やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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第5章最初のドンパチです!

ウルフス『ハーメルン』に乗っ取られた松田記者対材木座の『ガンズ・アンド・ローゼズ』&由比ヶ浜の『リバース・タウン』をメインに戦います!

影では八幡達も戦ってるんですけどね?


松田のハーメルン1

side材木座義輝

 

松田と名乗る記者が逃げ、微妙な空気の状態で花火大会は終わった。

 

陽乃「なんか後味は悪かったけど、花火も終わったし、帰ろっか?」

 

雪乃「そうね。東方社長やジョルノ兄さんは県や市の偉い方々に挨拶をしなければならないみたいだし。帰りましょう」

 

そう言って姉妹は立ち上がる。

 

結衣「あれ?はるのん達は良いの?」

 

由比ヶ浜嬢が陽乃殿に訪ねると、姉妹は首を振る。

 

雪乃「元々私達はジョルノ兄さんが気晴らしの一環として連れ出してくれていたの。あの松田さんみたいな人達から連日のようにマンションを取り囲んでいて参っていたのは事実だったから…」

 

陽乃「護衛というのは口実よ。そうでもなければわたしたちはVIP席に来れる立場を失っているもの。行きは会社の車だったけど、帰りは歩きよ」

 

むむ?確か陽乃殿も…

 

結衣「あれ?確かはるのんも財団幹部じゃあ…」

 

確かに由比ヶ浜嬢が言うように陽乃殿も千葉支部の建築部門の部長だったような……

 

陽乃「県クラス支部の一部門の部長じゃあ下級幹部なの」

 

陽乃殿がそう言うと、それに追随して雪乃殿が言葉を継ぐ。

 

雪乃「雪ノ下建設クラスの会社は千葉ではひとかどの会社だったけれども、スピードワゴン財団やジョースター建設クラスの大会社と比較すると孫会社くらいの規模でしかないのよ」

 

陽乃「小町ちゃんも本来は下級幹部、良くて中級幹部の職域だけど、将来的には関東支部の支部長が確約しているし、だいぶ序列は下だけどジョースター家の当主候補に名を連ねているから例外なのよね。八幡君やいろはちゃんも。だから待遇は上級幹部とおなじなの」

 

それでも雪ノ下建設社長と同じ業務をこなせる陽乃殿はすごいと思うのだがな。

 

雪乃「姉さんも予定では日本支部の建設部門を担うと言われているのだけれど。私は別の道へ行くわ」

 

陽乃「あら?雪乃ちゃん、わたしと一緒に来てくれないの?お姉ちゃん、寂しい!」

 

雪乃「下手な演技を……。姉さんはわたしの目標。でもね、背中だけを追うつもりはないわ。別の形で、私は姉さんと並び立つつもりよ。自分の力で」

 

雪乃殿が微笑みながらそう言うと、陽乃殿も満足げな表情で笑う。

 

陽乃「わたしの後を漠然と追っていた頃の雪乃ちゃんはいないんだね♪良いよ?お姉ちゃん、今の雪乃ちゃんが好きだな~♪」

 

雪乃「私もよ姉さん。今は敵わなくても、私はもっと知識や経験を積んで、そして姉さんと並び立つわ」

 

陽乃「簡単には越えさせないわよ?雪乃ちゃん♪」

 

姉妹の軽口の応酬は続くもそこに険悪なものはない。

はるか高みにいる姉に食らいつこうとする妹と、その成長を温かく見守る姉。

それはドロドロとしたものではなく、健全なライバル同士としての関係に見えた。

 

陽乃「さて、帰ろっか?」

 

材木座「そうしましょう」

 

陽乃殿達と共にジョースター家の面々に頭を下げて帰る意思を示す。

するとジョセフ老を初めとしてジョースター家の面々(八幡達も含む)も軽く会釈をして挨拶を返してくる。

む?陽乃殿は八幡に投げキッスをしたぞ?

 

いろは&小町「(むむっ!)」

 

独占欲を出した一色殿とリサリサ殿が八幡と陽乃殿の間に入る。前途多難じゃな、八幡よ。

我ら四人は連れだって歩き始める。道には人が溢れかえっており、中に突入して身動きが取れなくなるくらいぎゅうぎゅう詰めになるであろう。

我がご婦人達を守らねばならんな。

とは言え、皆もアーシスとして訓練を積んだ事により、我とそれほど実力は離れておらん。

波紋使いで昔から訓練を積んでおった陽乃殿に、最近ではめきめきと力を付けてきておる雪乃殿、由比ヶ浜嬢もあの世界での訓練により動きが良くなっておる。

 

陽乃「うへぇ……この中を歩くのはしんどいなぁ」

 

雪乃「姉さん。これが普通の人の道よ。これはこれで楽しいと思うわ」

 

少し前までは体力が乏しく、そんな事を考えなかったであろう雪乃殿がこんなことを言うとは……。

成長しているのだな。

 

雪乃「姉さん。川崎さんから打診があったのだけれども、一度波紋の適性を検査しようと思うの。一度、『ドズッ!』を試してみてくれないかしら?」

 

陽乃「うーん……。残念だけど、あれって結構デリケートな作業だよ?ジョジョちゃんでも中々成功しないみたいだし、沙希ちゃんに頼むのが一番だってジョセフさんに聞いたんだよねー」

 

結衣「空条先生があたしに波紋の突きをやったのってホントに偶然だったんだ……(第3章参照)」

 

空条先生は波紋の戦士では無いしな。

それに由比ヶ浜嬢は波紋の適性は無かったと聞いておる。我にも残念な事に適性は無かった。

あの世界での波紋に似た力は我には適さなかった事がそれを物語っておる。

雪乃殿は技術的なことは多彩な才媛だ。もしかしたら陽乃殿のように波紋の適性があるやも知れぬ。

 

そんな事を話ながら人混みに紛れた我々だったが、すぐに周囲から悪意を向けられている事に気が付いた。

 

結衣「これは……殺気?ってやつ?」

 

材木座「危ない!結衣殿!」

 

ドンッ!ドズッ!

 

隣におった由比ヶ浜嬢に向けられた攻撃の意思に気が付いた我は、人混みを無視して無理矢理彼女の前に立つ。

すると、我の腹部に凶刃が刺さっておった!

 

材木座「ぐぅ!」

 

結衣「ヨッシー!いやぁぁぁぁ!」

 

材木座「我は大丈夫だ!陽乃殿!雪乃殿!」

 

我がダメージを負うのは問題ない!だが、由比ヶ浜嬢達は違う!早く離脱させねば!

 

陽乃「ええっ!雪乃ちゃん、ごめん!」

 

陽乃殿は雪乃殿を担いで人の隙間がある一般の広場に人々を足場にして後退する。

 

雪乃「材木座君!由比ヶ浜さん!」

 

雪乃殿が悲痛な叫びをあげるが大丈夫だ。由比ヶ浜嬢は我が守る!

 

材木座「ガンズ・アンド・ローゼズ!」

 

我はメタルマンに変身する。そして流体金属で刺された腹部を塞ぐ。

こうすれば生身で受けたダメージも我には無効よ!

意識さえ失わなければどうとでもなるわ!

そして体を弾丸にすることが出来る事を利用した応用だ!

 

結衣「よ、ヨッシー!?」

 

我が体を溶かして由比ヶ浜嬢を鎧のように覆う。

先刻、椅子になると言ったのは冗談でも何でもない。本当に我は金属の椅子になることも出来るのよ!

 

材木座「我慢しろ!結衣殿!俺の体が結衣殿の鎧となる!」

 

()は彼女をすっぽりと覆い、敵の悪意から彼女を防護する。

口調?これが俺の素だよ。こんな時にキャラ作りなどしてられるか!

 

ガンガンガンガン!キンキンキンキン!

 

危なかった……四方八方から一般人のパンチやら刺突攻撃が俺の鎧に突き刺さる!

少し遅かったら結衣殿の命が脅かされるところだった!

何が起きている!

何故突然人々が暴徒化しているんだ!

老若男女関係なく……。ヨボヨボのおばあさんや幼稚園にも上がっていない男の子までもが攻撃してくるなど異常だ!

明らかにスタンド攻撃を俺達は受けている!

 

結衣「ありがとう!ヨッシー!リバース・タウン!お願い!」

 

R・T「一般の方々、申し訳ありません!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ドカドカドカドカ!

 

結衣殿のリバース・タウンが周囲を殴り飛ばす。極力一般人には被害を出さないようにするのが俺達の戦いだが、このような事態では話が別だ。

結衣殿のリバース・タウンは殺さないように加減をしつつも確実に周囲を気絶させて道を作る。

 

徐倫「ストーン・フリー!」

 

空条先生のストーン・フリーの糸が俺達を絡め取って合流を果たしていた露伴先生や城廻先輩、雪ノ下姉妹が集結していた場所まで運んでくれる。

 

陽乃「材木座君!大丈夫!?」

 

材木座「大丈夫です!陽乃殿!ガンズ・アンド・ローゼズに変身すれば生身の時の傷は塞げます!ありがとうございます!空条先生!」

 

徐倫「相変わらず反則的な能力だわ」

 

結衣「空条先生!VIP席にいないと思ったら……」

 

徐倫「あたしは学校の仕事で見回りをしていたのよ。SPW財団の職員でも無いから来賓扱いはされないしね。一番面倒事を起こす奴が来賓に四人ほどいるけど」

 

そう言えば八幡も言っていたな。

こういうお祭りの時は教師が駆り出されて見回りに来ていると。空条先生もその役でここにいたわけか。

それにしても空条先生…。あなたも露店あらしをしていたのを俺は見ていたぞ?

 

露伴「由比ヶ浜君をスタンドで防護したのも適切な判断だ。さすがは僕の弟子だね」

 

めぐり「露伴ちゃん!これは……」

 

陽乃「よくある群衆を操るタイプの能力よね」

 

露伴「ふむ……めぐり君!あの世界の事を思い出すんだ!」

 

めぐり「うん!モード、アナザー・エボニーデビルだね?」

 

材木座「モード、ジャスティスでは無いのか?」

 

エンヤと呼ばれるスタンド使いも死体を霧で操り、群衆攻撃を仕掛けて来たと聞く。

 

露伴「この際、方法や適正なモードの種類は問題ではない。操っているものを探し出すのが先決だ!幸か不幸か、僕達が行った世界の敵もこうやって隠れて攻撃してきた!こういう時こそめぐり君のハーヴェストが役に立つ!」

 

徐倫「方法があるならお願いするわ!いくわよ!アーシス!スクランブル!」

 

空条先生が指を掲げて号令をかける。

熱い気持ちが俺達を沸き立てる!

これがジョジョの号令だ!黄金の精神が心の底から溢れ出てくるってものだ!

 

めぐり「シンデレラ・ハーヴェスト!本体を捜して!重チーくん!」

 

C・H「探すんだど!」

 

C・H「おら達が見つけるんだど!」

 

城廻先輩から小型のスタンドが多数出てきて人々の合間を縫って進んでいく!

これで本体を探すのか!ハーヴェストの本領だな!

この「だど」って言うのが城廻先輩っぽく無いのが気になると言えば気になるが、今はそれどころではない。

 

徐倫「その間にあたし達は城廻を守る!ガードを固めろ!由比ヶ浜!」

 

結衣「はいっ!ヨッシー!あたしの本体はヨッシーが使って!頼んだよ!あたしはリバース・タウンの操作に集中するから!」

 

材木座「了解した!」

 

俺は結衣殿の腕になっている籠手の先に棒を作り出して城廻先輩と露伴先生を守る。

 

露伴「敵をそのまま味方に変える!ヘブンズ・ドアー!」

 

露伴先生がヘブンズ・ドアーで群衆の顔をページに変え、「我々の味方となる」と書き込んでいく。

さすがはヘブンズ・ドアー!

守りの層が少しずつ厚くなる!

 

陽乃「うりゃりゃりゃりゃりゃ!」

 

陽乃殿はアヌビス神の峰打ちで群衆を打ち据えて気絶させる。

 

雪乃「無傷で倒すのはエンジェル・ダストには厳しいけれども、やれないことはないわ!操る概念を凍結させる!フリージング・ラッシュ!」

 

E・D「ウリャウリャウリャウリャウリャ!」

 

凍気を抑えたウリャウリャラッシュが群衆を殴り飛ばすと、殴られた群衆が次々と倒れる!

だが、多勢に無勢……早く敵のスタンド使いを探さねばいずれはやられてしまう!

 

徐倫「急げ!城廻!」

 

めぐり「ダメ!見つからない!上手く群衆の中に紛れ込んでいるとしか考えられない!コォォォォォ!波紋疾走(オーバードライブ)!」

 

城廻先輩は自らも波紋の呼吸を練って群衆と戦う。

ぬうっ!どうしたものか!

 

R・T「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

めぐり「そうだ!リバース・タウンの能力があったよね!由比ヶ浜さん!敵を殴り続けて運を奪って!これにシンデレラ・ハーヴェストの力を加えれば!重チーくん!彩さん!お願い!」

 

C・H「おら達が集めるど!」

 

C・H「幸運を集めるんだど!」

 

C・H「ふぅ……シンデレラの運勢を操る力がやっと役に立つときが来たわね…」

 

シンデレラ・ハーヴェストが次々とリバース・タウンに殴られた者達から光を集めてくる。

 

めぐり「この中で一番攻防のバランスが良いのは…材木座君!由比ヶ浜さん!わたしが集めた幸運を使って!」

 

我々だと!

プレッシャーはあるが……やるしかない!

 

材木座「行くぞ!結衣殿!」

 

結衣「うん!ヨッシー、行こう!」

 

材木座「タァァァァァァミ……ネイトォォォォ!」

 

R・T「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

俺のラッシュと結衣殿のリバース・タウンのラッシュが群衆をなぎ倒しながら進む!

直感で進むしかない!城廻先輩の力を信じて!

 

徐倫「援護するわ!オラオラオラオラオラオラァ!」

 

空条先生のストーン・フリーも我々に続く。

心強い!歴戦の空条先生がいるという事実が俺達に力を与えてくれる!

 

徐倫「どけぇ!あたし達の邪魔をするなぁ!」

 

材木座「悪いが押しとおる!」

 

結衣「ごめんなさい!すいません!通ります!」

 

ドカドカドカドカ!

 

思いの外、行軍がスムーズに進む!

どこにいる!敵のスタンド使いはどこだ!

 

ハーメルン「キェェェェェ!」

 

徐倫「ぐあぁぁぁぁ!」

 

突如現れた鼠のようなスタンドが空条先生を殴り飛ばす!横からの奇襲だった故に防御が取れずに空条先生がやられてしまった!

その鼠のスタンドの本体らしき者が……く、一瞬だけ現れて再び姿を消しただと?

戦術というのがわかっている……。

如何に自らの存在を隠すか…。これは兵法の基本だ。

くそっ!大まかな場所はわかったのに!

 

C・H「見つけたど!」

 

C・H「このカメラを持った背広の男だど!」

 

シンデレラ・ハーヴェストがその男に集って攻撃を仕掛ける!

 

松田「ちぃっ!ワラワラとゴキブリのようにうるさいスタンドが!だが、小虫退治は鼠の本領なんだよ!この小虫スタンドがぁ!」

 

ハーメルン「キェェェェェ!」

 

シンデレラ・ハーヴェストが次々と殴られ、消えていく。

 

めぐり「あああああああああ!」

 

露伴「めぐり君!」

 

多数のシンデレラ・ハーヴェストを倒され、城廻先輩が倒れる!

二人めの犠牲を出してしまった!

そしてこの男は……松田記者!

スタンド使いだったのか!?いや、背広にくっきり穴が空いている!

つい先程スタンド使いになったのか!

 

松田「クキキキキッ!バレては仕方がない!俺の名前はハーメルン!宇宙より知的生命体を消すのが我らの使命!ジョースター!そしてその仲間達のクソッタレども!始末してやる!」

 

これが………ウルフスか!

 

空条徐倫(ストーン・フリー)…気絶による再起不能(リタイア)

 

城廻めぐり(シンデレラ・ハーヴェスト)…気絶による再起不能(リタイア)

 

←To be continued




今回はここまでです。
なお、オリキャラの松田はご多分漏れず、神奈川県の地名より取りました。
ほぼ小田原寄りの地域で、東名高速道路を使う方には『大井松田インター』で馴染みがあるかと思います。

他には『大井』『小田原』『大磯(平塚市)』『江ノ島(藤沢市)』『鵠沼(藤沢市)』『強羅』『国府津』『春日台(綾瀬市)』『伊勢原(原作では過去の教師の名前で出ている)』『武山(横須賀市)』『横須賀』『愛甲(厚木市)』『石田(厚木市)』『大船(横浜市)』『立場(横浜市)』『善行(藤沢市)』『湘南台(藤沢市)』『相模原』『中井』『草柳(大和市)』『和田(大和市)』『飯田(横浜市)』『高座(綾瀬市)』『相武台(相模原市)』『神木(川崎市)』『津久井』『宮ヶ瀬』『戸田(海老名市)』『三ツ境(横浜市)』『丹沢』『座間』等がありますね(私は神奈川県出身なので俺ガイルネーミングは結構考え付きます)。
因みに小田急沿線では『町田』がありますが、町田は東京都なので除外です。『足柄』『箱根』『芦ノ湖』も勘違いされがちですが、静岡県なので使えなかったりします。

いきなり二名が再起不能!果たして材木座達はハーメルンに勝てるのか!

それでは次回もよろしくお願いいたします!

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