やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

224 / 731
第4章ー3のラストバトルです。


幻想郷の守護軍と星屑十字軍

side静・ジョースター

 

西行寺幽々子を倒した私達。

次の瞬間にはあの隙間が開き、中から承太郎おじさん達が出てきた。

同時にボロボロになりながらも私達をここに送り出すために残って戦っていた人達も到着した。

 

承太郎「粗方の敵は倒したみたいだな。静・ジョースター」

 

静「ええ。後は奴だけだね」

 

私が言うと、フラフラの三浦が承太郎さんに詰め寄る。

 

三浦「ヒキオは!?ヒキオ出て来いし!異変の原因がザ・ジェムストーンって何だし!」

 

霊夢「異変の原因がザ・ジェムストーン?ザ・ジェムストーンって八幡のスタンドよね?八幡が異変の原因?」

 

海老名「ヒキタニ君が邪悪に目覚めたの!?」

 

異変の原因がザ・ジェムストーン?

ああ、そう言うことか。

 

空条「三浦、良い知らせが一つと悪い知らせが一つ、もっと悪い知らせが一つあるが、どれから聞きたい?」

 

三浦「そういう場合の良い知らせって大抵悪い知らせへのスパイスだし。一応良い知らせから聞いとく」

 

静「ザ・ジェムストーンはとあるスタンドにそっくりだ。奇しくもそのスタンドも水色。だからハッチが異変の原因じゃあない。そこは安心していいよ」

 

三浦「じゃあヒキオは関係ないんだ。よかったし」

 

魔利沙「じゃあ悪い知らせは?」

 

承太郎「八幡は今、眠っている…いや、そのスタンド使いの影響で起きられないほど魂が衰弱していると言った方が正しい。このままでは消滅の可能性もある」

 

やっぱり……。「eays of heaven事件」でハッチは消耗した状態で奴と戦い、負けた。精神への疲労が半端じゃなかった。

今の欠けたハッチの状態じゃあ奴の影響をはねのけられない…。

 

ミドラー「なんだって!八幡!負けるんじゃあないよ!すぐに助けてあげるからね!」

 

慧音「魂が…私の霊力を分けてあげよう。消滅するなんて許さんからな!何のために姫菜達が来たのかわからかくなる!」

 

慧音さんや文さんが承太郎さんに霊力や妖力を分け与える。少しは足しになれば良いけど…。

そうだね…。早く助けないと…。

でも、勝てるかなぁ…。オーバーヘブンに…。

 

空条「最後のもっと悪い知らせだ。ザ・ジェムストーンにそっくりな水色のスタンドはザ・ワールド・オーバーヘブン。その本体は……天国へ到達したDIO…。この平行世界のDIOは承太郎が倒したようだから、恐らくは何らかの方法で平行世界を渡ってきた別の平行世界のDIOだろう…」

 

ポルナレフ「DIOだと!この世界には3つもDIOがいるってわけか!?」

 

咲夜「伝説のDIO…それが異変の原因…」

 

そう…。私も最初に疑い、そして既にハッチと承太郎さんの中にあるこの世界のDIOの存在から真っ先に否定した可能性…。だけどその勘は当たっていた。

あの世界にだって閣下はいたし、DIOなら幻想郷に入り込む能力を持っていても不思議じゃあない。

 

承太郎「DIO!出て来い!俺のジョースターの血が言っている!貴様、西行妖の力を吸いとったな!」

 

H・DIO「ほぅ……手っ取り早く帰ろうとしたところを吸収してやろうと思っていたが、バレていたか」

 

西行妖と呼ばれる巨大な桜の木の影から水色の肌、長く伸びた金色の髪の毛の男が現れた。

忘れもしない…。

この恐ろしい姿…。

間違いなくオーバーヘブン!

 

H・DIO「この空間の魂はあらかた頂いた。そこの女の魂は使えそうだったから手下にしたが…。もう役立たずだ。私の糧とさせて貰おう」

 

宙に浮かんでいた西行寺幽々子の霊体がDIOに吸収される。

 

H・DIO「ワハハハハハハ!この魂は極上だ!ジョースターの魂に匹敵するくらい馴染む!馴染むぞ!」

 

承太郎「幽々子!テメェ……よくも幽々子を…」

 

空条「承太郎!」

 

承太郎「安心しろ…空条博士。今は完全にコントロール出来ている」

 

殺気のコントロールが出きるようになったんだ。

これで承太郎さんの弱点は無くなった。

だけど、西行寺……。

大丈夫だ…。まだオーバーヘブンの力は使われていない。今ならDIOを倒せば何とかなる!

 

H・DIO「不死身!不老不死!スタンドパワー!オーバーヘブン!このDIOは天国に到達したことにより、この世のどの神にも勝る力を獲たのよ!支配してやるぞ!人間どもよ!」

 

もう……我慢の限界だ。

今すぐ殺そう。勝てるか?じゃあない。

勝つんだ…。あの平行世界の承太郎おじさんのように。

私が一歩踏み出すと、承太郎おじさんが肩を掴んだ。

 

空条「静。お前がかけろ。八幡を救うこの戦い…その最終決戦の尖端を開く掛け声は、八幡の魂の脳を持つお前にこそふさわしい。それに、お前だ…お前こそが今代のジョジョ…七代目ジョジョだ」

 

静「おじさん…。わかりました。今代のジョジョ…正式にお受けします…」

 

現ジョースターの当主に任命されたんだ。

正式に…自分で名乗るのではなく、三代目ジョジョに任命されたジョジョの名を…。私は受け継いだ。

初代ジョジョ。ハッチの前世…ジョナサン・ジョースター。

二代目ジョジョ。パパ…ジョセフ・ジョースター。

三代目ジョジョ。おじさん…空条承太郎。

四代目ジョジョ。お兄ちゃん…東方仗助。

五代目ジョジョ。ジョルノ兄さん…ジョルノ・ジョバァーナ。

六代目ジョジョ。徐倫お姉ちゃん…空条徐倫。

代々の勇者…代々の黄金の精神が受け継いできたこのジョジョという名前…。

それを私は受け継いだ。ジョースターコンプレックスで名乗り始めた(じょう)・ジョースターと名乗り始めたジョジョという名前。

それを正式に(しずか)・ジョースターが七代目として…。

力が心の奥底から沸き上がる!

私は指を高く掲げ、叫ぶ!

 

静「七代目ジョジョ、静・ジョースターが号令します!アーシス、スクランブル!」

 

空条「おう!」

 

ポルナレフ「七代目ジョジョのスクランブル号令か。若い頃を思い出す」

 

三浦「熱い…マジシャンズ・レッドの炎のように!」

 

海老名「傷の痛みなんかどうでも良い…ジョジョがいる…わたしたちの精神的支柱…それがジョジョ!」

 

サブレ「バウバウ!あおぉぉぉぉぉん!(へっ!この号令がここまで熱くなるなんてな!クールな俺がらしくなくなっちまったぜ!)」

 

ミドラー「ジョジョの名前がここまで闘志を沸き上がらせるなんてねぇ。勝てなかったはずだよ!」

 

エンポリオ「みんな!僕の分まで頑張って!七代目ジョジョの初陣に勝利を!」

 

ボロボロのはずなのに…疲れているはずなのにアーシスのみんながスタンドを出して士気を上げる。

私も頑張らないと…。ジョジョの名前に恥じないように!

 

そして…その熱さはこっちにも伝播した。

 

霊夢「承太郎。こっちもお願い」

 

魔理沙「お前はこの幻想郷のジョジョ…なんだぜ」

 

文「誰もが認める幻想郷のジョジョ。それがあなたですよ?承太郎さん」

 

慧音「幻想郷のジョジョ…か。私が記す歴史に刻むのも悪くない」

 

幽香「幻想郷の守り人…最強で優しいお前にこそ、ジョジョの名は相応しい」

 

咲夜「お願いします。私達のジョジョ」

 

これまで戦ってきた幻想郷の仲間達が承太郎さんを焚き付ける。

 

承太郎「ふ……この熱さに何も感じないなんてぇのはジョジョじゃあねぇ。星の末裔じゃあねぇ!俺が何代目のジョジョかはわからん。だから俺はこう名乗ろう。幻想郷の初代ジョジョと!幻想郷のジョジョが号令する!ファンタジー・ガーディアンズ!スクランブル!」

 

承太郎さんが指を掲げて叫ぶ!

号令に対して幻想郷の戦士達が…。ファンタジー・ガーディアンズがスペルカードを構える!

 

霊夢「ええっ!ファンタジー・ガーディアンズ…。幻想郷の守護軍か…。悪くないわね」

 

魔理沙「熱くなってきたんだぜ!これがジョジョ効果か!」

 

文「ファンタジー・ガーディアンズ。良いですねぇ♪これは記事になります!」

 

慧音「歴史にもなる!新たな幻想郷の歴史として私はファンタジー・ガーディアンズを歴史の1頁に加えよう!自分を歴史に含めるのは恥ずかしいがな!」

 

幽香「異世界の特務部隊スピードワゴンとファンタジー・ガーディアンズの混合軍…悪くはないわ」

 

咲夜「お嬢様への土産話が出来ましたね。幻想郷の守り人の軍の中に、私が入れるなんて…。伝説のジョジョと鐙を並べるのがこれほど誇り高いなんて…」

 

そして私と承太郎さんが肩を並べ合い、同時に指を掲げる。

アーシスとファンタジー・ガーディアンズの混合軍。このチームに名付けられた名は…

 

承太郎&静「ファンタジー・スターダスト・クルセイダーズ!スクランブル!」

 

一同「ワアァァァァァァァ!」

 

全員の士気が最高潮に上がる!

 

H・DIO「幻想星屑十字軍だと?下らん!来てみろ!このDIOに対して!ザ・ワールド・オーバーヘブンの前に対して!」

 

うるさいっつーの!

先陣を切ったのはミドラーさんと風見幽香さんだ。

 

ミドラー「あたしの弾幕をくらえ!踊符・女教皇の円月輪!」

 

幽香「ふふふ。色とりどりの複数の小型円月輪の形を花の形のようで綺麗だよ。その花に添えましょう。花符・幻想郷の開花!」

 

二人が咲かせる花の弾幕。

次の攻撃手はサブレと射命丸文だ!

 

サブレ「わんわん!(前世の借りを返してやるぜ!行くぜ射命丸!砂符・サンドウェーブ!)」

 

文「今回ばかりは手加減無しです!幻想風靡!」

 

サブレの砂の波と射命丸の音速の攻撃と弾幕がDIOを襲う!

 

海老名「慧音さん!あれを!緑符・半径20メートルのハイエメラルド・スプラッシュ!」

 

慧音「わかった!あの時のあれだな!日の出ずる国の天子!」

 

次に踊り出たのは海老名姫菜と上白沢慧音さんだ!

海老名と慧音さんの混合弾!

更にファンタジー・スターダスト・クルセイダーズの猛攻は続く。

次はポルナレフさんと十六夜咲夜さんだ!

 

ポルナレフ「いま再びお前を倒す!DIO!騎士符・ラストショット!」

 

咲夜「時符・プライベートスクエア!」

 

シルバー・チャリオッツの剣先が発射され、更にポルナレフさんの霊体が新たな剣先となって次々と発射される!

更に十六夜が時を止めたらしく、DIOの周囲にナイフが出現したDIOに刺さる!

 

三浦「まだまだ終わんねーし!行くよ!魔理沙!炎符・バーニングファイヤー!」

 

魔理沙「魔術師と魔法使いの同時攻撃なんだぜ!恋符・マスタースパーク!」

 

霧生が八卦炉から発射したビームにマジシャンズ・レッドが出した轟火が加わり、炎がクロスした極太ビームが魔貫光○砲のように飛んでいく!

 

霊夢「空条博士!私に合わせて!霊符・夢想封印・散!」

 

空条「なるほど。霊力の炸裂弾を更にスター・プラチナのスピード、パワー、精密性で殴り飛ばす作戦か。考えたな。いつものオラオララッシュだが、幻想郷に倣って敢えて名付けよう。星符・スターブレイカー!オラオラオラオラオラオラ!」

 

霊夢が射った七色の夢想封印を更におじさんがオラオララッシュで更に後押しする。

さすがは夢想封印…凄い威力だ。

 

さぁ、最後は私達だ。

 

静「承太郎さん!波紋を同調させるよ!」

 

承太郎「なるほど。波紋の弾幕か」

 

承太郎&静「コオォォォォォ!」

 

私の波紋を同調した承太郎さん。二人で波紋の弾幕を作る。何でも承太郎さんの霊力の弾幕は破壊力がありすぎて西行妖をも壊しかねなくて使えないのだとか。

強すぎる力も考えものだね。

 

静「星符・水晶波紋!」

 

承太郎「星符・白金波紋!」

 

A・C「ドラララララララララララララ!」

 

S・P・B「オラオラオラオラオラオラオラ!」

 

同調された波紋の弾幕を私達はスタンド加速させて攻撃する!

これだけの大猛攻だ。

いくらザ・ワールド・オーバーヘブンでも…。

そう思っていたが…。

 

H・DIO「ふふふ……フハハハハハハハ!貧弱貧弱ぅぅぅ!七代目ジョジョとか幻想郷最強とか聞いてちょいとばかり驚いたが、実際に試してみてもう問題はない!幻想郷の承太郎よ。この世界のオーバーヘブンは倒したようで随分図に乗っていたようではあるが、このDIOは違う!西行妖の力を吸収したこのザ・ワールド・オーバーヘブンに通用しない!」

 

しまった。真実の上書き!どんなに猛攻を与えてもオーバーヘブンにはやられたという事実を上書きする力がある!

 

承太郎「………」

 

H・DIO「ジョースターの末裔だか何だか知らないが、所詮はジョースターの血統など最終的にはこのDIOに利用されるだけの路傍に転がる石ころに過ぎん!魂の血をこのDIOに捧げろ!ジョースターの末裔!」

 

承太郎「ヤレヤレだ…。お前、別の世界のお前の転生である比企谷八幡に比べたら随分と器が小さいじゃあないか」

 

H・DIO「なにぃ…」

 

……そうだね。このDIOはパワーだとか能力とかに頼りすぎている。

ハッチの戦術優先の戦い方に比べたら器が小さい。

それならば記録に残っているエジプトでのDIOの方がまだ…。

 

承太郎「テメェの転生の性格の悪さには随分とやらせたぜ。いくつ胃薬を無駄にしたかわかったものじゃあねえ。薬代を請求したいまであるってもんだ。おまけにあいつのやる戦い方は小細工ばかりで油断がならねぇ。あいつのやらかす行動は次の瞬間には何が来るかわからん。しかも全部精神的にやって来るからなおたちが悪い。それに比べたらテメェは余りにも能力に頼りすぎている。真実の上書き?魂の力?借り物の力で随分と奢ってくれるじゃあないか」

 

あれ?承太郎さんの目が…普段はおじさんと同じ薄い緑色のはず…なのに黒い?

 

H・DIO「ならば貴様の存在から先に上書きしてやる!魂だけとなってこのDIOの糧となれ!」

 

ザ・ワールド・オーバーヘブンが承太郎さんを殴る!

まともに食らってる!これじゃあ承太郎さんが!

 

……………

 

承太郎「こんなものか。DIO」

 

殴られた承太郎さんだが、魂だけになるどころか近距離パワー型のザ・ワールド・オーバーヘブンのパンチを受けても吹っ飛ぶどころかのけ反りすらしていない!

ポケットに手を突っ込んで微動だにしないで平然としている!

 

H・DIO「なにぃ!バカな!」

 

T・W・O「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

ザ・ワールド・オーバーヘブンが無駄無駄ラッシュを承太郎さんに浴びせる!だけど、さっきと同じように全く効いている素振りがない!

 

承太郎「これなら八幡や静・ジョースターのやらかすイタズラからくる胃の痛みの方がよっぽど痛かったぜ。貧弱貧弱なのはどっちかな?DIO」

 

H・DIO「バカな!何故真実の上書きが起こらない!まさか!同じ能力!?こともあろうにジョースターの末裔がオーバーヘブンに入門してきたというのか!?」

 

承太郎「まったく違うな、DIO。テメェの転生の八幡なら気付いただろうな。俺の目が変わったことに」

 

H・DIO「貴様の目がどうしたと言うのだ!」

 

承太郎「俺はスタンド以外にも能力があってな。その内の1つにキャンセルしたい能力を打ち消す能力がある。テメェの真実の上書きをする能力は打ち消させてもらったぜ。今まではアーシスの連中に気を使ってスタンドや弾幕ごっこで戦っていたが、オーバーヘブンを出された以上はそんな気を回す必要は無いだろう。テメェのオーバーヘブンはもやは能力を無くした。真実の上書きや魂を吸収する力はもうねぇ」

 

DIOの体から吸収されていた魂が解放されていく!

もうDIOは怖くない!最後の最後まで奥の手を隠していたんだ!

 

承太郎「……そうか。八幡。ならば、せめてもの手向けにお前の力でこいつを倒そう。ザ・ジェムストーン!」

 

承太郎さんがザ・ワールド・オーバーヘブンにそっくりのスタンドを出した!

ハッチのザ・ジェムストーン……。

ハーミット・パープル・ネオがザ・ワールドと融合して水色になったハッチのスタンド。

これが出てきたと言うことはハッチが目覚めたの!?

 

 

side比企谷八幡

 

承太郎の精神の中……

 

ここは………

俺は消えずに済んだのか…。

俺は目を開ける。そこにはどこかわからない暗い空間に妙にデカイ桜の木があり、豪華な邸宅がある。

そして、戦っているであろう承太郎の前には奴が…。オーバーヘブンを成し遂げたディオの姿があった。

 

承太郎「俺はスタンド以外にも能力があってな。その内の1つにキャンセルしたい能力を打ち消す能力がある」

 

そうか。承太郎がオーバーヘブンの能力を消してくれたお陰でディオの力が弱まり、呪縛から解放されたのか…。

もう2号とは言えないな…。土壇場で助けられた。

 

承太郎『目覚めたか』

 

八幡『ああ……。凄い能力だな』

 

承太郎『お前が最後まで取っておけと言ったんだろうが。それで、どうするんだ?お前が方を付けるか?』

 

八幡『いや。やめとく。美味しいところだけ貰ったんじゃあカッコ悪すぎる』

 

承太郎『ならばカッコ悪くさせてやろう。お前の力を使わせて貰うぞ。ザ・ジェムストーンをな』

 

なにっ!だが、ザ・ジェムストーンはハーミット・パープルとザ・ワールドの2つのスタンドを同時に使う技術が必要だ。

ブラッドだけでは…。

 

承太郎『言い忘れていたが、俺には元々力を融合させる能力がある。ハーミット・パープルとザ・ワールド。この2つの融合にあそこまでの利便性があるとはな。考えたことも無かったぜ』

 

ああ、裏人格をいじめるときに散々ザ・ジェムストーンの技を使ったからな。

 

承太郎『ハーミット・パープルとザ・ワールドを融合させて…ブラッド!』

 

ブラッド『はいはーい♪出来たよ承太郎。ザ・ジェムストーンが!』

 

ブラッドがザ・ジェムストーンに変身する。

完璧なザ・ジェムストーンだ……。

長年苦労して修得した俺の技術をあっさりと…。

自信を無くすな。もう好きにしてくれ。

結局ブラッドの能力だから、あれも使いこなせるだろうな。俺のザ・ジェムストーンのように2つのスタンドではなく、1つのスタンドなんだから。

 

承太郎「……そうか。八幡。ならば、せめてもの手向けにお前の力でこいつを倒そう。ザ・ジェムストーン!」

 

粋な奴だ。

まじで俺がカッコ悪いじゃあないか。

 

H・DIO「ザ・ワールド・オーバーヘブン!貴様も使えたのか!承太郎!」

 

確かに似ているからな。オーバーヘブンとザ・ジェムストーンは。

 

承太郎「違うな。これはザ・ジェムストーン。別の平行世界のテメェとジョナサン・ジョースターの転生、比企谷八幡がハーミット・パープルとザ・ワールドを合体させて完成したスタンドのコピーだ」

 

H・DIO「ハーミット・パープルだと?あのなまっちょろい老いぼれジョセフのスタンドと融合させた程度のただのザ・ワールドで何が出来る!」

 

承太郎「ならば味わってみろ。ザ・ジェムストーンの力をな」

 

H・DIO「ほざけ!」

 

T・W・O「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

承太郎「やれやれ。それは俺に通用しないとわかってるだろう?くらえ、第1の切り札。分解!」

 

ザ・ジェムストーンの体をハーミット・アメジストに分解してディオに巻き付ける。

そして、その先端を拳に変える。

 

霊夢「うわぁ…あれは私が最初に食らった技…あれは痛かったわ…」

 

G・S「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

ドコドコドコドコ!

 

H・DIO「グオオオオオオオ!」

 

完全にハーミット・アメジストに巻き付けられて弾き飛ばされることも出来ずに殴られ続けるディオ。

 

承太郎「次の切り札だ。解放してやる。DIO」

 

承太郎がディオをハーミット・アメジストから解放し、蹴り飛ばす。

 

そして再びハーミット・アメジストをディオに伸ばす。

それをオーバーヘブンが掴む。

 

H・DIO「間抜けめ承太郎!掴んでしまえばこっちのものだ!」

 

残念だったな。俺のハーミット・アメジストは…。

承太郎がもう一本のハーミット・アメジストを飛ばしてディオを拘束し、その馬鹿力で何度もDIOを投げ飛ばして地面に叩きつける。

 

承太郎「ジョセフ・ジョースターのハーミット・パープルとは違って比企谷八幡のハーミット・パープルは2本ある。ジョセフ・ジョースターが片腕だったからか、それともそういう性質だったのかは比企谷八幡もわからないみたいだがな」

 

H・DIO「ぬぐぐぐぐ……」

 

承太郎「そして、近距離パワー型の常識を覆すこの技がザ・ジェムストーンの恐ろしいところだ。今のお前と俺の距離は約20メートル。ハーミット・パープル1本分の距離があるからザ・ワールドの射程外ではあるが、ザ・ジェムストーンには関係ない。ザ・ジェムストーン!」

 

承太郎はハーミット・アメジストの先端から全身のザ・ジェムストーンを出現させる。

いや、ハーミット・アメジストはザ・ジェムストーンの一部だから。

故に、スタンドと本体の離れている距離はゼロ。

ハーミット・アメジストは承太郎の腕から出ているからな。よって、スタンドの距離が離れている場合はパワーが弱まる…というルールは適用外。

目の前に出した時と同じだけのパワーのままラッシュが出来る。

ディオはハーミット・アメジスト1本分のコードに巻き付けられ、身動きが出来ない。

棒立ちだ。

 

承太郎「そして、ハーミット・パープルの特性…波紋の力を100%伝える…ヤレヤレ。よくもここまでチートなスタンドに仕上げたものだ。能力を使わなくてもこれだ。能力を加えての攻撃にはもう一人の俺が酷い目に何度も合わされた。嫌でも発想力に舌を巻いたぜ」

 

まぁ色々やったもんな。念写の力を利用した幻影の波紋でアクトンばりに消して無駄無駄ラッシュしたり。

 

承太郎「さて、だめ押しだ。波紋の力を加味させたラッシュを食らえ。DIO!」

 

G・S「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

H・DIO「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

承太郎の波紋では天国に到達したディオを倒すことは出来ない。だが、確実に大ダメージを与えていた。

ディオは体のあちこちを破壊され、座り込む。

 

承太郎「その体が治癒されるまで何秒かかる?治ったと同時にテメェに拳を叩き込む。ガンマン風に言うなら、抜きな」

 

承太郎はディオに近付き、見下ろして言う。

承太郎がそう言うと、ディオはニヤリと笑った。

学習能力がないのか?

 

H・DIO「承太郎!ここに来てやっぱり貴様は人間よ!勝って支配する!過程や方法など問題ではなぁい!」

 

ディオは膝から出る血を承太郎の目にかけた。

 

H・DIO「どうだ!血の目潰しよ!死ね、承太郎!」

 

ディオはオーバーヘブンで蹴りを放とうとするが…。

 

H・DIO「う、動けない…何故だ!」

 

承太郎はコートからハンカチを取りだし、目に付いた血を拭う。

 

承太郎「ヤレヤレ…やっぱりこうしてきたか。お前がこうする事を予想しなかったとでも思うのか?」

 

ディオが動けない理由。それは…。

俺直伝の幻影の波紋で透明にされたハーミット・アメジストを承太郎が足から出してディオに巻き付けていたからだ。

ハーミット・アメジストは体のどこからでも使うことが出来る。

承太郎は最初からこうなることを予測していた。

 

H・DIO「きさま…話が違うぞ…」

 

承太郎「比企谷八幡風に言えばこうだ。自分を知れ、そんなおいしい話があるとでも思ったのか。大人しく言うとおりにすればそのまま普通に死なせてやったと言うのに、どうやらテメェには究極の罰が必要らしい」

 

承太郎は更にディオをボコると、ザ・ジェムストーンからココ・ジャンボに変えてあるものを中から取り出す。

スタンドの矢だ。

 

承太郎「ザ・ジェムストーン・レクイエム…本来のザ・ジェムストーン・レクイエムなら比企谷八幡同様に魂が砕けるところだが、このザ・ジェムストーンはあくまでもブラッド・メモリー。1つのスタンドだ」

 

静「ハッチの魂が砕けた理由は2つのスタンドをレクイエムにしたから…。それが原因だったんだ…」

 

承太郎「DIO。テメェにはもう何も言うことはねぇ。とても哀れすぎて…何も言えねぇ」

 

H・DIO「レ、レクイエム!止めろ承太郎!」

 

承太郎はディオの言葉には耳を貸さず、その矢をザ・ジェムストーンに…………刺した。

世界が暗転する。黒と白のみの世界に…全てが止まる。

色があるのは承太郎とディオのみ。

 

ブラッド「いやいや、これがザ・ジェムストーンのレクイエムかぁ。恐ろしいねぇ。真実の投影のハーミット・パープル・レクイエムの能力と真実からの消滅させるザ・ワールド・レクイエム。ある意味で僕のレクイエム並だねぇ」

 

承太郎「ブラッド…変身中でも喋れるのか…」

 

ブラッド「レクイエム中ではそうみたいだね。ああ、八幡。レクイエムの意思からの伝言だよ。ジョセフ・ジョースターと比企谷小町、由比ヶ浜結衣は新たな力を手に入れたって。更に別の世界に行った君はザ・ジェムストーン・レクイエムの欠点を克服したらしいよ?一色いろはだったっけ?彼女が向かった世界の君がその世界のDIOの魂を吸収したみたいなんだ。承太郎のようにね。だから元に戻ったときの君がレクイエムを使ってももう魂が砕ける事はないよ。おめでとう。君は真実に到達できたんだ。転んでもただじゃあ起きないね?君達は」

 

別の俺がやったのか…。それに、いろは…小町…早くお前達に会いたい。

 

ブラッド「それで君は…この世界で何かを得たかい?ちなみに空を飛んだり弾幕を使うことは幻想郷以外では出来ないよ?これは幻想郷だから出来る事。あの藤崎忍が届けてくれた物は外の世界じゃただの籠手と具足。スペルカードもただの紙さ」

 

この世界で得たもの?

小町やいろはが行った世界の俺みたいに形は無いが、ひとつだけある。

 

八幡『俺はやっぱりオーバーヘブンは要らない。真実の上書きで得られた物なんて、その段階でそれは真実じゃあない。偽物だ。沢山の魂を犠牲にして得られた物が、偽物だなんて…下らない。俺にとっての天国は…』

 

俺は白黒になって固まるアーシスの面々を見る。

ミドラーさんを、サブレを、海老名を、三浦を…。

頼れる俺のライバル、承太郎博士を…。

愛しき我が相棒、ジョジョを…。

他にも我が最愛の婚約者、いろは。

最愛の妹、小町。

愛しき魔王、陽乃さん。

一番大好きな頼れる兄貴分、仗助。

ジジイにジョルノ、徐倫…。アーシスの仲間や家族…。

 

俺の本物であり、大切な物。

そいつらと進む未来こそが、俺にとっての天国。

オーバーヘブンのような偽物ではない本物の天国。

 

八幡『うん。俺の天国はみんなで歩む世界だ。それが俺の本物。オーバーヘブン(レプリカ)はいらん。例え強大な力でも。それが改めて認識できた。それがこの世界に来た収穫だな。だからディオ…いや、DIO!まやかしに頼ったお前は、既に偽物。俺の前世なんかじゃあない!消えろ。真実から』

 

幻想郷の真実から弾かれ、赤く染まるDIOとザ・ワールド・オーバーヘブンを承太郎の目を通して睨む。

赤く染まっているということはこの幻想郷にとって、DIOは真実ではない。ハーミット・パープル・レクイエムがそう示している。ならば消滅させないとな。ザ・ワールド・レクイエムで!

 

H・DIO「バカな!天国を捨てると言うのか!勝って支配する!この究極の力を!」

 

ブラッド「究極の力の成れの果てがそれかい?」

 

承太郎「実に下らん。確かにまやかしだ」

 

ブラッド「耳が痛いね…。僕のレクイエムもザ・ワールド・オーバーヘブンみたいな能力があるから。でも、その辺りが妥当かもね。オーバーヘブンを吸収するなんて言っていたら、君が真実から弾き出されていた。これはレクイエムの意思だね」

 

飄々としながら怖い奴だ。

 

承太郎「さぁ、この下らんまやかしを終わらせよう」

 

ブラッド「そうだね。真実の上書き…そんなまやかしの天国を目指した愚か者よ。お前には真実の消滅…。魂ですら完全に消滅する結末が相応しい」

 

承太郎「お前が求める真実なんて…お前が欲した安心なんて…ここにある精神に比べたら…いや、幻想郷という楽園に住む全ての精神に比べたら…ただのまやかしだ。返して貰おう。安らかなる全ての魂を…」

 

八幡『お前なんかディオじゃあない。俺の前世なんかじゃあない。この幻想郷は本物だが、お前は本当にただの幻想の偽物』

 

承太郎「消えろ!真実から!」

 

ブラッド『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』

 

ザ・ジェムストーン・レクイエム…いや、ブラッド・メモリーがDIOを殴る。徐々に消えていくDIO。

 

H・DIO「おのれぇぇぇぇ!このDIOが……このDIOがぁぁぁぁぁ!」

 

断末魔の声を上げ、DIOは完全に消滅した。

 

ブラッド「レクイエムから伝言。また会おう、比企谷八幡。真実を越えろ。原石が磨かれ、宝石となる姿を願う。そして、承太郎。幻想郷のジョジョに祝福を。だってさ。レクイエムに祝福されるなんて物騒だよね?呪いかな?」

 

まったくだ。そしてレクイエムの空間が終わる。

 

静「終わったの?」

 

承太郎「ああ…全てがな」

 

静「ハッチは!?」

 

承太郎「無事だ。オーバーヘブンを拒否した」

 

静「終わった…終わったんだ!」

 

全員「ワアァァァァァァァ!」

 

抱いて喜び合うみんな。

そんな中、承太郎は冥界の空を星のように飛ぶ魂達を眺める。

DIOに吸収されていた魂だ。

西行妖も力を取り戻している。

それらを眺めながら承太郎は呟く。

 

承太郎「何度も言わせるなよ、DIO。テメーの敗因はたった1つ…。たった1つのシンプルな答えだ」

 

承太郎はスタンドと矢をしまい。力強く言った。

 

承太郎「オメェは俺を怒らせた……」

 

←To be continued




これで幻想郷での戦いは全て終わりです。

次回は幻想郷のスターダスト・クルセイダーズの最終話になります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。