葉山「第5章ではアンチが外れたのに、この時代に戻るのか…」
いや、葉山、ホントごめん…
平塚「私も外れるよていなのだが、嫁度対決とかでまたアンチが掛かるのか?」
一応、あなたも修学旅行編でアンチが外れますから気を落とさずに…。
side比企谷八幡
勧誘方法の件は案が立った。しかし、雪ノ下の表情は晴れない。
雪乃「勧誘自体は何とかなりそうね。……ただ、遊び目的で集まった人達は、結局辞めてしまうのではないかしら」
静「だろうね」
結衣「だろうねって…」
ジョジョの淡泊な受け答えに由比ヶ浜が呆れたような顔をする。
が、淡白にもなる。何故ならその答えは既に予想されている事だからだ。入学当初から在籍していた者達ですら既に辞めたがっている部であるならば、新規入部組はもっと辞めたがるだろう。それを防ぐための手を打つ必要がある。まぁ、アフターサービスってところだ。
仗助「問題となっている環境を変える必要があるってことだろう?ジョジョ」
それが何を示すのか。それが察せないアーシスじゃあない。
ジョセフ「例の先輩を排除する…という事じゃな?」
yesyesyesyesyes
そもそも原因を取り除かない限り、この問題はループする。それどころか悪評が拡散して致命的な状況に陥ることだろう。
答えは明白だ。
結衣「でも、あの柔道部の人達、それには協力してくんなさそうだけど」
雪乃「確かに心酔しているようなところは見受けられるわね」
いろは「あれは心酔というよりは、盲信しているって感じですけど」
いろはが言うとおり城山のそれは、おそらく先輩個人に向けられている盲信じゃあない。上下間系、仲間意識という概念に向けられているように思える。理不尽さを当然の事として受け入れているのだ。基本世界のジョースター家に対するSPW財団みたいにな。
信仰を捨てさせることがどれだけ困難かは歴史の授業や柱の一族等でかなり見てきた。故に城山の協力は仰げないと思った方が良い。事実、先輩を排除するという選択肢を出したジョジョの案を、城山は否定した。
雪乃「柔道部の協力を借りずに排除する方法…ってジョースターさん!?まさか…」
ニヤリ( ゜∀ ゜)( ゜∀ ゜)ニタァ
同じ顔をする俺達性悪コンビ。
結衣「ダメだからね!?無理矢理力押しでドラララ!とか無駄無駄ぁ!とか!」
八幡「失礼な。それは最終手段だ( ゜∀ ゜)」
結衣「何をする気!?他の先生とか教育委員会の人達に言うとか穏便な方法じゃあないよね!?」
静「全然穏便じゃあないから。ドラララ!の次に悪手だから。問題の露見は学校も嫌がるって。それだったら最初から徐倫お姉ちゃんや朋子お母さん、手っ取り早いところでお兄ちゃんに動いて貰ってるから」
うちは一応進学校で通っている。それが部活の指導方法でトラブルなんて事になれば大事だ。城廻先輩からもなるべくならそれは避けろと言われている。お上にたれこんだって、表向きの調査はしても、問題ないの一点張りで対外的に終わりだ。
雪乃「そうね。顧問に対して口頭注意で終わりそうね」
戸塚「最悪、柔道部全体が悪いって事になって活動自粛かな?元テニス部の部長だった僕としては、城山君の為にも避けたい事だよ」
後はそもそも問題にされない可能性がある。一般的な指導の範囲内って判断されたら逆効果だ。お墨付きを与える事になりかねない。いじめとかの問題だってそうだしな。
格闘技系の部活動である以上、多少の危険性があることは前提となっている。その上で、安全確保に努めた指導を行っているのであり、その裁定は俺達と専門家では微妙に食い違うケースもありうるだろう。
であれば、危険な賭けに出ない方が良い。
財団やパッショーネ?強権に頼るのはよくない。財団だって世間の評判は大切だしな。裏でこっそり始末するにはやりすぎだろ?
八幡「先輩の意思でお帰り頂くさ」
静「私達なりのやり方でね。心に深く、マリアナ海溝並の傷を作って」
不確定要素なんて最初から勘定に入れちゃあいないさ。ベストな方法を取ろうと思えばそれ以外にない。というより、最初から考えていた。
結衣「でも、部外者が言っても聞かないんでしょ?」
八幡「部外者?フハハハハハハ!」
静「オホホホホホホホ!」
雪乃「何やら不穏な事を考えている気がするわ」
三浦「いつも通りと言えば、いつも通りだし…」
八幡「まぁ、穏便に済ませてやるさ。世間様という政治家でも中々手を出せない存在を連れてきてな!」
雪乃「社会的に……潰すのね……本当に円満で終わるのかしら?」
ニタァ( ゜∀ ゜)
キングクリムゾン!
翌日から俺達はイベント実現に向けて動き出した。
まずは城山達、柔道部の面々に向けて説明である。これ自体はさほど難しくはなかった。部員募集の為に派手な事をやって注目を集める、という話の持って行き方は彼らにとっても理解しやすかった。商談のプレゼンに比べたら貧弱貧弱ぅ!
ただそのうらで走らせる計画については一切触れていない。反対されても面倒だし、俺達の思惑はどうあれ、あくまでも先輩には自分の意思で去っていくのだ。しっぽ巻いて逃げて貰う…と言った意味が強いが。わざわざ全てを語る必要はない。商談で不利な事を語る必要はないだろう?
詐欺?バカ野郎。どんな交渉だって、一歩間違えれば詐欺のそれなんだよ。先方の要望にはキチンと応えているんだから、詐欺呼ばわりされる謂れはなぁい!
柔道部への説明の後は学校とのネゴシエーションだが、それは仗助や城廻先輩が上手くこなしてくれた。奉仕部案件ゆえに城廻先輩からは怪訝な顔をされたが。
めぐり「協力はするけど、後でちゃんと報告お願いね?比企谷君達って、何か信用できないんだよね~。露伴ちゃんと仲いいし……」
おいおい、旦那さんをディスらないで下さいよ。
面倒な交渉は仗助達が整えてくれたので順調だが、後は参加者を集めるだけだ。
俺自身も出ざる得ないので、メンバーを集める必要があるのだが、それはもう決定している。いつもの面々?
今回は男子大会だからジョジョやいろははダメだ。だが、俺には心強い本物がいるじゃあないか。
3on3なら、あいつら以外にメンバーは考えられない。
となると、参加者だな。
取り敢えず、大会の概要をまとめたプリントを雪ノ下が作成し、露伴先生が絵を添えて張り出す。それをカラーコピーして刷りまくり、あちこちに張り、柔道部の連中にばらまいて貰う。
あ、露伴先生の原画はキチンと俺が確保。数枚のコピーも手元に残してネットオークションに売り出そうと考えたが、考えを読んだいろはに没収された。ちくしょう!
だが、いくら露伴先生効果があってもこの手の告知で期待できる効果は薄い。管弦楽部や茶道部もよく活動のお知らせとして掲示板やチラシを使うが、それでも一般の生徒の参加率はさほど高くない。
ああいったイベントごとは大抵個人のコネクションによって集客しているのだ。
コネについて言えば、俺達転生組と雪ノ下は問題外、柔道部はコミュニティ自体が弱体化といまいち期待できそうにない。残る由比ヶ浜にしても、由比ヶ浜個人の繋がりだけで大会を成立させるほどのものにはならないだろう。
であれば、もっと効果的、かつ最大の集客要因は何か。
答えはキャスティングである。
内容が問われることももちろん往々にしてあるが、今回に限って言えば柔道大会という内容で奇抜さが問われない以上、他の要素で注目を集める必要がある。
そして、幸いなことにうちの学校において最大の集客力を持った人間に心当たりがあった。
そいつは俺にとっては敵視されている可能性があるから、素直に頼んでも応じないだろう。
だが、更に幸運な事に、そいつを釣れる因縁が俺達のカードにあった。そいつの協力は既に取り付けてある。
その釣りを今から始めようじゃあないか。
昼休み、二年F組の教室は相も変わらず、ざわざわと賑やかだった。夏休み目前でお昼休みがウキウキなんだろう。
俺もこの日ばかりは外へ行かず、教室に残ることにした。
総武高校柔道大会、「S1グランプリ」への葉山隼人、電撃参戦のブッキングをするためだ。ちなみに大会名は俺が勝手に決めた。
葉山は由比ヶ浜が言うように、いつぞやの草テニスですらそれなりにギャラリーを集められる男だ。今回のように前もって告知できるイベントであれば、前回よりも多い集客が見込める。マストで押さえるべきキャストだ。敵対組織側の存在ではあるが、葉山自体はスタンド使いではないから大丈夫だしな。
普段は俺とジョジョの席の回りに集まる俺達ジョースターグループも、今日は気分を変えるという体で葉山の席の近くの三浦や海老名の席の回りで集まっている。
そして、交渉は……。お、丁度来てくれたみたいだ。
葉山はそいつが入ってきた瞬間に、顔を強ばらせる。葉山は以前、そいつにこっぴどくやられたからな。
?「比企谷。今度の柔道大会に、お前も出場するんだって?」
八幡「ああ。耳が早いな。ポコ……じゃあなく、泉」
そう、戸塚の後を継いで、現テニス部副部長の泉だ。
泉と葉山は以前の草テニスで深い因縁ができた。
案の定、葉山はピクリと反応し、耳だけをこちらに傾ける。意識がこちらに向いたのが気配でわかった。
泉 「専門外だろ?」
八幡「確かに柔道は苦手だな。戸塚や材木座の方が俺よりも順当に勝てるだろう。俺は柔道で勝った試しがない」
泉「へぇ?だったら、やっぱり俺も参加するかな?お前に勝てる唯一の場かも知れんからな」
更に葉山はピクリと反応する。良い感じで釣れてるな。
葉山「………ヒキタニに勝てる?そして、泉とも再戦が出来るチャンス……」
さぁ、あと一押しってところか?
泉「メンバーはどうするんだ?俺は青葉や関内と出る予定だが」
八幡「戸塚と材木座だな」
戸塚「八幡!僕だって柔道は苦手なんだよ?」
材木座「な!?なんと八幡が我を頼るだと!?これは今までにないシチュエーション!畑違いで苦手ではあるが、活躍して見せるわ!総武高校の最強の座は、この剣豪大佐、材木座義輝率いる奉仕部の面々であるぞ!」
一見して頼りないメンバーに見えるかもだが、実際は戸塚も材木座も柔道で俺に毎回勝っている。
泉「お互い、当たったらベストを尽くそう。俺は負ける気はないからな」
そこで俺達グループと泉はガヤガヤと駄弁り出す。俺はその輪の中で口を閉じ、葉山の観察をする。
葉山「出るか?柔道大会」
戸部「いやー、柔道とかちょっと…」
うーん。葉山は釣れても戸部や大岡は渋ってるな…。大和?矯正施設からはまだ出てないよ?
さて…どう戸部たちを釣るか…。
八幡「どうにか戸部を落とせないか……」ボソッ
すると、意外な人物がチッチッチッ…とやった。
三浦「任せろし、ヒキオ」ボソッ「海老名ぁ~、柔道大会だって。人が集まるみたいだよ?あーしらも見に行く?」
海老名「……一緒に、ヤル?柔道を?……イイネ!」
海老名が好物のさくらんぼをレロレロと舌で転がしながら反応する。
おい……腐の波動が出てるぞ?これでどうしろと?
あれ?今度は戸部から意識がこちらに向く気配が…
海老名「いいっ!柔道いいよ?」
戸部「出るベー!隼人くん!俺、柔道とかちょっと自信あんだよねー!」
はいい?
何で食いつくの!?女子が見に来るから?そう言えば戸部の本命って三浦だったか?
自分への好意を利用するとか…三浦、案外策士じゃあないか!
海老名「男子がくんずほぐれつ受け身をとるの!?だれ!?ヒキタニくん?柔道が苦手なヒキタニ君が今回は受け身を取る側!?イイネー!」
おいこら(# ゜Д゜)名指しで俺を指名するんじゃあない!
海老名から( ゜∀ ゜)の視線を感じ取り、俺はだらだらと汗を流して視線を外す。今、目を合わせたら餌食にされる!ハイエロ腐ァント・グリーンの餌食になる!相変わらずこの恐怖は克服できん!出来てしまったら終わりのような気がする!
けど、戸部釣りは上手く言ったようだ。
戸部「隼人くんもやろーぜ!」
葉山「あ、ああ…元からそのつもりだったけど…」
仲間二人、特にリーダーの葉山が落とされれば大岡も出ざる得ないのか、ため息を吐く。これが民意ってやつだな。
相模「うちも応援してるよ!?隼人くん!」
葉山「よし、じゃあ出るか」
葉山が爽やかに笑って見せた。釣り、完了。
まぁ、葉山は純粋にライバルである泉と勝負したいんだろうけどな。
この時点で葉山グループは参加が確定。しかも、うちのグループから炎の女王である三浦、見た目だけなら学園のトップアイドル、ジョジョがギャラリーでいるわけで、総武高校的には豪華な面々だ。いろはもいるしな。
これだけ宣伝効果があれば、大会に出場するものは結構いるだろう。
泉「ジョジョ……ちょっと……」
俺は泉に誘われ、廊下に出る。
泉「お前が柔道で勝ったことないって……嘘だろ?」
八幡「いや?マジだよ?これは本当。柔道で俺が勝った試しはない。だって…………
全部反則負けだからなぁ!俺は何一つ嘘は言っていないぞ?」
弱いとは一言も言ってないからな?俺が一本取られた事は一度もない。
柔術の技をやると、何故か反則を取られて誰も相手にしてくれなくなった。お陰で俺は人生において、柔道で勝った試しは一度もない!
泉「なるほど……そういう意味か……言葉って便利だな。まるっきり詐欺だ」
誉めちゃいやん♪
←To be continued
はい。今回はここまでです。
大幅改編です。原作なら葉山と材木座で八幡は組むのですが、大和はこの段階では入院というなの矯正施設に入れられていますので、戸部のチームがメンバー不足になってしまいました。
それに、職場見学も改編しましたから、葉山は千葉村前で八幡との接点は無いですからね。
それでは次回もよろしくお願いいたします。