やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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第4章ー4のプロローグです。

今回は尾川七国さんの「High School joXjo」の世界へ第4部勢がやって参りました。
前回以上に俺ガイル要素が少ないですが、ご容赦下さい。

それでは第4章ー4

「駒王町でもダイヤモンドは砕けない」

どうぞ


第4章ー4 尾河七国さんとのコラボ 「駒王町でもダイヤモンドは砕けない」
次元の狭間と駒王町


sideなし

 

次元の狭間。

 

人間界や冥界、その他様々な世界の隙間に存在する無の世界だ。他生物にとっては有害な空間であり、短時間で肉体が消滅してしまうという恐ろしい一面を持ち合わせている。それでも各世界を繋ぎとめ、均衡を保っているといった意味合いでは重要な役割を果たしている。

 

現在は『真なる赤龍神帝』グレートレッドが棲みついており、次元の狭間は最もバランスのとれた状態となっている。以前は『無限の龍神』オーフィスが、この次元の狭間へと帰るためにグレートレッドを追い出そうと画策した事があった。だが、それも過去の話。

今のオーフィスはとあるスタンド使いと共に生活している。時折こうして遊びに現れるくらいにはグレートレッドも許可している。

そこの時限の狭間に1つ、異物が紛れ込んだ。

黄金の精神と邪悪の化身が融合し、転生した奇妙な魂の成れの果ての1つ……比企谷八幡の魂の欠片だ。

 

初代ジョジョの転生と赤き龍帝を宿す異世界のジョジョ。

 

一見普通の高校生に見える二人の精神。

方やSPW財団の大幹部であり、暗殺者の側面をもつ性格の悪い腐り目。

方や神の力により歴代の能力を手にいれ、長き修行の果てに心のストッパーが外れた最凶。

二人が外道であっても腐れ外道に堕ちない理由はジョースターの示す黄金の精神のみ。

後に悪魔よりも悪魔らしいと言われる二つの黄金と邪悪の精神が混ざり合うとき…。

周囲の邪悪なる者の身と周囲の健全なるもの胃に衝撃を巻き起こす。

 

 

side比企谷八幡(聖なる遺体の左足)

 

何もない灰色の世界…ザ・ワールドで時が停止したような灰色の空間…。

俺はこんな世界は知らない…。

コレがレクイエムを発動させた者が陥る地獄というヤツなのか…。

無限の一人の世界…まぁ、ディオだった時は百年も大西洋の底で一人だったんだ…。それが当たり前の世界に堕ちたと思えば…

 

???『ニャー♪』

 

?????「うん。我も、楽しい」

 

………変な声が聞こえた。

猫と感情の乏しそうな少女の声。

そちらに意識を向けると…

 

八幡(カマクラ…じゃあない猫草とゴスロリ少女?)

 

この地獄そのものとも言える無の空間の中に似つかわしくない存在達。死神…というやつなのだろうか。

普通なら怖く感じるのだろう。だが、俺はこの死神を怖いとは思えなかった。

俺は人並みの幸せは願えない。人並みの死後も願う資格はない。そんな覚悟が既にあったからなのか…。それとも、この死神の目にジョジョや陽乃さんに通じる何かを感じたからなのか…。

どちらでも良い。こんな親近感を覚える死神が迎えに来たというなら、俺に運命を強いた神も中々粋な事を考える。

 

『!? ニャニャニャッ! シャ───ッ!』

「あ、グレートレッド」

 

不意に目の前を、赤い巨大なドラゴンが横切っていった。巨大な真紅の龍だ。

グレートレッドという名前らしい。二者二例の反応を見せる死神と猫草だったが、グレートレッドという龍はそれをチラッと見ただけでさっさと行ってしまった。

むしろ、少しだけ俺の方を見たような気がする。神龍…とでも言うべきか…。

ならこの死神はパ○ちゃん?まさかな。

 

死神(仮)「あれ、グレートレッド。ここの住人」

 

猫草『ニャー……ニャ?』

 

死神「グレートレッドと、我だけ平気。ここで生まれたから、消えることはない」

 

こんな無の世界で生まれたのか…。

って消える!?こんなところで漂ってる俺は何で無事なんだ!?

幽霊だから!?(ある意味で正解)

あれ?じゃああの猫草は?死神の加護があるから?(これはホントに正解)

一度その場で浮遊し、遠退いてゆくグレートレッドの背を眺める一人と一匹。すると

 

猫草『ニャッ』

 

八幡(!?)

 

猫草と俺の目が合った気がした。いずれにしても俺の存在に気が付いたのは確かだろう。

死神は猫草を連れて俺の方へと近付いてくる。

 

猫草『ニャ〜……?』

 

まさか空気弾を飛ばしてきたりしないよな?

俺はサブレ(イギー)とペットショップ以外の動物からなつかれた試しがない。

我が家の飼い猫であるカマクラにすらなつかれていない。そう、この猫草と同じ種類の存在だった猫草(ストレイ・キャット)を前世に持つカマクラに俺はなつかれていない!やめて、今は魂だけだから!ザ・ジェムストーンが使えないから空気弾を飛ばすのだけはやめて!

と思っていたら、今度は死神が首をかしげたと思いきや、ガシッ!と俺を鷲掴みし…

 

(ガブッ!)

『ニャ!?』

 

ギャーーーー!かじられたぁ!

食われるの!?吸魂鬼!?

つうか、何で俺が見えてるの!?猫草はともかくこの死神は何でスタンドが見えてるの!?何で生身で掴めるの!?

 

「っ!? …うぇっ、ぺっ。……不味い、これ」

 

勝手に人を食っておいて何て言いぐさだコラ(# ゜Д゜)

 

猫草『ニャ───ッ! ニャ───ッ! ニャニャニャッ! ニャ!!』

死神「だって、ジョジョがくれた黒いお菓子に、似てたから……」

 

そりゃ麩菓子だ。干からびているという観点では同じかもしれないが全くの別物だ。つうかかじる前に気付け。

それに、今なんつった?ジョジョ?

いるのか…もしかしてこの死神は誰かと知り合いなのか?ジジイ辺りならありうる。

忍さんを通じて異世界の友人を作ったみたいだしな。

 

ともかく、猫草に怒られまくっているらしい死神は噛み跡のついた俺を手にして首かしげた。

 

「……ジョ…ジョ?」

 

はいっ♪一応前世は初代ジョジョです♪片割れは。

だからそのジョジョは誰だ?

ジジイ(ジョセフ)か?承太郎か?仗助か?ジョルノか?徐倫か?ジョジョ(静)か?

 

猫草『…ニャー?』

死神「……わからない。でも、気になる。だから持って帰る」

 

それは助かる。

バラバラに砕けた俺だが、ジョースターの…家族の誰かに届けられるなら体に戻してくれるかもしれん。

で、運んでくれるのは助かるよ?この地獄から出してくれるのも感謝しよう。

でもさ、もうちょっと丁寧に扱ってくれね?

まぁ、取り敢えず…。

 

八幡『おーい、どのジョジョかはわからんが、とにかく運んでくれてありがとなー!俺は比企谷八幡。初代ジョジョの転生だ!よろしくなー!』

 

死神「……?」

猫草『ニャ?』

死神「今……何か聞こえた」

 

駄目か…。なんとなく空耳を聞いたくらいにしか認識されていない。

波長が合わないのかも知れんな。いきなり食おうとするくらいだし。

 

死神「……ま、いっか。帰ろう、ジョジョの家へ」

猫草『ニャッ』

 

すぐに俺の声を空耳だと判断したのか、死神は空間に穴を開けてそれを潜った。

それが俺と無限の龍神、オーフィスとの出会い。

そして、オーフィスに連れられて来た世界は…。

俺のまったく知らない世界…。

後に知る駒王という町で、俺は幻想郷の承太郎を含めて数えること10人目のジョジョ…兵藤丈城と出会うことになる。

 

☆☆☆

 

sideオーフィス(アルス界)

 

我の世界とは別の次元の狭間に漂っていた、転生の世界の八幡。グレートレッドが去った道筋に残っていたのは偶然引っかかっただけか、それともグレートレッド自身の意思によるものか。我にはわからない。

だけど、別の世界の八幡と、ボーダーの八幡、幻想郷の空条承太郎と融合したそれぞれの魂の欠片は、それぞれの世界に影響を及ぼしていた。

ザ・ワールド・ネオ・レクイエム、デュオロン・オブシディアン…二つのレクイエムが言っていた。

この八幡は特異点。

我とは別の世界の我の世界…。イッセーとは別のドライクがいる世界は特異点にどんな力を与えるか…または、特異点からどんな力をもたらされるか…。

我は我の世界の八幡が好き。でも、特異点のこの八幡からも目が離せない。

 

??「行こっか♪オーフィスちゃん♪あのオーフィスちゃんの行く先に」

 

オーフィス「うん」

 

 

第4章ー4「駒王町でもダイヤモンドは砕けない」

 

 

side広瀬康一

 

ヴァレンタイン大統領閣下にドジャああんされ、僕達はこの世界にやってきた。

閣下は残るジョルノ君達を送りに僕達の世界へと帰っていった。

 

康一「来てみたはいいんだけどさ……これからどうしよう?」

 

億泰「散らばった八幡の一つを見つけるにしたってよォ、何から探せばいいか手掛かりがねぇと……。仗助に入り込んだ八幡の魂だけが頼りだしよォ。なぁ? カマクラ」

 

カマクラ「ナ〜ン」

 

露伴「闇雲に探し回っても体力を浪費するだけだ。近くにあれば八幡君の魂を感じる筈なんだが……少なくともこの付近にはいなさそうだな」

 

音石「露伴先生の言う通りだ。何だかわかんねぇが、この世界はこれまでとは違う気がするぜ。ロックじゃねぇ何かが……」

 

めぐり「でも信じられないなぁ。比企谷君が散ってしまったなんて…」

 

夕焼けの光に照らし出された、とある住宅街。駒王という町に僕達はたっていた。地理的には何処なんだろうか?駒王なんて町は僕達は知らない。

不完全なレクイエムによって、その魂が聖なる遺体として散ってしまった戦友・比企ヶ谷八幡くん。彼を復活させるべく、仗助くん、僕、億泰くん、露伴先生、音石明さん、カマクラ、城廻めぐりさんの六人と一匹が平行した世界へと足を踏み入れた。

大統領ファニー・ヴァレンタインの『D4C』によって訪れた彼らは早速聖なる遺体探しへ……と行きたいところだったが、探すあてがないのと到着早々感じた奇妙な感覚に苛まれ、仕方なく今後の方向性を決めるためにその場で話し合いが行われていた。しかしああでもないこうでもないといった議論ばかりが出てくるだけで一向に進まない。しかも……

 

 

仗助「………………」

 

 

約一名、仗助くんだけが話し合いに参加せずにいた。

 

彼にとって比企谷八幡という人間はかけがえのない存在であった。時に家族として、時に可愛い弟分として。そして彼の身を誰よりも案じていた。

彼の心境は複雑なものだった。その怒りのやりどころは恐らく、あの時殴ってでも止めようとしなかった自らに対してなのか、それとも八幡くんに辛い運命を背負わせた無情な神に対してなのか………

 

康一「仗助君……」

 

音石「そっとしておこうぜ、康一。あいつだって苦しんでる。何せ目の前で事が起こったんだ。ショックが大きいのは火を見るより明らかってヤツだ」

 

康一「うん…」

 

音石さんは僕に対してそう耳打ちする。彼の気を汲んでか、その場の誰もが彼に対して一切触れようとしなかった。

 

露伴「ともかく、まずは時間を決めて捜索しよう。それなら体力を消耗せずに効率よく探せる。見つからなかったとしても何らかの手掛かりだけでも掴めるかもしれない」

 

すると暫く考えていた露伴先生がそんな提案を持ちかける。未知の世界での単独行動は危険を伴うが、個々の力を信じている露伴は仲間を信頼し、敢えて捜索優先の一手を選んだのだ。

 

めぐり「それがいいわね。流石露伴ちゃん!」

 

露伴「時間はこれより一時間後。各自感覚を研ぎ澄ませて八幡の魂を感じ取ること。途中何らかの襲撃も予想されるため、十分警戒することだ。……まぁ、言わなくてもわかっていることだと思うけどね」

 

億泰「そんなことはねぇよ、露伴先生。お陰でさらに気が引き締まった!」

 

億泰がバシッと掌に拳を叩きつける。これで一人を除いて全員の覚悟が決まった。

 

露伴「東方仗助。君はここで待っていろ。気持ちの整理がつかない以上、今の君は足手纏いだ」

 

仗助「………あぁ」

 

仗助君は振り向かず、電柱に拳を当てたまま返す。怒っていても露伴先生の気遣いは察せたようだ。

 

康一「それじゃあ皆、気をつけて!」

 

めぐり「うん!」

 

億泰「おう!」

 

音石「しゃあ!」

 

露伴「ああ」

 

カマクラ「ニャア!」

 

 

side東方仗助

 

残った五人と一匹はその場から散開し、聖なる遺体の捜索に向かう。

ただ一人残された俺は。全員がいなくなった直後、膝から崩れ落ちて背中が震えだした。

 

仗助「…っ…く、ぅぅっ……! うっう……ぐ、うぅぅ……っ!」

 

─────じゃあな…消えるのは、輝かしい未来の奴等じゃあない。この邪悪の化身で良い。…大好きだったよ。みんな…後は頼んだ…

 

仗助「何が……! 何が頼んだだよ…ッ! お前一人がいなくなって、寂しがっている奴らが大勢いるのに……何勝手に押し付けてんだよッ! あンの……大馬鹿…野郎……ッ!!」

 

それまで耐えていた感情が、涙と共に一気に溢れ出す。木々を殴り飛ばすだけでは収まらなかった怒りや悲しみがこんな形で出てしまうのは仕方のないことだろう。目の前で家族の魂が散る様を見せつけられれば尚更である。

 

きっと露伴の野郎も薄々感じていたのだろう。ずっと仲間の前で涙を流そうとしなかった俺に、一人の時間を与えるために。

 

だが、そこへ横槍が入った。

 

??「──────何だァ? グレートじゃねぇ髪形しやがって」

 

悲しみに暮れる仗助の背後からかかる声。よくよく聞けばそれは俺と同じ声なのだが、そんな事よりもすぐに感じ取ったものが一つだけあった。

 

仗助「正体を現しな……そしたらよォー、『平穏』じゃねぇ顔面に変えてやるぜ!」

 

それは、"殺気"だ。

こちとら財団の日本支部支部長をやって10年。命を狙われるなんてしょっちゅうだ。

スナイパーの殺気だって直ぐにわかる。

嫌でも鍛えなければ命がいくつあっても足りない毎日だった。

 

 

 

C・D『ドラァッ!!』

 

??「ぶぐぅっ!?」

 

 

だから先制攻撃を決めたのは、その場に残っていた俺だった。背後の何者かの顔面に『クレイジーダイヤモンド』の鋭いカウンターが入り、何者かは鼻血を撒き散らしながら後方へと吹っ飛んでいった。

 

 

仗助「……てめー、人が悲しんでるときによォー…空気読んでそっとしとくとかなー、ちったぁ考えろよォォ────ボケェッ!!」

 

振り返ったその顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。しかし感傷に浸る時間はここまでだ。今はそれを打ち止めにした何者かとの勝負に臨まなければならない。

 

 

突然襲撃してきた何者か────オールバック姿の歳を取った東方仗助と、もう一人のリーゼント姿の東方仗助との未知なる同キャラ対決。その火蓋が今、切られた。

 

 

ダブルC・D『『ドラララララララララララララララァッ!!』』

 

 

 

(←To Be continued…)




今回はここまでです。

ちなみにアルスDQさんと尾川七国さんとの話し合いの結果、一部4-1も関わる事になりました。
この世界は4-3以上に危険な世界ですから、そのくらいが丁度良いかも知れませんね。

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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