やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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評価を頂きありがとうございます。・゜゜(ノД`)

もう少し頑張れそうです!

それではプリズムリバー三姉妹戦をどうぞ。


今昔幻想郷と女教皇と騒霊の三姉妹

sideミドラー

 

空条「野郎…黒幕め…どこまで俺の仲間を傷つければ気が済みやがる…」

 

博士の方の承太郎が今にも切れそうな感じで歯噛みしている。

さっき、優美子の霊力が格段に弱まるのを感じた。

本気の幻想郷の敵はあまりにも強い。

あたしたちでは手に余るのがわかる。

 

ミドラー「それは黒幕まで待ってな。承太郎」

 

あたし達は雲の上にまで上がり、そして…

黒く、モヤモヤしたブラックホールみたいなものが見えて来た。

あそこが目的地かい。

下の方で戦っているみんな。待ってな。

すぐに異変を終わらせてあげるから…。

 

霊夢「あそこが冥界の門よ。突入するわ!」

 

咲夜「待って下さい。誰かが出てきます」

 

十六夜が指を指す方向に目を向けると、いろはのようにあま色のセミロングの髪に、黒い翼を持ち、白い衣装と帽子を被った妖精らしき者がボロボロの状態で出てきた。

 

霊夢「あれは……春を告げる妖精のリリーホワイト!」

 

霊夢が急いでリリーホワイトという妖精の元まで飛んでいく。

リリーホワイトは傷だらけの姿で逃げてきたという感じでヨロヨロと浮いている。

 

リリー「うう……助けて……プリズムリバー三姉妹が…いきなり襲ってきて……このままじゃ…幻想郷は永遠の冬に…」

 

静「コォォォォ…はっ!」

 

静が治癒の波紋をリリーホワイトに流して怪我を緩和させる。

 

静「楽になった?」

 

リリー「うん……少しは…ありがとうございます!お姉ちゃん!」

 

承太郎「早く逃げろ。リリーホワイト」

 

リリー「は、はいっ!」

 

承太郎の言葉を受けてリリーホワイトは慌てて逃げ出した。

 

静「妖精は死んでも一瞬で…または数日で復活するって言うけれど、あんな天真爛漫そうな子が死ぬのを見るのは後味が悪いからね。それよりも…」

 

承太郎「ああ…先を急いでいるのにまたも敵の刺客が来ているようだ…」

 

リリーホワイトが言っていたプリズムリバー三姉妹というやつらかねぇ。

でも、ここで足止めを食らう訳には行かない。

 

ミドラー「今度はあたしが残る番かねぇ」

 

空条「ミドラー!お前まで…」

 

承太郎博士はあたしを止めようとする。

だけどね…。

 

ミドラー「バカッ!目的を忘れるんじゃあないよ!八幡を助けるんじゃあないのかい!?少しでも強い奴が先に進まなくてどうするんだい!異変を終わらすにはそれが一番だって、あんただってわかっているんだろう!?」

 

あたしは承太郎博士をどやす。

姫菜、サブレ、優美子…三人はそれがわかっているからこそあたし達を先に行かせた。

今は時間が惜しい。三姉妹というからには敵は三人。

このメンバーの中で一番散って良い存在はあたしだ。

 

ミドラー「あたしは元々あんた達の敵だった。今は仲間でも、約30年前にあたしはあんたらの命を自分の意思で本気で狙っていた。これはその時の罪滅ぼしだよ」

 

いくら仲良くなったとしてもこの過去は変えられない。

あたしはずっと引っ掛かっていたんだ。

DIO様だった八幡程では無いにしても、ずっと罪の意識に苛まされていた。

その罪を今、償う時だ。

 

空条「…ミドラー……お前の覚悟は受け取った…だが、八幡のように…覚悟の意味を履き違えるな」

 

ミドラー「わかってる!行くよ!」

 

あたしは冥界の門に近付く。すると、弦楽器、管楽器、鍵盤楽器の音と共にあたしに向かって弾幕が飛んでくる。

 

ミドラー「ハイプリエステス!」

 

あたしはハイプリエステスをシールドにして弾幕をガードする。

3方向から飛んできた方向にそれぞれ目を向けるとヴァイオリンのような弦楽器を持った金髪の黒服、トランペットのような管楽器を持った紫髪の薄桃の服、小型のピアノのような鍵盤楽器を持った茶髪の赤服に身を包んだ幽霊が黒いしょう気を纏わせて浮いている。

 

弦楽器「私はルナサ・プリズムリバー……」

 

管楽器「私はメルラン・プリズムリバー!」

 

鍵盤楽器「私はリリカ・プリズムリバー」

 

三者三様に名乗る姉妹。

暗いのと明るいのと腹黒そうなのと…。

とりあえず、早く承太郎達を行かせる為にもあたしは弦楽器のルナサに盾ごと突進する。

 

ルナサ「あうっ!」

 

シールドバッシュ。それに押されたルナサ・プリズムリバーはぶっ飛び、門の守りが崩れる。

 

ミドラー「あんたらもどきな!」

 

あたしはハイプリエステスの盾の縁を刃に変えて残る二人にフリスビーのように投げる。

二人の幽霊は盾から回避するように門から離れる。今だ!

 

ミドラー「行きな!みんな!」

 

承太郎「死ぬんじゃあないぞ!ミドラーさん!」

 

プリズムリバー三姉妹の守りが無くなった隙にあたしは門の前を陣取り、全員を行かせる。

さて、目的は果たした。後はこいつらをここで足止めするのがあたしの仕事だ!

 

リリカ「やってくれるね。狡猾じゃないのさ。おばさん」

 

挑発のつもりかい?やっぱりガキだねぇ。

 

ミドラー「ハッ!伊達に歳をくっちゃいないってわけさね!来なよ小娘たち!乳臭い小娘たち三人ていど、あたしが軽くもんでやるさね!」

 

これが挑発ってやつさ。

 

ルナサ「……言ってくれるじゃない…おばさん。私の楽器の音を聞いても無事でいられるかしら?」

 

ルナサ・プリズムリバーが手を使わずにバイオリンを奏でる。それが能力かい!

それにこの音は…気分が段々萎んでくる…。

この音はスタンド能力と同じ…。聞いていたらどんどん鬱になってくる。

 

ミドラー「く……モード、ラスト・ノート!」

 

ジョセフのジジイや小町から聞いた相模南のラスト・ノートはやる気をそぐスタンド能力…。

だったら気分を高揚させる躍りを踊れば良い。

 

メルラン「だったらこれよ!」

 

今度はメルラン・プリズムリバーが逆の気分にさせる演奏をしてくる。

 

ミドラー「モード、リーシャウロン・アクアマリン!」

 

川崎京華の気分をおおらかにする能力。それに対するは気分を落ち着かせ、ゆっくりと…それでいて荘厳にさせるダンスを踊る。

 

リリカ「だったらこれでどう?」

 

更にリリカ・プリズムリバーが演奏を奏でてくる。

今度はどんな能力だい!逆の気分にさせる躍りを踊れば…あれ?普通だ。それどころか前の二人の音を見事に調和させている。

いいねぇ、乗ってきたよ!

洋楽とアラビアンダンスのセッション!悪くないじゃあないか!

 

あたしはハイプリエステスを剣に、投げナイフに、元の盾にと形を変えて攻撃しながら踊る。

 

リリカ「あ、あれ?」

 

メルラン「リリカのバカー!調和しちゃって敵の動きを良くしてどうするの!」

 

ルナサ「無個性……」

 

リリカ「ぐはぁっ!」

 

良いよ!このまま釘つけになりな!

あたしが出来る限界まで時間を稼いでやるのさ!

 

リリカ「ええーい!だったらこのまま直接攻撃だぁ!」

 

ルナサ「…小細工せずに最初からそうすれば良かったんだよ…」

 

姉妹「合葬・プリズムコンチャルト!」

 

姉妹がフォーメーションをとり、次々と弾幕を射ってくる!

息のつく暇のない攻撃は、回避できる隙間がない。

あたしはハイプリエステスを鎧に変えてガードして何とか耐える。

だけど、ハイプリエステスの鎧とて結局はあたしのスタンド。固くなっているとはいえ、ダメージが入ればあたしにもダメージが通ってしまう。

 

ミドラー「うぐぅぅぅぅぅ!」

 

姉妹「このまま倒れてしまえ!おばさん!」

 

絶え間なく襲ってくる弾幕。

反撃の糸口さえ見つからない!

ここで終わるのかい?

いくら捨て石の気持ちでここに立っているとはいえ、あたしは足止めすら満足に出来ないで…。

ダメだ…限界が…。

 

??「花符・幻想郷の開花」

 

三姉妹の背後をつく色とりどりの弾幕が三姉妹を襲う。

 

姉妹「キャアアアア!誰!?邪魔をするのは!」

 

本当に誰だろう…。あたしを助けてくれたのは…。

 

幽香「遅くなって済まない。助けに来たわ。ミドラーさん」

 

風見幽香…。

美味しいタイミングで来てくれた…。

 

幽香「ただの人間なのに、三人相手に良く耐えたわね。尊敬するわ。人間も捨てたものではないわね」

 

ミドラー「勝手に終わらすんじゃあないよ!あたしの躍りはこれからさ!」

 

あたしはハイプリエステスを拳銃に変えて再度踊り出す。

あたしはダンサーだ。

怪我をしていても…いや、怪我をしているからこそそれを顔に出さず、躍りの曲調に合わせて優雅に…そして激しく踊る!それがプロのダンサーさ!

幻想郷の戦士のように色とりどりの綺麗な弾幕はあたしには張れない!

でも、代わりに躍りで華やかさを出して見せる!

 

ルナサ「綺麗…血だらけで痛々しいのに…それでも鬱なんか感じさせない情熱的な躍り…」

 

メルラン「激しく…それでいて優雅で…」

 

リリカ「静から動…動から静…年齢なんて関係ない…一人で調和された完璧な舞い…それがミドラーの躍り…本当のプロの舞い…」

 

幽香「美しい…まるで花を見ているような躍り。優美とはああいう物を言うのか…」

 

花は美しいだけじゃあないんだよ。

美しい花にはトゲがあるものさ…。

ホルホース…技を借りるよ。

 

ミドラー「モード、皇帝(エンペラー)

 

ホルホースの銃のスタンド、エンペラー。

それを元にハイプリエステスの弾丸を発射する。

体調は最悪。だけど、そういう時こそスタンド使いは工夫するのさ!

 

タンタンタンタン!

 

銃弾が三姉妹を襲う。

基礎能力が高い幻想郷の戦士に弾丸程度は通用しないだろう。だけど、躍りで注意力が散漫になっているあんたたちを驚かせるには十分だろうさね!

仕上げは頼んだよ!風見幽香!

 

幽香「美しい躍りの返礼よ。代わり映えしなくて申し訳ないけれど、もう一発行くわ。花符・幻想郷の開花!今度はフルパワーで行くわ!」

 

幽香は今度はあたしが見惚れる程の花のような弾幕を三姉妹に発射する。

 

姉妹「しまった!隙だらけに…キャアアアア!」

 

弾幕を受けた三姉妹は気を失い(幽霊が気絶と言うのもおかしな話だけれども)、ふわふわとその場に漂った。

その体からはドス黒いしょう気が消えている。

終わった…ネーナ…ンドゥール…あたしは勝てた…よ…。

もうダメだ。血を流しすぎた…意識が…。

 

幽香「おっと。落ちたらダメよ?ミドラーさん。私の妖気を分けてあげるから、門の中まで頑張って。中になら足場があるから」

 

幽香はあたしに妖気を分け、肩を貸してくれた。

 

幽香「本当に不思議なおばさんだよ。まるで蘭のように美しく、そして厳かで…」

 

ミドラー「あたしは蘭のようにすぐにはかれないよ。まだまだ現役で踊るさ…くぅ!」

 

さすがに無理をしすぎたかねぇ。

承太郎のようにスマートにいかないものだ。

 

三浦「ミドラー!」

 

海老名「ミドラーさん!」

 

下から雲を突き抜けて優美子と姫菜が飛んでくる。

二人で肩を支えながらボロボロの状態で飛んできた。

無理したんだねぇ。あたしも人の事は言えないけどさ。

 

ルナサ「ハッ!」

 

メルラン「私達は…」

 

リリカ「あの男にやられて…」

 

三姉妹が正気を取り戻して目をさました。

 

ルナサ「…助けてくれたのね…」

 

メルラン「ありがとうございます!」

 

リリカ「あんのゲス男!よくも!」

 

三姉妹は徐々に姿を薄くする。

 

ルナサ「…もう、霊力が限界…」

 

メルラン「あの男への仕返しはあなた達に譲ります」

 

リリカ「ミドラーさんの躍りも、風見さんのお花も美しかったです。私達もいつかは音楽であの領域に到達したい…」

 

ルナサ「また…幻想郷に来て…今度は芸術で勝負する」

 

メルラン「霊力を回復させるために一時的に私達は消えますが、あなた達の健闘を祈ります」

 

リリカ「またね!ミドラーさん!また躍りを見せてね!」

 

プリズムリバー三姉妹は笑顔で消えていった。

ありがとう…美しいと言ってくれて…。

ダンサーにとっては最高の賛辞だよ。

 

ミドラー「行こうか…決戦の地へ」

 

幽香「ええ。最後の戦いは近いわ…」

 

あたし達は冥界への門を潜った…。

もうすぐだよ八幡。

この幻想郷の異変を終わらせて帰るんだ!

あんたにとっての幻想郷(千葉)へ!

 

リリーホワイト(春を告げる程度の能力)…撤退。再起可能。

 

ルナサ・プリズムリバー(鬱の音を奏でる程度の能力)…再起不能(リタイア)。霊力回復の為に眠りに就く。

 

メルラン・プリズムリバー(そうの音を奏でる程度の能力)…再起不能(リタイア)。霊力回復の為に眠りに就く。

 

ルナサ・プリズムリバー(幻想の音を奏でる程度の能力)…再起不能(リタイア)。霊力回復の為に眠りに就く。

 

ミドラー(ハイプリエステス)…再起不能(リタイア)しかけるが幽香から妖力をもらい、戦闘継続可能。

 

←To be continued




今回はここまでです。

アラフィフのダンスマスター、ミドラーの活躍はいかがでしたか?

次回からは冥界の戦いに突入します。
残る敵は妖夢、幽々子、藍、紫…そして黒幕の○○○。

幻想郷のスターダスト・クルセイダーズもいよいよ佳境に入ります!

それでは次回もよろしくお願いいたします!

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