

いろは「みんなの前では無理なら別室でイチャイチャしたいという事ですか!?二人きりになってあんなことやこんなことをするつもりですか!?確かにそろそろ散らすのもwelcomeですがやっぱり最初は生身のハチ君が良いので無理です!ごめんなさい!」

 

G・S「全開だな……お前……言っておくけど本体はあの中にまだいるからね?スタンドの中に意識を移してるだけだからね?わかってる?ねえ?」

 

ジョルノ「確かにこれは面白い。あっちの僕が楽しみにしているが分かるよ」

 

仗助「俺はこのラブラブ空間に耐えられないんだが…」

 

もう遠慮なく目一杯甘えちゃいます!スタンドですけどハチ君と触れあえるのがこんなに幸せだなんて…。

 

陽乃「はちまーん。私にもナデナデしてぇ♪あっちに負けてられないよぉ♪」

 

八幡「はいはい。仰せのままに。お姫様」

 

陽乃「いやぁ、やっぱり遠慮なくイチャイチャできるのは良いねぇ♪DIOの企みもこれだけは許せちゃう!」

 

八幡「一応はDIOの聖なる遺体は入ったままなんだがな?っていうか、明日は決戦だよな?この緊張感の無さは何?」

 

ハルさんと先輩も対抗してイチャイチャを始めました。ごめんなさいね?今まで我慢させてしまっていて。

 

SPW「戸塚彩加はクールに去るぜ」

 

徐倫「いやいや去るなよ。もうじき大統領がいらっしゃるんだから!」

 

アナスイ「徐倫……」

 

徐倫「やらないわよ?流石にラブラブ空間のインフレが半端じゃあ無いんだから」

 

普段は会えないんだから遠慮なく甘えれば良いのに。徐倫も素直じゃあないですね♪

 

ヴァレンタイン「うおっほん!」

 

キャア!いきなり閣下から咳払いが!

合図のどジャアァァァンはどうしたんですか!

 

ヴァレンタイン「終わるまで待っていようかと思ったが、放っておくといつまでも終わりそうに無いようなのでね。そろそろ良いかね?諸君」

 

わたし達は慌てて姿勢を整える。

 

仗助「だ、だ、大統領!はっはー!」

 

閣下が現れると仗助が土下座をした。誰かが必ずこれをやるのはもう様式美ですね。まさか仗助がやるとは思いませんでしたけど。

 

ヴァレンタイン「よろしい。楽にしたまえ。それでは最終決戦に向けて会議を始めよう」

 

場の空気が一気に引き締まり、わたし達は会議を始める。ケープカナデラルへの突入は一旦わたし達の世界に移動してからどジャアァァァンすることになった。既に八幡ファンクラブ達も送っており、監視態勢は万全らしい。本当に凄い組織ですね…。

 

ヴァレンタイン「死んだように眠るDIOくんの姿を見て全員がショックを受けていた。よその別人だとわかっていても八幡くんのあの姿は堪えたらしい。わたしも白良さんという人物に怒られてしまったのだが、あれは生きた心地はしなかった…本当に。忍くんや霊夢くんも怒られていたからな。そして霊夢くんが怒られているときはそれはもうやばかった…、この私も死を覚悟したよ。その白良さんという人物も相当ショックを受けていたようでDIOくんの姿を見てわんわん泣いていたよ。あと、黒髪の少女もいたような…」

 

本当に何者なんでしょう…白良さん。

大統領をここまで言わせるほどとは…

 

ヴァレンタイン「一色いろはくん。白良さんより伝言だ。君の頑張りに敬意を評して今回は場を譲るが、次に八幡をこんな姿にしたら許さない…だそうだ」

 

いろは「しません…。もうハチ君と離ればなれは懲り懲りです」

 

ヴァレンタイン「そしてDIO君。二度と不完全なレクイエムを使うんじゃない。平行世界から時々監視に行くから覚悟しろと言っていた」

 

G・S「わ、わかりました…マジで誰だ?話を聞く限りめっちゃ怖いんだが…」

 

ヴァレンタイン「それはそうさ。彼女を本気で怒らせたら…いや、これ以上は言うまい」

 

え?いや、言ってくださいよ!?

凄く怖いことだけはわかるですけど!?

 

ヴァレンタイン「それでは早速ケープカナデラルに突入する。準備は良いかね?」

 

一同『はいっ!』

 

全員が声を揃えて返事をする。

 

ヴァレンタイン「結構!では、どジャアァァァン!」

 

わたし達は国旗に包まれ、わたし達の世界へと移動した。

 

ーいろは世界・千葉村ー

 

DIO八幡本体「…………」

 

忍「あら?いろはちゃん」

 

忍さんがハチ君の本体を見ている。あの巫女も。

 

いろは「……ハチ君……必ずあなたをここに戻すから待っててね……」

 

わたしは眠るハチ君の本体に一度キスを落とす。

 

G・S「俺はここにいるんだがな…」

 

忍「そう…決戦なのね。八幡ちゃん。もう無理はダメよ?」

 

ザ・ジェムストーンが周りを見ると、全員が…特に八幡先輩がショックを受けていた。そうですよ?ハチ君…これがあなたを失ってみんながしていた状態なんですからね?

 

八幡「DIO……行くぞ。お前をこの体に戻すために!その為に俺達は頑張ってきたんだ!」

 

陽乃「実際に目にすると堪えるわね…こんな姿の八幡」

 

小町「グズ……お兄ちゃん……」

 

雪乃「義兄さん…DIO義兄さん…やるわよ」

 

全員が頷く。

 

忍「あれ?でもいろはちゃん……?あな」

 

ヴァレンタイン「ではもう一度…どジャアァァァン!」

 

……忍さんが何かを言いかけたけど、わたしにももうわかった。散々混乱したんですからね!

 

sideDIO

 

再び異世界のフロリダ・ケープカナデラル。

俺は八幡の体に戻り、力を蓄える。この世界の最後の戦いの為に。それに、ザ・ワールドに目覚めた八幡の力。この力を使わない手はない。

 

七里ヶ浜「待ってましたよ?八幡先輩…グスッ」

 

忍者軍団の副代表格、七里ヶ浜七輪がケネディ宇宙センターの前で待ち構えていた。その目は赤く染まっている。

 

七里ヶ浜「DIOさん……あなたの体のあんな姿を見せられれば八幡ファンクラブはみんなショックを受けますよ!あなただって比企谷八幡先輩なんですから!」

 

胸を打たれる。俺は色んな奴に迷惑をかけたんだな。そして、心配されてきたんだ…。

 

八幡『お前から感謝を伝えてやれ。みんなに』

 

八幡…ありがとう。

俺は一時的に八幡の姿を借りて七里ヶ浜を撫でる。

 

DIO「DIOだ。悪かった。お前達には世話になった。弥七も含めて無量に感謝する。多分、お前達ファンクラブとはここでお別れだ。本当に世話になった。ありがとう。そして元気でな。アリーヴェデルチ(さようなら)。七里ヶ浜とファンクラブのみんな」

 

七里ヶ浜「目は腐ってますが、やっぱり八幡先輩ですね。ここでお別れなのは寂しいですが…。お元気で。さよならです(アリーヴェデルチ)。比企谷先輩」

 

ファンクラブ『さようなら(アリーヴェデルチ)!比企谷先輩!』

 

俺はコントロールを八幡に返し、再び魂の中に潜る。

本当にありがとう…。八幡ファンクラブ。

俺は心の中で再びさよなら(アリーヴェデルチ)と呟いた。

奴はロケット発射台の近くにいるらしい。

 

八幡&DIO「『行くぞ!最後の戦いに!』」

 

一同『おう!(はい!)』

 

ーロケット発射台ー

 

そこには祈りを捧げながら嘆きの声をあげているプッチの姿があった。

 

プッチ「神よ!何故我が身にこんな試練を与えるのですか!どこに行かれたのですか!」

 

もう既にこいつは正常な判断が出来ていない。狂っている。比企谷八幡となって初めて間近に見たが、真面目で誇り高いエンリコ・プッチの姿はどこにもない。ただの狂人。

だが、それを憐れだとは思わない。

 

風鈴「あなたを可哀想だとは思わない。あなたは家族に手をかけた!」

 

材木座「貴様は最大のタブーを犯している!もはや貴様は神父でも何でもない!」

 

小町「弟を…血の繋がった弟を殺そうとした」

 

戸塚「例えそれが知らなかったとは言え、愛し合う血の繋がった兄妹を止めたかったにしても!何も殺そうとする必要はなかった!」

 

雪乃「全てはあなた1人の自己満足の為に…」

 

SPW「しかもその結果が妹を死においやった!」

 

アナスイ「そして世界に絶望して起こした行動が徐倫を嵌め、承太郎さんから記憶のディスクを奪い…」

 

エルメェス「世界を一度滅ぼそうだなんて…」

 

沙希「あんたが神に見捨てられて当然なんだよ!誰があんたの為に祝福なんて与えるか!」

 

仗助「自分が絶望したんならよぉ、テメェだけが滅びれば良かったんだよ!テメェは同じだ!吉良吉影と!」

 

ジョルノ「お前が見いだした真実には決して到達させない。お前に相応しきは完全なる消滅。それだけがお前に許される真実だ」

 

陽乃「世界は…これからも回り続ける!決してあなたに滅ぼさせはしない!」

 

八幡「人の数だけ本物は存在する…勇気も愛も…覚悟だって!お前には勇気がなかった!妹を殺し、絶望を乗り越える恐怖を乗り越える勇気が!」

 

DIO「覚悟もなかった。自ら生み出した絶望の暗闇の荒野の中でも進むべき道筋を作り出す覚悟が!」

 

いろは「わたしは進んだ!ジョナサンを失い、絶望の淵に立っても!ジョージを失っても!リサリサが行方不明になっても!最後まで勇気も覚悟も捨てずに進んだ!それはハチ君を失っても!覚悟のないあなたに、天国なんて絶対に訪れない!これで最後です!アーシス!スクランブル!」

 

いろはの号令で全員がスタンドを出す!

 

プッチ「言わせておけばクソどもがぁぁぁぁ!もうどうなっても良いっ!私が狂気におかされているならぁ、とことんまで狂気に狂ってやるぞぉぉぉぉ!ザ・オーガぁぁぁぁぁ!」

 

プッチはディスクを頭に突き刺し、その姿を変える。

あれは平塚静のザ・オーガ…奴め、一度千葉を訪れた事があるな?その時に平塚静からディスクを奪いやがったんだ。あの狂気を体現したスタンドを…。もしかしたらリバース・タウンやサマーハプノ・サファイアもF・Fさんから託され、破壊した中にあったのかも知れない。

この世界の由比ヶ浜や川崎がスタンドに目覚めなかったのはその為か!既に目覚めて奪われていたのなら納得がいく!

 

プッチ「がぁぁぁぁ!」

 

初手でいきなりやられた!有り余るバカ力でジョルノと仗助がいきなり再起不能!腹を抉らた…ように見えたのは一瞬で、すぐに傷は塞がった…。

何で?いや、アイツか…最後まで粋な奴だ。最大の必殺技が使えなくてもオリジナルを遥かに越えてやがる。音速で動くアイツのスタンドが辛うじてパワーバランスを平行に保っていてくれる。

だが、全く被害がなかったわけではない。

 

ジョルノ「矢が……破壊された。ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが使えない…」

 

ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが封じられたか…だが、手はまだある。

 

プッチ「何故だ!確かに手応えはあったのに!」

 

プッチは一向に倒れないこちらの戦力に困惑している。

 

DIO「無駄だ、エンリコ・プッチ。お前は所詮その程度。アイツのスタンドを奪わなかったのがお前の敗因だよ」

 

もっとも、奪おうとしても奴からは奪えなかっただろうがな。

 

陽乃「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃぁ!」

 

陽乃さんがプッチの体を刻む!わずかにだが傷を作る!

 

風鈴「ミサイル!行けぇ!」

 

風野がマリンスケッチで書いたミサイルを直撃させる。あまり効いてはいないが、それでもダメージを与える!

 

プッチ「ガキがぁ!」

 

材木座「やらせん!」

 

ガシィ!

流石はガンズ・アンド・ローゼズだ。力負けしてはいるが、あのパワーをある程度抑えてやがる。

 

小町「ルビーレーザー!いっけぇ!」

 

シュウウウ…

小町がルビーレーザーを撃って奴の肩を蒸発させた。

 

戸塚「彩加!」

 

SPW「うんっ!ラリーだ!」

 

二人の戸塚がラケットでプッチをボールに見立ててラリーを始める。だが、こっちの戸塚にも体力の限界はある。スピードワゴンの方の戸塚が限界を見極めて最後のスマッシュを叩き込む!

 

雪乃「フリージングビーム&フリージングカッター!」

 

飛んでいったプッチに雪ノ下が追撃で冷凍ビームと六角のフリスビーで次々と凍らせる。

 

いろは「エクセス・ラッシュ!」

 

沙希「サマーハプノ・サファイア!」

 

徐倫「ストーン・フリー!」

 

N・E「無理無理無理無理無理無理!」

S・S「パパウパウパウパウパウパウ!」

S・F「オラオラオラオラオラオラ!」

 

過剰回復と低血糖がプッチを襲う!

足りないパワーはストーン・フリーのパワーが補っている。

 

アナスイ「外は強靭でも、中身まではそうではあるまい!潜行しろ!ダイバー・ダウン!」

 

アナスイさんのダイバー・ダウンがプッチの足をバネみたいに変えた。これでプッチは地面に足を付けて攻撃をすることは出来ない!

 

プッチ「だったらこれならどうだあ!」

 

プッチは有り余るパワーでそれを持ち上げた。……他人からこれをやられるとはな。

 

プッチ「スペースシャトルだぁ!」

 

俺達全員を叩き潰す為にスペースシャトルを俺達の所に落としてきた。仗助がいてくれて助かった。何億円すると思ってやがる。だが、それも無駄だ。

 

DIO「トゥルー・ザ・ワールド・ネオ!八幡、これをお前に託す!」

 

数ある平行世界でも、僅かにしかいないであろう二つのスタンドを同時に扱う技術。八幡が覚醒した事により、ザ・ジェムストーンを使う技術を使って二つのザ・ワールドを融合させたトゥルー・ザ・ワールド・ネオ。

 

八幡「わかった!行くぞ!ザ・ワールド・ネオ!真の新たなる力で時を止めろ!」

 

感覚でわかる…融合した二つのザ・ワールドが止められる時間は1分…これだけの時間があるならば全員を逃がせる!

 

八幡「波紋で体を強化して…DIO!頼んだ!」

 

DIO「任せろ!コォォォォォ!」

 

俺の波紋をベースに八幡の波紋を同調させる。ついでに川崎と……いたいた、黒装束を纏っている弥七を捕まえて無理矢理波紋を同調させ、ザ・ワールド・ネオと一緒に全員を担ぎ上げ、音速の速度で猛ダッシュ。スペースシャトルの射程外に逃れ、爆発の範囲外まで避難完了。ついでにプッチからあれを奪う。準備万端だ。

 

DIO「そして時は…」

 

八幡「動き出す…」

 

ゴォォォォォォォォォォォォォォン!

スペースシャトルの落下により火の海になるケネディ宇宙センターの発射台周辺。

 

プッチ「勝った………勝ったぞぉぉぉぉ!」

 

完全に俺達を潰したと思ってホッピングしながら高笑いをするプッチ。

 

さて、終わらそう…。

俺はプッチからスッた矢を取り出す。

 

いろは「ハチ君……まさかレクイエムを……」

 

徐倫「待て!また魂が砕けるぞ!」

 

DIO「安心しろ。ザ・ジェムストーンはハーミット・パープルとザ・ワールドを二つ同時に操っていたスタンド。二つのレクイエムを1人の魂でやっていたから俺の魂は砕けた。だが、今の俺は3つの魂がある。俺と八幡とこの世界のジョナサン&ディオがな…これだけの魂が支えるんだ。今度は砕けない!終われ!プッチ!」

 

俺はプッチの矢をザ・ワールド・ネオに刺した!

こいつは俺達の世界では数々の悲劇を生み出した。

こいつはこの世界でも悲劇を生み出そうとしていた。

こいつだけは……ただ殺すだけでは生ぬるい。ザ・ワールドのレクイエムは消滅……。

二つの消滅の力を…受けてみろ。3つの魂が支えるレクイエム…それは絶対に暴走しないし、砕けない!

 

そして世界は……暗転する。

 

ー暗転の世界ー

 

レクイエム「ようやく、真実に到達したな。DIO…いや、比企谷八幡」

 

八幡「これが…レクイエムの世界…」

 

DIO「レクイエムのコントロールか。砕けた魂が逆にこの領域に達する切っ掛けになるなんてな…」

 

世の中、何が幸いするかわからない。いや、もしかしたら到達しない方が幸運だったのかも知れない。なんとなくだがわかる。俺はこの瞬間に全ての平行世界を担ったのだ。奴らと戦う為の運命の神の遣いとして。

 

レクイエム「だが、これは始まりだ。お前は更に先に進まねばならない。ウルフスに対抗するには、世界の真実を越えねばならない。それが真なる神がディオ・ブランドーとジョナサン・ジョースターに科した使命。真実に達すると言うことは神の神子となること…」

 

わかっている。俺達の世界がウルフスに屈すると言うことは全ての平行世界がウルフスの脅威に晒されるということ…。ある世界の神の妖怪は5つの世界の脅威を取り除く事と同時に、ウルフスの脅威を食い止めさせる為に敢えて俺を砕きやがったんだ。厄介な使命を俺に押し付けやがって…。是非とも承太郎が飛んで行った世界にいるであろう神を一発殴らなきゃ気が済まん。いや、その世界にも俺の欠片が飛んで行ったらしいな。その俺に託すとしよう。

 

八幡「大変な事になったな…DIO」

 

DIO「全くだ。この場をとっとと終わらせるぞ。ザ・ワールド・ネオ・レクイエム…消滅させるぞ…エンリコ・プッチを消す!お前という存在は記録からも記憶からも、何一つとして存在しない!それが真なる世界の鎮魂歌!消えてしまえ!全ての平行世界から!エンリコ・プッチ!」

 

レクイエム「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!無駄ぁ!」

 

プッチ「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!消える!私が…私が消えるぅ!」

 

八幡「全ての消滅……記憶からも記録からも何も残らない……存在そのものが無かったことにされる…その魂ですら…閻魔帳からも弾かれる消滅…これもまた、1つの地獄……救いが無いのはそれを黙って見ていることしか出来ない…考える事を止める事も出来ない…」

 

DIO「こいつがやったことの結果は世界の修正力で残念ながら元に戻せない。どんなスタンドも歴史の修正力は変えられない。だが、エンリコ・プッチが存在しなかった…完全なる消滅。それがザ・ワールド・ネオ・レクイエム。天国を目指し、失敗した者の末路は地獄の中の地獄であることが相応しい。世界からアリーヴェデルチ(さよならだ)エンリコ・プッチ」

 

レクイエム「ひとまずはお別れだ。研磨されし原石、ザ・ジュエルよ。更に磨かれ、真なるザ・ジュエルになることを…そして、世界の希望となれ…比企谷八幡」

 

レクイエムは消え、そして時は動き出す…。

 

 

仗助「はっ!俺達は何を!?うおっ!何だここは!辺り一面が火の海じゃあねぇか!クレイジー・ダイヤモンド!」

 

仗助が爆発したスペースシャトルを直す。ケネディ宇宙センターは何事も無かったように平穏を取り戻した。

………レクイエムの、力によって、この世界の人間は誰一人としてエンリコ・プッチを覚えていない。俺達の世界の奴等もこの世界にプッチがいたことを忘れている。

関係者は何か大きな事件があった。それに俺達異世界人が介入した。覚えているのはそれだけだ。

 

八幡「何があったんだ?凄い戦いがあったことだけは覚えているんだが…これがレクイエムの力か?」

 

俺の影響でレクイエムに触れることが出来ていたはずの八幡ですら例外になることはなかった。恐らくは…この世界でエンリコ・プッチを覚えているのは俺一人だけだろう。結果だけは残ったが。

 

G・S「終わったんだよ。全部がな」

 

俺は地面に落ちている奴の矢を完全に破壊する。この世界に残っている矢はこれであと僅かだ。

比企谷八幡達この世界の俺達は、恐らく俺達が去ればスタンド能力は消える。スタンド使いの呪いを罪がないこいつらが担う必要はない。無駄なレクイエムも必要ない。神の使い走りは…俺達だけで良い。

 

八幡「何だか知らないが……終わったぞぉぉぉぉ!」

 

八幡の絶叫が響く。

俺達の第2のストーンオーシャンは……ここで幕を閉じた。

 

エンリコ・プッチ(ザ・オーガ)…消滅(イレイズ)

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

次で第4章ー1は終了です。
弥七の正体がわかります。薄々皆さんもお気付きかも知れませんが。

それでは2度目のストーンオーシャン外伝のラストをお楽しみに!

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