濁流に飲み込まれた八幡は無事なのか!?
八幡ですらなす術なく敗れた相手にジョセフ、いろは、小町、静は朋子を守りながらどう戦うのか!?
side静・ジョースター
ハッチがやられた……。
水に飲まれてしまった……。
スタンド使いの宿命とはいえ……許せない。けど、ここで冷静さを無くしたらやられる……。まずは相手を倒すことを考えないと…。
ジョセフ「朋子………」
朋子「わかってるわよ。あたしは足手まといだから運転して逃げるわ………死なないでよ?ジョセフ」
ジョセフ「わかっておるよ」
わたし達はハッチを落とした敵の方へと向かう。
カッパを来ていないからぶ濡れになるけど関係ない。
絶対に……ハッチの仇を取る……。
静「イーハ。落ち着いて」
イーハは完全に頭に血が上ってしまっている!
ハッチがやられてしまったから仕方がない。わたしも気が狂えるなら狂ってしまいたい……。
静「このスタンドはイーハとは相性が悪すぎる!いえ、イーハだけでなく、誰のスタンドとも!」
水のスタンドの怖さは知っている…。ましてや台風の中ではなおのこと……。
静「アクトン!」
わたしは全員を透明化する。
幻影の波紋でアイデンティティーが疑われる事が多いけれど、幻影の波紋よりも優れている部分はある。
1つは解除するまではどれだけ離れていても透明化を維持できること。
マンティコア「バカだね。くっきり輪郭が浮き出てるよ!水滴でね!」
ウルフスの偽物スタンドはわたしの輪郭を狙って攻撃を始める。
だけど、それは折り込み済みだっつーの!
むしろ幻影の波紋の弱点を利用したんだから!
アクトンと幻影の波紋の違い……
そしてもう1つは……
静「こんな雨天でも透明化を完全に出来ること!」
幻影の波紋では弾いた水とかを透明化せず、付着した水滴とかで居場所がばれるけど、アクトンは付着した水滴とかも透明化できる。それが幻影の波紋よりも優れているところ!
そして、こんな時だからこそ出来るわたしだけの幻影の波紋が出来る!
敢えてわたしの輪郭が残るように水滴に波紋を通して幻影の波紋のようにわたしの気配を残したんだから!
奴はわたしの偽物の水滴の影と戦い始める。
これで稼いだ時間でわたしは気配を探る。
本物の敵の位置は………本物の殺意は……2つ先の下流の橋!敵の本体と本物のスタンドはあそこにいる!
静「パパ!」
ジョセフ「行け!ジョジョ!八幡の仇を取れ!いろははワシが守る!」
パパはわたしの偽の幻影の波紋を受け継ぎ、弾く波紋で水滴の攻撃から自身とイーハの身を守る。
静「わかってる!マーチ!」
小町「わかってる!よくもお兄ちゃんを……」
暴風雨で涙はわからない……だけど、確実にマーチも泣いている。少なくとも心は………。
透明になったわたし達は相互に川を挟んで下流へと向かって走る!
こんなやつに手こずっているわけにはいかない!
まだハッチが死んだのを確認したわけじゃあない!
それどころかハッチならば自力で何とかするはずだ!そして反撃の機会を伺っているはず……。確信はないけど、ハッチを信じるんだ!
小町「ルビーレーザー!」
シュウウウ……
鵠沼「イテェ!な、なんだ!?ジョースターども!いつの間に!あっちにいるのはフェイクか!」
小町「よくもお兄ちゃんをぉぉぉぉぉ!サンシャイン・ルビー!」
S・R「ゴミゴミゴミゴミゴミゴミィ!」
鵠沼「ぐううう!なんてパワーのスタンドだ!」
小町「そのまま……決めてやる!」
調子に乗っちゃダメ!ウルフスのスタンドは自分の方角に当てはめられている伝説の能力を全て使うことが出来る!
ドズッ!
小町「かはっ…………」
ウルフスのスタンドから飛び出したしっぽがサンシャイン・ルビーに刺さる。そして、マーチはそのまま動かなくなった。
小町「そのしっぽは………」
鵠沼「僕の名前はマンティコア。東北東の方角を司り、人間の十二支からは寅の暗示を持つ宇宙意思だ」
やはり何か切り札を持っていた!
マンティコアは頭が人間、体が虎、しっぽが
小町「コォォォォォ……」
マーチは毒が全身に回らないように波紋で耐えようとするけど……相当強力な毒にやられたみたいだね。立ち上がる力すらも既に無くなってる!
イーハと離れたのが仇になった!
静「コォォォォォ!」
A・C「ドララララララララ!」
アクトンでマンティコアに迫る!
鵠沼「はっ!確かに強い力を持ってるけど、このガキよりは弱い!お前も毒に苦しめ!」
攻撃の位置からわたしの位置を特定したのだろう。アクトンの方にしっぽを刺してくる!
けど、マーチみたいに不意討ちでやられたならともかく、あるとわかっているなら避けるなんて簡単だっつーの!
静「くらえ!水滴の波紋カッター!」
シュルルルル!
鵠沼「アホか?僕に水の攻撃は通用しないって分からないのかな?逆にお前が食らえ。ジョースター」
わたしの方に波紋カッターが返ってきた!
たまらずわたしはジャンプしてかわそうとするけど…
マンティコア「間抜けめ……寅の伝説には聖獣、白虎が存在する!白虎の設定を水や風にと統一性を無くしている人間の甘さを呪うんだな!」
急に暴風雨が強くなり、わたしの体が竜巻に巻き込まれたかのように縦横無尽に煽られ、何度も地面に叩き付けられた。
飛んだのは失敗だったな……完全にやられた……。
鵠沼「本体を見破られて少しばかり焦ったけど、接近されて弱いと勘違いしたのが君達の敗因だよ。さて、片方は放っておいても死ぬが……念のために止めを刺しておくか。君達は何をするか分からないしね」
マンティコアは用心深く水の人間を作り出し、わたしに近付けてくる。
………本体やスタンドだったら反撃の余地があるけど、あれが相手ではわたしに打つ手がない……。
わたしもハッチのように取り込まれて濁流に捨てられちゃうのかな……。
アーシスの中核をなすわたし達幼なじみーズが負けるなんて……ウルフス。ホントに強い……。
「コォォォォォ!」
…………この波紋の呼吸は………
マンティコア「なんだ!?まだ誰かいるのか!?」
ジョセフ「よく耐えた。ジョジョ。お陰でワシらも接近することが出来たわい。ロケット・パンチ!」
パパが水男に彼から贈られたスタン・アームを伸ばす。
ジョセフ「電流と波紋は相性良くてのう?その水分を分子分解してやるわい!電子分解!」
ジュウウウウ!
パパが水男に電流と波紋をミックスさせて蒸発させる。
更に……。
ジョセフ「水を電子分解すると何になるかの?水素と酸素じゃ……それをお前さんに纏わせればどうなるかの?」
鵠沼「ま、まさか……水素爆発を!」
小町「良くもやってくれたね……小町のルビーレーザーがあんたを爆発させるよ……」
虫の息だったマーチが立ち上がってサンシャイン・ルビーを出現させる。そうか……パパがここに来れたのなら…。
いろは「エメラルド・ヒーリング!」
パアアアア!
わたしの体の傷も完治する!マーチの毒もイーハが回復させたんだ!
鵠沼「く………こうなったら川に飛び込んで再起を図ってやる!僕を追い込んだと思うんじゃあない!」
マンティコアは不利を悟って川に飛び込もうとダイブするが………。
次の瞬間には全身に殴られた痕を残して橋に叩きつけられていた。
いつの間にかハッチが橋の手摺に立っていた。その手からはハーミット・アメジストがマンティコアを巻き付けている!
八幡「はぁ………はぁ………手こずらせやがって…。ジョジョ達が来てなければホントに濁流に飲まれたまま終わるところだった……」
そっか!ザ・ジェムストーン・ワールドで時を止めてマンティコアの川へのダイブを殴って止めたんだ!
静「ハッチ!信じてたよ?やられて無いって!」
八幡「お前らが来てくれてなければ本気で危なかったけどな……」
鵠沼「………なんで、お前が無事なんだ……」
八幡「無事じゃあねぇよ!川底に何度も叩きつけられて全身に軽い骨折があるわ!波紋で治したけどな!あのまま水男に取り込まれたままだったら太平洋にまで運ばれて終わってたわ!ジョジョ達が来てくれたお陰で水の檻から脱出できたけどな!」
ハッチは荒い息を付きながら手摺から降りた。
見ると顔が凄く赤い。高熱にやられてるのかも知れない。でも、今度こそ逃がさない……。
side比企谷八幡
時は少し遡る。
水男に捕らわれた俺は、そのまま川にダイブされ、濁流に飲まれてしまった。
だが、運が良かった。ジジイ達が来てくれたお陰で俺は水男の体を維持する能力を解除された。
解除されたと言っても、濁流に飲まれていることは変わらない。何度も川底に叩きつけられ、橋の柱に叩きつけられ、普通ならその段階で死んでいてもおかしくないダメージを負った。骨折していない四肢を探すのが困難だったくらいなまである。
だが、柱に叩きつけられたのが幸運で、そこで何とかくっつく波紋で流されないように何とか水面まで上り、息を整える。
幸い骨折は軽い物だったらしく、波紋の呼吸で何とか痛みを感じないくらいまで治癒させた後に、水面を走ってジョジョ達が戦っている橋の下にたどり着き、不意討ちのタイミングを図っていた。
それがジジイが攻撃を開始したタイミング。ほとんどみんなが奴を追い込んだタイミングだった。
奴が残された手段は水素爆発を無効にする川に飛び込む事と見抜いた俺は、時間を止めて奴を殴り飛ばしたって訳だ。
本気で危なかった。せっかく蘇ったって言うのに下らない敗北をするところだった。
鵠沼「ま、待て!もうお前らを襲わない!交渉……」
八幡「………の余地はねぇよな。お前らウルフスと人間はやるかやられるかの関係だ。和解はない」
小町「終わりだよ。寅のマンティコア」
ピカッ!
ドオオオオン!
水素爆発によって鵠沼が再起不能までのダメージを受ける。
ジョセフ「止めじゃ!
八幡「ザ・ジェムストーン!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」
静「アクトン・クリスタル!ドララララララララ!」
小町「サンシャイン・ルビー!ゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミ!」
いろは「ナイチンゲール・エメラルド!無理無理無理無理無理無理!」
ドカドカドカドカドカドカドカドカ!
鵠沼「くそがぁぁぁぁぁぁぁ!おぼえてろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
鵠沼久遠(マンティコア)……死亡。
マンティコアの本体を始末し、死んでいる事を確認してから財団の職員を呼ぶ。寄生された本体は可哀想ではあるが、もうこの男の魂はマンティコアに始末されていて手遅れだった。
早くウルフスの矢を何とかしなければハーメルンと言い、マンティコアといい、何度でも現れる。それを……とめ…なければ……。
く、意識が………遠退く………。
バタッ!
sideジョセフ・ジョースター
静「ハッチ!」
いろは「凄い熱!エメラルド・ヒーリング!」
いろはが治療を施すが、一度はやられかけたのじゃ。直ぐには起きんじゃろう。
コレがウルフスか………複数のスタンド能力を持っておるのが厄介じゃのう。
承太郎、仗助、ジョルノ、徐倫……これは心してかからんとまずいぞ……。
取り敢えず………全員、風邪をひいたことは確かのようじゃな。ナイチンゲール・エメラルドがあって助かったということじゃな。やれやれじゃ。
←To be continued
ただの下校回と思っていたのが予想外の戦闘回。騙されたかたはいますか?
ジョジョ第四部のようにウルフスとの戦いはなんでもない日常が突然牙を剥くという場面が多いですね。
必ずしもイベント毎に戦いが発生する訳ではなく、どうしても後手に回るところが恐ろしいところです。
只でさえ強力なスタンド……とりわけウルフスは複数の能力があるので、強くなった八幡達でも苦戦は必至です。
果たして、勝つことが出来るのか?!
それでは次回もよろしくお願いいたします!