空条家の異変が発生!
徐倫の投獄、そして記憶とスタンドを奪われた承太郎!
承太郎の記憶が奪われたと言うことは八幡の正体もバレてしまったということに!
このまま大人しくしていても命を狙われるだけで、状況は悪くなる!
天国を阻止するべく、八幡は仗助、ジョルノ、いろは、小町、静、億泰、ミスタと供に旅立つ!
しかし、その第一歩で最初の刺客が現れた!
汐華陽乃
一体彼女は何者なのか!?
そして成長した八幡の新たな力とは!
side比企谷八幡
あー…あの刀のスタンド、どこかで見たことあるんだよなぁ。
どこだったっけ?
それにしても正々堂々とした人だ。
陽乃「スタンドを出さないの?それとも、スタンド使いじゃないのかな?」
八幡「ああ、すみませんね。では…」
八幡「ザ・ジェムストーン!」
俺は進化したザ・ワールドを出す。
ザ・ジェムストーン…子供の時に辛酸を舐めたザ・ワールドの不慣れ。
それを解消するため、ザ・ワールドの操作訓練とハーミットパープルの同時使用訓練。
それらを続けていくうちに、ザ・ワールドが変化をおこし始めた。
単純なところで色だろう。少し青みがかっている。
この変化をおこしたとき、承太郎が良い機会だから名前も変えてみてはどうかと提案があった。
ザ・ワールドを隠したいのにザ・ワールドの名前がそのままではまずいだろう?とのこと。
確かにそうだ。
そこでつけた名前がザ・ジェムストーン…「原石」。
ジョナサンは初代のジョジョ。ジョースター家の原石。
「白金」「紫水晶」「金剛石」「黄金」「水晶」「緑色石」「赤石」それらの全てを内包する「原石」
ジョナサンを現すスタンド名にこれほど相応しい名前はない。
…何か変なの混じって無かったか?ま、いっか。
そして本来の目的だったザ・ワールドを隠すという目的は、承太郎の記憶を奪われてしまった為にザ・ジェムストーン=ザ・ワールドってのがバレたからもう意味が無いけどね!
そして能力は…
陽乃が胴切りに斬りかかってくる。
剣術の達人を思わせる踏み込み、速度、力の入れ方…
前のザ・ワールドなら苦戦する腕前だが…
ジェムストーン「無駄無駄無駄無駄無駄!」
今のジェムストーンには何の事はない。
ザ・ジェムストーンのラッシュが陽乃に突き刺さる。
基礎スペックが元々高かったザ・ワールド。
力を使いきれなかったのは俺が不慣れだったからだ。
今はザ・ワールドの力をフルに使え、しかも更なる訓練で力が増している。
ラッシュが決まり、陽乃はダウン。
八幡「……あっけなさ過ぎ……」
陽乃はよろけながらも立ち上がる。
陽乃「大したものね。スタープラチナと同等かそれ以上ね…」
八幡「スタープラチナと戦った事があるのか?よく生きていたな」
陽乃「その時はやられたよ。だから転生したの。それと、私のスタンドをなめてもらっては困るわね。このスタンドの特徴は切れ味や剣の技だけじゃないんだよ?もうその力は覚えたわ!はああぁぁぁ!」
陽乃は先程とは比べ物にならないくらいの速度で突きを放ってきた。
八幡「なっ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」
拳のラッシュで突きを防ぐ!
言っただけあってジェムストーンの全力のラッシュに力もスピードも全て弾かれる!
く……何だこいつ!
俺は一旦距離をとり、障害物で満足に刀を振れない位置を取る。
しかし、陽乃は構わず全力で刀を振るった。
嫌な予感がして刀の軌道から逃げる。
嫌な予感は的中。刃が障害物をすり抜け、勢いをそのままに先程まで俺が位置を通過した。
もし直感に従って回避運動をとっていなければ、俺は負けていただろう。
透過能力…これがこいつの能力か?
仕方がない。ザ・ジェムストーン、新能力その1をやるか。
俺は今度はジェムストーンで白羽取りをする。
ジェムストーン「コオォォ!無駄無駄無駄無駄!」
ジェムストーンから波紋がほどばしり、陽乃に波紋が流し込まれる。
ジェムストーンの新能力の1つ、スタンドに波紋を使わせる能力。
地味ではあるが、小町のサンシャインルビーみたいにスタンド自体が波紋を使うことは可能か?
といった方向で修行をしたら、かなり苦労をしたが、可能になった。
今まではスタンドで押さえてから直接生身で波紋を流していたのが、こうすることにより手間が省けるようになった。
陽乃「キャアアアアア!」
波紋を流された陽乃は再びダウン。
今度は立てないだろ…そう思ったが、陽乃はみたび立ち上がった。
陽乃「真剣白羽取りからの電流みたいな攻撃…考えたね。でも、これも覚えたわ…」
いろは「無駄無駄ラッシュに波紋をくらってまだ立ち上がるんですか…しつこいですね。あの雌豚」
小町「お義姉ちゃん、なんだか病んできてるよ…」
うるさい外野。
俺もコレで決めるつもりだったんだよ!
なんだこいつ!
仕方がない…もう1つの新技を使うか…
だんだん思い出してきたぞ、こいつの前世…ディオがジョースターに送った刺客の一人…いや、刺客の1つだった物…
陽乃「今度はさっきみたいにはいかないよ!ウリャリャリャリャリャ!」
陽乃はまた連続で突いたり斬りかかったりしてくる。
八幡(おー…怖い怖い)
ジェムストーン「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」
今度こそ決める。だが、さっきみたいな中途半端な物では駄目だ。
それに、真剣白羽取りももう通用しないだろう。
こいつは学習型のスタンド。
一度食らい、記憶した技は二度と通用しない。
陽乃「食らえ!」
陽乃は渾身の力の突きを突いて来た!
八幡(これだ!)
八幡「真剣白羽…」
陽乃「甘い!覚えたと言ったはずよ!」
突きは更に早くなり、ジェムストーンの体を貫いた。
八幡「ぐふぅ!」
陽乃「終わりね。後がつかえてるから、これで決めるわよ?比企谷八幡君」
八幡「やめてくれ…死んでしまう…」
陽乃「そう…でも、あなたには死んでもらった方が雪ノ下の為…プッチの目的も私たちには都合がわるいの。だから、比企谷君には悪いけど、ここで死んでもらうわね…」
八幡「そうか…ならば望み通り、ここで決めてやる!ハーミットアメジスト!」
ザ・ジェムストーンの胴がいばらの形にバラバラになって胸から下がハーミットパープルに変形する。いばらに変形したジェムストーンは陽乃の体に絡み付き、動きを封じる。
進化した新能力。
ハーミットパープルとザ・ワールドを同時に扱う訓練していた成果なのか、二つのスタンドは合体し、ザ・ワールドがハーミットパープルに体の一部を変える事が出来るようになった。
それが新技、ハーミットアメジスト。
ジョセフが自分のスタンド名を変えようとした時に候補として挙げた名前を、俺のこの能力に受け継がせてくれた名前だ。
八幡「だから言ったろ?死んでしまうと。下手をしたらあんたがね。食らえ!紫水晶の波紋疾走と波紋の無駄無駄ラッシュ!」
ジェムストーン「コオォォ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!WRYYYYYY!無駄ぁ!」
俺の本体から紫水晶の波紋疾走を、ザ・ジェムストーンから波紋を含んだ無駄無駄のラッシュを叩き込んだ!
陽乃は抵抗できず、そして今度は中途半端にならないように…もう、それはここまでやる必要があるの?ってくらいに拳を叩き込んだ!
ドガシャァァァン!
陽乃は吹き飛び気絶。さすがにじじい仕込みの紫水晶の波紋疾走と、承太郎仕込みの拳のラッシュを同時に食らえば二度と立てないだろう。
しこたま殴られ、無事では無いところを探すのが不可能なくらいだ。
仗助「アレをやるくらいの相手だったって事か、アレは八幡の切り札の1つだからなぁ」
仗助は陽乃に近寄った。
仗助「で、こいつはどうする?」
八幡「治してやってくれ。仗助」
いろは「どうしてですか?ハチ君。この雌豚はハチ君の命を狙ったんですよ?まさかこのボン!キュッ!ボン!が目的ではないですよね?はっ!まさか私と小町ちゃんとこの女を侍らせてタイプ別の酒池肉林を味わうハーレム計画でも練っているんですか!そんなことを考えているのならハチ君殺して私も死にます!」
小町「ゴミいちゃん…小町的にポイントが低すぎて底値割っちゃったよ…粗大ゴミいちゃん通りすぎて産業廃棄物級のゴミいちゃんに確定したよ…」
八幡「いや、違うから。いろは怖いよマジでホントに刺されそうで怖いよ。そして小町、産業廃棄物級のゴミいちゃんって何?本気なら部屋に引きこもって二度と出ないで一生涙で枕を濡らせる自信あるからね?それ。後、どこぞの兄妹みたいに妹をそういった目で見てないから止めてくれる?マジで」
ホントやめてほしい。いろはは間違いなく本気だし、小町はどこまで本気かわからない。
産業廃棄物級ゴミいちゃんなんて言われ続けたら比企谷八幡じゃなくて本気でヒッキー谷八幡になるから。
なんか近い将来、ヒッキーとか不名誉なあだ名付けられそうな気もするけど、今はそんな事はどうでも良い。
俺が陽乃を助けようと思った理由…それは…
仗助が治した陽乃の前髪を上げ、その額を晒す。
そこには出来物のような、肉の突起物があった。
静「何?この変な出来物?」
ミスタ「うわっ!気持ち悪い!八幡、コレが何か知ってるのか?」
億泰「こ、これは!まさか!」
億泰が憎悪の目を向ける。
そう、コレの事はよく知っている。
八幡「肉の芽…かつてディオが信頼できない部下や忠誠を誓いそうも無いが、スタンド使いとしては手駒になりそうな相手の脳に埋め込み、洗脳する吸血鬼の細胞だ。
かつてはいろはの親戚の花京院さんやパッショーネNo.2のポルナレフさん、そして億泰の父親に埋め込まれた物だ。ディオがいなくなった今、こいつを埋め込む事が出来る奴がいるとは…」
俺はザ・ジェムストーンで肉の芽を掴み、脳を傷つけないように慎重に抜く。
肉の芽から別の触手が伸びて俺に刺さろうとするが、波紋でガードしている俺に触れた瞬間、煙となる。
そして、肉の芽を抜き去り、波紋疾走でそれを消滅させる。
陽乃「…何で助けたの?私を助けてもメリットなんて無かったわよ?まさか、私の体が…」
八幡「そのくだりはさっきやったから。実は余裕あるだろアンタ。あと、その仮面を被るのはやめろ。アンタを助けたのは情報が欲しいからだよ。プッチの事とか、それと…」
陽乃「へぇ、私の外面を一発で見破れるなんて、比企谷君は何者?私はあなたが気に入っちゃった♪あと、情報の件は良いよ?その件については私も協力するわ。肉の芽なんて捨て駒にすることをやられるなんて、もう汐華や雪ノ下にいるなんて嫌だし、任務を失敗した以上、私は始末されるでしょうから、そっちに付いた方が安全だしね?それで良い?ジョルノ・ジョバーナさん?」
陽乃はジョルノに話しかける。
ジョルノ「良いでしょう。今はアメリカの件が最優先です。ですが、コレが終わったら、必ず協力してもらうと約束して頂きます。逃げようだなんて無駄な事は考えないで下さいね?」
陽乃「逃げないわよ。逃げても行く場所なんて無いしね?なんならアメリカにも付いていくわ。比企谷君が気に入ったしね?私は今から茅ヶ崎陽乃って名乗るからよろしくね♪」
何か勝手に話が進んでいく。まぁ、戦力は少しでも欲しいところだし、こいつを仲間に加えるのは依存はない。
陽乃「私のスタンドはアヌビス。エジプト九英神の暗示を持つかつてはジョースターを狙ったDIO様の部下。ポルナレフと承太郎に敗れ、ナイル川の底に沈んで錆びて朽ち果てた刀に宿った魂のスタンドの転生。この刀は前世の私の姿がビジョンになった、言わば私そのものと言っても良いものよ」
やっぱそうだった。能力がアヌビス神そのものだったし、転生者とも言っていたからひょっとしたらと思っていた。
仗助「何が何だかさっぱりだが、味方になるならば良いや。何か怪しいけど、スタンド使いは一人でも味方が欲しいからな」
いろは「ハチ君に手を出さなければ私もいいですよぉ?」
小町「変なところで新しいお義姉ちゃん候補が…」
静「兄さんに近付かなければ私は問題ありません」
億泰「何かよぉ、不安しかないのは俺だけかぁ?何故かって説明できねぇんだけどよぉ、俺は昔から考えるのって苦手だからよぉ」
ミスタ「俺もだ。ジョルノの奴は昔から自分の事は語らねぇから、何が何だかサッパリだ。とりあえずは護衛が一人増えたって事でいいんじゃぁねぇの?」
昔の部下が仲間としてアメリカ行きの仲間として加わった。
すっごく不安だけどね!
この人の背景も、この人の性格も!ホントに…
いろは「ヤレヤレですね?ハチ君」
……心を読んで人のセリフを取るんじゃぁない!
←To be continued
はい、魔王のメンバー入りです。
ハルノン登場は本来なら俺ガイル編で予定していたのですが、ストーリー的に仕方がないとは言え、ジョジョばかりにスポットが当たりすぎていたの事が気になっていました。
何のためにクロスしているのか分からなくなってしまうからです。
そこで、俺ガイル勢の誰かを加入させようと考え、ハルノンを先行登場させました。
第3部死亡勢の誰かでも良かったのですが、ちょっと考えがあり、ハルノンにしました。
また、ハルノンをアンチにするかどうかは最後まで悩みました。この人もファンの解釈次第ではどちらにも転ぶからです。しかし、奇しくも「陽乃」という名前はジョジョにとっては意味がある名前です。縁があるなら味方にしようと思い、このような形にしました。
陽乃のスタンドに関しては第3部の死亡した敵ならどれでも良かったのですが、能力的に味方スタンドとして使い勝手が良いのはアヌビス神では無いかと思ってます。
強すぎず、かといって一発屋では終わらないタイプのスタンドですから。ペット・ショップのホルス神でも良かったんですけどね?
一方、八幡のザ・ジェムストーン…やり過ぎましたか?なんかストーンフリーと被っている気もしなくないですが…。これでも能力は全て使っていないんですよ(^_^;)
名前のジェムストーンは『原石』から。最近ではめっきり面影が無くなってしまいましたが、八幡はジョナサンの転生。ジョナサンは歴代のジョジョの原石なので、ザ・ワールドを改名しました。ジョースター家にも認められましたしね♪ハーミットアメジストに関しては幼少期編でいろはが言っていましたね?実は最初からこれは決めていました。ジョセフのくだりはこの為に伏線を張っていましたが、違和感は無かったですか?
ラッシュの掛け声は「無駄無駄」のままです。
変えようとも思いませんでした。
サブタイトルの『雪ノ下の呪縛』は第3部の花京院のエピソード『DIOの呪縛』から取りました。
肉の芽といい、雪ノ下に捨て駒扱いにされたことといい似通っていたので。
それでは次回、また読んで頂けると嬉しいです。