やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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原作では一切登場しなかったあの方の登場です!


アーティスト達のフェスティバル

side比企谷八幡

 

恐怖のジェットコースターを終わらせ、俺達は見回りといろは達の写真記録を続ける。

すると、急に陽乃さんが慌てた様子で飛び出した。

 

陽乃「あ、いけない!もうこんな時間だよ。もうそろそろわたしも行くね?絶対に見に来てよ?雪乃ちゃん、比企谷くん?」

 

雪乃「ええ、頑張ってね。姉さん」

 

八幡「了解です」

 

陽乃さんは投げキッスをした後に小走りで走って行った。確かに準備とか諸々を考えるとそろそろ時間だと言うことは確かなのだが、まだ余裕はあるし、少し不自然だったような気もする。

普段からタイムスケジュール管理も完璧な人なのに、こんなミスをする人だろうか?

その疑問を解消するものがこの先にあった。

体育館に程近い、3Eの教室に来たところで雪ノ下の足がピタリと止まり、逆にジョジョの足が速まった。

 

静「あ、私もそろそろ行かないと♪アデュー♪」

 

ジョジョが先程の陽乃さん同様に不自然にラ○カ・リーの如く横ピースのウインクをして立ち去っていく。

その理由は…

 

『ペットどころ うーニャン うーワン』

 

ここである。

忘れているかも知れないが、ジョジョはともかく陽乃さんの犬嫌いは筋金入りだ。

犬嫌いなんて生温いレベルじゃあない。犬恐怖症の領域だ。

生徒のそれぞれが家庭のペットを連れてきているらしい。

まるでホストクラブのように、ペット達の写真が壁に掲示されている。犬、猫、兎、ハムスターの定番どころはもちろん、ミニチュアダックスフンドにフェレットにオコジョにイタチにヘビにカメに隼。……体が長いのが多いな、しかし。

それらの写真の中でも雪ノ下の視線は一点に注がれている。

ほう、ラグドールか。ラグドールは猫の品種の一つだ。もっさもさもっふもふのふもっふの長い毛の品種でわりと大型。それゆえについた名前がラグドール。ぬいぐるみという意味で、決してちょっと大人なお人形の事ではない。ふもっふふもっふ♪

他にも、シンガプーラやマンチカンといった小型の品種もいる。

雪ノ下は教室の中をちょっと覗いてはまた写真を見たりを繰り返している。

………あー、ダメだ。ダメなパターンだ。ここから先の展開が見えるぞ。

 

雪乃「あら?」

 

いろは「………中に入れば良いんじゃあないですか?」

 

この後どうなるか理解しつつも、そう声をかけずにはいられなかったのだろう。

だが、意外なことに雪ノ下は残念そうに首を振った。

 

雪乃「……犬がいるもの……」

 

ああ、ジョジョや陽乃さんが顕著だから忘れていたけど、あなたも犬が苦手でしたね。ワンちゃん。そらノーチャンですね。

 

雪乃「それに、他の人に見られるから……」

 

ものすごく恥ずかしそうに雪ノ下は言う。かぁっと赤い顔をして下を向いた。そらまぁ、お前の猫可愛がりっぷりは知らない人からしたら引くレベルだもんな。

カワイー!とかじゃあなく、超真剣に愛でるもんな。妥協は許さないもんな。職人芸の域に達てしてるもんな。これまで積み上げてきた氷の女王の威厳なんて一瞬で吹き飛ぶこと間違いなしだよな。

 

小町「雪乃さん……また家に呼びますから。というか、いつでもカーくんに会いに来ても良いですから。もううちの家族扱いですから遠慮なく……」

 

すると雪ノ下はピクッ!グルンと振り返り……。

 

雪乃「小町さん。ホントかしら?嘘では無いのよね?でも家族って……ごめんなさい。比企谷君とそういう関係になるのはちょっと……」

 

八幡「俺にはもう嫁がいるから遠慮します。そっちの意味じゃあねぇよ」

 

俺の手を離さないこのアホ妹とさっき逃げてったお前の姉でお腹一杯だよ。肉増し増しだよ。さらに野菜増し増しはいらねーよ。むしろ首輪に繋いどけよ、お前の姉。

 

いろは「多分、ジョルノの親戚だからという理由だと思いますよ?」

 

小町「お姉ちゃんの言っている意味ですよ。これ以上ライバルは要りませんから」

 

お前も四年半前までのお前に戻ってくれないかなー…あれくらい気楽な方が八幡的にはポイント高いんだけどなー。

 

雪乃「そういう事なら姉さんと一緒にたまにお邪魔させて頂くわ。ありがとう、小町さん。今まではカフールにまで通っていたから…」

 

小町「いえいえー♪うちは家族にはオープンな家ですからー♪」

 

雪乃「そうね。ところで話は変わるのだけれど、比企谷くん?」

 

ん?なんだ?

 

雪乃「ここってペット預かり所ってやっていたのかしら?」

 

八幡「いや?少なくともそんな申請を受けてないぞ?」

 

それならば既にここにカマクラやペットショップを連れて来ている。

 

雪乃「でも、あれ………ペッちゃん?」

 

隼「クエエエエーーー!」

 

バサバサバサバサ!

俺の肩に見覚えのある隼が着地する。

 

サブレ「バウバウ!」

 

反対側の肩にはココ・ジャンボを背中に乗せたサブレがよじ登って来た。

 

…………うん。写真を見たときから何となく気付いていたよ。

先程の地の文を思い出してほしい。

 

『まるでホストクラブのように、ペット達の写真が壁に掲示されている。犬、猫、兎、ハムスターの定番どころはもちろん、「ミニチュアダックスフンド」にフェレットにオコジョにイタチにヘビに「カメ」に「隼」。……体が長いのが多いな、しかし。』

 

……多分、ペットショップの仕業だな。

動物組を集めてここに紛れ込んでいやがったな。

カマクラがいないのは何でだろ。

 

結衣「ヒッキィィィィ!サブレが……サブレが猛禽類の鳥に拐われたって家から電話が……って、ここにいるし!サブレ拐った鳥ってペッちゃん?」

 

ポルナレフ「ココ・ジャンボもジョルノの仮住まいからペットショップに連れ去られていたよ。もっとも、ココ・ジャンボについてはジョルノも知っているが」

 

ココ・ジャンボの甲羅からポルナレフさんの魂が浮かび上がって来ていた。

 

ポルナレフ「最近、サブレはともかくペットショップをあまり構ってやれなかっただろう?寂しがっていたんじゃあないのか?」

 

八幡「そうなのか?悪いな、ペットショップ」

 

ペットショップの喉を撫でてやると、嬉しそうに鳴くペットショップ。相変わらずカワイイ隼だ。

こんなカワイイ奴を最近は忙しくて構ってやれなかったな。ごめんな……ペットショップ。

 

ペットショップ「クルルルルル♪」

 

と、そこへ。

 

3E生徒「誰のペットなのかわからないのが数匹紛れ込んでいると思ったら、比企谷のペットだったのか…」

 

中から猫を抱えた3Eの代表が出てきた。

 

八幡「あー……すいません。すぐに引き取りますんで」

 

3E「ま、まぁ……動物のやったことだし……(さっき丸太に人をぶら下げながら「えっほ、えっほ」とかやってたからな…断ってあれをやられるくらいなら、素直に許した方が良いし…)」

 

………何だか異様にビビられている気がするけど。まぁ、預かってくれるというなら助かるわ。

 

八幡「じゃあ行くか」

 

ペットショップ「クエ♪」

 

………どうやらそのまま俺の肩に居座る気らしい。

一方で雪ノ下はパシャパシャとニャンニャン写真を撮影しまくり、その撮れ具合を確認してむふーっと満足そうに微笑んだ。

デジカメを操作しながら歩いているので危ないなぁと思って見ていたが、皆が同じ方向へ向かって歩いているのでぶつかる心配はない。

この先にあるのは体育館だ。開け放された扉からは、もう結構な数の人が集まっているのが見える。

 

雪乃「そろそろ時間ね」

 

いろは「んんーっ!この文化祭の最大の目玉ですね!」

 

小町「お兄ちゃん!いこ♪」

 

まぁ、これに行かないなんてアーシスメンバーとしてあってはならないからな。

今年は有志のバンドイベントは普通の一般人は体育館に入場できない。何故なら音石さん、トリッシュさん、そしてあの人が演奏するからだ。それだけでも興行になる豪華メンバーのライブがただの市立高校で行われるのだから、入場制限は当然かかってしまう。一般客はグランドに設置されているモニターでの参加になってしまうのだが、そこも既にギュウギュウ詰め状態だ。

彼らの人気が伺える。

体育館に入れるのは生徒や職員、または生徒に配られた家族や知人用の入場チケットを持った人間だけだ。

やたらカラーギャングなどが多かったのも、そのチケット狩りが大半だ。

捕まえて本職に引き渡したが。

えっほ、えっほ♪

撮影とかは学校の卒アルカメラ以外は一切禁止。タオルやシャツの商売の代わりにこれを売れば良いじゃあないかって?

さすがにこれはジジイ達からも止められてるんだよ。本格的にパッショーネと揉めるから。

 

億泰「来たぜぇ!八幡!」

 

万作「♪♪(着ぐるみ)」

 

カマクラ「な~(いないと思ったら万作になつきまくり)」

 

早人「こんにちは。関東支部の皆さん」

 

康一「こんにちは、比企谷君」

 

噴上「久しぶりだな。八幡」

 

康穂「今日はよろしくね?ハッチ♪(ウインク)」

 

由花子「こら!康穂!今日もいろはちゃんと仲良しで結構よ?八幡くん」

 

露伴「文化祭のリアリティーを見せてもらうよ。八幡くん」

 

間田「今日は招待ありがとう」

 

未起隆「こんにちは、比企谷さん」

 

トニオ「ゴショータイ アーリガトーデース」

 

玉美「この小林玉美まで誘ってくれるなんて、関東支部の支部長も粋ですねぇ~」

 

今日は杜王町組を呼んである。

俺達の家族チケットを渡しての招待だ。

うちらが主催でやる音石さんのバンド。なのに杜王町組が来ないのはおかしいからな。

流石に外国までは無理だった。ダービーさんやミドラーさん、ミスタさん、フーゴさん達は血涙を流していたらしい。ごめんなさい。

 

プログラムとしては…。今の時間からだと

 

前座は葉山達のグループバンド

 

陽乃さんのクラシック管弦楽

 

音石さんのハードロックによるギター演奏。

 

トリッシュさんのダンスを含めたライブ。

 

トリを務めるのは音石さんやトリッシュさん以上に何でこの人が地方の公立高校の文化祭なんかで、それも興行とは関係なく有志で参加してんの?と言われている人物、ジャズミュージシャンの貞夫さんだ。

ん?貞夫さんが音石さんよりも後っておかしい?

バッカ!貞夫さんだぞ?貞夫さん!

 

並べられたパイプ椅子は後ろの方では立ち見がズラリと並んでいる。チケット制にしてもこれかよ……。

 

「あ、比企谷。ちょうど良かった」

 

体育館に詰めている有志担当者が寄ってくる。

 

「椅子足りなくなっちゃって、立ち見出してるんだけど、列整理とかしたほうがいいのかな」

 

八幡「大丈夫だと思います」

 

「でも、騒がしくなっちゃわない?」

 

八幡「すぐに静かになりますよ」

 

最初は葉山達の有志のバンド。

クラスTシャツで現れた葉山が手を振ると、一気に女子達の黄色い声が飛ぶ。

少し前までは冷めた目で俺はこの光景を見ていただろう。だが、人間不思議なものだ。認めてしまえばそれも目障りでは無くなるんだから。俺もやっぱり、人間なんだな。

うるさいのが苦手だったのか、ペットショップとサブレ、カマクラはココ・ジャンボの中に避難する。

 

バンドは葉山グループがトップバッターだ。プロが奏でるものよりは劣るものの、ここ最近はトリッシュさんから演奏や歌唱の指導を受けていたのか、下手な素人バンドよりも格段に上手かった。これなら金を取っても良かったくらいだ。さすがは何をやらせても上手くこなす葉山だな。

流れる曲はfighting gold。

俺?下手じゃあ無いんだが、歌以外は鳴かず飛ばずの実力。つまり、才能なし。貞夫さんから難しい顔をして顔を横に振られた。俺がミュージシャンを目指していたら犬吠埼から身を投げていた。

アンコールも鳴り響く。本来ならオオトリを任されてもおかしくない校内最大のイケメングループが前座の前座だという異例の有志のバンド。だが、本人達は納得していた。

次は自分でも敵わない憧れだった人のバンドだと…そんな人だって前座に甘んじているのだから。

 

葉山グループのライブの熱気が冷め止まぬざわめき。

だが、俺の予想通り、ざわついていた空気が萎む。開演の兆しを感じ取ったのか、それともセッティングされた楽器達が放つ格調高いクラシックの気配に気圧されたのか。

俺たちもまた始まる前に立ち見客達のいる最後方へ移動する。端っこまで行ったとき、一瞬ざわつきが起こった。

ステージに目をやると、様々な楽器を抱えた女性達が華麗なドレスに身を包み、続々と入場してきた。客席から拍手が巻き起こる。

そして、最後に悠々とした足取りで登場してくるのは雪ノ下陽乃。

絢爛たるスポットライトの下、身体のラインを強調するような細身のロングドレス、闇色の衣は一歩歩くごとに翻り、見るものを魅了する。

陽乃さんがスカートの端をつまみ上げ、淑やかに一礼し、指揮台に上ると、タクトを手にした。

そこからは圧巻の一言だった。クラシカルな出で立ちに似合わぬ勢いのある序奏。型破りに激しい動き。

かと思えば凛とした侍のように静かで…それでいて鋭い動き……。時に蠱惑的に…体全体で、表情で…相変わらず凄い人だ。先ほどまで一緒にバカをやっていたとは思えない…。

そして……流れる音楽は……

ダンダンダン!

え?この曲は俺の魂のバイブル……

 

「breakdown!breakdown!」

 

Great Days……だと?!クラシックでやるか!?この曲を!

 

「breakdown!breakdown!」

 

ヤバい!ここがジョジョの世界の為か、耳に残るこのbreakdown!という音の為なのかわからないが、その音の波に呑まれた人達はbreakdown!と声をあげていた。

 

雪乃「さすがだわ」

 

貞夫「そうだな。素人のレベルじゃあないない。彼女が財団ではなく、音石くんのようにプロの道に進めば…」

 

八幡「貞夫さん。うちのホープを引き抜かないで下さいね?」

 

貞夫「だけど八幡。彼女と距離を置けば、今の状況を何とか出来るかもしれないぞ?」

 

八幡「むむ……痛いところを突きますね。こっちも引き取ってくれれば……」

 

貞夫「ワハハハハ!リサリサおばあちゃんを俺が扱えると思うか?」

 

小町「ゴミぃちゃん?貞夫?」

 

貞夫「ぼ、僕は音石くんに激励を送って来なければ!じゃあ八幡!頑張って!」

 

八幡「あっ!貞夫さん!それはないっすよ!逃げないでぇぇぇぇ!エンポリオを小町の夫に認めてぇぇぇ!」

 

雪乃「比企谷くん?」

 

八幡「あ?」

 

雪乃「演奏中は静かにしてくれないかしら?」

 

え~~…………だったら小町のこれを何とかしてくれね?

フリージングビームでさ。

 

雪乃「終わったわ。お疲れ様、姉さん」

 

貞夫「お疲れ様。良い演奏だったよ」

 

トリッシュ「大した物だわ。流石は陽乃ね」

 

音石「よぉし!素人に負けてられねぇ!やるぜぇ!」

 

音石さんと専属に契約を結んでいるプロのドラマーやベーシストが音あわせを終わらせ、音石さんもステージへと上がる。

久々だなぁ。あ、でも9月に山中湖の「sweet love shower」にはみんなで行ったなぁ…。

最終日だけしか暇が無かったけど。

 

本城「あのフェスでスタンドが1つ思い付いたんだよなぁ……それある!の奴にピッタリなスタンドが」

 

何かジョースター家並みに良い体格の人がボソッと言って去っていったんだけど。誰だよ今の人を舞台袖に入れた奴は。

危うく丸太とロープを準備するところだったじゃあないか。

さて、次の音石さんのライブだ。

 

「おっといしー!おっといしー!」

 

さすがは音石さん。ステージに出ただけでこの歓声だ。

葉山や陽乃さん達は「やっぱり先に出ていて良かった…」的な安堵のため息を吐いている。

 

音石「お前らー!ロックな人生おくってるかぁ!」

 

「おおおーーーー!」

 

音石「良い音が二回も続いたんだぁ!この波に乗れようじゃあロックじゃあねぇ!俺も負けねぇように全力で鳴らすから!お前ら付いてこいよぉ!いくぜぇぇぇ!」

 

億泰「よ!音石ぃぃぃぃぃぃ!良い音を期待してっぜぇぇぇぇ!」

 

「きゃーーーーーーーーーーーーーー!」

 

葉山達や陽乃さんを誉めながら、音石さんも彼らに応えるように最初から全力で音を流し始めた。

 

葉山「誉めてくれた………?音石明が俺を?」

 

貞夫「音石は音に関してはお世辞を言わない男だ。君には才能がある」

 

八幡「手放しで葉山を誉めますね、貞夫さん。俺に対しては誉めてくれたことなんてないのに」

 

葉山「空条貞夫さんと知り合いなのか…SPW財団の顔は広いな……」

 

八幡「おいおいおいおい。自分の担任は誰だよ」

 

葉山「空条徐倫先生……ってまさか!」

 

貞夫「そうだよ。孫がいつも世話になってるね。空条徐倫は俺の孫で、承太郎の父親でもある」

 

自分の担任の素性にやっと気が付いた葉山がガチガチの緊張した顔になる。そりゃ、承太郎がエジプトの旅に出ていた当時は今の音石さん以上に有名で、船上世界ツアーに出るほど人気があったからな。日本のジョン・レノンと言われるくらい、貞夫さんは日本ジャズ界ではカリスマ的存在である。

 

葉山「は………ははは………何でこんなところに空条貞夫さんが参加するんだろうと思っていたら、君達の身内だからだったんだね……」

 

貞夫「そうだね。孫が初めて担任をやる文化祭だ。祖父としては是非見てみたいものじゃあないか。ライブ参加はついでだよ。そうそう、君達の演劇も見せてもらったよ。BL……というのはよくわからないけど、俺は良かったと思ってる。実に多芸だね。君は」

 

あれ、下手をしたら俺が主演だったんだよなぁ…。

貞夫さんに見られなくて良かったと言うべきか…。

お?音石さんの演奏が終わり、舞台はトリッシュさんの舞台へと準備が始まる。

 

八幡「お疲れ様でした、音石さん」

 

音石「おいおい、改まって何だよ八幡。お前らしく無いじゃあないか。何度も言うが、お前がいたからこそ今の俺の人間関係があるんだぜぃ?こんなものは礼にもなって無いさ。それに、ここには仲間が沢山いるからな。俺のライブがお前らの息抜きになるならば、いくらでも協力するぜぃ。お前らもお疲れさんな」

 

音石さんが労いの声をかけると、音石さんのバンドメンバー達は一声二声俺達にかけて帰って行く。

音石さんはそのまま舞台袖に残り、次にトリッシュさんが舞台に上がる。バックサウンドは録音だ。

トリッシュさんの背後には三浦と海老名がバックダンサーの衣装を着てダンスを始める。二人とも運動神経が良いから様になっている。

小町の奴は混ざりたそうにしているな。

だから止めなさい。君は今、セーラー服でしょ!

観客席にいるけーちゃんや留美も声援を送っている。

………でもさ、何で途中でギャングダンス入れるの?

ジョルノか!あいつを見てみると、こちらを見てニヤニヤしていやがる!

おのれジョルノォォォ!

 

トリッシュさんの歌が終わり、ついにこの人の出番だ。

空条貞夫さん。

貞夫さんが舞台に立つと………

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオー!」

 

流石は日本ジャズ界のレジェンド。割れんばかりの歓声が体育館を……いや、総武高校を震わせる。

老若男女、貞夫さんの人気は衰えるところを知らない。

 

葉山「まさかこんなところで生の空条貞夫さんを見ることになるなんてな」

 

音石「貞夫さぁぁぁぁぁん!輝いてるっすよぉぉぉ!」

 

仗助「貞夫義兄さぁぁぁぁん!グレートッスゥゥゥ!」

 

徐倫「グランパァァァ!キャーーーー!」

 

オウ………普段は立場があるから素を抑えてる仗助や徐倫もフィーバーしてやがる。

………と、冷めたようにモノローグしている俺だが…

 

八幡&静&いろは&小町&陽乃&三浦&海老名

「SA・DA・O!FUー!SA・DA・O!FUー!」

 

制服の上には「SADAO KUJO」と書かれた法被を着込み、アイツの文化祭でも使われた日の丸センスを広げて大フィーバー!

 

京華&ホリィ&材木座&由比ヶ浜

「SA・DA・O!SA・DA・O!」

 

ジョセフ「………ふんっ!娘泥棒め……じゃが、曲は好きじゃがね」

 

承太郎「ふ………流石は親父だ……大した人気じゃあないか」

 

貞夫「良いノリだー!今日は盛り上がろうぜぇぇぇ!」

 

熱狂のファイナルステージの幕が…上がる!

 

「SA・DA・O!FUー!SA・DA・O!FU-!」

 

←To be continued




はい、期待はずれですみません。
あの方とは承太郎の父親、空条貞夫です。
第3部以降のコミック目次のところにあるジョースター家の家系図に、ポツンと載っているだけのお方。

空条貞夫…日本のミュージシャン

……………の扱いの空条貞夫さんです。
事件の時には世界ツアーで劇中に一度も出てこなかった空条貞夫さんです。
裏設定ではジャズミュージシャン。世界ツアーができるほど売れてる方ですが、登場することはおろか、第二部の最終話でジョセフが「日本人め……」くらいにか触れられる事はなかったかわいそうな扱い。
本作では名前をたまに出す程度でしたが、今回初めてセリフ付きで登場させてみました。
二次創作でも滅多に無いのでは無いのでしょうか?少なくとも私は知りません。


それでは恒例のを。

陽乃は既にスタンバってる→八幡と行動していたが、時間だから静と先に行った。……のだが、実は逃げた。

雪乃は犬が苦手だが、陽乃に犬嫌い設定はない→アヌビス神の死には犬(イギー)が関係しているので犬が超苦手。

動物の中にサブレ、ペットショップ、ココ・ジャンボが紛れ込んでいる

雪乃が崩壊するのを危惧しているのは副委員長の威厳→氷の女王の威厳(八幡の勝手なイメージ)

この段階で未登場のいろははおろか、小町はどこかに行っていていない→一緒に行動している~会話。もし原作の小町がいたならばカマクラを餌に雪乃を誘っていたに違いないだろう(お義姉ちゃん計画)。

由比ヶ浜も合流

杜王町組が登場。何気に第二章から関係が語られていたわりには本編で康穂と八幡の絡みが初めて。

有志の順番は陽乃のクラシックの後に葉山グループによるバンド→葉山グループのバンド~陽乃のクラシック~音石のバンド~トリッシュの歌~空条貞夫のジャズ

八幡達が陽乃のクラシックを見たのは最後列→舞台袖

葉山グループの楽曲は…忘れました→fighting gold(第5部OP)

陽乃のmanbo→GreatDays(第4部後期OP)

陽乃から一気に文化祭最後のシーンにキンクリ→音石以降も描写

テニス編の「HA・YA・TO!FUー♪」のオマージュ「SA・DA・O!FU-♪」

アイツの文化祭ジャックネタ

それでは次回もお願いします。




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