sideエリザベス・ジョースター(比企谷小町)
ゴミィちゃん達に(わざと)捕まった小町達はボーダーの本部会議室まで連行された。
城戸「とんでもないことを仕出かしてくれたな…ボーダーの隊員の実質半数近くが君達にやられた。もしベイルアウトシステムで本部まで転送されるシステムを実装していなければ多数の怪我人が出ていただろう」
リサリサ「まぁ、あなた達みたいに小町達は甘くないからね。きっかり気絶するまでは相手を攻撃するのを小町達はやめないから」
城戸「自分が何をしたのかわかっているのか!」
リサリサ「わかってるよ?あなた達は違うけど、大半の人達はベイルアウトが出来る関係からみんな本気で死の危機感が足りない。精鋭と呼ばれる人達も、自分が死ぬことを考えていない。だから身を守る事が疎かになるし、心のどこかで隙ができる。そこがボーダーの弱点。大体良いの?小町達をここに入れて。ボーダーのシステムが集中している場所でしょ?破壊されたら終わりじゃあないの?」
小町がサンシャイン・ルビーを出現させる。アーシスのみんな以外は誰にも見えないから脅しにもならない。つまらないなぁ。
ジョセフ「やめんか!」
ゴン!
うーん。良いツッコミだよジョセフ。お兄ちゃんもジョジョお姉ちゃんもいないからボケ役こなすのが大変だよ。ガハマさん(同一人物が二人いるため同一人物は前世の名前で呼ばれる事になったんだけど、結衣さんは前世がないからガハマさん呼びで決まった)も元気ないしさ。
城戸「下手なネイバーより質が悪いぞ!忍田くん。君ならば何とかなるかね?」
忍田「…………無理ですね。戦闘記録を見ましたが、三輪隊を含めてなす術なく完敗しています…。本当に比企谷小町かと疑いたくなる…」
忍田本部長が汗をダラダラかきながら言った。
ノーマルトリガー最強と言われているこの人にそうまで言われた小町に全員が戦慄した顔になる。
城戸「く……聞けば君達は比企谷隊長に取り付いているパラレルワールドの比企谷八幡の魂を回収しに来たらしいが」
リサリサ「取り憑いたとかお兄ちゃんを悪霊みたいに言うのは止めてくれないかな。始末するよ?そもそもこの事態だって三輪さんを始めとしてそっちから仕掛けてきたからおもしろはんぶ………楽し………………仕方なく返り討ちにしただけじゃんか。何で小町達が悪者扱いされなきゃなんないか教えて貰いたいんだけど?」
シーザー(大志)「師匠……本音が出てますよ?あの人達ボコるとき凄い生き生きとしてましたもんね…」
スージー(京華)「リサリサ様、楽しそうだったー♪」
シュトロハイム(材木座。以下SH)「ドSなのは相変わらずだな…」
城戸「く……」
小町が指を向けると城戸さんが黙る。流石にジョセフも何も言わない。
忍田「その件についてはこちらの落ち度だったことは認める。だが、被害が甚大すぎる…君の攻撃に対して何故か隊員達が負傷しているのだ」
リサリサ「スタンドの特性が出たんだね。スタンドが受けたダメージは本体にもダメージが行くから。そうできないようにすることも出来るけど、ちょっと頭に来たからね。教訓を与える事も兼ねて本体に死なない程度にダメージが行くように攻撃した。話も聞かないで襲ってくるから容赦する気は無いからね」
小町は忍田さんに冷たく良い放った。
忍田「それは何故かな?」
リサリサ「安全性優先のベイルアウトシステムは素晴らしいと思うよ?だけど、だからと言って戦闘で致命傷を負ってもベイルアウトするだけだから大丈夫……。そんな考えがどこかでちらついているから米屋さんや三輪さんみたいなミスを起こすんだよ。戦う姿勢が気に入らないんだよね」
ジョセフ「覚悟か……。戦いに身を置くならば、敵を倒すというのであれば、逆に自分も始末される覚悟を常に持って戦いに望むべし…ベイルアウトとか言う安全がある程度保証されているのであれば覚悟は養われない。小町はそう言いたいのじゃな?」
忍田「そうでないと信じたいところですが…」
忍田さんはそう言ってくる。だけどね、それならば
リサリサ「だったら小町達に姿を現した段階で臨戦体勢を取るべきだったんだよ。対応が取れていたのは奈良坂さんと小寺さんだけ。それについてはどう思いますか?忍田さん」
忍田「……まさか生身でトリオン体を撃破出来るものがいるとは考えないだろう?」
忍田さんがそう答える。そこだ。小町が気に入らないのは。
リサリサ「ですが、現に生身の小町がトリオン体を完膚なきまでに叩きのめしましたよね?そこなんですよ。覚悟が足りないと思うところは。もしかしたら何か自分達の常識を覆す手段があるかもしれない。トリオン体だからといって必ずベイルアウトする保証はあるんですか?この本部が破壊されたら?ベイルアウトシステムに異常が発生していたら?もしかしたらそんな異常を起こしているかもしれない。なのに、何故小町達に無防備のままでいられたのかが不思議です」
忍田さんはそこで黙ってしまう。自分でも暴論だとは思う。でもね?
リサリサ「相手が勝ち誇ったとき、既にその人は敗北している。大人数で小町達を取り囲んで、武器を持っていた安心感から三輪さんを始めとして小町にやられた人達は油断して負けた。自分達がやられるなんて露にも思っていなかった。覚悟がなかった。違いますか?」
忍田「君の言い分はわかった。ボーダーの方に非がなかったわけでも無いのは認める。だが…このままではボーダーは壊滅だ。隊員の半数近くが肉体、トリオン体共にボロボロでしばらくは防衛任務には出られない。聞けば君達の目的は比企谷隊長の中に眠る君達の世界の比企谷隊長を回収すること…どうだろうか?君達、ボーダーに臨時隊員として入隊する気は無いか?君達は比企谷隊長の側で魂の回収方法を試せるし、その間の身分やこの本部や三門市限定ではあるが、ある程度の行動の自由は許可しよう。その代わり、毎日防衛任務に入ってもらい、我々は欠けた戦力を取り戻す合間の防衛力を補える。
今回は話を聞かずに我々は君達に攻撃しようとした。対して君は過剰防衛の結果によってこちらに甚大な被害をもたらした。互いの落としどころはこんなところにしたいが、どうかな?」
城戸「忍田くん!」
忍田さんの提案に城戸さんは激昂する。
忍田「城戸さん。彼らは生身でトリオン体を破壊できる程の力を持った人間。ならば、正規隊員が治療を終えるまでの間だけでも穴埋めをし、目的を果たして帰って貰えば良いとは思いませんか?元々彼等はこの世界とは無関係の人間です。互いが妥協点を出さなければ、どちらにとっても最悪な結果になるでしょう。防衛任務の失敗がボーダーにとっては一番最悪な結果、ネイバーとは違う異世界の客人にとってはそちらの比企谷隊長の魂の回収を失敗することが最悪な結果。落としどころはここだと思いますが?」
う~ん。確かに小町もやり過ぎたかも。普通にベイルアウトさせれば良かったんだしね。完全に過剰防衛だったね。冷静に考えれば反省すべき点だよ。
変なことになっちゃったなぁ……小町のせいなんだけど。
みんなの小町を見る目も呆れが強いし…。
ところで、いつまで小町はリサリサ?(メメタァ!)
sideジョジョ
比企谷隊隊室
小町…リサリサやジジイ達を連行した八幡達比企谷隊は、自分の隊室に戻って待機をしていた。八幡は上着を脱いで凝った肩を解しながら、自分の状況を隊の皆に話していた。
綾辻は現在は広報の方で駆り出されている。まぁ、リサリサのやらかした事に関することでバタバタだろうしな。
陽乃「へぇ…ちょっと信じられないかな?八幡君の中に別の八幡君がいるって…。でも呼び出された材木座君が確かに二人いたし、小町ちゃんがあんなに強いわけがないし…別人と考えたほうが自然なのか」
どこの世界でも陽乃さんは理解が早くて助かる。平行世界の俺達と対峙する…特にボーダーの世界などでは陽乃さんが比企谷八幡の味方である場合が多い。
いろは「ふぅん……でも、何か気持ち悪いですね?自分ではない自分がいきなり現れるって」
いろは…いや、一色が言うことはもっともだ。見るたびに思う。こいつは俺じゃあない……と。まぁ、こいつはボーダーの世界の俺の中では中々見所があるやつだとは思っている。ある一点だけ……相容れない部分が気になるところだがな。
それにしても、千葉村の段階で一色が俺と関係あるのは珍しい。それも、ただの友人関係……というよりは、少し俺の世界の小町や陽乃さん臭さを感じるが。具体的には順番や人数は気にしないぜ~♪welcome!的な。陽乃さんもだな…。
一色の場合は味方か赤の他人の場合が殆んど。赤の他人率の方が結構多いんだけどな?
時には二人とも敵対関係の場合もあるから油断ならないが。
めぐり「比企谷君は体に異変とかはないの?」
八幡「いえ、特に異常とかはないですね。たまに性格の悪い声が聞こえるだけで」
性格悪いとか………誉めるな、照れるぞ。
八幡『誉めてねぇよ!』
うん。知ってる。
とりあえず、この世界の情報を知りたいんだけど、素直に教えてくれるかな?
ジョジョ『なぁ、ちょっと良いか?』
八幡『あ?何だよ。テメェの妹のせいで帰れなくなったから虫の居所が悪いんだが?』
ジョジョ『それは小町…リサリサに言ってくれ。まぁ、そう喧嘩腰になんなって。それならこうしないか』
八幡『葉山かテメーは』
ジョジョ『ブラボー!オー!ブラボー!』
八幡「てめぇ!ホントに舐めてんだろ!」
いろは「ひゃっ!せんぱーい!急に大声出さないでくださいよ!ビックリするじゃないですか」
一色にマジ声で抗議を受ける八幡。うん、まぁこれは俺がふざけすぎた。
ジョジョ『悪かった。本気で聞きたいことがあったんだ。この世界の事だ。この世界の情報が何一つとしてわからん。出来れば教えて欲しい。』
今度はマジで頼んでみる。
八幡『ち……何を聞きたい』
嫌悪感を抱きながらも答えてくれるようだ。良いやつだな。こいつ。
俺は色々と教えてもらい、だんだんこの世界の事が掴めて来た。
俺達の世界=基本世界=この世界
ジョースター家にまつわる歴史やSPW財団
ある=あるが関わりなし=なし
ジョースター家はともかく財団があるならば世界的な企業だし、ボーダーが掴んでいないわけがない。
スタンドや波紋の存在
ある=あるが関わりなし=なし
これもあったらボーダーが研究していない訳がない。ある意味ではオリオンの存在が代わりを担っているような物だが。
ヴァレンタイン大統領
在任中=大統領は別人(存在はしている)=別人(多分いない)
ボーダーの組織とネイバー
なし=なし=ある
三門市
なし=なし=千葉にある
次に俺を取り巻く環境。
総武高校
全てあり
奉仕部
副部長…というかジョースター家や財団が半ば私物化=部員=半幽霊部員
幼なじみ
いろは、静・ジョースター、小町、仗助、同列扱いで陽乃さん=小町=綾辻、小町、同列扱いで一色、陽乃さん、城廻先輩、ボーダー数名
羽山グループとの関係
三浦と海老名は仲間で他は半ば敵対で今後次第=微妙な関係だがほぼ他人=敵対
平塚静との関係
敵対=顧問=顧問
戸塚、川崎兄弟、材木座先輩との関係
仲間=友人関係=仲間、または仲間候補
静・ジョースターの存在
幼なじみで相棒=いるが他人=不明(多分いない)
比企谷八幡の彼女
一色いろは=なし=綾辻遥
裏の顔
SPW財団関東支部支部長=なし=ボーダー比企谷隊隊長
そして、ここが重要。この世界、典型的な雪ノ下&由比ヶ浜と敵対している世界だ。歴史が大きく変わった世界に見られる…戦いとかを日常とする俺がいる世界。
あれ?確か俺を助けに来たチームに由比ヶ浜がいたよな?マジかよ…。俺が最後に見た由比ヶ浜の姿はあいつのせいではないのに柱の一族に覚醒させられ、罪の意識に押し潰されて泣きわめく姿だった…。よりにもよってそんな世界にあいつは来てしまったのか…。
八幡はこの世界の由比ヶ浜の事を良く思っていないみたいだしな。まぁ、他人の世界の話だからこの世界の由比ヶ浜の事はどうでも良い。俺の世界の由比ヶ浜が気掛かりで仕方がない。より辛い思いをしなければ良いのだがな…。
ヤレヤレだぜ…。
綾辻「八幡いる?」
八幡「遥か…どうした?」
綾辻「あれ?八幡…首の裏にこんな星形の痣なんてあったっけ?それに耳にある3つ並んだほくろも…」
あ……それって……
八幡「何だって!?俺にはそんなもの無かったぞ!?ジョジョ!お前の仕業か!」
ジョジョ『あー、俺の体の特徴が出ちまってるな。ジョースター家の特徴とディオの特徴だ…それ』
八幡「………野郎、ジョジョ……」
綾辻「それよりも大変!あの変な人たちが臨時の隊員になっちゃったの!」
その綾辻の背後から、チーム戦闘潮流がボーダーの制服を着て入ってきた。
リサリサ「ど、どうも~…今日から皆さんが復帰するまでの間、臨時でA級部隊になった『アーシス戦闘潮流エリザベス・ジョースター隊』の比企谷小町…じゃあなかった、エリザベス・ジョースターで~す…」
気まずそうな顔をしたうちの小町が入ってきた。ヤレヤレだぜ…(本日2回目)
←To be continued
険悪です。とにかく今は険悪です。
和解はあるのか?