やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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格ゲー『未来への遺産』をやってみよう10『ミドラー編』

side比企谷八幡

 

雪ノ下のアビヌス二刀流ポルナレフさん編が終わり、次に誰が誰をやるかという話になったのだが…。

これがまた難儀している。

現在、いろはと小町とジョジョが絶賛にらみ合い中だ。

流れ的に次はミドラーさんという話になったのだが…。

まぁ、そうなるだろう。無印で登場するキャラのうち、アーシスに関連するキャラはDIOとミドラーさんのみ。DIOは俺がやることになるので、残すところはミドラーさんとなったのだが………。

 

いろは「ミドラーさんはわたしがやります!」

 

小町「アメリカでミドラーさんと戦ったのは小町じゃんか!」

 

静「ハッチの魂を回収しに行ったとき、ミドラーさんと冒険したのは私。私が一番ミドラーさんと仲が良い」

 

……と、こういう状況である。気持ちはわからなくない。残るはデーボとアレッシーだもんな。

未来への遺産を考えるとペットショップ、ホルホース、マライア、ラバーソール、ヴァニラ・アイス。

ペットショップ以外はみんなやりたがらなそうだ。しかもミドラーさんはあの世界での活躍もあって大人気。これはそうそう決まりそうもないわ。解決するとしたら…。

俺は携帯を取り出す。

コールしてから数秒後に相手が出た。

 

ミドラー「もしもし?八幡かい?珍しいじゃあないか。あたしに何か用かい?」

 

ご本人に決めて貰うのが一番だ。

 

八幡「実は………」

 

キング・クリムゾン!

 

ミドラー「そんな事をしてたのかい?ウルフスが出て来て増援の可能性があるからいつでも日本に行けるように準備してるっていうのに……」

 

ご迷惑をおかけしています。

 

ミドラー「でも基本世界の漫画ではあたしは姿が出てなかったんだろ?そんなあたしがプレイヤーキャラになるなんてねぇ。どんなキャラなんだい?」

 

八幡「こんなです」

 

ビデオ会話モードなので攻略本のミドラーさんの絵を見せると……。

 

ミドラー「な、なんだい?これは!顔はほとんど由花子だし、それよりも格好だよ!あたしはそんな格好なんてしてないよ!」

 

ミドラーさんが驚くのも無理はない。誰かに似ているとは思っていたが、由花子さんに顔がそっくりなんだ。

実際のミドラーさんはもう少し違う。少なくともこんなに日本人のような顔はしていない。美人ではあるけどね。

そして問題の格好は……。ほとんど裸だ。ビキニパンツを履いているくらいで後はベールだのベールっぽいものを被っているだけ。胸は大事な部分を星形のニプレスをしているだけで見事なバストを惜しみ無く晒している。

格ゲーのキャラは見た目を派手にする為に現実ではしないような服装をすることが多いが、本当のミドラーさんはこんな格好をしない。

いくら戒律が緩い地方の出身だからといったってイスラムの人間なのだ。アラビアダンスをするにしたってここまで際どい格好はしないだろう。

 

ミドラー「まぁ、別人と考えれば良いけどねぇ。で?いろはと小町とジョジョ。誰が別人のあたしを扱うかだったっけ?物好きな話だねぇ」

 

八幡「ミドラーさんはアーシスの女性組の中では人気が高いですよ?」

 

ミドラー「それはありがと。そうだねぇ……ジョジョだろうね」

 

へぇ、ジョジョを選んだのか。やっぱりオペレーション・リゲイン・ジェムストーン関連ですか?

 

ミドラー「残るはアレッシーなんだろ?アレッシーはジョジョにとってイヤな思い出があるじゃあないか。それだったらジョジョがあたしを使うべきじゃあないのかい?それに、あたしがアーシス……というよりはクリスタル・クルセイダーズに力を貸したのはアレッシーとの戦いが初めてだろ?ジョジョに関連する戦いだったってこともあるからねぇ」

 

あ、すっかり忘れてた。確かにクリスタル・クルセイダーズ時代に初めてミドラーさんが加勢したのはアレッシーとの戦いだったわ。

 

静「っしゃあ!大好きですよ!ミドラーさん!」

 

ミドラー「はいはい。用件はそれだけかい?じゃあもう切るよ。今日も若いのに指導しなくちゃならないからねぇ。後で結末を教えてくれればいいさ。じゃあ、遊ぶのもほどほどにしな」

 

そう言ってミドラーさんは電話を切る。

 

静「という訳で、本人からの指名だったら文句無いよね?イーハ、マーチ」

 

いろは「むぅぅぅぅ………ペッちゃんはわたしがやりますからね?」

 

小町「あっ!ズルい!ペッちゃんは小町がやるんだからね!?」

 

えー。今度はペットショップ争奪戦ですか。でも小町って確か因縁があるのは……。

 

そしてジョジョはプレイ開始。ミドラーさんを選択する。

オープニングではその豊満なワガママボディを惜しみ無くアップで登場するミドラーさん。

 

ミドラー『承太郎……お前を私の『女教皇』で消化してやるわ。フフフフフ………』

 

持っていたマグカップを女教皇に変えるミドラーさん。

そして海老名……懐かしいのはわかったから後ろで「パン・ツー・もろ・ミエ」とかやるな。

第一戦目。ジジイ。

 

ポルナレフさんと話をしているジジイ。

潜水艦はどうした?

 

ジョセフ『あと3~4日もあればカイロじゃ。ここからはどこに敵がいてもおかしくない。気を付けねばならん!』

 

ポルナレフさんがどこかに行き、その隙にミドラーさんがジジイを奇襲。

地面からハイプリエステス出現。

食われかけるもジジイは回避する。

 

小町「うわぁ……これ、小町がやられたよ…」

 

確かにそれを俺が助けたね。あの時はホントに危なかった。

 

ジョセフ『新手のスタンド使いか!』

 

ドンパチ開始。

ジョジョも少しは格ゲーに心得があるので無難にジジイを倒す。

 

ミドラー『まずは一人……』

 

静「パパを殺しちゃったよ……」

 

おま……そのわりにはスーパーコンボでトドメ刺してるじゃあねーか。

 

八幡「ジジイ、娘に殺される」

 

ゴン!

 

ジョセフ「やめんか!縁起悪い!」

 

え?だってそうじゃん?

ミドラーさんの必殺技は以下の通りだ。

地面に潜んだハイプリエステスが車に変身して地面から飛び出して来る『モンスターヘッド』。攻撃ボタンで出現する位置を近距離、中距離、遠距離と変えることができる。

次に『ハープーンショット』。矢に変身したハイプリエステスで居抜く飛び道具だ。矢がスタンドを生み出す矢に似ているような気もするが……。

ミドラーさんの必殺技はこれだけ。

スーパーコンボはモンスターヘッドを近距離からトリプルゲイザーのように順番に出すモンスターショット。

ハープーンショットで串刺しにした後に複数の矢で滅多刺しにするメガハープーンショット。

そしてアメリカで小町が食らった地面に一体化したハイプリエステスに食われる『ディナータイム』

必殺技が飛び道具を始めとした遠距離技ばかりだが、通常攻撃が強い。回転ノコギリやらチェーンやらに変身したハイプリエステスの攻撃範囲が大きく、威力も高い。

本物のミドラーさんに教えたら上手く使って近距離ドンパチの苦手さをカバーするかも。後で動画を送っておこう。

 

次、花京院。あれ?ポルナレフさんは?

 

ポルナレフ『おせーなー。花京院の奴』

 

承太郎『…………』

 

ミドラー『……と言うことは花京院は一人でいるな。チャンス』

 

そして花京院の前に姿を晒してドンパチ。本物のミドラーさんならここで『ディナータイム』をやってると思うんだよな。小町に対しても全部奇襲だったし。小町は波紋の気配察知でディナータイム以外は全部返り討ちにしたけど。

 

次のドンパチ。

 

ポルナレフさんと一緒にアヴドゥル登場。

 

アヴドゥル『あの女、あやしいぞ!』

 

ディナータイム発動。間一髪でそれを避ける二人。そのままアヴドゥルとドンパチ。

じゃあ四人目はポルナレフさん?

 

第4話 変幻自在、砂の猛獣

 

あれ?ポルナレフさん?どこいったの?

 

ポルナレフ「さっきから私が間抜けにみえるのだが?何故味方がやられているのにどこかに行ってしまっているのだ?」

 

静「確かにポルナレフさんがそれはあり得ないよね…」

 

ご本人様がご立腹です。ジョジョもどうフォローして良いのかわからないといった感じだ。

イギーを倒した後はやっとポルナレフさん戦。

 

ミドラー『承太郎はどうした!まとめて始末してやるよ!』

 

ポルナレフ『かかったな!今ごろは承太郎がDIOを始末しているぜ!』

 

つまり場面はカイロ。

……つまり、仲間を次々と始末しているミドラーさんを放置して承太郎達は旅を続けていたと……。

なくねっ!?確かにホリィさんのタイムリミットがあったからDIO討伐を優先したとも考えられるけどさ!敵を……しかもジジイを殺したミドラーさんを放置して旅を続ける奴らか!?

 

承太郎「それはあり得んな……後ろからやられるのは勘弁だ。それに、ジジイを殺られて黙っている俺じゃあない」

 

だよなー。

そして六人目は承太郎。ここで最終話と出てこないと言うことはミドラーさんも反逆コース?

ステージはディオと承太郎が決着を付けた橋だ。

 

ミドラー『承太郎、お前は私の好みのタイプだから心苦しいわね……私のスタンドで消化しなくちゃならないなんて……』

 

承太郎『てめぇはこの空条承太郎がじきじきにぶっ飛ばすッ!』

 

承太郎「確かにミドラーに言われたな。ハイプリエステスの口の中で……」

 

静「おじさん、モテてたって言うもんね?」

 

三浦「確か『本体を見たら惚れるかも?』的な事を言ってミドラーを怒らせてなかったっけ?」

 

承太郎「上手くいきかけてたのをジジイとかが余計な援護をしたせいだ……」

 

そんなやり取りがあったのか。でも、ゲームでの承太郎は塩対応だった。まぁ、承太郎以外は全滅してるから怒っていて当然か。

そしてディナータイムで………あれ?そこって橋の上だよね?ディナータイムで飲み込んでも橋の下に落ちるだけじゃあないの?

ま、まあ、とにかく承太郎を撃破。

 

ミドラー『DIO様。承太郎を殺りました』

 

ジョースターエジプトツアーは全滅の最期を迎えました。そしてミドラーさんはDIOの館へ。

反逆コースでも無さそうなんだが…。

 

ヴァニラ・アイス『ミドラーか?』

 

報告に現れたミドラーさんをヴァニラアイスが迎えるが……

 

ヴァニラ・アイス『承太郎を殺ったそうだな。だが、DIO様はお怒りだ。ジョセフか承太郎の生き血が必要だったのだ!』

 

今度は意にそぐわなかった部下への処罰コースでした。

や、確かに当時は必要だったかもだけど、そこまでこだわって無かったんだけど?確かにジジイの血は馴染んだけどさ。

 

静「ハッチ……これはちょっと……」

 

八幡「俺に言わないで!俺じゃあ無いから!普通にミドラーさんを誉めるから!」

 

多分。ジョースターの血が馴染むなんてのはジジイの血を吸った後でわかったことだし。

そしてラスボスのDIO戦。

 

ミドラー『DIO様……』

 

DIO『承太郎達を倒してくれたそうだな。嬉しいぞ』

 

おー、さすがディオ。ヴァニラアイスと比べたら寛大だな。味方には優しい奴だったもんな。一応は。

 

ミドラー『ですが生き血が……』

 

DIO『心配するな……』

 

あっるぇぇぇぇぇ?何でここでWRYYYYYのポーズをするのん?

 

DIO『貴様の血で充分だ。ありがたく思え』

 

八幡「……………」

 

うん。まさかのご馳走コースだった。そう言えばジョルノの母親以外のウンガロとかの母親は子供を産ませた後は食料にしたっけ。

いやー、食料にするコースかぁ。それは考えが及ばなかったわー。

周囲の白い目が痛い。ある意味では身に覚えがありすぎる。

 

静「殲滅すべし!ハッチ!」

 

相棒……泣くぞ。回転ノコギリ攻撃でじわじわガリガリするよやめて?いっそ一思いに殺ってくれよ。ザ・ジェムストーンはザ・ワールドの色違いだから俺が殺られてる気分!気のせいか痛い!って、アクトンでポカポカ殴るんじゃあない!

後でケンカだバカヤロウ!

ジョジョはDIOをボコってエンディング。

 

ミドラー『DIO様……』

 

DIO『お前は優れたスタンド使いだ……。私に永遠に仕えないか?私にはお前が必要なのだ……』

 

ミドラー『はい』

 

おお、和解エンド?

 

静「うん。まぁ、これならミドラーさんも報われるかな?DIOが相手というのが頭にくるけど」

 

いろは「うんうん♪これならまぁ…少しは」

 

あれ?いろはちゃん?これが俺なら無理無理ラッシュかコール・由花子さんだよね?

 

いろは「相手がハチ君またはジョナサンじゃあなければ良いです。あ、でも首から下はジョナサンでしたっけ?やっぱり頭に来ました」

 

どっちやねん。

でもまぁ、珍しくハッピーエンド……

ちょっと待てよ?DIOの奴、何て言った?

永遠に(・・・)とか言わなかったか?待て、そのパターンって……ヴァニラアイスに対して……

 

『スキュゥゥゥゥゥン!』

 

やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃ!

 

DIO『お前の血がな……』ゴゴゴゴゴ……

 

次の場面でDIOがミドラーさんの喉に指を突っ込み、そこから血を吸うDIO。そう言えば手から血を吸うんだったっけ。忘れてた。

ミドラーさんは瞳孔が開いており、チーン……な感じに。うわぁ……。たしかにそういう騙し討ちって俺、得意だわ。

そして次の場面でDIOの館の外観場面。

 

DIO『ミドラーよ。死ぬ必要はない。私の血で蘇るが良い』

 

スタッフロール

 

一同「………………」

 

屍生人エンド、完成。ミドラーさん、屍生人になっちゃいました。DIOらしいエンドと言うか。

 

さて………

 

八幡「先に言っておくと、史実じゃあないし、俺でも無いからな?」

 

いろは「でもディオは冬乃を除いては子供を産ませた母親を食料にしてましたよね?」

 

八幡「いろはなら別の意味でいずれは食べるが、この比企谷八幡はそんな事はしないからね!?とにかく怒りの矛先を俺に向けるんじゃあない!」

 

何かこのゲーム、碌でもないエンディングばかりなんですけど!?

ちなみにだが…ミドラーさん本人は……

 

ミドラー「あははははは!ある意味では結婚エンドかい!あははははは!」

 

……と、爆笑していました。

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

格ゲーのミドラー編でした。
ミドラーは何度も書いた通り、原作では姿を見せてはいません。よって、格ゲーでのミドラーは原作者の書き下ろしだったそうです。その際、由花子に似せて書いたそうで……。

必殺技もゲームオリジナルですね。ディナータイムも違った使い方でしたし。
それでは必殺技を。

必殺技

モンスターヘッド
分類するとKOFのゲーニッツが使う宵の風。「そこですか」になりますか?それとは違ってモーションから発動まで隙がありますが。対空技にもなり、意外に厄介な技です。

ハープーンショット
高速の矢を放つ飛び道具。一旦矢を構えるので意外と当たらなかったりする。

スーパーコンボ

モンスターショット
テリー・ボガードのトリプルパワーゲイザーみたいな技。対空で使うと3発目が当たらないのもトリプルゲイザーにそっくり。

メガハープーンショット
本文通りです。

ディナータイム
第二章で小町に対して使った技。ガード不能。
突然足元がハイプリエステスになり、飲み込まれる。そのあと、歯で4、5回噛まれて吐き出されます。
原作では承太郎がオラオララッシュで歯をぶち折りました。

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