やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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平塚静は比企谷八幡へと希望を繋ぐ

side平塚静

 

平塚「ォォォォ!」

 

みなぎるぞ!私のパワーが!波紋の戦士をも上回るあの力が!

これだ!コレがザ・オーガのパワーだ!

 

孫悟空「ウキィ!面白くなってきたじゃあねぇの!いつまで持つかねぇ!?ウキキキキキキキキィ!」

 

孫悟空は私を舐めているのか、分身を使わずに全方位から超スピードで私を殴り続ける。

 

平塚「う、うぐぐぅ………」

 

耐えろ!耐え抜くんだ!

私はガードを固め、孫悟空の攻撃に耐え続ける。

ザ・オーガは力に特化したスタンドだ。残念ながら孫悟空のスピードを捉える事は不可能。

私の能力とは相性が悪すぎる。

衝撃波の壁も、大井先生や雪ノ下達を巻き込んでしまうから使用は出来ない。

飛鳥のクリームの力の方がまだ相性が良かったかも知れないが、クリームでは圧倒的な孫悟空の力の前には歯が立たん。

それに、仮に孫悟空を捉える事が出来ても、あの分身の前ではまた復活してくるのが落ちだ。

 

孫悟空「おおっ!もつじゃあねぇのよ!もっとも、ただのサンドバックじゃあ時間の問題だけどなぁ!ウキキキキキキキキキキキキキキキキィ!」

 

孫悟空が私の周りをグルグル周りながらか私を殴る。とことんまで殴り抜く。

 

平塚「があっ!」

 

苦し紛れに大振りでラリアットを仕掛けてみせるも、ザ・ジェムストーンのスタンドラッシュですら鼻くそをほじりながら避けてしまう化け物だ。

かすりもせずに余裕で避けられてしまう。

 

孫悟空「おーにさーんこっちら!てーのなーる方へってねぇ!これならどうだ?プラム・シード!」

 

孫悟空が口から柿の種のような物を飛ばしてくる。

ビシッ!ビシッ!ビシッ!

何だ?確かに凄まじい速さで吐き出された勢いで痛いには痛いが、これならば先程の棒で殴られた方がまだ居たかった。

 

平塚「これでどうだと言う割りには、大した攻撃じゃないじゃあないか」

 

孫悟空「そんな減らず口を叩けるのも、今だけだぜぃ?足元を見てみな!」

 

平塚「足元?」

 

すると、柿の種のような物から芽が出て、そしてジョルノさんのゴールド・エクスペリエンスが生み出す木のようにニョキニョキと私の足を絡めていく。

 

孫悟空「猿かに合戦って知ってるか?俺の吐き出した梅の種からはなぁ、瞬く間に成長する柿の木を生む力があるんだぜぃ!」

 

ニョキニョキと生えてくる木の枝。

足を絡めて動けなくさせるつもりか!

 

平塚「させるかぁ!こんなものがザ・オーガに通用するかぁ!」

 

私は有り余るパワーで孫悟空が作った木を破壊する。

次々と生えてくる木に、私の手足が絡め取られる。

 

平塚「無駄だぁ!引きちぎってやる!」

 

ブチブチブチブチ!

馴染むぞ!このザ・オーガ!以前のザ・オーガよりも格段に強い!

いや、矯正施設で岸辺露伴先生から聞いた。スタンドの力と言うのは精神力の現れだと。

以前のブラッディ・スタンドだったときの私は肉の芽で操られていた。私の本心では無かった。だが、今の私は自分の意思で動いている!

元とはいえ、教え子達を守りたい!比企谷の力が回復するまで…希望を繋げるまで持ちこたえたい!大井先生に恩を返したい!飛鳥の願いを叶えたい!

それらの気持ちを精神力に変えるんだ。そして罪を償う!

 

雪乃「凄い……平塚先生のザ・オーガ……前のザ・オーガよりも……確実に……」

 

八幡「コオォォォォォ!……あの世界のプッチが使ったザ・オーガ以上……」

 

ジョルノ「下手をしたらあのアームス○ロングの力に匹敵する……あれが本当のザ・オーガ……」

 

葉山「雪乃ちゃん!ヒキタニに波紋を同調させるんだ!平塚先生が耐えている間に!コオォォォォォ!」

 

雪乃「ええ!受け取って!比企谷君!コオォォォォォ!」

 

相模「悔しい………うちにも波紋が使えれば……」

 

結衣「ヒッキー!急いで!頑張れ!ゆきのん、隼人くん!」

 

そうだ!急いでくれ!孫悟空は強すぎる!このままではじり貧だ!

 

大井「平塚さん……その力は……あなたは一体……」

 

見られたく無かった。

大井先生にザ・オーガを…。ザ・オーガによって膨張した筋肉…、体中に浮かび上がる血管…。ザ・オーガを使った醜い姿の私を大井先生に見られたくなかった。

だけど、この力があるから大井先生を守れる……。希望を繋げられる!

 

孫悟空「じゃあよぉ。これならどうだい?ハルマン!」

 

相模「孫悟空の姿がどんどん大きく!?五階建のビルくらいまで!そんな!」

 

奴の……孫悟空のスタンドが巨大化していく……。

 

孫悟空「これをやるとスピードが落ちるんでねぇ。あんまり好きじゃあ無いんだけどよぉ」

 

ググググ……と腕を振りかぶる孫悟空。

あんな巨大な拳を受けられるのか!?

 

孫悟空「避けても良いんだぜぃ?お前の背中に庇っている奴等はペチャンコになっちまうけどなぁ!潰れたヒキガエルのようによぅ!」

 

くっ!卑怯な!受けて耐えるしかないじゃあないか!

私が避けたらみんなが潰されてしまう!

 

孫悟空「そおらよ!」

 

孫悟空の拳が振り下ろされる!

私は腕をクロスさせて衝撃に備える!もってくれよ?ザ・オーガ!

ズウゥゥゥゥン!

ミシミシ……

 

平塚「ぐううぅぅぅぅぅぅ!」

 

腕の骨が軋む音が聞こえた……。痛い!物凄く痛い!何発も耐えられない!

 

孫悟空「お?耐えたか?次はどうだ?」

 

ズウゥゥゥゥン!

ミシミシ……

 

平塚「う、うがぁぁぁぁ!負けるかぁ!」

 

耐えるんだ!もう少しのハズだ!比企谷が動けるようになるまでもう少しだ!

 

結衣「頑張れぇぇぇぇ!平塚先生ぃぃぃぃ!」

 

ジョルノ「もう少しだ!頑張るんだ!平塚!」

 

相模「頑張れ!平塚先生!」

 

八幡「コオォォォォォ!」

 

雪乃「コオォォォォ!」

 

葉山「コオォォォォ!」

 

みんな……。

もってくれ!ザ・オーガ!私の精神力!

 

ズウゥゥゥゥン!

ミシミシ……ピキッ!

 

平塚「がああああああああああああ!」

 

骨に皹でも入ったのか、嫌な音が聞こえた。

ここまでか………ここまでなのか………。

 

大井「もう良い!もう良いんだ!平塚さん!逃げてくれ!君が死んでしまう!逃げろぉぉぉぉ!」

 

逃げられないんですよ。大井先生。

あなたを見殺しにして、ここで逃げたら……。私は、もう二度とまともに生きられる自信がない。

次に食らったら……私は死ぬかも知れんな……。

ググググ……

奴は楽しむかのようにニヤリと笑い、ゆっくりと腕を振りかぶる。

嫌な奴だ。江ノ島の奴もそうだったが、この孫悟空は更に輪をかけて嫌な奴だ。

 

八幡「ジェムストーン・ザ・ワールド!」

 

次の瞬間、奴の片目が潰され、私の隣には比企谷が立っていた。

 

八幡「調子に乗るんじゃあない!バカ猿が!これだから猿はきらいなんだよ!フォーエバーといいな!」

 

比企谷………。間に合ってくれたか……。

安心感と共に私は崩れ落ちる。

あの巨大な拳は正直キツかった……。

 

八幡「平塚先生……ありがとうございます。お陰で動けるくらいには……回復しました。1分間……よく耐えてくれました……あなたの覚悟に……応えます。俺も、覚悟を決めました」

 

後は……頼んだぞ……比企谷………。

バタッ!

私は力尽きて、倒れた………。

 

side比企谷八幡

 

平塚先生……あんたがここまでやってくれるなんてな。

本当のあんたが、身を削ってまで生徒を…それも、自分を追い出した学校の生徒を守ってくれるなんて、思いもしなかった。

ここまでの覚悟を見せられたんなら、俺も覚悟を決めなくちゃあ偽物だよな。

 

八幡「覚悟は良いか?孫悟空。俺は出来ている」

 

孫悟空「へ!テメェはもう、俺に負けてるんだよ!お前が復活したところで、何が出来るって言うんだ?ええ?覚悟を決めるだってぇ!?おもしれぇ、何の覚悟を決めるって言うんだよ!DIO!」

 

八幡「訂正しろ」

 

孫悟空「あ?」

 

八幡「俺はディオだけじゃあない。ジョナサンでもあるし、今の俺には大好きな親父や母ちゃんが付けてくれた比企谷八幡という名前がある」

 

コイツらウルフスはことあるごとに俺をDIO、DIOと言いやがる……。

ふざけるんじゃあない!俺は比企谷八幡だ!

ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーの遺志を引き継ぐ、黄金の精神を持った波紋の戦士とスタンド使いの比企谷八幡だ!

DIOだけじゃあない!ジョナサンだけでもない!

 

ジョナサン『君は君だ。八幡』

 

DIO『間抜けが。今更な事を言うんじゃあない!』

 

真実を……使うぞ……。

はちまんくん。お前の世界からもらった力を…使う。

 

Jonathan『やっと使うんだね?僕達の力を』

 

Dio『ふん。あまっちょろくて見てられんぞ!とっととそのモンキーを片付けろ!』

 

あの世界のディオとジョナサンが声をかけてくる。お前らのお陰で、俺は砕けないで済む。

そして……。

兵藤丈城……お前のお陰で、俺はこの領域に到達できた。

今こそ……実戦で使ってやる……。

 

八幡「行くぞ……ザ・ジェムストーン・レクイエム!」

 

すぅぅぅぅ………

空間に矢が浮かび上がり、ザ・ジェムストーンの額に収まる。いつしか、レクイエムを使うと強く念じれば、ザ・ジェムストーンがレクイエムへと変化し、矢が第7倉庫から俺に転送されるようになっていた。コレが真実に到達した結果なのかはわからない。だが、事実としてこういう結果に落ち着いた。

 

八幡「覚悟しろよ。スタンド能力の更なる先の能力が、鎮魂歌が……お前を消す!目覚めろ!ザ・ジュエル!」

 

研磨された原石(ザ・ジェムストーン)は……宝石(ザ・ジュエル)となって……真実に到達する!

ザ・ジェムストーンは変質を始め、そして、ザ・ジェムストーン・レクイエム…いや、ザ・ジュエルへと変化する!

 

ジョルノ「覚悟を決めたか……八幡!」

 

平塚「比企谷!それを使ったらお前は!」

 

葉山「ヒキタニ!前にお前はそれを使って……」

 

相模「また犠牲になるの!?やめろ!比企谷!」

 

そうか……まだ知らなかったんだったな。

2つのスタンドを同時にレクイエムへと変質させるザ・ジュエル。

千葉村の前の俺だったら、2つのレクイエムを1つの魂で扱うという無理が祟り、魂が砕けてしまっていただろう。だが、今は違う。

あの世界で得たもう1つのDIOとジョナサンの魂が、俺のザ・ジュエルを支えてくれる。

 

孫悟空「バカな!こんなレクイエムの発動があって良いのかよ!」

 

レクイエム「コレが、ザ・ジュエルだ。孫悟空よ」

 

孫悟空「!!!」

 

レクイエム「やっと、私を使う気になったか。比企谷八幡よ」

 

極力使いたくは無かったけどな。今回ばかりは、使わざるを得ない相手だった。ウルフスもピンキリだな。こんな奴が相手かよ。

 

孫悟空「ウ……ウキキキ!おもしれぇ!究極の力、レクイエム!お前らの希望をぶっ潰してやるってねぃ!」

 

八幡「時間がない。さっさとやることをやるぞ。レクイエム…」

 

←To be continued




とうとうお披露目です。ザ・ジュエル!
といっても、ザ・ジェムストーン・レクイエムなんですけどね。

それでは次回もよろしくお願いいたします!

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