やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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異常なまでの恐怖症

side比企谷八幡

 

汐華の屋敷厨房。

そこで俺はいろはと白良さんと共に宴会の料理を作って何品か完成させていた。

 

八幡「あ、そうだ。白良さん。白良さんの世界の俺と小町をここに呼べますか?」

 

白良「呼べるけど……どうしたの?」

 

この人の規格外さならそれも可能だろうと思って聞いてみた。

 

八幡「白良さんにもお礼をしたいんですが、白良さんの場合は白良さん自身よりもそちらの俺や小町に何かした方がお礼になりますよね?なので俺達の料理を振る舞いたいんですよ」

 

下手な金品よりも、この人の場合はそれの方がお礼になると考えたのだが……。

 

白良「うーん……気持ちは嬉しいんだけど、小町ならともかく八幡は難しいかな?ほら、ここに集まったみんなって大半が女の子でしょ?」

 

確かにそうだ。ジョースター関係や二人の俺、材木座、戸塚、迅さん、幻想郷の承太郎、丈城、木場、承一郎以外はみんな女だ。

だが、それがどうしたのだろうか?

 

いろは「何か問題があるんですか?」

 

白良「それがまずいのよ。うちの八幡って重度の女性恐怖症なのよ。触るだけでも気絶してしまうわ。八幡が心を許しているのは私と私の世界の雪ノ下雪乃さんくらいかしら?小町に対しても恐怖心を抱いているくらいなの」

 

なんだって?どんなひどい目に遭ったんだ?

俺は小町が敵になってしまった世界を知っている。そのパターンなのだろうか。

 

白良「違う違う。そんな小町を私が許すはずないでしょ?オーフィスちゃんの世界の比企谷家には粛清をしたわよ♪うちの世界の小町ならリサリサ小町やここに来ている二人の小町と仲良くなれると断言するわ♪」

 

こわっ!さらっと言ったが何をしたんだよ!しかも異世界とはいえ娘の小町を始め自分の家族を粛清するって怖すぎる!ま、まさか自分自身も!?

 

Aオーフィス「そこにいた白良は八幡と我と一緒に住んでる」

 

な、ならよかった…

 

白良「食べ物もそうね。私以外の女性が作った料理は作った本人が一口食べてからじゃないと食べられないの。小町の物でもね。ある意味ではあなたと同じかな?あなた達SPW上級幹部って毒殺を警戒して下手な食事を食べるのを禁じられているでしょ?」

 

確かにそうだ。俺達は基本的には自分達で作るか、安全が確約されている食事しかとることが出来ない。だが、俺達とは違って白良さんの息子さんである比企谷八幡はそんな立場では無いはずだ。

 

いろは「………何があったんですか?」

 

白良「女子によるいじめよ。決定打はバレンタインに渡されたチョコに危険物が混じっていたことね。それによって八幡は壊れてしまったの……」

 

まるでフェア○ーテイル・ク○ニクルの主人公みたいだな。確かあれの主人公も似たような理由で重度の女性恐怖症になってしまった経歴がある。

 

白良「だから気持ちは嬉しいんだけど……」

 

八幡「この場で、そして俺達がその俺の目の前で一口ずつ食べれば問題ないのですか?」

 

いろは「確かにそれなら……」

 

白良「………そうね。ちょっと待っててね。ファニー君を呼んでくるから。さすがに次元の狭間を突破する力は私の八幡も小町もないしね♪」

 

白良さんは一旦みんなの所に戻ると、閣下と小町と雪ノ下、それに他の5人や忍さんを連れて戻ってきた。

閣下や他の5人はわかるとして何で小町と雪ノ下を連れてきた?特に小町は異世界の自分が嫌いなんだぞ?まぁ、あの小町のお陰で幾分かは解消したけれどな。

 

白良「二人の八幡、承太郎君、丈城君、承一郎君、忍君も小町も雪乃さんも是非ともお礼したいって」

 

雪乃「オーフィスさんに聞いたわ。白良さんとオーフィスさんがいなければ実は私も危ない状況にいたって。だから私もお礼をしに来たのよ」

 

小町「小町もね……。白良さんがいなければカーズどころの騒ぎじゃあなかったって」

 

A八幡「更に別の世界の俺なんて滅多に会えないからな」

 

B八幡「俺達も料理が苦手じゃない」

 

G承太郎「うちでは俺がいつも作っている」

 

丈城「うちでもアーシアやリアが来るまでは俺が作っていたんだぜ?」

 

承一郎「集英組でも僕が組員のご飯を作っている。クリスタル・ファングでもな」

 

忍「あちしはカフェのマスターだから知っているわよね?」

 

ヴァレンタイン「全員が白良さんに感謝したいといってきたのだが、この8人が代表して来ることになった。白良さんの世界の八幡君の話を聞く限りでは女性は少ない方が良いだろうという判断だ。それでは白良さん、準備は良いですか?」

 

閣下がD4Cを展開する。早速異世界へと行くつもりなのだろう。

 

白良「ええ。お願いね♪ファニー君」

 

ヴァレンタイン「どジャアァァァン!」

 

いつものどジャアァァァン!で閣下と白良さんは消えていった。

 

雪乃「それでは比企谷くん。私にも何品か作らせてもらえないかしら?」

 

小町「小町にも作らせて。白良さんの世界のお兄ちゃんと小町に何か食べて貰いたいし」

 

いろは「そうですね。みんなで作りましょう!あっちの世界のハチ君が満足してくれる至高のメニューを!」

 

いろはよ…。お前は海○雄山なの?美食倶○部なの?美味○んぼなの?

 

G承太郎「さて……久々の現代科学の厨房だ。腕が鳴るな」

 

丈城「パールジャムもやるか?」

 

承一郎「止めとけ。よっぽど酷い目にあったんだろう。対人恐怖症になったらどうする」

 

丈城「それもそうだな。初めての人間にパールジャムは刺激が強すぎるな」

 

A八幡「冬乃さん仕込みの腕を見せてやるよ。料理では負けねぇぞ?」

 

B八幡「こっちは遥仕込みの腕だ。陽乃さんや一色にも鍛えられたがな」

 

忍「あちしは高校時代にバイトしていた店の料理を作ろうかしら?」

 

八幡「俺はいつものイタリアンだ」

 

いろは「ではわたしはブリティッシュで行きます」

 

小町「承太郎さんはいつもの家庭料理かな?多分、八幡さんならいつもの小町の料理が良いだろうし」

 

全員でワイのワイのと料理を作っていく。

女子によるいじめか……。

似たような事がこちらの世界でもあったな。

折本の事件の時に……。折本は悪くない。だが、俺やジョジョに悪意を持つ女子は……。

人間は悪意だけではない。だが、善意だけでもない。

そして、絶対多数は集団にとって正義となる。

あの時の折本の友達(笑)連中もそうだったのだろう。

もしいろはや小町、ジョジョや陽乃さんがいなかったらどうなっていたことやら。

俺は5人を見る。

5人とも手際が良いな。承太郎の方は直に見たことがあったけど、他の4人も日常的にやっているのがわかる。

これはうかうかしていられん。

 

ヴァレンタイン「どジャアァァァン♪」

 

白良「お待たせ♪みんな」

 

異常なまでの恐怖症八幡(I八幡)「は、初めまして…(プルプル…)お、俺が3人もいる……」

 

I小町「は、初めまして…って首筋に星の痣がある。お母さん、この人たちってオーフィスちゃんの水晶玉やあのスマ○ラもどきに出ていた人達じゃ……」

 

ス○ブラもどきって何ですか?白良さん。

 

白良「こっちの話よ♪気にしたら負けよ?DIO♪」

 

そうは言われても気になるものは気になる。

閣下に連れて来られて白良さんの子供である比企谷兄妹…つまり俺と小町が現れた。

背後にある段ボールが気になるけど。

 

八幡「よぉ、初めまして。白良さんの息子の俺と小町。白良さんにはかなりお世話になったからな。白良さんへのお礼として二人には俺達の料理を食べてもらいたくて来てもらった」

 

I八幡「そ、そっちの俺の料理?だけど……」

 

いろは「大丈夫ですよ?事情は白良さんから聞いています。わたし達が最初に食べれば良いんですよね?」

 

小町「そっちの小町も楽しんで行ってね♪小町はエリザベス・ジョースター♪リサリサでも良いよ?まぁあと二人、ここには小町がいるんだけど、小町代表はリサリサ小町が代表して来ました♪」

 

I小町「あ……サンシャイン・ルビーの小町だ」

 

I八幡「小町が好んで使う小町だよね?怖い(プルプル)」

 

小町「え……何でめちゃくちゃ怖がられてるの?」

 

八幡「気のせいか俺も怖がられている気がする」

 

雪乃「気が合うわね。私もよ?」

 

5人「俺(僕)達もだな」

 

何で?女性恐怖症だから小町や雪ノ下は理由が付くとしても男の俺まで何で怖がられてるの?八幡わからない。

 

白良「小町?あのゲームでリサリサちゃんばかり使ってるでしょ?ダメよ?ルビーレーザーばかり使っちゃ」

 

I小町「だって小町の中では一番強いじゃんか。お兄ちゃんはどのお兄ちゃんも強いけど」

 

I八幡「ルビーレーザー怖い(プルプル)」

 

承一郎「あれは確かに怖い……」

 

G承太郎「食らったことがあるのか?」

 

A八幡「光速だものな……うちの小町が波紋の適正が無くて助かった……」

 

B八幡「ボーダーを崩壊に追い込みかけたものな…」

 

小町「白良さん……まさか……」

 

なんとなくわかってきた。恐らくだが、この人…今回のオペレーション・リゲイン・ジェムストーンを題材にしたスマブ○もどきのゲームを作ったな!?そのキャラがリアルで目の前に現れたらそりゃ怖いわ!

 

雪乃「ま、まぁ……とりあえず食べましょう?まずは私達が食べれば良いんですよね?」

 

雪ノ下が自分で作った物を食べる。

うん、雪ノ下もプロが作った物と変わらないレベルで実に旨そうだ。

小町やいろはも続いて食べる。

 

八幡「俺も食べた方が良いのか?」

 

I八幡「DIO怖い、DIO怖い(プルプル)」

 

八幡「………食べた方が良さそうだ……」

 

5人「日頃の行いだろ。お前の場合は」

 

八幡「しまいには泣くぞこんちきしょう」

 

丈城「真似すんな」

 

八幡「ヤレヤレだぜ」

 

G承太郎「真面目にやれ」

 

八幡「わたくし、大マジですわ」

 

ゴン×5

 

5人「相変わらず真面目に舐めてるな!お前は!」

 

何で自分自身にまで怖がられてるの?ホントしまいには泣くよ?

そして何で5人はシンクロしてるの?八幡被害者の会のシンパシー?

あれ?普通に作ったはずなのになんかしょっぱいや。

 

I小町「なんかホントに泣いてますよ?DIOさん」

 

いろは「自分に拒絶されてショックを受けているみたいです。ほら、ハチ君♪」

 

いろはに抱き締められて頭をなでなでしてもらう。

 

白良「ほら、八幡?もう大丈夫でしょ?さぁ、私達もいただきましょ♪小町も♪」

 

I小町「うん!いただきます♪」

 

I八幡「DIOの俺……ごめん。そういうのが一番辛いって俺がわかっているのにな。俺もいただきます」

 

白良さんの息子も食べ始めた。

最初はおそるおそると…そして一通り食べるとニッコリ笑った。

 

I八幡「うまい……全員の料理……それに……誰かの料理をこんなに大勢で食べるのが楽しいなんて久し振りだ……(ポロポロ)」

 

八幡「ありがとよ。お前の母ちゃん程では無いだろうがな」

 

この完璧超人なら多分料理も上手いのだろう。張り合う気にもならんわ。多分、他のみんなもそう思っているだろう。

それにしてもどの世界でも小町はかわいいな。

敵となった小町は知らん。そんなものは小町じゃあない。

 

白良「ホントに美味しいわ。ありがとう。みんな」

 

白良さん一家が喜んでくれるなら……。あれ?親父とカマクラは?

 

I小町「皆さん。今回は色々あったんですってね?これからも頑張って下さい!」

 

小町「ありがと、小町。そっちのお兄ちゃんもいつかは女性恐怖症が治ると良いね?」

 

I小町「うん!リサリサちゃんってゲームじゃ言動が厳しいけど、現実だと違うね?」

 

小町「どういうイメージで作ったんですか?白良さん」

 

まぁ、良いけどね……。俺の場合はとても非情に作られていそうだ…。

 

I八幡「ごちそうさまでした。ありがとう。三人の俺やスタンド使い達。それに小町と……一色だったっけ?(ガタガタ)」

 

八幡「いつか治ると良いな。恐怖症」

 

I小町「治ったらたっぷり甘えるからね?お兄ちゃん♪」

 

小町「同士よ」

 

八幡「お前のそれとは多分違うぞ」

 

がっちりと固い握手をする小町だが、恐らく……というか間違いなく超絶ブラコンのシズカの領域にいる小町はうちの世界の小町だけ……

 

I小町「同士よ」

 

………俺は何も見なかった。多分、気のせいだ。

 

白良「あ、DIO。あなたにこれをあげるわ」

 

そう言って白良さんは段ボールを開けて中身を取り出す。それは……

 

八幡「ヒーロースーツ?」

 

白良「そう♪近い未来に必要になるわよ?草薙八神君」

 

誰だよ草薙八神。

 

白良「もし、あなたとまったく同じ存在を助けに行くときに必要になるわ。そうね……ヒントは承一郎君よ」

 

承一郎がヒント?皆目見当がつかん。

承一郎と俺が関わるとしたら四年前からの数々のイタズラ合戦だよな?

うーむ……?

 

 

数ヵ月後、実際これが役に立つときが来るとは思いもよらなかった俺であった。

 

 

I八幡「おいしかった。今日の事は忘れない」

 

I小町「皆さん。今日はありがとうございました♪」

 

ヴァレンタイン「それでは二人とも。準備は良いかね?どジャアァァァン!」

 

閣下のD4Cに包まれ、白良さんの子供達は帰っていった。

 

八幡「蛙の子は蛙………か」

 

いろは「どういう意味ですか?」

 

八幡「規格外の子供は規格外って事だよ。女性恐怖症で丁度良いくらいかもな……」

 

ヤレヤレだぜ。

 

←To be continued




さて、草薙八神。

この名前は実はこの作品とは別の作品で出ています。

ピンときたかたはいらっしゃいますか?


なお、I八幡が規格外と気が付いたのは細かいところの動作です。お得意の観察眼ですね。

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