やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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4-4最終話です。


さらば駒王町ー黄金の精神ー

side東方仗助

 

丈城「あ〜う〜……終わった────ッ!!」

 

八幡「疲れた……寝起きすぐの作業とか今後一切やりたくないぜ……そうは言ってられんがな。関東支部長は辛いぜ…」

 

え?お前、波紋の戦士なんだから徹夜とかしょっちゅうしたってケロッとしているじゃあねぇか。

お前は良いよ?俺なんて駆け出しの波紋の戦士だから、身体能力を強化できるほどの練度はねぇんだよ。

それに、歳も歳だしな。

 

仗助「腰痛ぇ……」

 

自分を治せるナイチンゲール・エメラルドがうらやましいぜ……。

 

朱乃「三人とも、お疲れ様ですわ。紅茶が入ったので皆さんで頂きましょう」

 

丈城・八幡・仗助「「「さんせ〜」」」

 

復活堕天使による襲撃事件後、同日の昼頃。

 

疲労から眠り込んでいた丈城と八幡が目を覚ましたのは、それから数時間後のことだった。リアスたちの活躍で他の堕天使たちも撃破されたことを聞かされた後、先に壊れた学園の修復に取り掛かっていた他メンバーと合流。俺と丈城の『クレイジーダイヤモンド』を主軸に作業が進められた。

 

 

リアス「お兄様に頼んで修復を任せるつもりだったのに……それを全部やっちゃうなんて義理堅い人達ね。アーシスって」

 

仗助「自分達で壊す原因作っちまったからな。それぐらい自分でやんねーと。他人任せで世間が渡れるほど社会人やってねぇからな」

 

そちらの都合もあったとはいえ、何とか出来るなら自分達で何とかするべきだ。

どこかに借りを作ることになる。そうなれば対等ではなくなってしまうだろう。

現段階で払える対価は労働力しかねぇなら、労働力で払うべきだ。

 

リアス「あら、耳が痛いお話ね。同じ上に立つものとして受け止めておくわ」

 

丈城「そーだそーだ!」

 

リア・仗助「「あなた (お前) の場合それ以前の問題があるでしょ (だろ) 」」

 

もっとも、こっちの性悪はうちの性悪とは質が違う。

ハイテンションに歯止めが効かないならまだカワイイ方だ。うちのは暗殺者特有の冷たい性悪だからな…。

 

丈城「ハッハッハ、しまいにゃ泣くぞコンチクショウ」

 

 

side広瀬康一

 

作業はものの一時間程で終わり、現在はオカ研部室で一休み中。特に張り切って参加していた丈城君、八幡君、仗助君の三人は仲良く床に描かれた魔法陣の上でバタンキュー。他のメンバーはちゃんとソファで寛いでいた。

 

ギャスパー「あぅー…らしくないことしちゃったなぁ、僕……」

 

小猫「……ダウト。ギャー君あれが本性」

 

ギャスパー「ふえーん! 小猫ちゃんがいじめるゥーッ!!」

 

ヒツギー『ギャギャルッ! ギャルギャルッ!』

 

 

そして丈城君の血の効能が切れ、元のひ弱な性格に戻ったギャスパー君はヒツギーの中に再び閉じこもり、小猫ちゃんの言葉攻めにの〇太君並の噴水涙芸を見せる。

 

 

音石「……二面性って恐ろしいな。億泰」

 

億泰「だな。あれだけ調子に乗っていたヤツとは思えねぇ」

 

カマクラ「ニャー」

 

そうかな。由花子さんなんかはそこがカワイイとおもうんだけどなぁ。

 

背後のやりとりをしみじみと眺めつつ、揃って紅茶に口をつける億泰君と音石さん。今回の戦いで二人の絆はより強固なものとなった。動作の一致がそれを物語っている。総武高校の文化祭には音石さんが有志参加するらしいし、億泰君も来るかもね?

 

 

露伴「ハハハッ。確かに似ているね、康一君と兵藤丈城の声! それでいつもの流れで接したら怒られたと」

 

康一「全くもう…気持ちは分からなくもないけど気をつけてよね?」

 

一方、僕達は先の口の聞き方に関して説教をしたときの話になった。

 

裕斗「いやー、お恥ずかしい限りです」

 

ゼノヴィア「私はいつも通りにさせてもらうぞ。あまり堅苦しいのは慣れてない」

 

康一「……僕段々とこの子の未来が心配になってきたよ。大丈夫かな…?」

 

よくそんなのを教会も放置してたなぁ…。

 

裕斗「ゼノヴィアらしいといえばそれまでなんですけどね……」

 

木場君には軽い説教でなんとかなったが、彼女に至っては多分どうにもならないだろう。

それは将来苦労すれば良い。

財団だったら昇進とか職域に影響出るしね。

 

とまぁそんなのほほんとした (?) 空気を楽しんでいると

 

アザゼル「おーい、ちょっといいか?」

 

部室にやってきたのは、唯一戦闘に参加しなかったアザゼルさんだった。

 

リアス「アザゼル! 貴方一体何処をほっつき歩いていたのよ!」

 

アザゼル「まぁそういうなって。ちょいと客人を連れてきたぜ。なんでもアーシスの人間と知り合いだって言ってたからな」

 

八幡「客人……?」

 

アーシスの知り合いと聞き、怪訝な様子を見せる八幡くん。そしてアザゼルが一旦廊下に顔を出して打ちあわせると、彼に連れられるようにして現れたのは……

 

ヴァレンタイン「どじゃあああ〜ん……!」

 

仗助「! ヴァレンタイン大統領!」

 

 

 

side東方仗助

 

アザぜル総督が連れてきたのは、アーシスを丈城達のいる世界へ導いた張本人。ファニー・ヴァレンタイン閣下であった。

 

ゼノヴィア「誰だ? あの男は」

 

露伴「彼はファニー・ヴァレンタイン。アメリカの大統領であり、僕らをこの世界へ招いたスタンド使いさ」

 

グレモリー眷属「「「「「だ、大統領!?」」」」」

 

驚くグレモリー眷属を他所に、閣下は近くに寝転んでいた丈城、八幡、仗助に目を向ける。おそらく目的が達成された事で迎えにきたのだろう。

寝転んでいるのはまずい!

俺と八幡は急いで立ち上がり、態度を正す。

相手はアーシスの総司令だしな。

 

ヴァレンタイン「聖なる遺体の回収は完了したようだな。協力に感謝するぞ、兵藤丈城」

 

丈城「礼なら俺じゃなくてウチの同居人に言ってくれ。若干かじったけど」

 

八幡「食われた上に不味い呼ばわりされましたね。閣下。ありがとうございます。色々手を尽くして頂いたようで…。あの、いろはや小町、ジョジョ達は?」

 

ヴァレンタイン「お安い御用だ。君はアーシスの部下であると同時に私個人としての友人でもある。いろは君、小町君、静・ジョースター副代表も既に旅を終わらせ、それぞれの仲間と共に戻っているから安心したまえ。

…まぁ、それは捨て置くとしてだ」

 

反応に困ったヴァレンタインは瞑目してスルー。そのまま本題に軌道修正した。

 

ヴァレンタイン「八幡君が見つかったのなら、もうここには用はない。既に三つの世界で発見がなされている。そろそろ元の世界に帰る時間だ」

 

そう言って閣下はD4Cを出現させ、アメリカ合衆国の国旗を取り出し、足元に敷く。どうやらお別れの時間が訪れてしまったようだ。

 

ヴァレンタイン「それではアーシスの諸君とグレモリー眷族の代表者は入りたまえ」

 

八幡「……そうか、もうそんな時間か…て、こいつらもか?」

 

ヴァレンタイン「うむ。いろはくんや小町くんの提案でな。君達と協力した者達の代表者は君の復活を見届けようという話になっている。いい機会ではあるだろ?ジョセフ老の提案でもある」

 

ジジイめ…いつもの悪のりだな?

だが、俺もその協力者達と会いたい。他の連中もそうだろう。

 

ギャスパー「僕は行きたくないですぅ!」

 

だろうな。表の人格が引きこもりらしいしな。

 

丈城「まぁ、良いんじゃあねえの?カーテンコールを見届けるってのもな。それに、俺としても歴代ジョジョには興味があるし」

 

ヴァレンタイン「それと、彼女も連れてきた。比企谷白良からの要望でな」

 

オーフィス「我も行く。それと、八幡。大丈夫?」

 

八幡「一応な」

 

比企谷白良…ねぇ。閣下程の方が恐れる相手だ。

会いたいような会いたくねぇような…。

 

仗助「そうか。それにしても早かったな……。その間に色々なドラマがあったな。死にかけたりトラウマに追っかけられたり……」

 

丈城「カレー作ってたら助っ人として村〇克〇さんがやってきたり、鎖骨骨折したり……」

 

八幡・仗助「それ中の人だからッ!!

 

しれっと挟まれたボケを突っ込んだ後、二人は立ち上がってアーシス面々に顔を向ける。

 

丈城「とりあえず、俺達はメンバーを選出して俺のD4Cでそっちに行くよ」

 

とりあえず、この世界からお別れか。

 

めぐり「短い間だったけど、一緒にお話ししたり共闘できたり、楽しい時間でした。あっちでお会いましょうね! 皆さん、アーシアさん!」

 

アーシア「はい! めぐりもお元気で!」

 

ホワホワな性格の城廻とアーシアが挨拶する。

能力はいろはみたいだが、声と性格は城廻みたいだったな。

 

露伴「僕としてはまだまだここにいたい気分だったけどね。けどそれは、またの機会に取っておくとしよう」

 

裕斗「露伴先生も漫画の方、頑張ってください」

 

露伴の事だ。この世界の事も漫画のネタにするつもりだろう。自分がボコられる事もネタにするくらいだからな。

 

康一「ある意味で心残りはあるけど……こんな素晴らしい人たちがいつも当たり前にいるわけじゃないからね? ちゃんと感謝の気持ちは伝えておくんだよ」

 

ゼノヴィア「ああ。その言葉、覚えておくよ」

 

ゼノヴィアは康一に注意される。

いつかはわかるときが来るだろうな。

 

億泰「それじゃあな、小猫! 次会った時はひと勝負付き合ってくれ!」

 

カマクラ「ニャー!」

 

小猫「……上等です。億泰さんもお元気で」

 

猫同士のシンパシーか?

あっちのイギーとかペット・ショップとかとも気が合いそうかもな。

 

朱乃「音石さん、自慢の雷の力で皆さんを守ってあげてください。あなたならきっと……」

 

音石「あぁ、俺のロックで絶対みんなを守ってみせるぜ!」

 

雷使い同士のシンパシーか。

それにしても朱乃はお袋に声が似てる。

 

リア「お互い部下を持つ者同士頑張りましょうね、東方支部長。応援しているわ」

 

仗助「こっちでまたなんかあったら、いつでも呼んでくれ! すぐに駆けつけるぜ」

 

頑張れよ、リアス。俺も立派な会長になるからよ。

互いに握手を交わし、閣下の元へと歩を進める一同。

 

そして

 

丈城「お別れだな、八幡」

 

八幡「あぁ。そう…だ、な。と、兵藤はこの体からはなれとけ?今まで俺の装備品のお陰で対消滅が起きなかったんだから」

 

丈城「あ!同じ存在同士が接触すると……何で今まで無事だったんだ?」

 

俺はクレイジー・ダイヤモンドを出現させる。そして、左腕を見せる。スタンドに装着させる時計型異世界通信機だ。これには対消滅を防ぐ機能がある。それは八幡のザ・ジェムストーンにも装着されている。

 

仗助「この異世界通信機も兼ねた時計のお陰だよ。ザ・ジェムストーンにも装着されていたから大丈夫だったんだ」

 

八幡「俺の魂が離れれば対消滅が起こる」

 

丈城「忘れてたー!危なかったぜ!」

 

丈城は八幡が入り込んでいる異世界の自分の体から離れ、そして八幡は体から離れる為か、その異世界の丈城に意識を戻す。

 

アナザー丈城「やっと体を返しやがったか……強いとかじゃあねぇ。プロの暗殺者が持つ殺気がここまでこえぇとはな……何て奴の身代わりをさせやがったんだよ。そっちの俺…」

 

体を共有したことにより、異世界の丈城は八幡の本質を見たようだ。

八幡はジョナサンの転生であると同時にDIOだからな。能力だけじゃあねぇんだよ。

異世界の丈城の肉体が淡く輝き出し、右足から徐々に遺体が浮き上がる。そして完全に剥離すると、遺体のみがその場に浮かぶ。

異世界丈城はそのままD4Cを使ってこの世界から去っていった。

一方でこちらの丈城は八幡の聖なる遺体を優しく手に取ると、仗助に歩み寄ってそれを渡した。

 

丈城「あばよ、仗助。あんたと一緒に勝負できた事、俺は生涯忘れないよ」

 

仗助「俺もだ。これから先、困難が立ち塞がることがある。ぶち当たりそうになったら必ず仲間や俺らのこと思い出してくれよ! ジョジョ!」

 

丈城「……ヘヘッ、ご本人認定か。ありがとう! そしてこれからも頑張ろうぜ!」

 

おう、4代目ジョジョのお墨付きだ。初代ジョジョの八幡もそうだろうぜ。

 

仗助「おう!」

 

最後に、遺体の八幡に目を向けて

 

丈城「八幡のお陰で、また一つ成長できた気がするよ。戦うフィールドは違うが!おめぇの復活、見届けさせてもらうぜ!そしたらいつかは戦おうぜ!お前の記憶を見てわかった……お前が相手になったら、負けねぇまでも無事で済むとは思えねぇ…」

 

八幡の遺体は俺の体へと入ってくる。

 

八幡『へ……能力にあぐらをかいたやつと同じにするんじゃあない。実力を出しきれると思うなよ』

 

仗助「………だそうだ。じゃあ、待ってるぜ」

 

と言い、一歩下がる。

 

ヴァレンタイン「よし、では行くぞ」

 

ヴァレンタインの言葉に国旗近くに集まっていた一同が挟まれるように姿を消してゆく。

 

アーシス「「「「「さようなら!」」」」」

グレモリー眷属「「「「「また後で!」」」」」

 

その言葉を最後に交わし、別世界の戦士達は目的を達成し帰っていった。

 

ヴァレンタイン「ドジャアァァァァン!」

 

さよなら駒王町。その黄金の精神を尊敬するぜ!

 

 

第4章-4「駒王町でもダイヤモンドは砕けない!」完




さて、残すは4-5のラストバトルとエピローグのみとなりましたね。

それに、真の第4章エピローグも!

それでは次回もよろしくお願いいたします!

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