やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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エンディング…サム編

ベガ2「フッフッフ……よく頑張ったが、ここまでのようだな!」

 

サム「ハァ……ハァ……。ここまでやるとはな。魔人、ベガ……」

 

ベガ2「まだしぶとく意識を保っているか。だがそこまでよ!今度こそとどめだ!そして我がサイコパワーの洗礼を受け、我が軍門に下るがいい!サイコクラッシャー!」

 

(サイコクラッシャーで突進してくるベガ2)

 

サム「そう来ると思っていたぞ!相手に止めを刺すとき、渾身の一撃を加えようとするのは人のサガだからな!ましてやお前のような自己陶酔する奴ならなおさらよ!」

 

ムラサマを振るい、カウンターを加えるサム。

 

ベガ2「ぐぬぅ!ムッハァァァァァ!き、きさまぁ!」

 

サム「終わりだ、ベガ!地獄に落ちて自らの罪を省みるが良い!」

 

ベガ2「バカな!その程度の攻撃で……この私が、この私がぁぁぁぁ!」

 

壁を突き破り、ギースのように落下するベガ。

サイコパワーの暴走により、体が崩壊していく。

 

ベガ2「ヌハハハハ!今回は私の負けだ!しかし、私は死なぁぁぁぬ!悪の心が人の中にある限り……私は何度でも……復活………ぐはぁぁぁぁ!」

 

爆発するベガ。

 

承一郎「やったな、サム」

 

サム「何か不吉な事を言っていたがな……取り敢えずは悪人どもは全て倒したか………肝心のギースは偽物だったようだが………」

 

忍「…………さて。やることはあと1つね。承一郎ちゃん、サムちゃん。時間が無いわよ」

 

呂布「下にみんなが集まってる」

 

陳宮「四神の楓殿や覇王丸殿、草薙京殿達三種の神器もです!」

 

承一郎「時間がない?」

 

忍「あれよ、あれ」

 

忍が空の穴を指さす。地獄門だ。

 

忍「最後の約束が果たせなくなるわよ?地獄門はもうじき閉じられちゃう。そうなったらサムちゃんは……」

 

サム「そうだったな……悔いは残せない」

 

承一郎「未練を残したまま、地獄に帰れないってわけかい?良いだろう……あの時の決着だ!」

 

距離を取り、互いに構える。

 

NEO・DIO「カスどもよ!このDIO様の復活を讃えよ!」

 

呂布「二人の邪魔はさせない………」

 

ポツリポツリと現れる地獄からの亡者達。

二人の決戦が始まる。

因縁の対決を見守る者は……残念ながらこの場にはいなかった。

 

サム「その程度か承一郎……本当の実力を見せてみろ!」

 

サム「御託は要らないぞ!承一郎!」

 

承一郎「だろうね……行くぞ!」

 

承一郎&サム「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

どおおおおおおおん!

それと同時に、地獄門に光の矢が吸い込まれる。

 

楓「今度こそ……本当にさようならだ。義姉さん…」

 

封印の儀だ………。

光が周囲を包み込む。

 

サム『楽しかった……ありがとう、承一郎』

 

承一郎「こちらこそ楽しかった……ありがとう、サム。今度こそ………本当にさようならだ………」

 

サム(次に会うとしたら……地獄か。それまでは退屈な日々が続きそうだな……)

 

 

数ヵ月後

地獄

 

地獄門が閉じ、元の亡者生活へと戻ったサム。

必然的にゆらぎ世界の地獄にいるわけだが、思っていたほど退屈な日々ではなかった。

 

幻十郎「貴様などに屈するとはー!」

 

ムラサマ程ではないが、良い刀を入手したサムが、まるで八神庵のような男を斬り伏せ、勝利する。

 

覇王丸(老)「良いねぇ良いねぇ。相変わらず良い斬りっぷりだねぇ!」

 

白髪が入り、顔に皺を刻んでいる男。

KOSFで顔を合わせた覇王丸だ。

 

サム「良いね……じゃない。あれはお前の宿敵だろう。覇王丸」

 

覇王丸「そう言うな。若くして死んだあいつの相手をするには、俺みたいな老骨にはちと堪えるのよ…」

 

サム「単に面倒だっただけだろう?俺と斬り合う時は嬉々としているくせして良く言う。伝説の剣豪殿は口も達者なのだな」

 

覇王丸「お前さんも、歳を取ればわかるってもんだ。口も剣術の道だって事をなぁ」

 

サム「生憎と歳を取る前に死んだからわかることは無いだろうがな」

 

覇王丸「ハッハッハッ!違いない。でなければこんなところにいないものなぁ!こりゃ一本取られた!」

 

サム「ほれ。後がつかえてるぞ、サボってないで働け人気剣豪」

 

サムは地獄で牙神幻十郎を始めとした並いる剣豪やら悪人を相手に休むことなく剣を振るう。

戦うことが生き甲斐だった彼にとって、地獄は正にパラダイスだった。

斬紅郎、服部半蔵、柳生十兵衛、天草四郎時貞、千両狂死郎、不知火幻庵、橘右京、アースクエイク、色、鷲塚慶一郎、暁武蔵、嘉神慎之介、死鏡、御名方守矢……。

覇王丸や楓、中にはナッシュやルガール等、地獄にいる様々な強者がサムに挑んでくる。

 

シャルロット「ボンジュール、覇王丸」

 

覇王丸「げ、げぇ!シャルロット!」

 

金髪フランス美人がサーベルを構えて覇王丸に挑んでくる。どうやらこのフランス美女、生前から覇王丸にほの字だったようなのだが、フランス貴族と江戸の素浪人という立場の違いやら何やらで未婚のまま生涯をまっとうしたようだ。

死後、地獄で再会した覇王丸とシャルロット。

地獄でならば添い遂げられるとほぼ毎日のように覇王丸へと挑んでくる。

 

シャルロット「今日こそ貴様に勝つ。そして我が夫になってもらおうではないか」

 

覇王丸「お前さんも勿体ないねぇ。こんなくたびれた爺さんなんかよりも、別嬪のお前さんならいくらでも相手がいただろうによぉ」

 

シャルロット「ふ………私が誰を選ぼうが勝手だろう。さぁ覇王丸よ!いざ尋常に!一本目、勝負!」

 

キン!キン!キン!キン!

覇王丸とシャルロットの勝負が始まる。

 

サム「もう、いい加減に諦めて結婚しろよ。地獄で結婚というのもおかしな話だがな……」

 

ジャンヌ「ならば前例を作るのはどうかしら?サム」

 

サム「ジャンヌ・ダルク………お前もか………」

 

シャルロットによく似た女性、いつぞやのサウスタウンでサムを助けたワールドヒーローズのジャンヌ・ダルクだった。

彼女も元の時代では未婚のまま若くして死んだ。

ジャンヌの結婚願望は凄まじく、死後の世界でも結婚相手を求めている。

最近のターゲットはサムだ。

 

サム「俺に付きまとうな……。それこそワールドヒーローズに良い相手がいるだろう?」

 

ジャンヌ「ダメダメ。ワールドヒーローズには一癖も二癖もある人間ばかりだから。それに比べてあなたは最高よ。この私の夫にし・て・あ・げ・る♪」

 

サム「勘弁してくれ………」

 

シェルミー「あらぁ、だったら私と遊ばない?ムッシュサム?」

 

沙弥「ああん。お姉さんもオーケーよ?坊や♪」

 

サム「オロチ八傑集や堕狐はもっと勘弁だ」

 

そしてどういう訳か、やたらとモテる。

 

ジャンヌ「ちょっとあなた達?サムはそれこそ生前から私が目を付けていたのよ?少しは遠慮したら?」

 

シェルミー「あら。そんなものは関係ないわ。サムも私のような大人の女性が好みよね?」

 

沙弥「あらぁ。だったら私の方がお得よ坊や?」

 

サム(勘弁してくれ………)

 

言い合いを始めた悪女達から徐々に距離を取り、逃げ出すサム。

 

影武者ギース「フッフッフッ………サムよ、ここで出会ったが百年目………」

 

サムの前に影武者のギース(ノーマルギース)が現れる。

 

サム「三下に用はない!」

 

影ギース「ああああああああ!」

 

サム「ふん………」

 

???「そんなに相手に飢えているのならば、この私が相手になってやろうか?サムよ………」

 

サム「お、お前は………」

 

そこにいたのは結局KOSFでは最後まで現れる事が無かった本物のギースだった。

 

ギース「久し振りだな………」

 

サム「お前が死ぬとはな………」

 

ギース「ふ……サウスタウンは弱肉強食の街だ。強いものだけが生き残り、弱いものは死ぬ……」

 

サム「この地獄もそうだ。ただし、弱いものはとことん苦しみが続く、まさに地獄そのものだ」

 

ギース「ふ………ならば好都合だ。この地獄は貴様の手に余るだろう。安心して私に委ね、貴様は搾取されるどぶねずみとなるが良い」

 

サム「お断りだ。ギース・ハワード。それにあの時の事は忘れんぞ……。地獄という所の礼儀を……お前にじっくりと教えてやろう」

 

構えるサム。

ギースの足元から邪悪なオーラが立ち上ぼり、構える。

 

ギース「手始めに貴様を痛め付け、この地獄の覇権を握ってやろう……」

 

高まる気。

この瞬間、サムはいつも心が昂る。

そして、自分がバトルマニアだとつくづく思う。

だが、そんな自分が嫌いではない。

そしてこの地獄は……自分を飽きさせない。

 

サム「参る!」

 

ギース「ダブル烈風拳!」

 

ぶつかり合うサムとギース。至福の時は、始まったばかりだ。

 

FIN


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