アメリカへと旅立とうとするジョースター一行に立ちはだかる一人の少女、汐華陽乃!
八幡は進化したスタンド、ザ・ジェムストーンの慣らしのために陽乃と対峙する!
圧倒的な手数とパワーで陽乃を押す八幡!
しかし陽乃は八幡の強さに合わせて強化されていく!
陽乃の強さに対抗し、ついにジェムストーンの切り札を使って陽乃を撃破した八幡!
倒した陽乃を治療するように仗助に頼んだ八幡。
その額には取り付いた物を洗脳する肉の芽があった!
八幡に助けられた陽乃はお礼と自らの打算も兼ねて、ジョースター一行に加わった。
アメリカへと続く旅立ちに次の刺客は現れるのか!?
※注意!
作中、汚い表現が含まれます。食事中、苦手な方は注意してください!
side東方仗助
陽乃を味方に引き入れた俺達は、今は成田発オーランド国際空港行きの飛行機に搭乗していた。
徐輪が収監されているグリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所のあるフロリダに向かう為だ。
使う座席はエコノミー。
ミスタが「金持ちがケチるなよ」とか言ってきた。
バカ野郎!オーランドまで一人片道十万円もかかるんだぞ!
この十人近い人数をフロリダまで運んだだけでも百万円はかかるってわかってんのか?
承太郎さんが徐輪救出に会社の潜水艦使ったって言うし、なるべくなら無駄な出費は抑えたいんだ!
今回だって会社の経費での旅だ。
向こうに着いたら着いたで何かと金はかかる。
じじいや承太郎さん達がエジプトまでの旅路に数億なんて金(特に高級潜水艦やセスナ)を使ったらしい。
じじい達の旅費だけでだ。
他にも補給物資の調達・運搬経費やら旅の補助をした人の人件費、アヴドゥルさんや花京院さんの医療費、戦いに巻き込まれて亡くなった遺族への補償金など、じじい達のエジプトでのかかった経費は普通では考えられない金額だったと当時の資料に書いてあった。
最悪、今回の旅もそのくらいの覚悟は必要だろう。
飛行機にかかる旅費もなるべく抑える必要がある。
それをミスタの野郎は…
陽乃「世界的企業の大幹部が飛行機代をけちるなんて」
静「無一文で付いてきた人が贅沢を言わないで下さい」
陽乃「ジョジョちゃん。それは厳しくない?」
静「あなたにジョジョって言われたくありません。気安く呼ばないで下さい。ファーストネームもお断りです」
ジョジョ。よく言った!
勝手に付いてきたクセに贅沢言うんじゃぁない!
ビジネスクラスだって3倍もかかるんだぞ!
少しは経営者の苦労を考えやがれ!
文句を言う面々を抑え、各々が席に着席した。
席順は前から陽乃、ジョジョ、俺
億泰、ミスタ、ジョルノ
小町、いろは、八幡だ。
八幡「お、電源がある。今のうちにスマホを充電しておくか」
ミスタ「あ、俺も」
静「私もしておきます」
いろは「私はやめておきます」
小町「小町も今はフルバッテリーだからやめておく」
…まぁ、長旅になるし、今のうちに携帯を充電するのは基本だな。俺もしておこう。
バチィ!
うおっ!なんだこのコンセント!漏電でもしてるのか?軽く感電したぞ!
見ると他のメンバーも同じく感電していた。
日本製の物と違って安全性に問題があるのかもな。
注意しねぇと危ねぇかな?
その時は俺もみんなも軽く考えていた。
フライトから十数時間。もうじきフロリダに到着する、そのタイミングで異変が起き始めた。
『乗客の皆様にお詫び致します。当機は自動操縦のトラブルにより、オーランド国際空港より大きく外れ、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に緊急着陸することになりました。大変ご迷惑を…』
な、何だって!航路のトラブル!時間ロスなんてレベルじゃぁねぇぞ!ニューヨークからフロリダは日本列島分の差がある!
何て不運だ…だが文句を言っても仕方がねぇ…頭を冷やして代わりのルートを考えながら、おとなしく着陸を待つ。
その時に気がつけば良かった。既に俺達は敵の攻撃を受けていたことに…
飛行機が着陸し、そろそろ降りるとなった時、異変が確定的となった。
乗客がぞろぞろ降りる段階になったときだ。
ジョジョが俺にガッシリくっついていた。
まぁ、普段から俺にベタベタするジョジョだ。
最初は気にしなかった。カワイイ妹にくっつかれて悪い気はしない。むしろなつかれて嬉しいくらいだ(シスコーン)。
だがおかしいと思い始めた。普段からベタベタするといっても、それは家とかでの話だ。
普段は外では節度をもっていて、会社の支部長室で二人きりの時でもこんなことをしないのに、今日に限ってどうしたんだ?
仗助「おい、ジョジョ」
静「ンー…なぁに?兄さん…静、まだ眠いんだけど…」
仗助「いや、もう着陸したから降りるんだけどよぅ、ちょっと寝惚けすぎじゃぁねぇの?」
静「んー?あれ、兄さん…もぅ♪兄さんが積極的になるなんて初めてじゃない?もぅ♪ちゅー」
ジョジョはまだ寝惚けているのか甘えて頬にキスしてきた。
仗助「いや、ちゅー♪じゃぁねぇよ!家じゃぁねぇんだからベタベタすんなっつぅの!」
陽乃「あなた達、家ではこんなにベタベタしてるのね…千葉の兄妹でもそこまではしないわよ?さすがはアメリカの家系は違うわ…」
仗助「いや、ちげぇから!変な誤解すんな!おい静!」
静「!!…ンーンー!」
いまだに唇を俺の頬から離さないジョジョがジタバタしはじめる。
バチバチバチバチ!
うおっ!今度は波紋を流しやがった!
何してんだコイツ!
そこでやっとジョジョが離れた。
静「プハァ!何で?!兄さんから離れられなかった!はっ!もしかして兄さん、私の事が好きすぎて離れたく無かったの!?それで新しいスタンド能力が目覚めた?」
仗助「いつまで寝惚けてんだオメーは!」
俺はいい加減イライラして立ち上がると、今度は俺がジョジョに覆い被さるようにくっついた。
な、なんだ!?
静「きゃっ!もう兄さん!兄さんに抱き付かれるのは構わないけど、こんなところで!…超嬉しい///」
何言ってやがんだコイツはぁ!
すると、他のメンバーも騒ぎ始めた。
ミスタ「億泰…お前、確か妻子持ちだったよなぁ?バイだったのか?」
億泰「ちげぇ!何かくっついて離れられねぇんだよ!どうなってんだコイツは!」
ミスタ「知るか!以前にもジョルノとこの手の誤解でヒデェ目に遭ってるんだから、変なことするんじゃぁねえ!ダメだ億泰!もっとやさしく!そこはダメ!ダメ!ダメ!ダメッ!」
億泰「オメーこそ変な声だしてんじゃぁねえ!このダボが!俺はくれるっていうんじゃ病気以外は何だってもらうが、悪評は貰いたくねぇんだよぉ!」
八幡「……ジョルノ……お前、なかなか結婚しないと思ってはいたが、こんな趣味があったとは思わなかった。気付いてやれなくてすまん。だが、俺にその趣味はないんだ。俺はいろは一筋だから」
ジョルノ「ち、違う!昔ナランチャにも誤解された事があるが、僕にその趣味はない!」
八幡「なら早く離れてくれね?なんかどこからか花京院の声で『ジョジョハチ!キマシタワー!』とか幻聴が聞こえるんだよ。自分のモノにしたくない恐怖と底知れぬ悪寒が襲ってきてたまらんのだが」
ジョルノ「それは僕にも聞こえる!なんか聞こえてはならない声が頭に響くんだ!でもすまない、本当に心が痛むんだが、離れる事が出来ないんだ!僕も『ジョジョハチ』とは何かはわからないが、受け入れられる覚悟をしたくは無いのに、離れられないんだ!」
いろは「ハチ君…ジョナサンとディオが混ざった弊害がそういった趣味にも現れているなんて…」
小町「ごめん、お兄ちゃん…さすがにこれは小町もフォローできないし、ふざけられない…」
何だこの状況…
でも、1つだけわかったのは…
これは間違いなく敵のスタンド攻撃だ!
いつ食らった!無事なのはいろは、小町、陽乃。
後は誰かと抱き合っている!
……俺はジョジョとで良かった…男同士じゃなくて助かった……じゃねぇ!
仗助「気を付けろ!敵だ!敵のスタンド使いだ!」
??「やっと気付いたようね?このビチグソ共が」
なんかアラフィフっぽいおばちゃんが現れた。
昔はそれなりにキレイっぽかった印象だが、今は若作りなのか際どい服を着た痛い太ったおばさんだ。
一同「……………」
??「私はマライア。バステト女神の暗示を持つエジプト九英神のスタンド使いさ」
みんなの視線が八幡と陽乃に突き刺さる。
八幡「これはわかる。次にみんなは『部下と同僚は選べよ』…と言う」
一同「部下と同僚は選べよ…ハッ!」
今やるか!?そのネタを今やるか!?
八幡「いや、昔はそれなりにキレイだったんだけどね?何故こんなに汚くなっちゃったんだか…」
マライア「クソガキが!体が磁石になって、身動きできないってのに言うじゃぁないか!」
マライアは胸を突き出す(しかも無駄に様になるセクシーポーズが逆に痛い)。
すると服の胸がドンドン膨らみ、こぼれそうになる。
うわっ!ヤメロ!
マライア「何想像してんのさ!」
一同「うぎゃぁぁぁぁ!頑張って想像しないようにしていたのに!」
あ、俺も想像してしまった…みんな同じなのか、特に男性陣はエチケット袋を手にした!
これは酷い…ティーンエイジャーの八幡にはトラウマ級の酷さだ。
あの年の男子なら、誰も太ったアラフィフのあれなんて想像もしたくない。
幸運だったのは皆それで顔を下に向け、前のシートが盾になったことだった。
ドスドスドスドス!
マライアの服から飛び出したらしい何か…転がった物から見てボルトやらナットやらが磁石人間目掛けて飛んで来たらしい。
一同「汚いものを見たおかげで下を向いていて良かった…」
マライア「貴様らァ!」
静「…アクトンクリスタル!」
アクトンクリスタル「ドララララァ!」
うっぷ…ジョジョがアラフィフにスタンドを叩き込む。
しかし、微妙に射程外だ。
マライア「はっ!○○○○くさいガキが!自分のスタンドの射程もわからないの!?それに、良いのかい?ここは鉄の飛行機の中、段々機体が歪んで来るよぉ?」
確かに機体がギシギシ鳴っている。
冗談抜きでそろそろヤバイかも知れない。
マライア「バカだねぇ!磁石になって押し潰されな!」
陽乃「バカはあんたよ。オバサン」
ドスッ!
見えない陽乃のアヌビス神がマライアの肩を貫いた。
いろは「よくもハチ君に汚いものを見せてくれちゃいましたね」
小町「小町も今夜は悪夢にうなされそうだよ。お兄ちゃんたちのあんなシーンを見せられて」
いろはと小町の声も聞こえてきた。
マライア「なっ……」
いろは「ナイチンゲールエメラルド!」
小町「サンシャインルビー!」
ナイチンゲールエメラルド「無理無理無理無理無理無理無理無理無理!無理ですごめんなさい!」
サンシャインルビー「ゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミ!ゴミ虫野郎!」
マライア「アガブゲボバァ!」
いろはと小町のスタンドラッシュがマライアをサンドイッチにしながらボコボコにした。
さっきのジョジョのアクトンクリスタルの攻撃はフェイク、本命は磁石になっていなかった三人を透明化させてコッソリ接近させることだったみてぇだ。
マライア「……また……挟み撃ちに……○○ガキが…」
バタッ!
マライアは血だるまになってダウン。
俺達の磁石人間状態は解除された。
二人のスタンドのラッシュ。小町は元々スタンドそのものは近接パワー型。
いらはのスタンドも近距離ではBクラスの威力のパワーがある。
二人のラッシュでボコボコにされればボロ雑巾にもなるだろう。
バステト女神というスタンドがどういう物かはわからないが、進化する前のアクトンベイビーやヘブンズドアー、玉美の錠前のようにビジョンが存在しないスタンドなのかも知れない。
仗助「グレートにヤバい相手だった……変な意味で」
ジョルノ「恐ろしい相手でした。彼女の攻撃は数日は持続するでしょう。ビジュアル的に…」
億泰「でもよぉ、何で3人はスタンド攻撃から外れていたんだ?」
ジョルノ「多分、これです」
ジョルノは充電器を取り出した。
ジョルノ「スマホを充電したコンセントが無くなっています。多分、あれがバステト女神だったのでしょう。それに、自動操縦の故障ももしかしたら磁力のせいだったかもしれません」
仗助「あっちゃぁ…あれだったのかよ。アレじゃ触っても不思議じゃぁないぜ、なぁ八幡…あれ?八幡?」
見ると八幡が膝小僧を抱えてブツブツ言っていた。
マライアの攻撃+いろは&小町のスタンドラッシュの掛け声がトラウマを刺激したのだろう。
八幡「ゴミいちゃん…無理ですごめんなさい…豚BBAの胸…ジョジョハチ…飛行機怖い飛行機怖い…」
これはしばらく立ち直れそうもねぇな…
マライア バステト女神
再起不能
その後、駆けつけた警察によって傷害未遂及び器物破損の容疑で逮捕
八幡達は被害者として事情聴取を受けるも特におとがめなし
比企谷八幡 ザ・ジェムストーン
小一時間ほど精神的に再起不能
←To be continued
鬼は外、福は内!
節分の日がやってきました!
豆と恵方巻は食べましたか?
……はい、お見苦しい話で申し訳ありませんでした。
オバサンになった第3部のマライアを、そのまま戦闘させたらどうなるかを想像したら、あまりに酷いことになってしまいました。
歳を考えろ、歳を…
サブタイトルの「機中にひそむ女神」は第3部の『灰の塔』との戦いでのサブタイトル「機中にひそむ魔」から取りました。
ひそんでいた女神は魔よりも酷かったですが。
今回はGoogle先生に大変お世話になりました。
第6部の舞台となったGDst重警備刑務所の場所のフロリダ州、成田からフロリダのマイアミから近い着陸空港とそこまでの旅費、そして航路が外れた後の、フロリダまでの道のりで無理のない陸路など、色々と調べるのが大変な回でした…。
これからの陸路検索でも色々と大変ですけど。
心が折れるから、地理とか適当で良いですか?
今回戦ったのは登場以来、まともな戦闘がなかったいろは、小町と新戦力の陽乃ら俺ガイルヒロイン勢です。
トドメを刺しただけのような気もしますが…
いつかは彼女達も活躍させようと思っていたので、やっと出番が回ってきました。
この調子で仗助、億泰、静、ジョルノ、ミスタにも出番を回したいと思います!
次は少しだけコラボを交えます!
次回もよろしくお願いします!