やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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格ゲー『未来への遺産』をやってみよう17『ペットショップ編』

side比企谷八幡

 

材木座「むう……使い辛さの割にはパッとせぬエンディングであったな」

 

微妙な空気のまま、コントローラーは次の小町に渡される。小町がプレイするのはペットショップだ。正確に言えばペットショップの前世であるが。

 

相模「今度は鳥?………見たことあるような……」

 

小町「千葉村で南さんと戦った中に転生したペットショップがいましたから」

 

八幡「これが今のペットショップだ」

 

今のペットショップは仮面みたいな物を付けていなければマフラーみたいな物も付けていない。頭の良いペットショップが迷子になったりとかしないので、自然のままの格好でノビノビ生きて貰っている。

俺からしたらヴァニラアイスよりもペットショップの方がカワイイ。

 

葉山「カワイイな。とても飼い主がヒキタニとは思えない……」

 

八幡「悪かったな。だけどペットショップは強いぞ。ゲームだとわからんがな」

 

承一郎「あの隼まで転生していると知ったときはさすがに驚いたよ」

 

八幡「橘が飼っている鳥がそうだったりな」

 

承一郎「洒落にならんからやめてくれ……」

 

承一郎があっちの俺を見てきたように、俺達も一条楽を見てきた。もちろん橘の愛鳥も。あの鳥も中々の頭の良さを見せている。

 

ペットショップ「クエエッ!」

 

って、呼ばれたと思ったのか、空の散歩をしていたペットショップが窓から部室に入ってきた。

 

八幡「丁度いいな。お前の前世の話をやっていたところだ」

 

鳥リンガルが無いのが惜しい。

 

さて、オープニングだ。

 

ナレーション『承太郎達がエジプトに上陸した頃、謎の9人の男女が潜伏している建物に集まっていた……そして、その者達はいずこかに旅立った』

 

………9人の男女?10人では無くてか?

 

ジョセフ「突っ込んでええか?わしらは財団の職員から確かに9人の男女と聞いておった。じゃがそれは7人の間違いじゃあないか?」

 

八幡「あー……正確には10人の男女と1羽と一本だよな」

 

承太郎「何?9英神は7人の男女と1羽と一本では無かったのか?」

 

八幡「9英神だけならな。アルカナとは別にヴァニラアイス、ケニーG、ヌケサクを忘れているぞ」

 

既に屋敷から去っていたプッチを除けばそれで合っているはずだ。

 

承太郎「そう言えばそんなのもいたな……」

 

ヴァニラアイス以外は特に何するまでもなくあっさりとやられていたから印象に薄かったかもしれないな。

 

ナレーション『その中にはこの館の門を守る役目を受けたスタンドを使う鳥がいた……。天空の神、ホルスの暗示を持つペットショップはこの館に入ろうとする者を抹殺する地獄の門番である』

 

オープニングはここまでだ。

さて、最初は誰が来るか………。

 

第1話 変幻自在の砂の猛獣

 

史実通りのイギーか……

となると、ここは俺があの情報屋の役をやるべきか?その史実を知るのは俺と………。

乗ってくるか?

 

情報屋(八幡)『見つけたぞ!ここが写真の……』

 

乗ってこい!一人二役はキツい!

 

ペットショップ(本人)『クエエッ!』

ペットショップ(承一郎)『怪しい奴を見つけたぜ!死ね!』「氷の塊を落とす」

 

ペットショップはそれに合わせてちょっと大きめの氷の塊を俺の頭に落とす。

 

情報屋(八幡)『ギャアアアアア!』「情報屋…死亡」

 

そして承一郎も乗ってきてくれた!

Yeah!パァン!ピシッ!パシッ!グッ!グッ!

ポルナレフさん式のハンドシグナルをやる俺達。

 

結衣「どういう状況?」

 

雪乃「イマイチ掴めないのだけれど……」

 

もう少し続くのだがここで説明タイムといくか。

 

八幡「ジジイ。ディオの館を探す為に情報屋を雇っていたのを覚えているか?」

 

ジョセフ「おお。確かにそうじゃったのう。イギーが見つけたようではあるが………」

 

承一郎「実は情報屋のおじさんは探し出していたんですよ。ですがペットショップに見つかってしまい、氷の塊の下敷きにされて殺されてしまったんです。僕たちはそれを再現したんですよ」

 

ペットショップ「クエッ!」

 

その通りだとペットショップも鳴く。

 

葉山「それはどのくらいの大きさかな?」

 

八幡「そうだな。リムジンがペシャンコになるくらいの巨大な大きさだったな」

 

葉山「それは…………洒落にならないな……」

 

葉山が冷や汗を流す。

 

相模「うちもそれを目の当たりにしたような……」

 

承一郎「そしてそれを目撃したのがイギーだった」

 

イギー(承一郎)『厄介事はごめんだぜ。あばよ』

 

犬(八幡)『ギャイイイイン!』

 

ペットショップ(本人)『クエッ!』

 

ポトン。またしても氷を落とすペットショップ。

 

ジョルノ「次の状況は?」

 

八幡「館に入ろうとする者は味方以外は誰だろうと殺すのがペットショップの役目だった。それがたまたま入ろうとしていた何も知らない子犬だったとしても。今死んだことになったのが現地の飼い犬だな」

 

承一郎「それでもイギーはバカ犬のふりをしてやり過ごそうとしたのだが……次のターゲットになったのがその犬の飼い主だった子供だった。そこで我慢が出来なくなったイギーが……」

 

イギー(承一郎)『犬好きの子供を見捨てるなんて事は出来ねぇぜ!』

 

八幡「……といった感じでドンパチになったんだ。だよな?ペットショップ?」

 

ペットショップ「クエッ!」

 

何で俺らが知っているかって?報告を受けていたから、そして承一郎はその時の記憶をジョニィの夢として知っているからだな。

さて、恒例の……の前にペットショップというキャラについて。

ペットショップは通常のキャラとはかなり扱いが違う。

鳥であるゆえにまるでシューティングゲームの自機のように空中を自由自在に移動できる。

格ゲーキャラとしては異例のキャラだ。それ故に格ゲープレイヤーとしては操作性の異質さから上級者キャラと攻略本では書かれているが………

ハッキリ言おう。格ゲーキャラという枠組みから外して考えればかなりの強キャラである。

まずは必殺技。

 

アイシクルバレット

氷を纏って突進していく今のペットショップも使う技だ。特にあの世界で猛威を振るった。この技の突進は押したボタンによって軌道が変わる。

 

アイティクルピック

攻撃ボタンを押しっぱなしにすることにより画面上につららが発生。離すと同時に落下。押したボタンにより出現位置が代わり、更に複数作ることも可能。

因みにこのゲーム。ペットショップはコンボ技最強キャラと呼ばれており、その強さを支えているのがこの技だという事らしい。

 

アイスランス

地面から氷の槍を作り出し、突き刺す技。

史実だとイギーの足を凍りつかせ、片足を切断するきっかけになった技らしい。刺された相手は浮かしダメージを受ける為、連続技最強の地位を作った技の1つとも言える凶悪な技。

 

フリーゾン

ペットショップと言えばこの技。つららを6本発生させ、相手に飛ばす飛び道具だ。発生から発射までに間があるものの、射ちきってしまえば結構な弾速だったりする。

 

小町「さすがはペッちゃん……強いね♪」

 

ペットショップ「クルルルル♪」

 

小町に誉められ上機嫌のペットショップ。

 

結衣「サブレの前世の敵だったって言うのが複雑だけど……でもあたしも何度かペッちゃんに助けてもらったし……」

 

材木座「我もだ。頼りになる隼よ」

 

ミドラーさん並みに取り合いが予想されたもんな。ペットショップは。

そしてドンパチ終了。

終わりのデモは……

 

ペットショップ「クエ!」

 

ゲームの技であるアイティクルピックのつららを落とす。これで止めってわけね。

うん。言いたいことはわかったけど寒くなるから必殺技を再現するのはやめようね?ペッちゃん?

 

第2話 誇り高き騎士

 

ポルナレフ(本人)『あの情報屋。遅いな……』

 

ペットショップ(本人)『クエエッ!』

 

ポルナレフ(本人)『なにっ!こいつも敵のスタンド使いか!犬、猿に続いて鳥のスタンド使いまでいるとは!』

 

ちょっと待った。ポルナレフさん。気が付いていないみたいだけどそのラインナップ……。

イギー……まんま犬。

フォーエバー……オラウータンだけど猿。

ペットショップ……隼だけど確かに鳥。

 

結衣「………桃太郎?」

 

敢えて口に出さなかったのに言っちゃったよ!桃太郎言っちゃったよ!敵味方に別れていたけどねッ!

じゃあ退治されるのは……

DIO……(吸血)鬼

って事か?わーい♪

 

アホな事を考えていないでスーパーコンボ紹介。

 

ギガフリーゾン

名前の通りフリーゾンの強化版。

花京院の強化版エメラルド・スプラッシュみたいな技だと思えば良いかな?

 

デスペナルティ

情報屋のおっさんを下敷きにしたペットショップの代名詞その2。氷の塊を上空から落としてきます。

 

番鳥の猛攻

CAPCOMでは珍しい突進乱舞の技。アイシクルバレットのような突進の後にヒットするとペットショップが手前に飛んで来る。そしてターゲットスコープが相手にロックオンされ、そこへ向かってしこたまフリーゾンのようなつららを乱射する。

この技がヒットしたときだけガンシューティングゲームをしているようだ。

 

以上がペットショップの技だ。ホントに強いな……。

小町は格ゲーが得意な方じゃあないのに、ペットショップの性能が良すぎる。

そうこうしている間にポルナレフさん撃破。

 

ペットショップ「クルルルル♪」

 

本人も嬉しそうだな……。

 

第3話 炎の魔術師

 

アヴドゥル(三浦)『あーしの知らないスタンド使いがまた……。今度は鳥のスタンド使いか!その氷のスタンドをあーしの炎で溶かしてやるし!』

 

ペットショップ(本人)『クエエエ!』

 

確かにこの戦いが実現していたら面白い戦いになりそうだ。だけど現実で共に構えるのは止めてね?校舎が壊れるから!

 

第4話 戦慄の侵入者

 

花京院(海老名)『優美子!くっ!戦線に復帰するのが遅かった!そのツララはむしろジョースターさんとかのおし…………』

 

ペットショップ(本人)『クエエエエエエエエッ!』

 

海老名「キャアアア!本当にツララを飛ばして来ないでよぉぉぉぉ!」

 

承一郎「これは僕でもわかる。「これ以上は言わせるか!この腐女子!」だろ?ペットショップ?」

 

ペットショップ「クエッ!」

 

安定の海老名だな……。ペットショップが怒ってツララを海老名に飛ばしたよ………。お前に刺さるぞ?この辺で止めておかないと。

 

葉山「復帰?」

 

海老名「私の前世ってアスワンで目を負傷しちゃってね?合流したのはイギーがペットショップを倒した直後だったんだ」

 

相模「ヒナちゃん……そういう大事な場面を何で趣味に走らせて台無しにするかな…」

 

相模南は案外ツッコミキャラである。

 

第5話 戦いの年季

 

ジョセフ(本人)『鳥のスタンド使いめ……戦いにおける年季の違いと言うものを見せてやる!』

 

ペットショップ「クルルルル♪」

 

ジジイ。ペットショップを撫でながらいうセリフじゃあない。まぁ、ペットショップはけーちゃんの遊び相手だから今は結構可愛がっているけど。

 

最終話 裁くのは誰だ!

 

承太郎でラストか。

当の承太郎はペットショップに餌をあげてあやしているけど。

おーい。

 

承太郎「俺は小芝居はやらないからな」

 

ペットショップ「クエッ♪」

 

八幡「あのさ。ペットショップは俺の愛鳥なんだけど」

 

小町「良いじゃんか!もう総武高校アーシスのマスコットみたいなものなんだし!」

 

結衣「そーだよ!ヒッキーばかりずるい!」

 

八幡「お前ら……自分の愛犬と愛猫はどうした!特に小町!カマクラを虹村家に送るぞ!」

 

小町「うわっ!そんな事をしたら小町がペッちゃんを貰うからね!」

 

ペットショップ「クエ?クエ?」

 

そこで迷うんじゃあない。ペットショップ。最終的には俺の頭の上に飛んで来たけど。

 

エンディング

 

ナレーション『異常なくらい執念深く、館への侵入者を抹殺する『殺戮追跡マシン』のペットショップはついに承太郎達を倒した。そして、今日もペットショップの眼の照準は、獲物の急所にピタリと当たっていた……』

 

スタッフロール

 

これだけ?一昨日から思っていたけど、作り込まれているキャラとの差が大きすぎね?

 

ペットショップ「クエッ!クエッ!」

 

ペットショップ本人は何とも思っていないようで、俺の頭の上で上機嫌に寛いでいる。

うん。今のこいつが殺戮マシンなんてのはあり得ないわ。

ペットショップは俺の愛鳥。異論反論苦情は受け付けない。

 

←To be continued




はい、一人だけシューティングゲームをしているペットショップ編でした。
このシリーズもあとわずか。残るはマライアと影DIOとDIOです。

次回もよろしくお願いいたします。

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