やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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ウルフス、横牛戦の後の話です。
しかし、横牛がナメプだったからこそ勝てたのかもしれません。
ウルフスは強すぎですね……。


相模の覚悟が呼び寄せた奇跡

side相模南

 

葉山「なんなんだ………なんだここは!コレが亀の中だって!?信じられない……」

 

隼人君は亀の中の状態に驚いている。

うちもこの中に初めて入ったときは驚いたしね。

でも、うちが助かったのは……。魂が杜王町というところに飛ばされずに済んだのは、うちが変な矢に刺された現場でたまたまこの亀が…ポルナレフさんが近くを通ったお陰で助かったから。

そうでなければうちは死んでいた。

 

八幡「世の中には常識じゃあ考えられない事もあるってことだ」

 

葉山「それが……スタンドって奴なのか…」

 

うちもつい最近までは忘れていた。

千葉村の事を……。だけど、魂だけになり、スタンドと言うものを認識した瞬間に思い出した。

そして、それがきっかけなのか、ラスト・ノートが…うちのスタンドが復活したのは皮肉だった。

うちは……少なくとも二度、助けられたんだ。

ジョースターさん達に…。

 

静「で?どういう経緯でこうなったのか、説明してくれるよね?」

 

ジョースターさんがそう言うと、ポルナレフさんが口を開こうとするけど、これはうちから説明することだと思う。

 

相模「えっと、先週あたりの話になるかな……うち、ああなってからずっとここにいたから時間感覚がわからないんだけど……」

 

 

ー先週ー

 

今日も文実の仕事だ。

うちは実行委員長としてやることが多い。

最初は比企谷が処理した仕事をうちが指示を出す形立ったけれど、比企谷は徐々にうちにそのやり方や考え方を教えてくれ、うちが考えたことを実行に移すことも少なく無くなっていた。

ダメならダメで何故ダメなのかもしっかりと教えてくれるから、本当に勉強になる。

また、一度教えたことがダメだった場合は「前に教えたぞ?どのケースが該当するか考えてみろ」と頼りきりにならないようにも気を配ってくれている。

最初は苦痛だったけど、自分の案が採用されれば嬉しいし、励みになるから最近は楽しくなってきた。

特に地域賞の案が採用された時は、「そういう手があるのか…いけるかもな…」と驚いた顔をされて、してやったりと嬉しくなった。

今日はどういう事を任されるかな?

………そう思っていたところを。

 

ドズッ!

 

背中からいきなり衝撃が襲ってきた。

あれ?この感覚は前にも………。

そして……うちの体がうちの体ではなくなった。

 

オロチ「誰かが目覚めたか……」

 

相模「横牛だ。貴様はヒュドラか?」

 

あれ?何でうちの声が……

 

オロチ「ふ………強者の一角、横牛。あなたが目覚めたのは幸運ですね。さて、相模南さん。あなたの人生はこれで終わりです。お疲れ様でした」

 

え?え?

気が付いたらうちの意識は体から押し出され、そして天井を貫いて空へと……いや!死にたくない!

 

 

sideジャン・ピエール・ポルナレフ(先週)

 

今日はエンポリオに連れられて総武高校の屋上に来てきた。エンポリオは多忙な貞夫さんに代わって有志の手続きをするためだ。ついでに私もトリッシュの代理として手続きをするために総武高校へと足を運び、死体で有志の手続きを終えてココ・ジャンボを連れて屋上で休憩を取っていた。

その時だ……

 

相模『あーーー!』

 

それへと昇っていこうとする魂を見かけたのは……。

 

ポルナレフ「あれは……千葉村で見た相模南!」

 

私は直感で理解した。彼女はウルフスに乗っ取られた体の魂だと……。

そう直感した瞬間には無意識に動いていた。

有志の手続きをするために体をコールドスリープから解凍していて正解だった。運が良かった……。

 

ポルナレフ「チャリオッツ!アーマーテイクオフ!」

 

私はチャリオッツを飛ばし、ギリギリで相模の体をキャッチすることが出来た。

私はそのままココ・ジャンボの体の中へとチャリオッツごと入る。

こうすれば、少なくともこの少女はあの世に飛ばされなくて済む。

 

相模「う………あれ?うち……死んだの?ここはあの世?」

 

ポルナレフ「散々だったな。ここはミスター・ブレシデントの中。まだあの世じゃあない。辛うじて君はこの中でだけなら幽霊として存在できる」

 

相模「幽霊……じゃあうちはやっぱり…死んで…」

 

ポルナレフ「いや、君は何か矢で刺された記憶はないかな?もしそうならば……」

 

相模「矢で…?そういえば背中から衝撃があったと思ったら、うちの体が勝手に……って、あなたは!?」

 

ポルナレフ「申し遅れた。私はジャン・ピエール・ポルナレフ。SPW財団イタリア支部に匿ってもらっている幽霊さ。この体は死にながら生きている……言わばゾンビみたいなものさ」

 

単に口で説明するには複雑な状態だが、ゾンビと説明するのが一番適当だろう。

 

ポルナレフ「相模南君。君は背中から衝撃を受けたあと、自分の意思に反して動き出した……と言ったね?」

 

相模「は、はい……」

 

やはり彼女はウルフスに体を乗っ取られた被害者だ。

だとするならば……。

 

ポルナレフ「ならば、君の体は生きている。もっとも、悪霊に完全に体を乗っ取られた形になるがね」

 

相模「戻れるんですか?!うちは元に戻れるんですか?!」

 

ポルナレフ「戻れるかも知れないし、戻れないかも知れない。戻れない可能性の方がかなり高いだろう」

 

なにせウルフスに体を乗っ取られたのだ。ウルフスの魂を体から追い出すには、相模南の体を一度殺さなくてはならない。

幸いにも私側の勢力には仗助、ジョルノ、いろはと治す事に関してはエキスパートが沢山いる。

が、彼らの力をもってしても私の体を完全に生き返らせる事は不可能だった。

こうしてゾンビのような状態で僅かな時間を動かすのが精一杯だったのだ。それもコールドスリープさせ、動かす為にはジョルノに生命力を与えられる事でようやく動かせる。

あの異世界の場合は幽霊が普通に跋扈できる世界だからココ・ジャンボを出ることが出来た例外だ。

 

相模「そんな………」

 

ポルナレフ「辛い現実を見ることになるかも知れない。それならば、何も知らずにこのままあの世に行くのが楽かも知れないな。この部屋の天井の窓。あそこから出れば、楽にあの世に飛んで行くことができる」

 

下手に希望を持たせるならば、この方が楽だろう。

仗助達の事だ。体を乗っ取ったウルフスにはすぐに気が付く事だろう。そして、杜王町の億泰や間田に連絡を取り、杜王町の導かれし小道にいる虹村形兆達に相模南の魂が死んでいるかどうかを確認させるはずだ。

もし、相模南の魂が死んでいるのなら、仗助達は容赦せずにウルフスを始末するだろう。

アーシスの目的を果たすのであれば、私はこの娘を見捨てるのが一番だった。

だが、私のように成人を迎えた人間がこうなるのは構わないが、姫菜の前世の花京院、めぐり君の前世である杉本鈴美君、安宮重清君やナランチャのような若い命が散ってしまうのは偲びない。

故に、私は咄嗟に彼女の魂が強制的に成仏するのを防いだ訳だし、最終的な判断は本人に委ねることにした。

確実に成功するとは限らない。むしろ失敗する可能性が高いし、自身の体が一度死ぬのを見なければならない。

そして、それは一度は逃れる事が出来たスタンド使いの裏の世界に関わる事になる。

 

相模「…………知ってるんですね?うちに何が起きたのか……」

 

ポルナレフ「知っているし、教える事も可能だ。だが、知ることが必ずしも幸せとは限らない。このまま死んでしまった方が確実に楽でもある。君が巻き込まれてしまった事はそう言うことだ」

 

相模「………教えて下さい。何も知らずにこのまま死ぬなんて、納得いかないです」

 

ポルナレフ「辛い現実を知ることになっても構わないかな?」

 

相模「……覚悟します」

 

覚悟……か。私達パッショーネにその言葉を放ったからにはその度合いを確かめさせてもらおう。

私は全ての事情を相模南に話した。

我々の素性から千葉村の事、ウルフスの事まで…。

次に私は罵声を浴びせられるだろう。この頃の若者は巻き込まれたことに対する『責任』を取れとか言ってくる傾向がある。もっとも、我々には何の責任も存在しないのだから、冷たい大人の理屈を振りかざすだけだが。

力のない者は、結局力ある者に運命を委ねるしかない。

正義や悪は、委ねられた者次第。

いくら法整備されても、平等に努めたとしても、いくらでも抜け道があれば、汚い現実は大なり小なりの格差を必ず生んでしまう。

私は彼女から罵倒を浴びせられる覚悟をし、そしてこの非情な現実を突きつける覚悟をした。

だが、そうはならなかった。

 

相模「うち……思い出しました。もしかしたら魂だけになったからかも知れません……教えてくれてありがとうございます」

 

ポルナレフ「驚いた…。てっきり君は私を罵るのでは無いのかと思っていたのだが……」

 

私がそう言うと、彼女は首を振る。

 

相模「何か引っ掛かっていたんです。千葉村の事が…もしかしたらうちが知っている真実とは違うかも知れないって…きっかけは結衣ちゃんだったと思います。うちは結衣ちゃんや比企谷には何度も……うう」

 

相模はそこで嗚咽を漏らす。魂だけでありながら、その瞳は潤んでいる。恨み言を言うことなく、自らが巻き込まれた事態を受け入れる……。

それは大人でも中々出来ることではない。

 

ポルナレフ「それで、君はどうするのだ?先ほども言ったが、ウルフスから君の体を取り戻すには、君の体に一度死んでもらう必要がある。そこから蘇生させるのは奇跡に近い。かなりの高い確率で私のようにゾンビの状態になるだろう。それでも運の良い方だと断言する。君が生きて体に戻れる可能性はかなり低いだろう」

 

相模「………見届けます。ポルナレフさん。うちにチャンスを下さい!せめて、あのウルフスを倒す機会をうちに下さい!お願いします!」

 

ポルナレフ「良いだろう。では早速仲間に連絡……うぐっ!」

 

体が……時間切れが近付いている!

すぐにコールドスリープさせなければ!

私は急いでコールドスリープ装置を起動させ、体を眠らせる。

幸運が続いたのはここまでだった。

これでは外部に連絡を取ることが出来ない。

 

相模「ポルナレフさん?」

 

ポルナレフ「残念だが…体が限界だったようだ。仲間の誰かに回収されるまで連絡が取れない……」

 

相模「そんな!どうするんですか!?」

 

更に不運は続く。

屋上の扉が開かれ、そこから誰かが顔を出す。

 

厚木「あー?また誰かが屋上の鍵を勝手に開けたなぁ?しかも戸締まりをせずに帰りおって……」

 

その教師らしき男(相模に聞いて後から厚木教師とわかったが)は鍵を閉めて帰ってしまった。

まずい……ココ・ジャンボの餌や水を外に出すことは可能だが、自力で脱出することは出来なくなってしまった。

 

それから約一週間の間、エンポリオに見つけてもらうまで我々は総武高校の屋上に閉じ込められる結果となってしまった。

 

 

side相模南

 

相模「で、一週間後にエンポリオに見つけてもらったうち達は、夏休みに起きた比企谷の聖なる遺体の体験とかを元にポルナレフさんの体に入ったり、失ったはずのラスト・ノートがウルフスの矢で刺された事によって復活したりというのを確認してたの…」

 

うちは魂の状態でみんなに説明した。

 

葉山「比企谷……お前達は何度も……そんな戦いに身を投じていたんだな……」

 

八幡「ああ。お前に取っては受け入れないだろうけどな」

 

葉山「DIO……か。どこまでも俺とお前が水と油なのはそう言うことか」

 

隼人君のみんな仲良く…の考え方と、アーシスの組織の考え方は相容れる事は無いんだろうね。

助けてもらったとはいえ、うちも受け入れがたいし。

だけど、スタンド使いに戻ってしまったうちは、今後もアーシスに助けてもらうしか無いのかな…。

 

静「その前に、相模。あんたはまず自分の体に戻れるか試しなさいっての。話はまずそこからでしょ?」

 

そうだった。

うちは魂を体に重ねてみる……。

そして…

 

相模「うう………」

 

葉山「南!」

 

ポルナレフ「奇跡だな。ウルフスに体を乗っ取られて生きて体に戻れるなんて」

 

うちは無事に戻ることが出来た。本当に……

 

相模「ありがとうございました。ポルナレフさんのお陰でうちは助かりました」

 

ポルナレフ「最後まで君が諦めずに覚悟を見せた結果だ。自分で呼び寄せた奇跡だよ」

 

ポルナレフさんはそう言ってくれる。

 

承太郎「ポルナレフはこういうことではお世辞は言わない。事実、ウルフスに決定打を与えたのは君だ。確実に倒せる保証はなかった作戦を決行したのは君の覚悟が呼び寄せた奇跡だ」

 

空条先生のお父さん……空条博士がそう言ってくれる。

だけど…うちは忘れてはいない。

 

相模「三浦さん、雪ノ下さんと雪ノ下陽乃さん、城廻先輩、結衣ちゃん、ジョースターさん、比企谷くん?、一色さん、ジョセフ・ジョースターさん、空条博士、東方会長、ジョバァーナさん、広瀬さん、空条エンポリオ君、隼人君、戸塚君……そして……最後まで諦めずにうちが戦えるチャンスを稼いでくれた川崎さんと川崎大志君……ありがとう」

 

うちはこの場に集まる全員に頭を下げる。

 

八幡「何で俺だけ疑問形?まぁ、良いけどね」

 

比企谷は興味なさげに答える。

と、言うよりは、少し調子が悪そうな感じ。

 

ジョセフ「まず、アーシスの事ではあるが、平家でもあるまいし、別にスタンド使いは必ずしもアーシスに所属せねばならんわけじゃあ無いんじゃ。じゃが、お前さんはウルフスに一度はされてしまった。それ故にSPW財団…というよりは、アーシスから密かに護衛を付ける形になるじゃろう。常に見張られておる形になるから、少し不自由になるやも知れん」

 

葉山「それではプライベートが守られないのでは?」

 

承太郎「それは我慢して貰うしかない。ウルフスの横牛は撤退しただけだ。原因となるものを排除しない限り、何度でも復活する。相模は警護しなければ、また狙われる可能性がある。今度覚醒させられたら、助からん」

 

仗助「今回は本当に運が良かっただけなんだぜ?たまたまポルナレフさんが死ぬはずだった相模の魂の上にいたから、たまたまポルナレフさんが体を動かしていたからといういくつかの幸運があったからこそ、相模を助けることが出来ただけだ」

 

ジョルノ「万が一、同じ奇跡が起きたとしても、二度とこんな結果にはならないと断言できる。同じ手が通用するなんて僕達は思っていない」

 

葉山「そのウルフスと対話する事は出来ないんですか?何でも力ずくなんておかしいじゃあないですか」

 

隼人君はそう言うけど、戦ってわかった。

 

相模「隼人君。うち、我慢するよ。ウルフスに取り付かれてわかったけど、あの存在は互いに滅ぼし合うしか無いんだって……アンチ知的生命体は…人間を依り代にするだけで、人間じゃあないんだって…」

 

葉山「だからって、対話する努力も必要じゃあ…」

 

陽乃「隼人。無理よ。それは何千年以上も昔に、柱の一族が試してるのよ?神と言われている存在が失敗してるの。その結果がカーズの暴走や汐華の呪い、そしてブラッディ・スタンドなの。DIOとジョースターの戦いだって……スタンドを生み出す隕石の落下。その時からウルフスはただ知的生命体を滅ぼすだけの為に活動しているの」

 

雪乃「相模さんが言ったように、ウルフスは人間ではないわ。それどころか、地球の生命体ですらない」

 

静「もしかしたら、生命体ですらないわね。自分達は宇宙意志と言っているけれど、虫とかのような群体意志っていうか…スタンドという形を持ったプログラム的な何かかも知れないね?いずれにしても、葉山が言うような対話は不可能…だと思うよ?」

 

うちもそう思う。奴等の思考はただただ知的生命体…つまり人間を滅ぼすと言うだけの意志しかなかった。

隼人くんを否定するのは心苦しいけれど、それがウルフスの本質。

 

葉山「そう……なのか?」

 

八幡「葉山。前にも言ったが、お前のみんな仲良くというスタンスは素晴らしいし、それが出来れば世の中素晴らしいだろうが……そんなのは不可能だという存在は必ずいる。ウルフスというのはその典型だ」

 

ジョセフ「種族的なところで、互いが互いに天敵なんじゃからな。お前さんは、体を蝕む病魔やウイルスと対話して仲良くすることが出来るかの?」

 

葉山「そういうレベルの話……なんですか?」

 

承太郎「ああ……俺達はそういう存在と戦っている。生き残るか滅亡か……今回の敵はそういう相手だ」

 

だからうちは……。

 

相模「ジョースターさん。うちが今回助かったのは、アーシスのお陰です。ですので、アーシスに入隊します。それに、狙われるのは事実でしょうから、護衛もお願いします…何から何までありがとうございます」

 

本音を言えば、戦いたくなんてない。今回は必死だったから戦ったけど……そんな覚悟はうちには…。

 

八幡「アホ。相模、勘ちが……へぶっ!」

 

何かをうちに言いかけた比企谷に、ジョースターさんは人中(鼻と唇の間にあるへこみの部分。強くやれば意識を飛ばせる急所の1つ)に水平チョップを入れる。

 

静「はいはい。上司を差し置いてでしゃばんなっつーの。相模、ハッチの代わりに私が言うよ。パパが言ったように、アーシスだけがスタンド使いじゃあないし、アーシスに入らないからって、私達はあんたを守らないとは言っていない」

 

相模「え?守って……くれるの?」

 

うちは困惑する。

意外だった。対価もなく、うちを守ってくれる理由が見つからないから…。

 

静「イグザクトリー。その通りでございます。変な恩義を感じられても困るから言っておくけど、これは好意ではないよ?月並みだけど、相模。あんたにまたウルフス化されると困るから。完全に我々の都合。相模は死にたくない、うちらは厄介な敵の出現を抑えたい。対価だって相互に支払ってる。我々は護衛に回す人員と装備や補給、手当ての費用を支払うし、護衛をするための住居や生活面の支援をする。

相模はプライベート保護に制限が付くし、いつ終わるかもわからない戦いが終わるまでは家族一緒にアーシス社宅で生活をしてもらう必要があるし、旅行とか買い物とかの行動にも制限が出るという対価を支払う。互いに対価は支払っているけどどう?」

 

冷たいようだが、確かにジョースターさんが言うことに理屈が合っているから不思議だ。それに、確かにうちらにも生活に制限が出て窮屈になる。でも、それがうちやうちの家族を守ってくれる対価となるならば…。

 

相模「うん。ごめん……うちには戦う覚悟は無理…。それでお願いします」

 

うちがそう言うと…。

 

八幡「それで話がまとまったってことで、もう1つ。相模。お前には謝らんとならんことが1つあってな?」

 

相模「?」

 

八幡「いやな?お前の文実委員長を円満にサポートするという奉仕部への依頼なんだが……」

 

性悪な比企谷にしては罪悪感があるっていうか、非常に済まなそうな顔をしてうちを見る。

隣のジョースターさんもだ。

 

静「ごめん!見事に失敗!ウルフスに操られてるあんたの暴走を止められなかった!言い訳になるけど、もう文実を回すので手が一杯!さらにアーシス関連とかの事で動く必要もあったし、何よりこの結果は予想していなかったっていうか……」

 

雪乃「あなたの魂があの世に行ってないっていうだけで、もうあなたの救出は絶望的だと思っていた私達は、文化祭を成功させることしか頭に無かったというか…」

 

つまり?

 

相模「どういうこと?」

 

いろは「もう相模先輩の文実の立場って、無くなってしまっているというか……」

 

相模「それって……うち、文実での居場所が無くなっちゃってるってこと?」

 

まぁ、仕方がないとは思うけど……。

 

アーシス文実メンバー

「もう奉仕部の依頼は失敗確定です。誠に申し訳ありませんでした!」

 

←To be continued




はい。今回はここまでです。

本当に灯台下暗し。カメナレフは総武高校の屋上にいたというオチでした。
それを見つけたのも部外者のエンポリオというオチ。
このオチは前話でも言いましたが、文化祭当日に回す予定でした。そしてエンポリオのスタンドで生き永らえていたという形にしようと当初は考えていましたが、相模が横牛に乗っ取られているのがわかっているのにいつまでも手をこまねているジョースター家では無いですし、何も仕掛けて来ないウルフスも不自然でしたので、この段階でのドンパチになりました。

戦いの流れとしては川崎兄弟の奮闘と最後はポルナレフの体を使った相模が決着を付けるというのは変わりがありません。
場所はあの名シーンの屋上か、校舎外かの違いです。

半味方となった相模と葉山。今後活躍するかは未定ですが。
さて、奉仕部としての依頼は原作同様に失敗!
果たしてどう後始末をするのか!?

それでは次回もよろしくお願いします。

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