やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までの八幡の冒険!(会話しかしてない)

謎のゾンビ集団により重傷を負った億泰の治療の為、ジョースターチームはニューヨークで一泊。
謎のゾンビ集団が太陽の光により煙となって浄化したという億泰とミスタの報告を聞き、八幡はある仮説を立てる。
それは19世紀のイギリスで、村全体を吸血ゾンビとして吸血鬼・ディオが手駒にしていた生物、屍生人。
昼に襲ってきたのが屍生人だったとして、明らかに本気ではない一連の行動。
敵か味方か、正体はおろか、そのスタンド自体さえ姿を見せない相手に不安を隠せない八幡達!
もし敵が本気になれば…喉元に刃を突き付けられた状態だが、歩みを止めるわけにはいかない!
一体あの屍生人達は何なのか!
一抹の不安を抱えながらも八幡達の冒険は続く!


東方仗助、恋人に遇う1

sideジョルノ・ジョバーナ

 

僕達がアメリカに到着した翌朝。

ホテルを出た僕たちの前に、地味な白色のマイクロバスが停められていた。

 

ジョルノ「オーダーメイドの特製マイクロバスにしては地味ですね?」

 

派手好きのジョースターさんらしくない、白地に青のワンポイントラインが入っただけで、JST Planning Co., Ltd.という会社名が書いてあるだけの外装だった。

 

ジョルノ(何ですか?JST企画株式会社って…)

 

聞いたことのない会社だ。

適当に作ったダミーの会社名だろう。

 

仗助「昨日の段階で急遽、塗装して貰ったんだよ。

ジョースターマーク入りやらジジイ好みの派手なイラスト入りのマイクロバスなんてものに乗っていたら、敵に狙ってくれと言っているようなものだぜ。

外装だけでも目立たない、どこにでもある物にしておかねぇと危なくって仕方がねぇよ」

 

それもそうだ。

極力敵と遭遇したくないのに目立つ車を乗り回すなんて無駄とかそういうこと以前にバカのやることである。

むしろ、昨日の今日で派手であったであろうこの車の外装を地味に仕立て上げたSPW財団の車両班を素直に称賛すべきであろう。

 

八幡「いや~こういうのもたまにはいいよな~。

修学旅行や遠足とかの移動みたいでみんなとわいわいするのもこの面子なら悪くない。

学校行事とかの遠足は無理に話題を引き出してはしゃぐから騒がしくていかん。

で、そのうちはしゃぎすぎたクラスメイトが元気を使い果たして静かになっていくのだが、俺とジョジョは特に元気を使う事もなかったから、目が冴え渡って、お互い喋りたいときだけ喋って後は外を眺めていたものだ」

 

八幡はバスに何かを感じたのか、突然そんなことを言い出した。

 

ジョルノ「そうだね。僕には何故そこまで周りの生徒が無駄に元気にはしゃぐのかがわからないけど。

僕はそういう学校行事に参加したことがないからわからないな」

 

静「本当にそうですね。何故皆さんは景色を楽しんだりせずにムリにはしゃぐのかが理解に苦しみます」

 

いろは「そういう場面での多少の社交辞令くらいなら、そこそこに付き合っても良いとは私も思いますよ?

ただ、そこから無理矢理口説きにかかってくる男子とか、女子同士でも好きな男の子の話を脈絡もなく始めて、『なになに君は私が狙ってるから、手を出さないで』アピールするのはやめて欲しいですね~。

楽しい気持ちが吹っ飛んじゃいますよ。

空気を読んでほしいかな~って」

 

僕達四人が「うんうん!わかるわかる!」と頷き合っていると…

 

陽乃「アッハハハハ!バカだ!バカ共がいる!」

 

小町「お兄ちゃん、ジョジョお姉ちゃん、ジョルノお兄ちゃんはまだある意味でいつも通りだから諦めがつくとしても…。

小町、いろはお姉ちゃんだけはこちら側だと信じていたのに裏切られた気分だよ。

っていうか、もうすっかり前世とか関係なくなってるよね、お兄ちゃん達。

小町も人の事は言えないけど」

 

仗助「こ、こいつら…そこまでとは…」

 

ミスタ「ジョルノはまぁ、どこか浮き世離れしているのは知っていたけど、八幡達はそれ以上だな」

 

億泰「俺も学校行事とかはほとんど参加したことなかったけどよぅ、流石にそれはねぇんじゃぁねぇの?」

 

約半分から呆れられてしまった。

おかしいな…何か変なことを言ったつもりは無いのだが…。

それよりも気になることがある。

 

ジョルノ「八幡、君は魂の惹かれ合いとかに理解はあるか?」

 

八幡「……お前は感じているのか?ジョルノ」

 

ジョルノ「ついこの間から…」

 

八幡「何となくだがわかる。

近くにいて、俺達を見ている…仗助はわからないみたいだが、確実にいると確信できる。

突然あらわれた1つも含めて」

 

ジョルノ「僕と君が惹かれあっている相手はやはりDIOの…」

 

八幡「多分…な」

 

変な奴と疑われる覚悟をして訊いてみて正解だった。

実はアメリカには奇妙な縁を感じていた。

それが最初は3つだった。

DIOには僕の他にも3人、異母兄弟がいるとは聞いていたので多分それだろうと思っていた。

だけど、ある日突然、それが急に1つ増えた。

昨日、ミスタ達を襲ったゾンビ…あれはおそらく、突然増えた最後の縁の仕業だと僕は思っている。

 

仗助「おーい、ジョルノ!八幡!出発するぞ!」

 

ああ、もうSPWとの車の引き継ぎは終わったようだ。

すると八幡は助手席の方におもむろと座った。

 

億泰「おい八幡。何でおめぇが助手席に座ってんだ?」

 

いろは「そうですよ八くん。どうしたんですか?」

 

八幡「バッカお前ら。敵の狙いは俺の身柄とザ・ワールドだぞ?」

 

いろは達はそれがどうした?と首をかしげる。

 

八幡「少なくとも、奴等は俺が死んでしまっては逆に困るはず。俺が助手席にいるとわかれば運転席を潰すようなマネはして来ないと思うし、ついでに言えば俺の周りの前の方が安全とまで言える。移動間は俺が助手席に座り、他のみんな前の方にいるのが良いと思う」

 

極端ではある考えだが、八幡の言うことにも一理ある。

万全とも言いがたいが…

 

億泰「で、誰が運転するんだ?俺がやるか?」

 

仗助「お、億泰。お前、運転出来るのか?」

 

億泰「おう、俺も大型っくれぇはもってるぜぇ」

 

ミスタ「へぇ、ドライバーが多ければ俺も楽だ。

案外頼りになるじゃぁねぇかよ、億泰?」

 

億泰「おうよ!任せてくれ!…で、ところでよぅ」

 

なんだろう、こういった流れで「ところで」って言う場合の大抵は嫌な予感しかしないのだが…

 

億泰「何で車が右側走っているんだ?」

 

………

まさかとは思うけど、念のために確認しておこう。

 

ジョルノ「億泰さん、国際ライセンス、持ってますよね?」

 

億泰「国際ライセンス?なんだそれ?」

 

確認しておいて正解だった。

 

仗助「バッカ億泰!国際ライセンスなければ海外での車の運転が認められるわけねぇだろ!

大体、日本のように左側通行はすくねぇんだよ!

標識の違いとかどうするつもりだったんだ?!」

 

億泰「え?お、おう…そういえば何か違うなぁくれぇは思ってたけどよ」

 

何か違うなぁ……じゃないですよ!

普通に無免許です。

 

ミスタ「はぁ…俺がドライバーやるわ…」

 

呆れ返ったミスタが名乗り出た。

 

八幡「まったく…」

 

小町「ヤレヤレだよね?お兄ちゃん?」

 

八幡「頼むから人のセリフをとるの、やめてもらえませんか?コマチエルさん」

 

最近、八幡はそれが多いな。

 

 

side綾瀬絢斗

 

絢斗「おい、クソガキ。もうじき奴等の車が通るぞ、準備は良いのか?」

 

少年「静かにしてくれ。タイミングをはかっているんだ。一般の車両に被害を与える訳にはいかないからな」

 

絢斗「ふん、優しいことだな。天国が発動すれば、今の世の被害など、関係なくなるというのに」

 

少年「俺はアンタのように関係のない人間を巻き込むようなサイコパスじゃぁ無いんでね」

 

ふん。本当に毎度毎度、口の減らないガキだ。

我々の崇高な志を、サイコパスだと?

やはりこいつは、ジョースター共を葬り去ったら始末する方が良い。

せめて苦しまずに一瞬で消してやる。

あのーーーーーみたいに…

 

少年「今だな」

 

クソガキはトレーラーに積まれていた重機ごと影に包まれ消えた。

 

 

side比企谷八幡

 

車はニューヨーク~フロリダ間を走る、州間95号高速道路を順調に進み、四時間くらい経過した。

そろそろニュージャージ州を抜け、デラウェア州に入る。

その州境、デラウェア川に架かる「デラウェアメモリアルブリッジ」が見えた。

料金所を抜けると、緑色の景観の良い橋が見える。

 

八幡「これは良い橋だな。レインボーブリッジとかそういう感じで、ちょっとした観光スポットだな」

 

大変な時だというのに、こういうキレイな橋を見ると気分が良い。

景色が良くて気分が良いのはひさびさだ。歌でも一曲歌いたいくらいだ。

 

そんな時だ、何か上空から影が差してきた…

ふと上を窓から首をだして見上げると…

 

八幡「げっ!」

 

空から降ってきてはならない物が降ってきていた!

ああ、25年前のエジプトで俺はああいう風に承太郎に向けてあれを落としたっけ。

なんだったっけかなぁ、あの重機。

そう確か……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日系人?「ロードローラーだ!」

 

重機の上に乗っているであろう俺と同年代っぽい奴の声が響いた。

 

そうそうロードローラーだよ、ロードローラー。

あの時は承太郎を潰したと思ってたけど、上手く逃げられたんだよなぁ。

 

…ってちげぇよ!なに現実逃避して懐かしがってるんだよ!

あの時の承太郎は逃げられたけど、今の俺達は現在進行形でやべぇよ!

落ち着き払って、そうそうロードローラーだよ…じゃねえよ!

 

八幡「ザ・ジェムストーン!止まれ時よ!」

 

俺は時を止め、屋根へと躍り出る!

実戦で使うのは久々だが、時を止める練習だけはしてきた。

練習しすぎて承太郎から「練習するときは事前に連絡を入れてからやれ!」とガチで怒鳴られたくらいだ。

 

八幡「八幡なだけに、まだ8秒しか止められんが、ヤバい位置からどかすくらいまでは稼げる!」

 

俺はロードローラーに向けてラッシュをぶちこむ!

 

八幡「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

ロードローラーをどかして落下範囲内からバスを逃がすのはもはや不可能!

ならばせめて人が乗っていない後部へ少しでも押し退けるしかない。

チクショウ……ジジイ自慢の高級マイクロバスが初乗り四時間でスクラップかよ!

処女航海で沈没したタイタニックだってもうちょっと持ったぞ!

 

八幡「ちぃっ!時間切れだ!」

 

ドグォォォォン!

 

ロードローラーが落下し、バスの後部1/4が押し潰される!

俺は衝撃で飛ばされ、バスどころか橋から落ちてしまった!

まぁ、逆にアスファルトや橋の鉄骨に叩きつけられるよりはマシだったともいえるが。

 

八幡「脱出しろ!爆発するぞ!」

 

俺はそう叫ぶのが精一杯だった。

 

八幡(くそっ!どこのどいつだ!こんなことしたのは)

 

落下しながらも、同じく飛ばされた相手の顔を見る。

 

八幡(やっぱりな)

 

首の付け根の星形のアザ、そして…

髪のバッテンの飾りを付け、澄んだ目付き以外は髪型も顔付きもどことなく俺に似た、高校生くらいの日系人の男だった。

男は俺と目が合うと、同性の俺でも引き寄せられる爽やかな笑顔をしたあとに雰囲気が一転。

俺ほどでは無いにしても、目付きが悪くなったと思ったら、先ほどの笑顔とは程遠いニヤリとした笑顔の後に、影を纏って消えた。

 

八幡(ジョースターの縁の男…そして、おそらくこいつが屍生人の親玉…)

 

そこまで考えたところで俺は着水した。

いずれにせよ覚えてろ!

家族を危険に晒してくれた礼、ジジイのプレゼントを潰してくれた礼、そして…

 

クリア直前のゲーム本体、ソフト、メモリー全てをパーにしてくれた例は必ずするからな!

 

 

side東方仗助

 

空から何か降ってきた。

八幡が気付き、その後すぐにあいつの姿が消え、降ってきた物が車の後方へ飛んでいた。

八幡が時を止めて何とかしてくれたらしい。

少なくとも俺達が重機に押し潰される事態は避けられたようだ。

だがよぉ、まったく被害が無かったわけじゃぁない。

車の後方が潰され、俺達の私物が一気にお陀仏にされた。

八幡が言っていたように、前方にまとまって座っていなかったら誰かがやられていた。

 

八幡「脱出しろ!爆発するぞ!」

 

八幡は川へ落下しながら叫んだ。

なんだって!見ると、落ちてきた何かから電気系統がスパークしていやがる!

やべっ!燃料とかに引火したらここもヤバい!

 

仗助「脱出だ!出るぞ!」

 

クレイジーダイヤモンド「ドララララ!」

 

見ると全員が各々のスタンドでバスを破壊して車外に飛び出す。

ちぃっ!走っていたんじゃ間に合わねぇ!

八幡を追って川に飛び込むしかねぇ!

 

ジョルノ「川へ飛ぶぞ!迷ってる暇はない!」

 

さすがはジョルノ!判断が早いぜ!

何か耳から何か入ったような気もするが、気にしていられるか!

 

それがトラブルのもとになるとは思っていなかった。

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

いやぁ、なかなか進みません(^_^;)

車が届く→八幡ボッチ発言→静、いろは、ジョルノ同意→その他から突っ込まれる→やっとこ出発→「ロードローラーだ!」→二人の主人公邂逅?→川に落ちる→仗助耳に違和感→To be continued

この話、長引きそうです(^_^;)

ではまた次回!

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