やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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強すぎるウルフス、オロチの猛攻に主要なキャラ達が次々と再起不能に!
頼りになる八幡、小町、静、仗助、陽乃の幼馴染みーズもいろはを除いて全滅!
奉仕部メンバーも雪乃、由比ヶ浜、材木座、川崎沙希も何も出来ずに敗北!
果たして犠牲者を出さずに勝利を収める事ができるのか!?
残るは承太郎、徐倫、いろは、戸塚、三浦、海老名、葉山!どうなる!?


空条承太郎のスター・プラチナ

side戸部翔

 

嘘だろ………。

性悪コンビとして知られる比企谷くんやジョースターさん、更にはその性悪コンビのストッパーの川崎さんや東方PTA会長まで何も出来ないまんまやられるなんて…これは悪夢っしょ!まだ修学旅行は三日目が始まって無くて、まだ俺達は布団の中にいるんだ!そうに違いないっしょ!

 

海老名「ここまでだね…このメンツが何も出来ないまんまやられるなんて…」

 

三浦「あーしらの手に余るっしょ。あの炎はあーしのマジシャンズ・レッド以上だし……」

 

普段強気な優美子まで諦めているような顔をしてるなんてやっぱりこれは夢っしょ!

 

海老名「承太郎。あなたの意見を聞きたいんだけど」

 

承太郎「…………普通のスター・プラチナでは無理だな。八幡すらあの様だ………。徐倫、戸部や大和達を逃がせ」

 

徐倫「……それくらいしか出来そうに無いって訳だね。やれやれだわ」

 

空条先生まで……。

 

海老名「戸部っち。最期になるから先に言っておくね」

 

海老名さんが俺に向き直って薄く笑う。

ああ、これはもうわかっちゃったっしょ。薄々は望みが薄いとは思っていたけど……。

 

海老名「わたしは戸部っちとは付き合えない。私には好きな人がいる……」

 

キツいわぁ……。夢にしたってキツいわぁ。

 

海老名「戸部っちを振っちゃったその上でお願いするなんて厚かましいのはわかっているけれど、もう戸部っちに頼むしかないんだ……宿にいるジョセフ・ジョースターさんやジョルノ・ジョバァーナさんを呼んできて。多分、わたし達は助からないと思うけれど……」

 

戸塚「黄金の回転エネルギー……」

 

戸塚君が幽霊の力で俺らにボールをぶつける。何すんだよ!あれ?体の底から力が湧いてくる…。

 

戸塚「戸部くん、大和くん、大岡くん。君達だけでも助かって……僕の力で少しは速く走れるようになったはずだからさ……」

 

戸塚君!悲しい顔を向けないでくれよ!まるで最後の別れじゃあ無いかよ!

 

三浦「戸部。大岡。大和。元気でね」

 

葉山「済まない……こんな所ではなく、もっと別の機会を選べば良かった……そうすれば戸部達を巻き込まなくて済んだのにな………さよならだ……戸部」

 

隼人くんまであり得ないべー!こんなところで隼人くんを失うなんて辛すぎっしょ!俺に隼人くん達の力があったなら……一緒に苦しみも分かち合えるのに……こんなのってねーべ!

 

静「…………」

 

ピクリ……。あれ?今………ジョースターさんが動いたような……。ジョースターさん、気絶から覚めたんかなぁ……。

 

徐倫「行け!戸部!ストーン・フリー!」

 

海老名「ハイエロファント・グリーン!元気でね!戸部っち達!」

 

空条先生と海老名さんの幽霊が糸状になって俺らを巻き付け、そのまま空へと連れ出してしまう。

 

戸部「イヤだ!こんな別れはイヤだ!隼人くん!海老名さん!優美子!南ぃぃぃ!」

 

けど、いくら叫んでも二人の幽霊は俺らを遠くに運ぶだけで止まることはなかった………。

 

 

side空条承太郎

 

そうだ徐倫、姫菜……戸部達だけでも逃がせ。

万が一俺らが死んでしまっても、ジジイやジョルノ達ならばオロチを何とかすることが出来るかも知れない。

やれやれ……この空条承太郎ともあろうものが万が一を考えてしまうなんてな……。

俺も諦めた訳じゃあない。静は再起不能になる直前にレクイエムを使おうとした。今、静の手にはアレがある。残された手段はもうこれしか残されていない。

果たしてこれすらも通用しないかも知れないがな……。

 

静(ピクリ……)

 

ん?静が少し動いたような気がしたが……。静は間違いなく気を失っている。仗助が治さなければ確実に死んでいた致命傷を負っていたはずだ……。何故静が動く?

 

バシュウウウウン!

 

なにぃ!唐突に静の体が浮き、ストーン・フリーやハイエロファントが飛んでいった方向に飛んでいった。静の意識はやはりない。既にレクイエムが……アクトン・モリオンが発動していたのか?

いや、それならば既にレクイエムがこんな事態になる前にオロチを始末しようと動いているはずだ。何が起きている!

く……切り札の矢が!

 

オロチ「万策は尽きたようですね。空条承太郎博士」

 

どうやら俺は運にも見放されたようだ。

基本世界の俺がプッチによってじり貧で戦ったように、世界の一巡を止めても俺はそうなる運命にあったようだな。

 

承太郎「徐倫、いろは、姫菜、優美子、戸塚、葉山。お前達も逃げろ……足止めくらいは俺一人で充分だ」

 

徐倫「父さん!あたしだって最後までやるわ!こいつらはあたしの生徒よ!」

 

徐倫、その気持ちはわからなくもない。だがな……

 

承太郎「良いから行け!お前らがジジイ達と合流すればまだ勝機はあるかも知れねぇ!犬死にするよりは少しでも可能性がある方にかけろ!」

 

いろは「承………太郎………」

 

お前らを信頼するからこそ、ここで俺が粘るんだ!

残ったメンバーでそれが出来るのは俺だけしかいねぇ!俺が粘っている間に八幡達だって目を覚ますかも知れねぇ!そうなりゃ可能性だって出てくる!俺がここで命を賭ける意味がある!

 

承太郎「行け!そしてジジイ達と合流しろ!後は頼んだぞ!」

 

いろは「必ず間に合わせます!だから死なないで下さい!承太郎!」

 

徐倫「逃げるんだ!アーシス、スクランブル!」

 

ダダダダダダダダダダダダ!

 

やれやれだ。最期の別れがこんな怒鳴り声だとはな。

俺らしいというか……。

 

オロチ「感動的なお別れは済みましたか?」

 

承太郎「わざわざ待ってくれているなんてな。案外律儀なところがあるじゃあないか」

 

オロチ「エリナ・ジョースターの血肉や魂を食らう極上な絶望という名の調味料をより濃く振りかける為ですよ。あなたとジョセフ・ジョースター、そしてDIOの敗北はあなた方にとっては最悪の絶望でしょうからね」

 

野郎……。その為だけにわざわざ待っていたのか…。

だがな、俺だってただじゃあやられねぇ。テメェのお食事のスパイスになるためだけに大人しくやられる俺じゃあねぇってことを思い知らせてやる。

 

承太郎「スター・プラチナ!」

 

普段なら時間を止めて隠れてチャンスを伺う所だが、静のアクトンを見破ったように簡単に隠れ場所をこいつは探し当てるだろう。

隠れて隙を伺うのは無駄だ。

ここは真っ向からやるしかねぇ。

 

S・P『オラァ!』

 

オロチ「もうあなたは用済みなのです。せいぜい足掻き、そして彼等が現れた時に惨たらしく死ぬ。それがあなたに残された最後の役目です」

 

野郎は指をこちらに向けてスター・プラチナに向ける。

ガシィッ!

奴の指先から出現した光がバリアを形成し、スター・プラチナの拳を受け止める。

 

承太郎「くっ!バリアか!」

 

オロチ「それだけではありませんよ?」

 

バリィィィィィィン!

奴のバリアがガラスのように割れたかと思うと、スター・プラチナが弾き飛ばされる。

 

承太郎「ぐぅ!」

 

スター・プラチナのダメージはそのまま俺にフィードバックされ、俺本体までも吹き飛んでしまう。そして竹を何本も折り倒し、勢いが無くなった所で竹にぶつかり止まる。

 

オロチ「もう終わりですか?呆気ないですね」

 

承太郎「………まだだ」

 

俺はヨロヨロと立ち上がる。

 

オロチ「おやおや、まだ立ち上がりますか」

 

承太郎「俺はジョースターの血筋の中でも特にタフなようでな。そう簡単に倒せるなんて思うんじゃあねぇぞ」

 

丈夫に生んでくれて感謝するぜ、お袋。

まだ体は動く。

 

承太郎「足を吹き飛ばされようとも腕力だけで動き回ってやる。手が吹き飛ばされようとも体が動く限り戦い抜いてやる。首を切り落とされたのならば首だけで喉元に食らいついて道連れにしてやる」

 

オロチ「おやおや、これは泥臭い。最強のスタンド使いの空条承太郎ともあろうものが、こんな泥臭い戦いをするとは……」

 

承太郎「泥臭かろうが何だろうが、お前だけはぶっ潰す」

 

そうだろう?徐倫。

 

承太郎「俺の娘が言っていたんでな。『例え泥水を啜ってでも生き延びる。生きて、そして必ず星を見る』ってな。星とは俺の事だ。その星が娘に出来た泥水を啜らなくてどうする?この俺を……空条承太郎をなめるんじゃあない」

 

俺はダメージが抜けたのを確認してオロチの方へと走る。絶対にぶっ飛ばす。オラオラを食らわせるまで、せめて一撃でもお前に拳を食らわせてやる。

 

S・P『オラオラオラオラオラオラ!』

 

オロチ「バカの1つ覚えですか?芸のない突進ばかりでは飽きてしまいますね」

 

オロチは再びバリアを展開するべく指先を俺に向ける。バカの1つ覚えはどちらかな?

 

承太郎「スター・プラチナ!ザ・ワールド!時よ止まれ!」

 

ブウウウウウウン……

そいつを待っていたんだ。俺を迎撃する為にバリアを前方に張るのをな。

時の止まった5秒。しこたま拳をぶちこんでやる…。

 

S・P『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!オラァ!』

 

5秒間……八幡のように8秒止める事が出来たのならばもしかしたら何とかなったかも知れないが、スター・プラチナではこれが限界だ。

 

承太郎「そして時は動き出す……」

 

S・P『オラァ!』

 

ドガァァァァァァン!

これで倒せたとは思えん。だが……

 

オロチ「ぐふぅ!な、なにぃぃぃぃぃ!」

 

今度は逆にオロチが竹を倒しまくり、吹き飛ぶ。

 

承太郎「やっとダメージらしいダメージをお前に与えることが出来たな……。それだけの為にこれだけ犠牲を出してしまうなんてな……ヤレヤレだ……」

 

さて……この手はもう通用しないだろう。

次はどうやって粘るかな……。DIOの野郎のようにロードローラーでも落としてやるべきか?近くにロードローラーの代わりになるものがないか。

こいつはしんどいな……ヤレヤレ。

 

sideオロチ

 

ダメージを受けた?この私が?子供にでも思い付きそうな単純で下らない時の止めたフェイントで?

こめかみに青筋が浮かぶのが分かる。

レクイエムも使っていないただのスタンド使いごときに高尚な存在であるこの私がダメージを受けた……

ダメージそのものは大したことはない。いくらスター・プラチナであろうとも、たった5秒程度ラッシュを受けたくらいでやられる程私は軟弱ではない。

しかし、こんな単純な方法に引っ掛かった事が私のプライドを大きく傷付けた。

 

side空条承太郎

 

オロチ「貴様……貴様ぁぁぁぁ!」

 

承太郎「お前達ウルフスは大体そうだ。勝ち誇り、油断をして単純な方法に引っ掛かる。ハーメルンも、マンティコアも、横牛も、アルミラージも、ヨハネも、孫悟空も、ヒュドラも、ケルベロスも……。自分が無敵だと過信をし、そして子供でも考え付くような単純な手段で下らないダメージを負う。優れているのはお前達の能力であって、お前らそのものじゃあない」

 

もっとも、スタンド能力というものは単純であれば単純であるほど強いの物だけどな。

 

承太郎「これならば案外、時間稼ぎも簡単かも知れないな。能力は凄まじいものだが、肝心のお前自身がお粗末だ」

 

ここで更に挑発を行う。

 

オロチ「………ふっ。楽に死ねるとは思わない事ですね。空条承太郎博士」

 

奴は今度はバリアの壁を俺に向けて射ってきた。遠隔で射つことが出来るのか。それもかなり速い!

 

承太郎「スター・プラチナ!ザ・ワールド!」

 

俺は時を止めてバリアを回避する。そして再び走り出す。

 

オロチ「いつまで避けきれますか?空条承太郎」

 

良いぞ……俺に集中しろ。最悪なのはジジイ達を呼びに行った連中を追いかけられる事だからな。

奴は再びバリアを飛ばしてくる。

 

承太郎「スター・プラチナ!ザ・ワールド!」

 

出来ればもう一撃お見舞いしたいところだ。何発でも避けきってこいつを少しでも足止めして……

 

オロチ「時間停止に頼りすぎましたね?連続で時を止める事は出来ますか?不可能ですよね?」

 

こいつ……時間停止の終わり際を……

 

オロチ「切り札です。さぁ、無に還りなさい!」

 

奴のスタンド体が一瞬だけ光る。その次の瞬間には…

 

承太郎「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

 

見えない光の矢が俺を体をいくつも貫いていた。

これは……小町のルビーレーザーみたいなもの……。

俺は吹き飛ばされる。

単純な事で渡り合えるとは思っていなかったが、たった一撃でこうもひっくり返されるとはな……。

またも俺は竹にぶつかり、倒れる。

ヤバいな……。キラー・クイーンにやられた時みたいに体中が穴だらけだ……。致命傷を貰ったみたいだな。よく持った方か……ヤレヤレだ。

 

オロチ「言ったはずですよ?私は全力を出していないと。あなた達など倒すことそのものは花を摘むよりも容易いと」

 

承太郎「もう少し遊んでくれても良いんじゃあ無いのか?」

 

俺は再び立ち上がる。もはや根性で立ち上がっているようなものだ。もう満足に戦うこともできやしない。

ジジイ達の増援も間に合わないだろう。

仲間達は誰も目覚める事はなかった。

氷漬けにされてしまっている雪ノ下姉妹は無理だとしても、沙希や八幡は起き上がってくることを期待したんだがな……。

 

オロチ「その体で無理をなさらない方がよろしいのでは無いですか?その傷はもはや致命傷。寿命を縮めるだけですよ?」

 

承太郎「言っただろう?タフなのが俺の持ち味だと。例え首を落とされても、喉元に食らいつくと言ったはずじゃあないか。忘れっぽいのならメモにでも書いておく事だな」

 

オロチ「ヤレヤレですね。本当にそうして来そうで恐ろしいですよ。あなたは本当に。では、どこまで立ち上がる事が出来るか……もう一撃いってみましょうか?」

 

似非ルビーレーザーか……。流石に次に倒れたら起き上がることは不可能だろう。

ヤレヤレ……ここまでか。

 

オロチ「さぁ………無に還りなさい!」

 

さよならだ。みんな。

死の覚悟を決めた時………

 

??「ベェェェェェェェェ!」

 

誰かが俺とオロチの間に割って入って来た。

この声は………?

それに、何故俺はまだ生きている?

 

オロチ「な、何が起きたのですか!?何故私が光の矢に貫かれているのです!」

 

オロチが体中にダメージを負って煙を立てていた。

俺とオロチの間に立っていたのは………

 

←To be continued




さて、承太郎を助けたのは誰でしょうか!?

それでは次回もよろしくお願いします!

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