やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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電車でG○!

side雪ノ下雪乃

 

ヨハネを倒した事で、車内の羊毛は消え、材木座君の体も幸い、元に戻ったわ。

だけど…………。

 

徐倫「くっ!もうすぐ名古屋よ!どうする!?」

 

ヨハネを倒した私達だけれども、肝心の事はまだ終わっていないわ。運転手である座間さんが死んでしまっている以上、自力で新幹線を止めるしかないの。

だけど、そのやり方がわからない……。

 

雪乃「く……」

 

葉山「一か八かだ!」

 

隼人くん、あなた……わかるの!?

今日は隼人くんが凄く素敵に見えるわ。本当に過去の事なんてどうでも良くなるくらいに……。

 

葉山「雪乃ちゃん!電車の操作マニュアルを携帯で調べて!前にレトロゲーセンで電○でGO!はやったことがあるんだ!」

 

雪乃「ゲームでって………あなた、そんなもので電車の運転士になれるなら、誰だって……」

 

期待した私が間違っていたわ。ゲームと現実が同じな訳がないじゃあないの!

 

葉山「分かってるよ!でも、俺達が何とかするしか無いだろ!だからマニュアルを調べて欲しいって言ってるんだ!」

 

そうだったわ。隼人くんなりに必死なのよね。それに、空条先生が外部に連絡していてくれているお陰でJ○は事情を知っているはずよ。進む、止めるだけでもわかれば良いんだわ!

車だって進む、止める、ギアを変える、曲がるというのが基本だもの!標識とか信号とかは、無視をしてしまえば良いのよ!

 

無線『○○○!応答せよ!○○○!』

 

無線!そうだわ!無線で応答すれば良いのよ!後は操作マニュアルと照らし合わせて隼人くんが動かせば万事解決だわ!少なくとも事故だけは避ければ後はジョセフさん達が何とかしてくれると信じるしかないわ!

 

雪乃「こちら○○○号!現在、運転手は行方不明で、電車だけが暴走状態で走っています!今、運転席にいるのは私達乗客だけです!応答お願いします!」

 

無線『何だと!?座間はどうした!?いや、それよりも誰でもいい!その電車を止めろ!こちらで誘導するからそれに合わせるんだ!誰だかわからないが、出来るか!?』

 

葉山「やってみます!お願いします!」

 

無線から概略の操作方法が伝えられ、操作を任される。

隼人くんは指示通りに操作をする。これで安心……と思われたけど、戦いの影響がここに来て出て来てしまったわ。

ヨハネから受けたダメージは、本来なら身動き出来ないほど強力なものだった。それを隼人くんはエンジェル・ダストの能力で痛みの概念を消して無理矢理動いていただけ。その効果が切れてしまった。

 

葉山「ぐ………うう………コオォォォ……」

 

それでも隼人くんは波紋の呼吸で無理矢理動こうとする。

 

雪乃「隼人くん!もう止めて!私が代わるわ!動かし方なら、横で見ていてわかったもの!」

 

これ以上は危険よ!一色さんや東方会長が到着する前に死んでしまうわ!

 

葉山「で………でも………」

 

徐倫「はいはい。怪我人は大人しく寝てなさい。葉山、あんたはもう充分に頑張ったわ。これ以上は命に関わるわよ?後はあたしに任せなさい」

 

空条先生は隼人くんを抱き止める。

 

葉山「くうじょ……う……せん……せ……い……」

 

フッ………

ここで隼人くんの意識が途切れ、崩れる隼人くんを空条先生がスタンドで抱き止めて横たわらせる。

 

徐倫「本当に頑張ったわ……葉山。本当に……後で川崎に応急処置をしてもらって、イーハや仗助兄さんに治療して貰わないと……」

 

空条先生が隼人くんを優しい瞳で見つめる。そして、操縦を代わる。

本当に……大した幼なじみだわ。

汐華の呪いやブラッディ・スタンド、肉の芽と色々重なってしまったから敵対することになってしまったけれども、本来はこういう人だったのかも知れないわね…。

それは私も同じだったのだけれども。

 

徐倫「最低限の操作だけはわかったわ。雪ノ下は川崎を起こして呼んで来て!早く!」

 

雪乃「わかりました!後はお任せします!空条先生!」

 

私は急いで川崎さんの所まで走る。

それまで頑張るのよ!隼人くん!

 

side比企谷八幡

 

………なさい。

 

ん?何だよ人が気持ち良く寝てるのに。あと5分寝かせろよ、いろは………

 

おきなさい。

 

寝かせろって………

 

起きなさい!ネボスケ谷君!うりゃぁ!

 

ゴチーーーーン!

 

八幡「いってぇぇぇぇ!」

 

急に襲ってきた痛みに飛び起きる俺。

 

雪乃「起きなさい!比企谷君!隼人くんが大変なのよ!ウルフスにやられて危ない状態だわ!波紋の戦士、スクランブルよ!」

 

何っ!?葉山が!?見るとジョジョも川崎もたたき起こされたのか、眠気眼でボーッとしている。

 

八幡「相棒、川崎!全員を起こせ!アーシス、スクランブルだ!」

 

雪乃「それはもう終わったから大丈夫よ!隼人くんがウルフスを倒したの!それよりも早く!応急処置の波紋を!」

 

え?終わったの?初めての実戦でウルフスを倒すなんてすげえな葉山!だが、この雪ノ下の慌てようだと相当酷い重症を負ったのだろう。だが、俺は応急処置の波紋は苦手だ。そういうのが得意なのは川崎だろう。

 

八幡「急ぐんだよぉぉぉぉ!」

 

沙希&静「へ?うわぁぁぁぁぁぁ!」

 

俺は相棒とジョジョを担ぎ上げて走る。

 

雪乃「反対よ!前の方!」

 

八幡「早くいえ!」

 

急ブレーキをかけて180度反転!再び走り出す。

 

沙希「い、良いから下ろせ!目が覚めたから!」

 

静「痛い!あちこち当たって痛いから!下ろせ相棒!」

 

ダダダダダダダダダ!

 

沙希「き、聞こえてない……うわぁぁぁぁぁぁ!」

 

静「相棒のバカーーー!」

 

死ぬなぁ!葉山ぁぁぁぁ!

 

…………………………………

 

沙希「コォォォォ……はっ!」

 

川崎が俺達の波紋を同調させて葉山に応急処置を施す。

そしてジョジョが状態を確認する。

どうやら危険な状態は脱したようだ。それよりも…。

 

八幡「慌てていたとは言え、悪かったのは認めるとしてだけどさ。ここまで殴ること無くね?」

 

川崎とジョジョにしこたま殴られ、顔面がボコボコになっている俺。確かに肩に担ぐのは悪かったけどさ…。

 

川崎「ふん!」

 

それでも川崎は腹の虫が収まらなかったのか、カンカンに怒っている。幸先の悪い修学旅行だなぁ。

葉山の寝息はウンウン唸っている状態から、少しは落ち着いた寝息に変わっていた。

 

八幡「で、これはどういう状況なのん?」

 

何故か電車を操縦している徐倫に尋ねる。

 

徐倫「取り敢えず名古屋で停車させるわ。多分、その内父さん達が追い付くと思うから。話はその時にするから。それよりハッチ、あんたは電車の操縦はできる?」

 

何いってるんだ?この姉貴分。

 

八幡「流石にやったことねぇよ。電○でGO!ならやったことがあるけど」

 

いくら何度もパッショーネの事情で色々な乗り物を乗りこなす必要があったとは言ったって、精々車やバイク、小型船舶くらいの物だ(当然全て無免)。電車とかは流石にやったことはない。ヘリや飛行機だってその内やらされそうだけどな!

 

徐倫「またそのゲームぅ?あたしもダメージを受けたから、何とかして欲しいんだけど……」

 

家庭用版で、実際の筐体でやったことはない。つまりは全くの役立たずですので無理ですごめんなさい。

 

八幡「俺が………」

 

徐倫「気絶させる気か!アホ!」

 

そうでした。他人へのベホイミは苦手でした♪

でも、冗談抜きで徐倫も辛そうだし、雪ノ下だって自力で応急処置をしたとは言ってもダメージを負っている。

波紋の治療ではなく、いろは達による本格的な治療が必要なレベルだ。

 

八幡「しかし、本当にすげぇな………たった四人でウルフスを倒すなんて」

 

それも、戦い慣れていない雪ノ下と葉山がメインで。

これは本格的にアーシスに欲しくなってきたな。それに、葉山のオーラル・シガレッツ。

ショボいなんてとんでもない。

嘘やフェイントを消す能力なんて、戦うものからしてみたら天敵のような能力だ。

特にスタンド使いの戦いではフェイントや騙し合いなんてものは当たり前。それを封じられたらバカを晒す事になる。

とことん俺とは相性が悪い。

千葉村でact2が相手だった場合、果たしてこいつに勝てただろうか?

 

葉山「うーん………うー………」

 

まぁ、今は味方だ。心強い味方が仲間になった。それで良いじゃあないか。

 

とにかく、始まりからしてこれだ。

これまで倒したウルフスだって再び現れる可能性がある。今後はより警戒が必要だ。

 

葉山「………」

 

だが、今はこの頼りになる戦友の勝利を誇りに思おう。

 

八幡「お疲れ様……葉山」

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

葉山編はここで終わりです。次は京都に入れれば良いなぁ~と思います。

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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