やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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幻想郷の戦い第1段です。

とうとうバトル開始です。
幻想郷編は少し長引きそうです。
案外長引きそうですが。



宵闇の妖怪と愚者

sideサブレ

 

承太郎「いくぞ。準備は良いな?」

 

簡単に言ってくれるぜ。

飛べるというのはわかったけどよ、今までやったことのない動きなんだぞ?

 

空条「こちらも大丈夫だ。とはいえ、最初は慣らす必要がある。こちらに飛行速度を合わせてくれると助かる」

 

承太郎「それもそうだな。では、ゆっくり行くぞ」

 

是非ともそうしてくれ。まぁ、俺は最悪誰かに掴まるっていうのも手だけどよ。

 

文「のんびり飛ぶとか、わたし的にはあり得ないんですけどね」

 

そりゃ元々鴉のおめぇだからだろうが。

取り敢えず軽く浮くことから始める。

 

ポルナレフ「上手いぞイギー」

 

ただ浮いただけだろうが。良いからてめえも浮いてみろよ。

俺が浮いたのを確認したみんなは次々と浮上する。

 

三浦「お、お、おおおおおおおおお。何か変な感覚だし」

 

海老名「これは……なかなか……難しいね」

 

静「私はアクトンact1で慣れてるから感覚はなんとなくつかめるかも」

 

空条「DIOとの戦いでスタンドパワーを使って一時的にやったことがあるからわかる」

 

ミドラー「ハイプリエステスが出来たからあたしも出来るねぇ」

 

ポルナレフ「幽霊の体で慣れている」

 

俺も本能で理解できた。早く飛べるのも何とかできそうだ。

 

空条「まだ優美子や姫菜が上手く飛べないようだ。二人のペースに合わせて飛んでいこう」

 

アヴドゥルと花京院は飛行型のスタンドじゃあねぇからな。仕方ないか。

人間は本能は退化しているしな。

二人に合わせてノロノロ飛んでいると、イヤな気配が襲ってきた。

 

イギー「バウゥゥゥ!(あぶねぇ!アヴドゥル!花京院)」

 

俺はザ・フールを出して二人にタックルする。

 

文「あやや!サブレさん!」

 

二人を突き飛ばした俺を射命丸が抱き止め、闇のたまが俺達を飲み込んだ。誰だか知らんが、来るなら来やがれ!

 

三浦&海老名「イギー!」

 

霊夢「二人とも入らないで!文と一緒なら大丈夫よ!」

 

空条「それに、イギーの強さは知っているだろ!慌てずに信じろ!」

 

へ、承太郎は俺を評価してくれるのか。期待に応えてやるよ。

 

闇の玉に包まれ俺と射命丸の視界がゼロになった。

 

サブレ「ウウウウウウ!(何でオメェまで巻き込まれてんだよ。俺一人で十分だったのによ)」

 

文「いえいえ、あなたは前世でポルナレフさんを庇って死んでしまっていたじゃないですか。漫画で見ましたよ?」

 

サブレ「バウバウ!(だからって昨日出会ったばかりの俺を庇って巻き込まれてちゃ世話ねぇだろ)」

 

文「天狗には犬天狗というのもいるんですよぉ。なんで放っておけなくてですねぇ」

 

サブレ「くぅ!(本音は?)」

 

文「本音ですよ?」

 

何か怪しいんだよな。

あざとい態度が嘘臭いというか…。

まぁ、いいや。邪魔さえしなければな。

 

サブレ「わん!(おい、臭いでバレバレなんだよ。犬の嗅覚をなめんじゃねぇ。ルーミア)」

 

文「そうですよ。昨晩一緒に宴会をしたばかりじゃ無いですか。いきなり襲ってくるなんて粋じゃないですよ?」

 

ルーミア「そーなのかー?」

 

文「なんでまた襲ってきたんですか?」

 

ルーミア「人間がふよふよ浮いていたからなの」

 

傍迷惑な妖怪だな。

 

ルーミア「天狗や犬は食べて良い?」

 

ふざけるな。誰が食わせるか!

 

文「天狗を食べようって…中々面白いことを言いますね」

 

サブレ「わん!(俺が犬だからって甘く見るんじゃあねえぜ!ザ・フール!)」

 

ビシュゥゥゥゥゥゥン!

 

文「あやや。漫画と同じ砂のスタンドですか」

 

サブレ「アウ?(見えねぇのに良くわかったな)」

 

文「風を操る天狗の能力を甘く見ないで下さい?見えなくても風を媒介として周囲の状況は把握できるんです」

 

へぇ、やるじゃあねぇか。

 

ルーミア「闇符『ムーンライト・デイ』」

 

大量に何かを射ってきた後にビームの束で挟んで来ようとするが…。

空を飛べば挟んで来ても意味がねぇだろ。

俺は上に逃げ、ルーミアがいる位置に顔を向ける。

相変わらず暗闇で何も見えないが、臭いで位置はハッキリと捉えている。

 

サブレ「アウ!ガルルルル!(使うぜ。ザ・フールの必殺技!サンドウェーブのサーフィン!)」

 

文「追い風で後押ししますよ!サブレさん!葉団扇」

 

射命丸が俺に追い風を起こして援護してくれる。

砂と風、相性が良いじゃあねぇか。

 

ルーミア「ふごぉぉぉぉぉぉ!」

 

ルーミアは砂の波に飲み込まれ、あっさりと気絶して落ちていった。闇の能力は解除されている。

 

文「あやややや。あれでは地面に激突してしまいますねぇ。せやっ!」

 

射命丸は葉団扇を操って小さなつむじ風を作り、目を回しているルーミアが地面に叩きつけられるのを守った。

 

サブレ「ウウウウウウ…(おめぇがやれば俺なんていらなかったじゃあねえか)」

 

文「そんなことはありませんよ?天狗は強すぎますから、手加減して戦ってもルーミアさんに怪我をさせてしまっていましたからね。普段は無視して抜き去ってましたが、優美子さんと姫菜さんが狙われてましたからね。サブレさんが戦ってくれて良かったですよ」

 

サブレ「ガルルルル!!(てめぇ。遠回しに俺が弱いと言っているように聞こえるぜ)」

 

文「あやややや!まったくその気はないですよ!ああっ!顔にヘバリ付かないで下さい!髪の毛をむしろうとしないでぇぇぇぇ!」

 

プゥ~……

 

文「………天狗が下手に出ていれば調子に乗りましたね…もう怒りました。ちょっとお話しましょうか!」

 

サブレ「ワゥワゥ!(やなこった!おい、博麗!こいつをやっちまいな!)」

 

俺は博麗の肩にしがみつき、怒れる射命丸の盾にした。

 

霊夢「ちょっと!私を盾にしないでよ!ああ見えて文はかなり強いんだから!文も冷静になって!」

 

ほれ逃げろ逃げろぉ!

霊夢は体を縦横無尽に這う俺を捕まえようと手を回すが、無駄だぜ!

射命丸からはともかく、おめえに捕まるサブレ様じゃあないぜ!

 

霊夢「やめてよ文!こんなところで無駄に霊力を使いたくないんだから!サブレも私から離れなさぁい!」

 

魔理沙「生まれ変わって人懐こい犬種に変わっても、イギーはやっぱりイギーって事なんだぜ!」

 

慧音「おなら犬って記事で幻想郷の話題になりそうだな」

 

承太郎「まったくだ…。ある意味で怒らせた射命丸から上手く逃げまどっているあの犬、前世同様にただ者じゃあねぇな。ある意味で…だが」

 

静「次におじさんは「安定のイギーで安心した…と言ったところか…ヤレヤレだ…」という」

 

空条「安定のイギーで安心した…と言ったところか…ヤレヤレだ…ハッ!」

 

承太郎「うぜぇ……性格の悪い奴らで大変だな。博士」

 

空条「まったくだ…ヤレヤレだ」

 

ルーミア(闇を操る程度の能力)…再起不能(リタイア)

 

←To be continued




今回は短いですがここまでです。

サブレ&射命丸回でした。

設定上、射命丸はかなり強いですからね。
下手に戦わせるよりかは、イギーをサポートする方向で戦って貰いました。
一方でルーミアは妖怪の中でも弱い部類に入るのですが、少し弱くし過ぎた気も…
まぁ、視界を遮ったところでサブレや射命丸には無意味な行為でした…という事で。

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