やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

215 / 731
八幡が非常に残酷になります。

苦手な方はブラウザバックを願います。


悪意の集合体

side比企谷八幡

 

さて、見させてもらおうか。フランドール・スカーレットという少女が狂ってしまった理由を。

俺は倒れたスカーレット妹のところへ歩く。

 

空条「終わったのか?八幡」

 

八幡「多分…な」

 

俺はジョジョに目配せする。ジョジョは頷き、スカーレット妹が妙な動きをすればすぐに攻撃できる体勢を取る。

相手がスタンド使いではない人間ならヘブンズ・ドアーを食らわせれば気絶して本になる。

スタンド使いの人間なら意識は失わないが身動きは出来なくなる。

だが、悪魔は…吸血鬼はわからない。もしかしたら気絶した振りかも知れない。俺達もよくやるからな。

だからジョジョに協力をあおいだ。

 

レミリア「何をするつもり?フランに何かしたら許さないわよ」

 

スカーレット姉が体を回復させ、こちらを警戒する。

 

八幡「安心しろ。承太郎2号の話だとこいつはもう狂うはずがなかったんだろ?なのに狂った…。何か外的要因だったのかわからんが、それとも単純にまた狂っただけなのか…。その原因を探るだけだ。ヘブンズ・ドアーはその者の記憶や出来事を資料にして読むことができる。スカーレット妹の身に何が起きたのか調べる」

 

レミリア「………お願い。だけど、酷いことはしないでちょうだい」

 

八幡「そのつもりがあったなら、最初から太陽(サン)を使ってサクッと終わらせている。お前達がやっていることは不本意ではない。そう思っていたからやらなかった」

 

霊夢「見抜いていたの?」

 

まぁな。

 

空条「お前達の従者が不思議がっていたからな。あれほどの者達がお前達を慕っているんだ。何かどうしようもない理由があるのだろうとは思っていた」

 

ポルナレフ「そうでなければこの外道がサクッと終らせる手段があるのにそうしない理由がないからな」

 

三浦「ヒキオは外道ではあるけど人の心がわからない訳じゃあないし」

 

海老名「わかる上で外道に走る人ではあるけどね」

 

ミドラー「腐れ外道が相手だと遠慮なくなるけど。時々敵に同情したくなるくらい。さっきの催眠術なんてまさにそれだよ。一生懸命戦ってる敵を罠にかけて一人相撲させて、それを楽しみながらコーヒーを飲んでる時があるんだよ」(第2章運命の車輪(ホイール・オブ・フォーチュン)戦参照)

 

魔理沙「うわぁ……外道だ……」

 

放っておいてくれ。それが俺だ。

 

承太郎『お前……流石にそれはどうかと思うぞ?』

 

ワハハハハ。そうでもしなけりゃ被害を受けるじゃあないか。俺はお前ほど強くはないんだよ。

足りない強さは工夫で何とかするさ。

さてさて…。

俺はスカーレット妹の記憶を見る。

 

八幡「これは……」

 

空条「どうした?八幡」

 

八幡「なぁ。八雲紫…っていうのはこの幻想郷の神ともいえる存在だよな?」

 

霊夢「ええ。紫がどうしたの?」

 

八幡「スカーレット妹が狂ったのは…八雲紫が絡んでいる可能性が高い。いや、その八雲さえも…」

 

承太郎『何だと!?紫がっ!?』

 

紅霧異変でさえ序章に過ぎないのか…。

これは少し長引くかもな…。

俺は承太郎の上着のポケットからペンを取り出してスカーレット妹の狂わされている項目を塗りつぶす。

 

八幡「これでスカーレット妹の異変は終わったはずだ。大変だったな。スカーレット姉」

 

俺はスカーレット妹にかかっているヘブンズ・ドアーの能力を解いた。

 

八幡「ありがとうございます。露伴先生。それに、ブラッドも…お前の能力が無ければ円満に終わらなかったかもな」

 

ブラッド『え?ぼ、僕にお礼?』

 

ブラッドが心の中で号泣している。

お前の扱いが普段から散々な事であるのだけはわかった。まぁ、普段から録な事をしていないせいもあるだろうが。

だが、大したスタンドだ。

それに、ブラッドの存在が案外承太郎の精神安定剤なのかも知れない。

何かと承太郎のストレスの原因となっているような言われ方をされているが、もしかしたらブラッドはそういうやり取りをし、そして敢えてひどい目に遭っている。承太郎の心を安定させる為に…。

もしそうなら大した本体思いのスタンドじゃあないか。

 

ブラッド『そういう見方をされたのは初めてですね』

 

ブラッドはそういっておどける。

まぁ、どっちでも良い。ブラッドの本音がなんであれ、それが良好な関係を築く要因となっているなら外野がとやかく言うものではない。

とりあえず、戦いは一先ず終わった。

悪霊は引っ込むとしよう。

もうひとつやることがあるしな。

 

 

side静・ジョースター

 

フランドール「う~ん……お兄ちゃん?」

 

承太郎「ああ、俺だ。フラン。大丈夫か?」

 

フランドール「う、うん……。あの怖いお兄ちゃんは?」

 

ハッチ。どうやら嫌われたみたいだよ?

まぁ、ハッチは動物やけーちゃん以外の子供からは嫌われるタイプだからなぁ。

 

 

承太郎「八幡は眠った。さっきの俺のようにな。悪かったな。怖い思いをさせてしまって」

 

フランドール「ううん。怖かったけど……でも、あの怖いお兄ちゃんもフランを助けてくれたことだけはわかる。性格は悪いけど」

 

まぁ、ハッチの性格が良いなんて話は聞いたことがないからそれは妥当な評価だと思う。

 

承太郎「レミリア。これで紅霧異変を続ける意味はなくなったな。紅の霧を解いてくれないか?」

 

レミリア「解くからサンを使うのはやめてね?」

 

承太郎「やらないから安心しろ。八幡も脅しくらいで本気でやる気はなかったみたいだしな」

 

だろうね。本気なら最初からハッチはやっているし。、だけど、フランドールちゃんを狂わせたこの世界の神、それをも狂わせた相手は誰なんだろう?

 

慧音「まさかな…」

 

文「多分、そうでしょうね。かつて承太郎さんにやられた妖怪の集団。その悪霊の集合体ならば納得がいきますから」

 

承太郎「だが、それだけじゃあない気がする」

 

魔理沙「取り敢えず、今夜は遅いしもう寝ようぜ」

 

霊夢「そうね。ここから博麗神社は遠いし、レミリア。紅魔館で一泊して良いかしら?」

 

空条「そうだな。ここから博麗神社まで帰ってしたのでは世を徹する事になる」

 

海老名「BL本の締め切りならば徹夜をするのは当たり前なんだけどね」

 

三浦「こんな時にまで安定の海老名だし。擬態しろし」

 

ミドラー「幻想郷の戦士は女の子ばかりだからBL要素が少なくて無理矢理ネタをやるしか無いんじゃあないのかい?」

 

ポルナレフ「花京院…性格が変わりすぎだろ」

 

レミリア「良いわよ。フランを助けてくれたお礼も兼ねて、今夜は泊まっていって。それに、承太郎の使命の1つには異変を起こした相手の場所に一週間寝食を共にする義務があるわ」

 

フランドール「わーい!お兄ちゃん、一緒に寝よう♪」

 

霊夢「むぅぅぅぅ……」

 

あ、博麗がむくれてる。案外独占欲が強いみたいね。

 

承太郎「やれやれだぜ」

 

空条「頑張れよ。承太郎」

 

 

side比企谷八幡

 

承太郎2号の精神の世界では2号の裏の人格が首だけの姿で転がっていた。

具体的に何をしたかは明言しない。

ムフフ♪な方向じゃあない意味でのR-18のタグが必要になるくらいのエグい事が起きた…とだけ明らかにしておく。

 

裏承太郎「チクショウ…何デ俺ガ転ガサレテルンダ!正々堂々と勝負シテ殺サレロ!」

 

こいつはことあるごとに殺すだの死ねだの言ってくる。

まるでガキだ。

 

八幡「ダメダメダメダメ。今はお前は俺にやられるためだけに存在しているだけに過ぎない。大体、お前には覚悟がない。覚悟がない奴に負ける俺じゃあない」

 

裏承太郎「覚悟ダト?」

 

八幡「そう、覚悟だ。お前は人を殺す覚悟を持ってないままに人を殺した。無様にわめくその姿が良い証拠だ。人を殺すからには、逆に自分が殺される危険性を常にあるという覚悟を持ってなければならない。それがお前にはない。醜い下衆。それがお前だ」

 

俺は裏承太郎の魂の生首を思いっきり踏みつける。

 

裏承太郎「コンナコトをしてタダですむと…」

 

八幡「サッカーボールがしゃべってるんじゃあねえ!」

 

俺とジョナサン×2とDIO×2の五人がかりで生首をストンPingする。

 

ガスガスガスガスガスガス!

 

裏承太郎「酷イヨ…卑怯モノ…ワナにハメルなんて…」

 

八幡「あっそ。罠に気付かなかったお前が悪い。今お前が生首になっているのはお前のせい。サッカーボールを蹴る権利は俺達にある。そうなったのはお前の頭が悪いからだ。悪いのはお前。下衆なバカは死ぬべき。そうは思わないか?輝かしい未来を持つ何百という数のやつらをお前はエゴだけで殺したんだろ?ならば今度は俺のエゴでお前は殺される。お前には人権も拒否権もましてや発言権もない」

 

グシャッ!

 

俺は裏承太郎…承太郎の殺意が産み出したクズの頭をより強く踏む。

 

八幡「ブラッド」

 

ブラッド「はいはーい」

 

八幡「マジシャンズ・レッドでこいつの頭のしただけ電熱コンロのようにじわじわ熱してくれ」

 

ブラッド「了解。しかしエグい処刑法を。どっちが外道かわからないですね?」

 

八幡「関係ない。やれ」

 

ブラッドはやれやれと言わんばかりにかぶりをふって俺の指示するようにじわじわと頭の下を加熱する。

 

裏承太郎「ギャアアアアアア!」

 

八幡「うるさい。黙れ」

 

俺は生首をひっくり返し、顔面から焼く。

 

八幡「安易に人を殺した報いだ。今度は残酷に自分が殺される側に立って殺されると言うことをじわじわと味わうんだな」

 

裏承太郎「…………」

 

顔面から焼かれ、既に喋ることが出来ない裏承太郎。

 

八幡「お前は承太郎の持つ身体能力が無ければ何も出来ないクズ。頭が悪いカス。誰よりも最下層の奴の癖に上層にいる奴を見下した無礼者。自分を知れ。お前に喋る価値はおろか生きる価値もない」

 

次にこいつが目覚めた時、どうなるかはわからない。だが、今は徹底的にこいつの心を抉る。

承太郎2号は幻想郷の守り人であるが、こいつの存在がある限りは異変の原因となりかねない。だから心を潰す。廃人にしてやる。二度と目覚めたくない。人を殺そうとすればこの光景を思い出すように徹底的に。

俺が世話を焼くのはここまでだ。今度こいつが目覚めるような事態になったときは自分で対処しろ。

徹底的に心を破壊され、ついに消える裏承太郎。

 

八幡「覚悟するものは美しい。逆にお前は何よりも醜い奴だった。二度と目覚めるなよ」

 

ブラッド「容赦ないですね。どっちが悪かわかりませんよ」

 

俺は自分を正義と思ったことなど一度とてない。

むしろ、邪悪の化身だ。

ならば自分の気に入らない相手にはとことん徹底した邪悪の化身となろう。

八雲紫。

自分が呼んだ存在がどういった存在か知れ。

そして思い知らせてやる。

この邪悪の化身…比企谷八幡がな。

 

 

side 八雲紫(八幡世界)

 

比企谷八幡は私にたどり着いたのね。

だけど、そこからよ。真の異変に到達するのは…その世界の私を操っている悪霊の集合体…。

そこにたどり着けるのか…。見物だわ。

せいぜい頑張ることね。比企谷八幡、静・ジョースター、そして二人の空条承太郎…。

 

←To be continued




今回はここまでです。

次回からは妖々夢編へと突入します。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。