やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

321 / 731
遂に現れたウルフス!

群衆を操る能力により暴徒化した市民と戦う材木座、由比ヶ浜、徐倫、雪ノ下姉妹、露伴、城廻めぐり!

由比ヶ浜のリバース・タウンとめぐりのシンデレラ・ハーヴェストの合わせ技により徐々に戦況を引き寄せる材木座達だったが、巧妙に姿を隠した奇襲により徐倫が再起不能!
徐倫がやられた事により敵を見つけためぐりのシンデレラ・ハーヴェストだったが、反撃を受けたことによりめぐりも再起不能に!
次々と仲間をやられ、残るは材木座、由比ヶ浜、雪ノ下姉妹、露伴!
心の支柱となるジョジョである徐倫をやられた材木座達に勝ち目はあるのか!?


松田のハーメルン2

side比企谷八幡

 

G・S「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

くそっ!キリがない!

千葉村の屍生人達を相手にしている気分だ!

それも敵は操られている一般市民!

敵がそのまま人質とかやってくれる!

本気を出せば一般人は死ぬ!

 

ジョルノ「陽乃や雪乃は大丈夫なのか!?」

 

若ジョセフ「くそっ!やってくれるぜ!」

 

じじい……まだ返して無かったのかよ。

いや、頼りになるけどさ!

 

静「パパッ!お兄ちゃん!どうする!?」

 

小町「レーザーも使えないし!地味に厄介だよ!」

 

いろは「エクセスも使えません!」

 

承太郎「こっちは大丈夫だが、心配なのは陽乃達だ!このまま力押しで行くぞ!」

 

仗助「どけぇ!テメェらの相手をしている暇はねぇんだよぉ!」

 

無事でいろよ!陽乃さん、雪ノ下、由比ヶ浜!ついでに材木座!

徐倫!近くにいるならあいつらを助けてやってくれ!

 

 

side材木座義輝

 

空条先生と城廻先輩がやられ、防御の層が薄くなったのはまずい!

 

雪乃「ウリャウリャウリャウリャウリャ!」

 

ドカドカドカドカ!

 

雪乃殿のウリャウリャラッシュが決まり、つぎと倒れていく敵の群衆!

 

露伴「めぐりくんはやらせん!ヘブンズ・ドアー!」

 

シャカシャカシャカシャカ

 

露伴先生のヘブンズ・ドアーが敵を味方に変えてゆく。

良いぞ!欠けた戦力が味方になってゆく!

 

松田「くくく…通常スタンドでも有能な能力はあるということか。が、所詮は通常スタンド!そんな能力じゃあ俺の能力には通用しねぇんだよ!ハーメルン!発動!」

 

奴のスタンドが群衆に触れると、味方になっていた者達が再び敵となって露伴先生に攻撃を始める!

 

露伴「なにっ!うわぁぁぁぁぁ!」

 

ドカッ!バキッ!

 

攻撃を受けた露伴先生はその場に倒れる!

 

露伴「何故だ……これではまるで真実の上書きではないか……くっ……済まない……めぐり君……」

 

岸辺露伴(ヘブンズ・ドアー)…再起不能(リタイア)

 

くっ!頼りだった露伴先生まで!

これでは打つ手がない!

このままでは全員の命が危ない!

 

ガオン!ガオン!ガオン!

 

億泰「露伴!陽乃!」

 

そんな時だった。

空間を削って空中を飛ぶように現れた虹村億泰殿が我々に合流した!

 

松田「まだスタンド使いがいたのか」

 

億泰「テメェ………よくも徐倫や露伴、めぐりを……許さねぇぞ!何者だこのスッタコがぁ!」

 

億泰殿が物凄い剣幕で激怒する。

 

松田「俺はハーメルン。まぁ、テメェらの敵だ。宇宙意思とでも言おうか」

 

億泰「テメェがウルフスか……」

 

松田「ふん。それはテメェら人間が勝手に付けた名前だ。ムカつく名前を言ってくれた罰にテメェから始末してやる。テメェが悪いんだ!テメェがぁ!」

 

まずい!億泰殿は確かに強い!だが、この場においてはその空間を削る能力が仇となる!

周囲にいる敵はただの一般人!

殺してはダメなんだ!

 

 

 

億泰「わかってるよ、材木座。こいつらはただの一般人なんだろ?だったら殺さずに戦えなくしちまえば問題はねぇんだよなぁ!ザ・ハンド!」

 

億泰殿は周囲の群衆を殴り、蹴りつつザ・ハンドで地面を削る!

削られた地面に穴が空き、そこに次々と群衆が落ちて気を失っていく。

凄いぞ、億泰さん!自分では頭が悪いと自嘲しているが、今の状況で適切な行動をとっている!

 

億泰「こうすりゃぁよぉ、テメェの兵隊は役立たずだよなぁ!」

 

松田「やるじゃあないか。チンピラのクセによ!」

 

これで松田…いや、ハーメルンは一人となった!

だが、俺達五人を前にしても余裕の態度を崩さん!

群衆を操る能力の他にも何か能力はあるのか?

 

結衣「億泰さん!どうしてあたし達のピンチがわかったんだし!」

 

億泰「めぐりの奴は俺の露店のところまでハーヴェストを飛ばして知らせてくれた。だから俺はここまで一気に来れた。大した嬢ちゃんだぜ?めぐりはよぉ」

 

城廻先輩!あなたはダメージを負ってまで最後まで諦めずに………。

 

億泰「兄貴…重チー…辻彩さん…鈴美さん……みんな俺の前で消えていった命だ……もう誰も殺させねぇ!俺の前で誰かの命が消えるなんて真っ平なんだよぉ!」

 

松田「それならもう手遅れだな。俺達宇宙意思のスタンドは宿主の肉体を奪い、宿主の魂は死ぬ。俺がこの男の体を奪った段階で、元々の宿主は死んでいるんだよ」

 

何だと……なら既に松田記者本人の魂は………くっ!

 

億泰「テメェ………罪もねぇ人々を…許さねぇ…」

 

松田「罪のない?笑わせるんじゃあない。テメェら知的生命体は生きているだけで罪なんだよ!それを滅ぼすのが俺達の仕事だ。大人しく死ね」

 

億泰「誰が殺されるかよ!テメェこそ死にやがれ!」

 

突っ込んで行く億泰殿!

それに追随して雪ノ下姉妹も息を合わせる!

 

億泰「どりゃあ!」

 

億泰殿がザ・ハンドでハーメルンを攻撃する!

 

松田「とろいぜ!チンピラぁ!」

 

ハーメルンはバックステップで回避する。

 

億泰「ダボがぁ!もうテメェは嵌まってるんだよ!」

 

ガオン!

削られた空間が閉じ、ハーメルンが億泰殿に引っ張られる!

 

億泰「陽乃!雪乃!」

 

陽乃「うりゃりゃりゃりゃりゃ!」

 

雪乃「ウリャウリャウリャウリャウリャ!」

 

引き寄せられたハーメルンに合わせて姉妹の攻撃がハーメルンに迫る!

もう手加減は必要ないという判断か、必殺の攻撃を繰り出している!

 

松田「まさかこれを使うことになるなんてな。通常スタンドもやるじゃあねえか」

 

ピキーーーーン!

 

億泰「な…………」

 

陽乃「これは………」

 

雪乃「気化………冷凍法………ですって?」

 

三人が固められてしまった!

 

松田「ハーメルン……真北を暗示する俺の能力にはこういう物もあるんだよ。俺が目覚めた地域ではこう呼ばれていた。鼠……十二支の子……とな。俺達のスタンドは伝説が生まれれば生まれるほど能力が追加される。名前がハーメルンなのも、ハーメルンの笛吹が元さ。あの時はこの凍結の力を使ってせき止めていた水を一気に放流して町を一つ飲み込んだだけだというのになぁ!それが何故か笛で鼠や子供を連れ去るという伝説に変わった!便利な能力が追加されたものだぜ!」

 

雪乃「く………氷のスタンド使いの私が……凍らされるなんて……どういう事なの!?」

 

そうだ……雪乃殿は氷を自在に操り、自身も氷に強い!

なのに何故動けなくなってしまっておる?!

 

松田「ものが違うんだよ。テメェら通常スタンドとは元々の質がな!」

 

雪乃「…………ふ」

 

松田「あん?」

 

ピーーーっ!

 

松田「うおっ!」

 

雪乃殿が放ったフリージングビームが松田の頬を掠める。

 

雪乃「人間を………なめるんじゃあないわ……この鼠が!十二支の鼠の伝説にはこういうのがあるわ。猫を騙して集まる日を嘘を教え、努力して一番に神の元へたどり着く筈だった牛の頭にこっそり乗って、ゴール直前で前に飛び出したから一番に鼠がなったって!あなたは所詮、騙して他者に乗っかる卑怯ものよ!真に努力して考える能力に、いずれは負けるのよ!」

 

待てよ?その伝承がこいつの能力に関係していると言うのであれば……カーズ達柱の一族を唆し、汐華を初めとしたブラッディ・スタンドの呪いを作り出したのもハーメルンである可能性があるのでは無いのか?

もしかしたら柱の一族は我々と共に歩むべき存在であった可能性だってあったのに……。

本当にこいつらが元凶中の元凶なのか!DIOやジョースター家の因縁や宿命も!

許せん!こいつらだった……想像の域を出てはいないが、こいつらが真の元凶である可能性がかなり高い!

 

松田「うるせぇ!」

 

ドカッ!バリーン!

 

松田のキックが雪乃嬢の下半身にヒットし、雪乃殿の足が砕け散る。

 

雪ノ下雪乃(エンジェル・ダスト)…下半身を砕かれ再起不能(リタイア)

 

結衣「ゆきのん!」

 

陽乃「雪乃ちゃん!」

 

雪乃殿が崩れ落ちる!幸い完全に凍らされているので血流が止まり、出血はしていない!だが、このままでは雪乃殿が!

 

材木座「おのれ!ウルフス!」

 

結衣「よくもゆきのんをぉぉぉぉぉぉぉ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

松田「無駄だ!貴様らも凍りつけ!ハーメルン!」

 

ピキーーーーン!

 

絶対零度の凍てつく空気が俺達を襲う!

結衣殿まで凍らされた………詰みか。

ガンズ・アンド・ローゼズが凍結により……結衣殿の鎧となっていた金属の体が砕かれ……俺の体がバラバラになった………。

 

 

side雪ノ下陽乃

 

陽乃「あ………ああ………材木座君……」

 

結衣「ヨッシー!……そんなのって………そんなのってないよぉぉぉぉぉ!無敵のガンズ・アンド・ローゼズが負けるなんてないよぉぉぉぉぉ!嘘でしょ!ヨッシーィィィィィィ!」

 

とうとう………わたし達の中から犠牲を出してしまった。材木座君………。

 

ハーメルン「テメェらはただでは殺さん。知っているか?ハーメルンの伝説の一つにはペスト説も存在する。俺はペストの能力も操れる」

 

群衆や空条先生たちの肌にじわりじわりと斑点が浮かぶ!これはペストの症状!

しかも進行が早い!

 

松田「ふ……終わって見れば大したことのない結末だった。他のジョースターやDIOを始末しに行くか。貴様らは……そこでペストに苦しみ………死ね」

 

何も出来ないの?わたし達はここで終わっちゃうの?

 

「いや!終わらん!ガンズ・アンド・ローゼズをなめるなぁ!」

 

これは……材木座君の声!

 

結衣「ヨッシーィィィィィィ!」

 

ヒュンヒュンヒュンヒュン!

 

砕かれたはずのガンズ・アンド・ローゼズの破片がハーメルンを襲う!

ガンズ・アンド・ローゼズは次々と元松田記者の体の中に入り込む!

なにこれ!ファンネル!?

 

材木座「俺を砕いたのが貴様の敗因よ!貴様を内側から破壊してやる!くたばれ!ハーメルン!」

 

松田「何だと!バカな!砕かれても死なんとは!そんな馬鹿な事があるのかぁぁぁぁぁぁ!」

 

ズブッ!ズブッ!

 

元松田記者の体から生えてくる多数の刃……

これがガンズ・アンド・ローゼズの力……

 

材木座「城廻先輩に感謝だな!幸運の力が俺自身も忘れていた力を発揮させてくれた!貴様は終わりよ!ハーメルン!抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺ぅ!ターミネートォォォォォォォォ!」

 

松田「クソッタレェェェェェェェェ!人間めぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!ぐはああああああああ!」

 

材木座君の刃が敵を八つ裂きにして元松田記者の体をバラバラにする!

それと同時にガンズ・アンド・ローゼズの姿が元松田記者の腹から現れる!

ナイスよ!材木座君!それに幸運を与えためぐり!

 

松田「くそ………まさかテメェらに負けるなんてなぁ!やるじゃあねえかよ!材木座ぁぁぁ!だがな、本体を倒したところで俺は死なん!再び新たな宿主に俺が宿れば復活する!」

 

材木座「何だと………」

 

松田「俺達宇宙意思に死という概念はない!またテメェらの前に何度だって現れる!首を洗って待っていやがれ!アーハッハッハッハッハ!」

 

グシャ!

 

徐倫「だったら………何度だってあんたらを倒してやれば良い!2回でも!3回でも!何十回だって!」

 

気絶から覚め、起き上がった空条先生がハーメルンの頭を踏み潰し、元松田記者の息の根を止めた。

 

徐倫「その勘に障る高笑いを、とりあえず止めてやったわ………お疲れ様、材木座」

 

 

side材木座義輝

 

材木座「だが………凍結もペストも解除されん」

 

勝ちはしたが、我々もここで終わる………助からん。

 

N・E「エメラルド・ヒーリング!」

 

パアアアアア……

 

一色殿のナイチンゲール・エメラルドが周囲のペストの惨状を回復させる!

そうか!一色殿のエメラルド・ヒーリングならば!

 

仗助「良くウルフスを退けたな!雪乃、今助けてやるぜ!クレイジー・ダイヤモンド!」

 

若ジョセフ「凍結なら俺に任せろ!太陽のエネルギー、波紋!」

 

東方社長が雪乃殿の砕かれた下半身を治し、若い頃の姿のジョセフが波紋の力で全員の凍結を治癒する。

 

八幡「やっと着いた頃には終わっていたか……すげぇな材木座。ウルフスを倒すなんて」

 

八幡が俺に波紋を流して凍結を治癒する。

 

結衣「ふふん!凄いでしょ?ヨッシーはヒッキーにも負けないんだから!」

 

結衣殿が静・ジョースター殿に回復させられながら、我が事のようにその豊満な胸を張る。

嬉しい……。女子に誉められるというのは。

 

徐倫「それにしても……とうとう出てきたわね。ウルフスが……」

 

ポツリと漏らす空条先生。

 

承太郎「やれやれだ。倒しても倒しても再び現れるスタンドか………厄介だな」

 

ジョセフ「ああ……こんなスタンドが12体もおるのか……これまでとは明らかに違うぞ……ただ倒せば良いという訳ではない。元となる矢を破壊せねば、戦いは終わらん………終わりが見えんな」

 

元の姿に戻ったジョセフが言う。

まったくだ……今回はどうにかなったが、あのハーメルンが再び現れた時……我らは勝てるのだろうか…。

だが、始まってしまった。アンチ知的生命体、ウルフスとの戦いが………。

我々の心に一抹の不安を残しつつ、花火大会は終わりを告げた。

 

 

side相模南

 

南「なんなの?これ……うち、何に巻き込まれたの?」

 

うちが目を覚ました時、集団昏倒事件でも起きたのか、救急車や消防車、警察、自衛隊、テレビ報道でごった返していた。

辺りは戦場のような騒ぎだった。

 

ゾクッ!

 

うちに何かの悪寒が走る。なんなの?この悪寒は……。

 

 

sideオロチ

 

オロチ「あの娘は………確かブラッディ・スタンドの………ふっ。面白い」

 

初老の男の笑いを残し、その姿は消えた。

 

←To be continued




今回は以上です。

ウルフス、想像以上に強いです!
あわや全滅の危機に陥ってしまいましたが、材木座の活躍により難を逃れました!

それでは次回もよろしくお願いいたします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。