やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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波乱の修学旅行・三日目

side比企谷八幡

 

修学旅行三日目の朝である。

今日は皆バラバラで行動できる日だ。……一応は。クラスもグループも関係なく、部活仲間であったり、あるいは彼氏彼女であったりと思い思いに過ごす……日のはずである。場所も京都市内に限らず、大阪や奈良に繰り出しても良い。自由行動である以上、何だってOK!一人だってもちOK!……だったよな?本来なら。

そう、本来なら何だってOKなのだが、俺はその限りにあらず。

もしかしたら今日くらいはゆっくりさせてもらえるかも?なんて甘い考えでいた俺は、回復も兼ねてぐっすりと寝こけていたわけだ。

 

戸塚「八幡!朝だよ!」

 

葉山「ヒキタニ。朝だぞ」

 

ゆさゆさ。戸塚が俺を揺り起こそうとしている。俺は(寝惚けて)むくりと起きる。

 

八幡「先に行っていてくれ。すぐに追い付く」

 

と言って再び夢の世界へ。夢の中のいろは……もう一度会いに行くよ……。ZZZ……

 

戸塚「いや、僕もそれで良いかと思ったんだけどさ…」

 

葉山「ヒキタニ。悪いことは言わない。すぐに起きるんだ。俺では助けられない」

 

……?どういうことだ?

すると答えはすぐにわかった。

 

仗助「いつまで寝てんだコラ?早く飯を食って合流しろって昨日LINEしておいただろうが!ドラァ!」

 

ドギャアアアアン!

 

八幡「ほぐぅぅぅ!」

 

仗助の野郎が腹にキックを入れてきた。

何で………総武エリアにお前が入って来ている……。

 

葉山「ひ、ヒキタニ!?やりすぎですよ!?東方会長!?」

 

仗助「あ?安心しろよ葉山。俺程度のキックなんて受けたところでこのバカはびくともしねぇから」

 

八幡「充分痛いわぁ!」

 

おまっ!自分の体格の良さを自覚してないのか!メチャクチャ痛いわ!

 

仗助「な?元気いっぱいだろ?普通なら腹を抱えてのたうち回ってるぜ?」

 

そういう問題じゃあ無いだろ!

いつまでも寝ているわけにはいかないから、そろそろ起きようとは思っていたのに……。朝食を食いっぱぐれてしまうのもそうだが、三日目の夜は宿が変わる。なので、運んでもらえるように荷造りをしてロビーに出しておかねばならない。

惰眠を貪った愛しの布団ちゃんに別れを告げて起き上がると、身支度を整える。

 

葉山「………くっ!」

 

戸塚「……悪いよ、みんな。クスクス………」

 

仗助「ギャハハハハハハ!」

 

…………ん?何かみんな俺の顔を見て笑いを堪えてる…というか、仗助に至っては爆笑している気が……。

 

キュッ!キュッ!キューーー

 

顔に何かの感触と音が……そういう事か……。

 

八幡「ジョジョォォォォ!」

 

やってくれる!ジョジョめ!

俺の顔に落書きをしやがったなぁ!

 

静「私ならここだけど?」

 

部屋の入り口からジョジョが顔を出して来る。あれ?

ジョジョのアクトンじゃあないとするならば……。

 

八幡「ジジイかぁ!」

 

ジジイの幻影の波紋か!

ジジイのくせして子供みたいな真似を……。

 

ジョセフ「ワシでもないぞ?」

 

ジジイもジョジョの顔の上から顔をヒョコッと出して無実を訴えて来る。ご丁寧にハーミット・パープルまで出して。じゃあこれは誰の仕業?

 

??「まずはペンを取れ……そして顔に落書きを書け」

 

………………。

ザ・ジェムストーン。

ガシッ!

 

??「あ」

 

スタンド越しに感じる感触は糸の感触。

 

八幡「普段のやり返しにしては子供じみた真似をするじゃあないか?徐倫」

 

犯人は徐倫だった。そして相棒も一枚噛んでいた。

ストーン・フリーを透明化してやってくれた訳だ。

 

S・F『あっさりわかったんじゃあ面白くないわ。そうだよ。あたしだよ。たまにはやり返さないとね♪』

 

仗助&ジョセフ「カー!ヤッタヤッタヤッタヤッタヤッタヤッタヤッタヤッタ!カー!カー!」

 

ガシガシガシガシガシガシガシガシ!

ジジイと仗助は謎のハンドシグナルを始めてゲラゲラ笑う。宝くじを当てたときとかによくやるハンドシグナルだな!

 

八幡「寝込みを襲ってきた覚悟は出来てるんだな?俺は出来ている」

 

こうなったら殲滅戦だ。覚悟しやがれ!

 

ジョセフ「ジョースター家18番!」

 

徐倫&静&仗助「逃げるんだよォォォ!」

 

ダダダダダダダダダ!

大の大人が数人で廊下を走るんじゃあない!

朝から余計な事を!

 

八幡「こうなったら息が続くまでやるぜ!待ちやがれ!ジジイども!」

 

戸塚「待って!その顔で出ていかないで!顔を洗ってからにして!」

 

戸塚が背後から抱き止めて俺を押さえる。

おのれジジイども。今度特大の嫌がらせをしてやるぞ!

俺は復讐を誓って洗面を済ませる。ちくしょう……油性じゃあないか!ドーラン用の強力な化粧落としじゃあないと中々落ちないんだぞ!覚えてやがれ!

疲れた顔で洗面を済ませ、適当に着替えるついでに荷物も纏める。

これで後はジジイどもをしばいて飯を食って部屋に戻ったらすぐに出られるな。

 

葉山「落書きは消えたみたいだね。じゃあ、行こうか」

 

八幡「あのクソジジイどもをまずはしばいてから飯を食いに行くか。戸部は?」

 

戸塚「大和君達が迎えに来て先に行ったよ?」

 

そうか。だから透明化したイタズラが出来た訳だな。

俺は復讐心をギラギラさせながら部屋を出る。

 

いろは「おはよう、ハチ君」

 

小町「おはよう、お兄ちゃん」

 

八幡「おー。で、ジジイどもは?」

 

あのメンツがここにいたのなら、いろはや小町がいても不思議ではない。まったく疑問に思わなかった。

 

いろは「行き先はわかってますので、行きましょう?」

 

いろはが腕を組んで俺を引っ張る。

 

八幡「ああ、飯な。ジジイをシバいてから大広間に…って、いろは達とは時間が違うからどうするんだ?後から集合し直すの?」

 

小町「違う違う。朝食はキャンセルしといたから」

 

八幡「キャンセル……だと?」

 

え?何で飯ぬき?俺、今回は特に何もやらかしていないよ?やっても即お仕置きされたよ?朝食キャンセルってどういう事だよ。格ゲーじゃあ無いんだからそうそうキャンセルされてたまるか。飯ぬきなんてコンボのフィニッシュに超必殺技を食らったようなものじゃあないか。

 

八幡「キャンセルってなんだ。一日の活力は朝食からっていうだろ、朝飯抜くのよくないぞ?特にこの修学旅行はドンパチまみれで空腹は良くない事くらいはわかってるだろ」

 

小町「変なとこが変なベクトルで真面目だなぁ」

 

小町は呆れていたが、仕切り直すように俺をまた部屋の中へ押し戻そうとする。キャー!痴女よ!痴女がいるわぁぁぁぁ!

 

小町「良いから荷物纏めて出掛けるよ。懐のソイジョイも仕舞う!そんなのはいらないから!」

 

えー、ソイジョイもダメ?

 

八幡「いや全然事態が掴めていないんだけど?朝の襲撃といいさ」

 

手持ちの荷物が少ない俺は荷物を纏め終えているし、見れば葉山も戸塚も荷物を持っている。あれ?知らないのは俺だけなの?まぁ、大して面倒では無いので、とりあえずは言うことに従って部屋に戻ると荷物を取ってきた。

 

いろは「準備は良いですか?では、それをロビーに出して、出かけましょう♪」

 

八幡「まぁ、ロビーに出すのは良いんだけど、飯は?」

 

聞いては見たものの、二人から「通達を見てないな…こいつ」的な冷たい目線を受け、これ以上は何も言えなかった。業務連絡はよく目を通しましょう。特に携帯のメールや着信はこまめに確認しましょう。社会人のたしなみですね…。こりゃ完全に俺の落ち度だわ…。落書きは許さんがなぁ!

あの………飯………。

 

←To be continued




はい、三日目の開始です。
波乱の修学旅行、三日目はどんな1日が待ってるんでしょうか?

本城「ドンドンパチパチドーンパチ♪」

ですよねぇ………。

それでは原作との相違点を。

八幡は二度寝して戸塚達を先に行かせる→仗助からの痛烈なキックを貰って二度寝失敗&徐倫による普段のやり返し

部屋の前で待っていたのは由比ヶ浜→いろはと小町。由比ヶ浜のセリフはまんま小町にスライド

戸塚と葉山は既に先に行っている→同行

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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