side比企谷八幡
咲夜「あなたは…?」
空条「空条承太郎。そこの承太郎から言わせると…オリジナル空条承太郎や初代空条承太郎らしい」
咲夜「オリジナル空条承太郎……まさかあの架空の漫画の存在が目の前に現れるなんて……承太郎、まさかあのスタンドを使ったのですか?」
八幡「ボヘミアン・ラプソディーは使っていない。俺達は平行世界からやって来た。『ジョジョの奇妙な冒険』が現実に存在する世界からな。まぁ、この承太郎もその末裔らしいが…」
咲夜「あなた、承太郎ではありませんね?」
八幡「俺は比企谷八幡。訳あって空条承太郎の肉体に入り込んだお前らの言うオリジナル空条承太郎の世界からやって来たスタンド使いだ。今は少しだけ承太郎の体を借りている」
俺と承太郎は少しずつ咲夜と距離を詰める。
空条「お前が時を止められる事はわかった。ならば、お前の相手をするのは俺達だ」
咲夜「良いでしょう。承太郎本人ならともかく、あなた方に負ける私ではないことをお見せしましょう。『咲夜の世界』!」
十六夜は時を止め再びナイフをばら蒔いて来る。
咲夜「五秒前…」
更に俺達に向けてナイフを投げてくる十六夜。
咲夜「1秒前…ゼロ…そして時は動き出す」
……ってなるわけがないだろ。
お前さ、自分の能力の元ネタを知らんのか!?(メタぁ)
咲夜「おかしい。時が動き出さない…それどころか、私まで動けない…」
空条「時が動き出す直前で俺が時間を止めた。スター・プラチナ・ザ・ワールド。奇しくもお前の能力と同じ名前だ。ヤレヤレだ。時を止めるポーズまで野郎と同じとはな」
S・P「オラオラオラオラオラオラオラ!」
承太郎博士は自分にあたるナイフだけをオラオララッシュで弾き、十六夜の技を無効化にする。
空条「どんな気分だ?十六夜咲夜…動けねえのに正面から近づかれる気分ってのはたとえると…水の中に1分しか潜ってられない男が…限界1分目にやっと水面で呼吸しようとした瞬間!グイイイ…と上から頭を押さえられて水面に上がれない気分に似てるってえのは…」
咲夜「く……この承太郎も時を止める能力を…」
空条「俺はこれしか能が無くてな……だが、それしかない分、お前よりも時を止める事は効率よくやれるつもりだ。3秒前」
承太郎博士は俺と自分に向かうナイフを全てスター・プラチナで弾き飛ばす。
S・P「オラオラオラオラオラオラオラ!」
承太郎博士が止められる時は約五秒。
奇しくも十六夜が止められる時間とほぼ同じ。
承太郎博士が止めた五秒ですべてのナイフが弾き飛ばされた。
空条「1秒前。これでお前の攻撃は全て無効化した」
咲夜「でも、これで五分と五分……次はもっと上手くやれれば…」
空条「次があればな…ゼロ…そして時は動き出す」
咲夜「これでイーブンですね。『次』はやはり訪れましたね?」
と、思うだろ?
八幡「ザ・ジェムストーン・ザ・ワールド!」
咲夜「なっ!まさか…」
八幡「十六夜。お前はこれから自分の能力の元となった力を味わうことになる」
こいつは自らの能力をこう言った。
昨夜の
八幡「お前は何故、時を止める能力に
咲夜「時を止める能力は昔から世界と名付けるのが一般的なもの。時を操る力は世界を支配する…それを過去の異人は言っていた…その力の持ち主は…」
八幡「DIO……ディオ・ブランドー…ディオのスタンドのザ・ワールドが時を止める能力=世界を支配する力と言われる所以だ」
咲夜「スタンド能力…はっ!まさか!」
ようやく気が付いたか!間抜けめ!
八幡「そうだ!この比企谷八幡はディオの転生!このザ・ジェムストーンはザ・ワールドともう一つのスタンドが合わさったスタンド!言わばこのザ・ジェムストーンはザ・ワールドそのもの!お前は自分の能力を
咲夜「本家本元のザ・ワールド…」
八幡「俺のザ・ジェムストーンが止められる時は8秒。7秒前…。お前は7秒の時の攻撃に耐える事は出来るかな?弾幕ごっこというルールの中で、律儀にこの比企谷八幡の前世、ディオの戦術をやってきたが、所詮はこのザ・ワールドの二番煎じの戦術に過ぎん!所詮は猿真似よ!モンキーなんだよぉぉぉぉ!無駄ぁ!これが俺の弾幕だ!」
ザ・ジェムストーンの右手をハーミット・アメジストに変えて十六夜に巻き付ける。
俺の弾幕…それは波紋だ!
八幡「波紋という弾幕を使う以上は弾幕ごっこのルールに抵触するまい!それが時を止めていようがいまいが!抵触しようとこの比企谷八幡には全く関係が無いがなぁ!コオォォォォォ…」
空条「相変わらずの性格の悪さだ…ルールの範囲のグレーゾーン……しかもほとんどブラックに近い位置の理屈をこねやがる…ヤレヤレだ」
承太郎『いや、ほとんどアウトだろ…こいつの場合は屁理屈をさぞ自分が正しいように正当化するだろうがな。しかもなんて波紋の量だ…吸血鬼はおろか、生身の人間でも溶けるレベル…生身でも相当強いじゃあないか』
お前ほど多芸じゃあないし、生身の力は波紋を全開にした俺に匹敵するくらいあるくせによく言う。
俺はスタンドと波紋しか無かったからな。吸血鬼の力は失っているし、再生能力もない。
だから波紋とスタンド、それに戦術を鍛えてきた。
性格が悪いと言われようと、能力にあぐらをかけるほど俺は強くない。
だから弄する。戦術を…屁理屈を…卑怯と言われようと絶対に負けてはならない戦いに勝つためならば何でもする。それが比企谷八幡だ!
例え罵られようと、例え蔑まれようと、本物を守る為ならば、俺は喜んで悪魔以上に悪魔になってやる。
それが俺の覚悟だ!
だから食らえ…俺の覚悟の
八幡「じじい直伝!
G・S「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!無駄ぁ!」
バリバリバリバリバリバリバリバリ!
咲夜「キャアアアアアアア!」
7秒間……吸血鬼はおろか、人間ですら耐える事は難しい波紋が十六夜を襲う。
八幡「そして時は動き出す…」
ドバァァァァァァン!
十六夜は弾かれ、そのまま壁に叩きつけられる。そしてそのまま動かなくなった。
承太郎『殺したのか……?咲夜を』
まさか。十六夜は使命を全うしただけのただのメイド。異変の本人じゃあない。
それに、こいつの目を見ればわかる。こいつも黄金の精神を持つひとかどの戦士。そんな奴を殺すなんて惜しい真似はしない。
八幡「殺してはいない。ただ、気絶させただけだ。とはいえ、幻想郷の戦士は誰もが化け物みたいに強いから、力加減は難しかったがな」
承太郎『ヤレヤレだぜ。勢い的に本気で殺すかと思ったぜ。もし咲夜を殺していたら、俺はお前を許さなかったところだ』
それは悪かったな。
だが、幻想郷の戦士は本当に強い。この十六夜も例外ではない。だから、力だけは本気を出した。
八幡「返すぞ、体を」
俺はそう言って承太郎のボディ・ジャックを解除する。
空条「残るはレミリア・スカーレットだけか…」
承太郎「……だと良いがな……」
二人の承太郎はそう言いながら階段を登っていく。
しかし、何かが引っ掛かる…承太郎の意識から俺はそう感じ取った…。
順調すぎる。
承太郎はそこに疑問を持っていた。何がここから待つというのだろうか…。
一抹の不安を感じずにはいられなかった。
十六夜咲夜(時を操る程度の能力)…
←To be continued
はい、今回はここまでです。
残るはレミリア・スカーレットのみ!
それでは次回もよろしくお願いいたします!
………あれ?