やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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明けましておめでとうございます?
令和最初の投稿です。新しい年号でもよろしくお願いいたします。
また、令和を迎えた記念すべき日に本作も400話を迎えました。
本作、「KOSF」「八龍士」を変わらずよろしくお願いいたします。


そしてヤバい奴等は強制送還される。

side比企谷八幡

 

沙希「ゴオオオオオオオオ!ハッ!」

 

八幡「ハッ!いつつつつ………ゴオオオオオオオオ」

 

川崎に気付けをされ、頭部と肩に痛みを感じた俺は、すぐに自分の波紋で自己回復を始める。

 

八幡「く……こうしちゃいられない!川崎、徐倫、相模、戸塚……」

 

徐倫「わかってる!アーシス、スクランブル!」

 

俺達は徐倫の号令で急いで例の胎内洞窟へ向かう。

無事でいろよ、由比ヶ浜、三浦、海老名、葉山…。

と、急いで向かった先では……。

倒れている由比ヶ浜、三浦、葉山と、ダメージで片膝を突いている海老名の姿があった。

 

徐倫「助けに来たぞ!無事か!?三浦!」

 

八幡「マンティコア!隠れても無駄だ、どこだ!」

 

俺達が叫ぶと……

 

三浦「マンティコアは倒したよ……」

 

葉山「それよりも同調を頼む……」

 

結衣「もう、動けない……」

 

海老名「やっぱり増援は必要だったよ…私達の回収という意味で……」

 

倒したの!?俺達幼なじみ達でもあんなに苦戦したマンティコアを!?コイツらスゲー!

 

八幡「あっさりやられた俺が間抜けだな……」

 

俺がポリポリ頭を掻いていると、三浦がフルフルと首を振る。

 

三浦「そうでもないんよ。ヒキオが毒の尻尾を切ってくれていたお陰で、あーしらも助かったし」

 

海老名「結構、それが大きかったよ?さぁ!隼人くんと勝利のはぐを!」

 

結衣「姫菜……戦いの時のカッコ良さが台無しだって」

 

葉山「はぐは勘弁してくれないかな……」

 

通常モードに戻っている海老名の態度が、全てが終わっていることを物語っていた。

川崎とジョジョが波紋で応急処置をする。

結構、ダメージを受けていて、戦いの激しさを物語っていた。本当に凄い奴等だな……。あのマンティコアにこれだけの少人数で勝っちまったんだから。

 

葉山「ふぅ……正直、もうホテルでゆっくり休みたいところだよ。朝から2回も戦いっぱなしだったからね」

 

そうだな。もっとも、ホテルとかでも気が抜けないんだけどな。こうして襲われた以上は、この京都は敵地と言っても過言じゃあない。

早いところ千葉に戻って康一さんや由花子さん、露伴先生、めぐり先輩や大志達と合流して万全な迎撃体勢を整えたいくらいまである。

せめてもの救いはじじいやいろは達もこっちに来ている事だよな。

 

徐倫「あの懲役独房の時を思い出すわね…あの時は何人のスタンド使いと戦ったっけ……」

 

それを言ったらこっちも激しかったな。5年前のアメリカは。敵の強さは段違いに今回の方がヤバイけど。

 

静「で、動けそう?」

 

葉山「何とか……ヒキタニの方は?」

 

八幡「自力である程度は治した。後でジョルノに治してもらう必要があるけど。肩の肉を結構えぐったから」

 

正直、刺された左肩から下は結構ヤバい。応急処置を施してあるとはいえ、軽い欠損状態で左腕は使い物にならなくなってる。早々にリタイアしたくせに俺が一番ひどい怪我を負っているって……。情けないな。

 

三浦「でも、あの小町が死にかけたくらいの毒をくらったっしょ?大丈夫なん?」

 

三浦……おかんだな。いつもはツンケンしている癖にこうしてダメージを負うと本気で心配してくれるんだから。

 

八幡「16年前の前例があってな、仗助が毒の針を刺された時に承太郎が時を止めて、仗助に毒が回らないようにその周辺の肉ごと抉って毒の周りを防いだ記録があったんだ(ジョジョ第4部、『ハンティングに行こう』より)。それがなければこんな手を思い付かなかった……そうじゃあなければと思うと………」

 

こわっ!まじで俺って命の危機だったんだな!

左腕がしばらく使用不能になるくらいで済んで良かった!

マジで承太郎に感謝だよ!

 

徐倫「まぁ、清水寺の観光の後はちょっとは落ち着けるし、仗助兄さんやジョルノ兄さんから治療してもらえるはずだから」

 

簡単に言ってくれるけどな……案外キツいぞ?痛みを我慢するのはともかく、このボロボロな制服とかで修学旅行に混じるのはかなり無理がなくね?

まぁ、もうなるようにしかならないか。

俺達は互いに支え合いながら、先へと進む。もうそろそろクラスに戻らなければ俺達がいないことがバレて騒ぎが起きるかも知れない。俺達はともかく、クラスの中心たる葉山がいないのはまずいだろう。

三浦の探知の炎(という名の灯り)の先導のもと、進んでいくと、何かスボットライトに照らされた石が置いてあり、説明によるとこの石を回しながら願い事をすると、願い事が叶うのだとか。

ウソクセー。っつうか、そんなご利益があるならば、今すぐこのボロボロの状態を何とかしてもらいたいものだっつーの。

イライラ混じりに回して見ると……。

 

八幡「へ?」

 

石がぼんやり光り始めたと思ったら、その光が俺達を包み込んで俺達の傷を癒してくれた。流石に肩の欠損まではなんともならなかったが……どういう事だ?

何が起きたのかわからない。わからないが、世の中不思議な事もあるものだ。本当に神とかご利益とかあるのだろうか?

 

ー三年坂ー

 

「あれ?」

バスを待つ間、先程まで殴りあいのケンカをしていた中学生三人組の一人、木藤健斗が自分のポケットの中身をまさぐって首を傾げる。

「どうした?木藤」

茶髪のヤンキーっぽい中学生、安倍信が尋ねる。一応どうした?と、聞くが、内心ではどうでも良いと思っているのだが。

「いや……心霊術を使おうと霊石を使おうとしたんだけどな?どこかで落としたみたいだ」

「ざまぁ」

チビで女顔の男、和田旭が人の不幸を心底祝うような憎まれ口を叩く。

「あ?てめぇが清水寺はどういうところか1回行ってみたいと言うから連れてってやったんだろ?無くしたとすればあの胎内めぐりの時だな」

実は信と旭のこの二人、闇に乗じて健斗を闇討ちしようとしたのだが、ものの見事にバレてそのまま暗闇デスマッチを始めたのである。そのしょうもなさとは裏腹に被害は余りにも酷く、あと少しでも何かあれは崩落しかねないドンパチを繰り広げていた。

この三人は知らない。実はその暗闇デスマッチのお陰で一つの宇宙意思の野望を防げたということを。

健斗が落とした霊石の霊力が、偶然にもそのスポットの謎のご利益としてボロボロに陥ったとある集団の傷を癒したことを。

「君達。少し良いかね?」

そんな事など露知らない三人の元に、時代錯誤の金髪カールの男が現れた。

「誰だ?パツキンのおっさん」

「俺らに何か用か?」

やんごとない相手だとは知らず、失礼な罵声を浴びせる信と旭。そもそもこの二人は学校に碌に通っていない。世間一般の道徳や倫理など、持ち合わせていない二人は、失礼という概念がそのものが最初からないのだ。

あまりにあまりな物言いに頭痛を覚える金髪の男、ファニー・ヴァレンタインは、異世界の人間の言うことだからと言って気にしないことにした。元々小さな事は気にしない御仁である。伊達に何期も再選を果たしていないのだ。

「いや……君達、失礼なのだが……」

ファニー・ヴァレンタインの言葉を信じるならば、健斗達はどこかの平行世界から何かのひずみで迷い混んでしまったパラレルトラベラーなのだとか。

「ああ、どおりで携帯が繋がらないわけだ」

そんなことで納得する健斗。

「し、信じるのかね?私が言うのもなんだが、かなり荒唐無稽な内容だとおもうのだが?」

「ん?いや、まぁ………俺達もそのスタンド……と言うのとは別の、変な力を使うからな。こんなこともあるんじゃね?」

「まぁ、別に仕事をくれればこの世界に移住しても良いけどよ。大統領のおっさん」

(冗談ではない!彼女の話では将来的には彼女ですら手に負えないレベルの存在になるという話じゃあないか!ウルフスよりも厄介だと聞くし、なにより思考回路がぶっ飛び過ぎている!早々にドジャアーンしなければ!)

ヴァレンタインは三人を言いくるめ、何とかD4Cで彼らを本人達の世界に送り届けた。

これは、彼らが奈良、三重、愛知、静岡、山梨、東京と転校する先々で問題を起こし、横浜という地で流木明、塚山麻美、花月真樹と名乗る者と、邪教徒との戦いの果てにウェールテイという異世界に移住する、二年前の話である。

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

ご利益の石の回復効果は八龍士……の物語の二年前の世界から何かのはずみでこの世界に迷い混んでいたヴェレヴァム八龍士三人組でした。京都は健斗の出身地なので、利用しました。
八龍士に覚醒した三人が相手だと、八幡達はおろか、ウルフスでも手も足も出ないので……。
倫理観は信も旭も二年後とは比べ物にならないくらい低いですが。

それでは次回もよろしくお願いします。

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