やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までの八幡の冒険!

ジョセフ・ジョースターが特注したマイクロバスでニューヨークを出発した八幡達ジョースターチーム!
デラウェアメモリアルブリッジを渡橋中、突然ロードローラーが降ってきた!
このままでは潰される!
八幡はザ・ジェムストーンで時を止め、ロードローラーをラッシュで押すも、落下点からの脱出は叶わず、バスの後部は破壊。
川に落下中、八幡は敵の姿を見る。
目の澄んだ自分と似ている男…
この人物は一体誰なのか!
そしてその目的は!
一方、車から脱出したジョースターチーム!
そんな中、仗助の耳に違和感が!
一体何がおきるのか!?


東方仗助、恋人に遇う2

side綾瀬絢斗

 

私はクソガキが出ていった後、不要になったセミトレーラーを廃車置場で牽引車から切り離し、私のスタンドで

消し去った。

そこに「影」が出現する。

クソガキが帰ってきたようだ。

 

絢斗「随分荒っぽい足止めだったな。まさかロードローラーを落とすとは思わなかったぞ」

 

少年「ここらで彼の力を見ておきたかったからな。それに、せっかくロードローラーがあったんだ。一度くらいはやってみたかったんだよ。タンクローリーでも良かったが、やはりあれはロードローラーだからこそ燃えるんだよな」

 

絢斗「そんなもの、どちらでも良い。むしろ燃えるのはタンクローリーの方が燃えるだろう。

爆発が早まって他のジョースター共が始末出来て良かったのではないのか?」

 

そうすれば他のスタンド使いなど頼らなくとも、余計な手間が省けたんだ。

目標のガキは既に橋から投げ出されていたんだからな。

 

少年「あの時は偶々あいつが外に出たから一人だけ投げ出されてしまっただけで、あの段階じゃ、この結果は分からないだろう?

それに、ロマンって物があるだろうが」

 

何がロマンだ。

だが、言っている事は一理ある。

まぁ、奴が上手くやれれば問題ない。

 

少年「(じゃあ、『俺は』もう寝るぜ。

精々頑張れよ」

 

クソガキは昨夜のように雑誌を顔に被せて眠り始めた。

今回は例のラクゴだか何だかを聞かないのか、イヤホンからジャカジャカ音楽が流れ始めた。

 

 

side静・ジョースター

 

気分よくドライブを楽しんでいたら、いきなりロードローラーが落ちてきてバスの後部が潰された。

そして爆発の危険があると全員がバスから脱出し、川に飛び込んだ。

結果的にはその通りで、バスは爆発したらしき音が聞こえた。

川に着水した私とハッチとマーチの3人の波紋使いは水上の上に立ち上がる。

他のメンツも大体はプカプカ顔だけを出して浮かび上がっていたのだが…

 

いろは「もうハチくぅん♪こんな所でぇ♪」

 

イーハはハッチがお姫様抱っこで抱き止めていた。

こんな時にこんな所でイチャイチャしてんじゃぁないよ!

敵だっつってんの!

けど、そっちはまだ良い…

 

陽乃「ガバゲボ…だ、誰か…ガボッ!助けて!私は泳げるけど…アップアップ…川だけは…ブハッ!川だけは前世のトラウマで…ブクブク…」

 

運動万全のくせして泳げないって…

アップアップなんて漫画やアニメでしか見たことないよ!

てか、何で泳げるのに川だけはダメなの?!

普通はそういうのって泳ぐこと自体が無理でしょ!

変な意味で器用なカナヅチだね、まったく!

んん…いけない。普段は亡くなったスージーママの淑女教育の賜物で、話すときは落ち着いた敬語を心掛けているが、内心で考えているときはこんなものだ。

下手をしたらレディースやってたり、普段はヤンチャな徐倫お姉ちゃんの方が中身は女性らしいまである。

最近、ちょっとハッチが移ってきたかな…?

 

静「パウッ!」

 

ドズッ!

 

っと、とりあえず、まずは陽乃さんを引っ張り上げ、横隔膜に小指を突っ込む。

 

陽乃「かはっ!」

 

静「そのまま肺の中の空気を全て吐き出しきって下さい」

 

才能にもよるが、波紋の呼吸を習得し、水の上に立てれば川で慌てふためく事もないだろう。

陽乃さんは才能がある方なのか、波紋の力を僅かに出す。

 

静「今の呼吸を続けて下さいね。

上手くいけばこうやって水上に立てるようになりますから」

 

陽乃「コオォォ…あ、助かった…」

 

へぇ…大した才能だよ。

波紋の基礎を教えただけなのに、水上に立てるようになるなんて。

良くて兄さんのように最低限は同調できれば良いくらいの軽い気持ちでやったのに。

あ、でも安心したのか陽乃さんの呼吸が乱れ始めた。

まぁ、私達3人みたい無意識で波紋の呼吸が出来るなんてそうそういないでしょうけど。

とりあえず注意だけはしておこう。

毎回引っ張り上げてから小指を突っ込むのって面倒だし、アレって一見無造作にやっているように見えるんだけど、案外デリケートな作業だから私では成功率があまりないんだよねー。

 

静「安心しきって呼吸を乱さないで。

少なくても河から出ない内は呼吸に意識をして下さい。

次は助けませんよ?」

 

正確には次も上手く助けられる自信はない…だけど。

あ、マーチにやってもらえば良いかな?

私達の波紋の師匠はマーチだし、前世は波紋の名門の先生だったって話だし。

 

陽乃「コオォォ…静ちゃん、助かったよ」

 

静「ジョースター。あなたにファーストネームを呼ばれたくないと言いましたよね?

それと、喋る余裕があるのなら早く河岸に走ってくれません?

また沈みますよ?」

 

コオォォ!ダダダダダッ!

 

陽乃さんは本当に嫌なのか、猛ダッシュで走っていった。

ホント、今波紋の基礎をやっただけであれだけモノに出来るなんて、才能ありだね。

本気で川が嫌だってこともあるかもしれないけど。

マーチに預ければ柱の一族相手でも戦力になるくらいの戦士になれるんじゃぁ無いかな?

汐華の縁の人間だから信用は出来ないけど。

 

億泰「うわあぁぁぁ!なんじゃこりゃぁ!」

 

ミスタ「待ってくれ!これは軽くホラーだぞ!」

 

ジョルノ「小町、出来れば普通に頼みたいんだけど」

 

ジョルノ兄さん達の悲鳴を聞いて見てみると…

マーチがサンシャインルビーを出して川の水を二つの手の形に固定させ、億泰さんやミスタさんを鷲掴み。ジョルノ兄さんをマーチ自身がお姫様抱っこ。

ジョルノ兄さんとハッチって性格的に似てるから、マーチのお気に入りなのはわかるけど、この扱いの差…

 

小町「非常時なんだから気にしない気にしない♪

うりゃりゃりゃりゃぁぁぁぁぁ!」

 

億泰&ミスタ「ギャアァァァァァァ!」

 

そのままマーチはサンシャインルビーに抱えられ、彼女のスタンドは水の手を伴って、水をサーフボードのように波乗りして滑って行った。

何あれすごい。

……………流石は波紋を具現化したスタンド………。

歴代波紋使いでもあんな離れ業は出来ないだろう。

ジョルノ兄さんも流石に恥ずかしそうだ。

っつうか、承太郎おじさんがまとめたスタンド資料に、あんな感じの水を自由自在に変えたりするスタンドがあったような…。

ゲブ神だったかアクアネックレスだったか…。

 

八幡「さすがはコマチエル!俺達も行くぞ」

 

ハッチもイーハを抱えてスケートのように滑って行く。

マーチの後では霞んで見えるが、あれはあれですごいんだけど…

比企谷兄妹は化け物なのかな?

波紋使いとしての自信がなくなるなぁ…

 

まぁ、いつまでも呆気にとられていても仕方ないし、私も兄さんを抱えて何か…

 

仗助「ジョジョ、頼むから普通に助けてくれ。な?」

 

静「…………はい」

 

………残念だ。

私はいつも通り、兄さんと波紋を同調させて兄さんを立たせ、二人で手を繋いで走って川岸まで走った。

これはこれでアリかも♪

 

sideジョルノ・ジョバァーナ

 

対岸まで走った小町達は、みんなの息が整うまで待ってくれていた。

ちなみに波紋使いの三人は平然としている。

初めて波紋を使った陽乃や、自身では波紋を使えない仗助さんは流石に息が乱れていた。

ミスタと億泰さんは自分で走っていないのに疲れきっていた。

いや、あれは単純に怖かったんだな。

紐無しバンジージャンプの後にアレでは確かに怖い。

まぁ、僕も小さな女の子にお姫様抱っこされてすごく恥ずかしかったのだけど。

ちなみに、僕自身も波紋の才能は仗助さん以上にない。

小町に教えてもらって(パウッ!含めて)試してみたのだけど、仗助さんみたいに他人の波紋を同調させる事すらも出来なかった。

吸血鬼の息子だったからかな?とも思ったが、だったら半分は吸血鬼だった父の前世を持つ八幡が生まれつきできたのだから、単純に才能が無かったのだろう。

生命エネルギーを具現化したゴールドエクスペリエンスを使う僕が、同じ生命エネルギーの波紋の才能が無いなんて笑い話にもならないけど。

 

八幡「あっちゃぁ…向こうはえらい騒ぎになってるなぁ」

 

小町「テレビ局のヘリまで出てるよ?あれじゃぁ、バスをクレイジーダイヤモンドで直しに行って再利用するなんて出来ないよね?」

 

八幡「まったくだ。ホントにどう責任取ってくれるんでだ?あれはあれで我が社やジョースター家の財産なんだが?ついでに荷物やらも潰れたし」

 

小町「この責任、納得の行く説明を聞かせてくれるんだよね?そこのオジサン」

 

八幡、小町は河原の入り口に向けて厳しい目付きを向けた。

 

オジサン「な、何をいきなり!俺は近くでゲバブ屋の屋台を営んでる親父だぞ!何か騒ぎになっているから見にきただけだ!言いがかりは止してくれ!」

 

白々しいな。

これなら暗殺チームの奴らやディアボロ親衛隊の方がよっぽど正体を隠すのが上手いぞ。

殺気がわかりやすすぎる。

父はよほど人材不足みたいだったようだ。

彼は僕に近付いてくる。

 

八幡「ジョルノ!そいつをなぐれ!死なない程度に!吹っ飛ぶくらい!それ以外の奴は走る準備だ!ジョースター家の伝統を使うぞ!」

 

ジョースターの伝統を?アレ…かな?何故?

 

しかし、僕は八幡の判断力を買っている。

彼に何か作戦があるのだろう。

 

バキィ!

 

オジサン「ゲブっ!」

仗助「うおわっ!」

 

僕がオジサンを殴り飛ばすと、何故か仗助さんまで同じ体勢で殴り飛ばされた。

 

陽乃「こいつは恋人の暗示を持つスタンド使い、スティーリー・ダン!ミクロのサイズしかないスタンドで誰かの脳に入り込み、自分が受けたダメージを取り付いた相手にはねかえす能力!こいつが自殺とかしたら仗助が死ぬわ!」

 

八幡「ヤッパリ!全員手を出すな!何人かは監視のために残れ!」

 

ダン「その通りだ。バレていたみたいだな。どうせなら女の子全員と今、俺を殴った兄ちゃんを希望するぜ」

 

八幡「ちっ!行くぞ!ジョースター家奥義!」

 

八幡はザ・ジェムストーンで億泰とミスタを掴む。

 

そして仗助と頷き合って…

 

クルッ♪シュゴオオオ!

 

八幡&仗助「逃げるんだよォォォ!」

 

ミスタ&億泰「うわあぁぁぁ!また運ばれるのかよォォォォォォ!」

 

僕を残した男性陣が走り去って行った。

何をするつもりなのだろうか…

ここに残ったのは僕、いろは、小町、陽乃…

 

ダン「さて、金髪兄ちゃんには人間椅子にでもなってもらうかな?女の子達はコンパニオンみたいにもてなしてもらおうか?」

 

……ビーチ・ボーイズの奴とは違ってこいつは最初から下衆だな。

とりあえず、下手な事をされないためにも今は言いなりになるしかない。

あれ?誰か一人、足りなくないか?

 

 

side静・ジョースター

 

川原から逃げた私達は、ステイリーダン達から見えなくなった住宅地の陰まで逃げ込んだ。

私は河岸に着いた時点で敵の襲撃に備え、アクトンクリスタルで姿を消していた。

だからスティーリー・ダンは私がいたことは分かっていない。

 

八幡「よし、ここまで来たのならとりあえずラバーズをどうにかしよう。ハーミットアメジスト」

 

億泰「おい八幡。今回はザ・ジェムストーンじゃ…」

 

八幡「黙れ!億泰!」

 

億泰「あ?」

 

八幡「どうやら何らかの方法で誰かに見られてる。俺とジョルノしか気付いていないみたいだが、どうやらディオの息子の誰かがそういう能力の持ち主なんだろう。

スタンド使いが肉親の縁で感覚的に通じるアレだ」

 

たしかDIOとパパとか、イタリアのモデルのトリッシュさんと前パッショーネのボスとかにあったヤツのことだよね?

 

八幡「どうも嫌な視線をさっきから感じているんだよ。

盗聴もされているかもな。

だから俺達の能力に関わる事は一切口にするな!

これは絶対に守らないと命に関わるぞ!」

 

ハッチは水ポチャで壊れたiPadを取り出した。

 

八幡「仗助。これを直してくれ」

 

仗助「ああ」

 

ハッチは兄さんにiPadを直してもらい、電源を入れ、ビデオ撮影モードにした。

それにハーミットアメジストを繋げる。

するとiPadに気持ち悪い映像が浮かぶ。

 

八幡「これは仗助の脳幹の中だな…厄介な…肉の芽まで栽培されてやがる。波紋使いのスタンドが中に入るしかないが…小さくなって行けるか?ジョジョ」

 

流石はハッチ。気付いていたんだ。

私は姿を現し、ハッチに応える。

 

静「ええ。行けます」

仗助「待てよ。俺の頭の中の話だ。

俺のクレイジーダイヤモンドも行くぜ!

大事な妹だけを危険に晒すなんて出来るか」

 

兄さん///

 

兄さんも一緒なら私もいつも以上に頑張れる!

 

アクトンクリスタルとクレイジーダイヤモンドは小さくなって兄さんの頭の中に侵入した。

 

八幡「映像とナビゲートはiPadで伝える。

もしかしたらあの屍生人が現れる可能性があるが、俺達三人はそれぞれの役目で手が一杯だ。

ミスタさんと億泰さんは無防備な俺達の護衛をお願いします!」

 

億泰「またこいつとコンビかよ」

 

ミスタ「それはこっちのセリフだオソマツ!」

 

そう言いながらもそれぞれスタンドを出して間に私達を挟んで背中合わせに立つ。

頼んだよ?真面目に。

 

仗助「行くぜジョジョ!待ってろよラバーズ!

テメェは完璧にこの俺達…」

静「仗助、静のジョースター兄妹を敵に回してしまったようですね!」

 

待ってなさい!この下衆野郎スタンド!

「恋人」なんて名前のふざけたスタンドがよりにもよって兄さんに取り付くなんて!

兄さんの恋人は私で十分なんだから!

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

主人公の一人にして、第1話から登場している割には一度も主観になったことがなかった静ちゃんが第2章になってやっとのメイン!
そして第1章での八幡との戦い以来、やっとの静と仗助のメイン戦闘が始まります!
まさか億泰&ミスタの方が先にメインやるとは思わなかった(^_^;)

第3部の配役を今回の話に換算すると…
八幡=ジョセフ(ハミパ役)
仗助=ジョセフ(取り付かれ役)+ポルナレフ役
静=花京院役
ジョルノ=承太郎役

となります。
もちろん、他のメンツも今回は全員活躍の予定です!
そしてコラボ主人公も次回から恋人戦では大活躍です!
頼みましたよ?謎の少年!

ちなみに、俺ガイルにはない陽乃の川限定のカナヅチ設定は前世のアヌビス神の最期に関係してます。
そりゃ、川底で人知れず、ひっそりとお亡くなりになればトラウマにもなりますわ…
予定に無かった波紋使いにもしてしまったし…
でもハルノンなら有りうるわ…
余裕で波紋を使いこなせそうだわ…

そして小町よ!お前がいればンドゥール要らないね♪
ただのシリトリブレーカーだね♪
DIOにとっては天敵だけど。
サンシャインルビー、強すぎるから自重させるつもりなのにヤバい…ますますネタの宝庫になりそう…

そしてまたまたやってしまいましたァァン♪
クルッ♪シュゴオオオ!逃げるんだよォォォ!
頑張れよジョセフ…いなくなってもお前がNo.1だ!

ジョセフ「勝手に殺すんじゃぁない!」

ここまでふざけた後書きも久々ですね♪

それでは次回、またよろしくお願いいたします!

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