やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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N八幡エンディング

ベガ2「フッフッフ……流石は飛族からも認められた人外!良くぞ私に対してここまで対抗できたものよ!だがここまでだ!不死身と言えども持続体力が無限というわけではあるまい?」

N八幡『ハァ……ハァ……くっ!』

ベガ2「最強の力を持っていることがかえって仇となったな。今度こそとどめだ!そして我がサイコパワーの洗礼を受け、我が軍門に下るがいい!サイコクラッシャー!」

 

(ファイナルサイコクラッシャーで突進してくるベガ2)※1

 

N八幡『切り札というものはな………最後まで取っておくから切り札なんだ………オルタ!頼むぞ!』

オルタ(やっと僕の出番をくれたね。八幡)

 

もう一つの人格、オルタに切り替わるN八幡

ファイナルサイコクラッシャーをパンチで押さえる。

 

ベガ2「なっ!なにぃっ!貴様のどこにサイコクラッシャーを止める力があるというのだ!」

オルタ『八幡も言っただろう?ベガ。切り札は最後まで取っておくものだってね。このパワーがインフレしているこの世界でも、余裕で通用するこの体………』

 

グググ………とサイコクラッシャーを押し返すオルタ。

 

オルタ『それでも八幡ではこの体のポテンシャルを4割、出せても5割。だけど、僕ならば100%、力を使える!』

 

オルタ(八幡)が鬼の力を解放し、全力でベガを殴る。

 

ベガ2「バカな!その程度の攻撃程度で……この私が、この私がぁぁぁぁ!」

 

(サイコパワーが暴走し、体が崩壊するベガ)

 

ベガ2「ヌハハハハ!今回は私の負けだ!しかし、私は死なぁぁぁぬ!悪の心が人の中にある限り……私は何度でも……復活………ぐはぁぁぁぁ!」

 

 

オルタ『ふぅ………』

材木座「やったな八幡!これで黒幕達は全て倒したぞ!」

沙希「鬼の力なんて………こうしてみると、本当に人外だったんだね」

ケンスウ「人類の味方でホンマによかったわ」

N八幡『すぐに回復するとはいえ、反動でしばらく動けなくなるから、本当に切り札だけどな………さて………いつまで高見の見物をしているつもりだ?一条』

承一郎「気付いていたのか………」

 

後ろから現れる承一郎。

 

承一郎「驚いた。角を生やして鬼みたいになる力まで持っていたなんてね。僕にとってのジョニィみたいな力か………ますます僕と君は似ているよ」

N八幡『ああ、本当にそう思う。それで、そこで何をしていたんだ?』

承一郎「目的の1つを果たしに来てたのさ。ネスツの遺産を破壊しに………ね。ここに来たのはついでだよ。万が一、君がベガやギースに敗れたときの保険………ってところだかな?」

N八幡『バカにするな。いかに強くても、最後に力押しで来るような奴らに負ける俺やオルタじゃない。本当に恐ろしいのは搦め手で来るような奴らだ……。一条やDIO、ジョセフ・ジョースターさんのようにな。本来のお前ならば、負けるにしてもただではやられなかったはずだろ?スタンド使いが正々堂々と戦うなんてのは、ほとんどあり得ないからな』

承一郎「………良く分かっているじゃあないか」

N八幡『俺達が出会ったスタンド使いは、奴を始めとしたそんな奴らばかりだったからな。それよりも………黒幕は倒したが、俺達が元の世界に帰れなくなっているあの地獄門はどうするつもりだ?』

 

N八幡が地獄門に目を向ける。

 

承一郎「そっちは性悪コンビに心当たりがあるらしい」

N八幡『性悪コンビ?まさか………』

 

その時、光の矢が地獄門へと吸い込まれる。

 

材木座「封印の儀か!地獄門の封印には確かに有効な手段だが、しかしそれには封印の巫女の犠牲が必要!」

 

禍々しかった空が、まるで何事もなかったかのように雲ひとつない、澄みわたった空に変わる。

そして、気のせいかちらりと雪華結晶が………

 

N八幡『雪………?』

承一郎「幕末の青龍、楓の義姉が封印の巫女、雪という人だったんだ………」※2

N八幡『雪………雪乃………』

 

虚空に浮かんでいた封印の巫女、雪の姿と自分の恋人、雪ノ下雪乃の姿を重ねる八幡。

 

 

地獄門の下

 

楓「今度こそ、本当にさようならだ………義姉さん………」

 

禍々しかった空が、まるで何事もなかったかのように雲ひとつない、澄みわたった空に変わる。

黄昏れる楓の背後から、彼に協力していた性格の悪い人物達の話し声が聞こえる。

 

???「やっと帰れる………やれやれだぜ」

?「良かったの?承一郎やあのハッチの方に顔を出さなくて?」

???「承一郎はともかく、あの比企谷八幡が決着を付けたい俺は、俺であって俺じゃあない。完全な異世界同位体とはいえ、他人の尻まで拭うつもりはまったくないんでな。機会があればまた会えるだろう」

 

二人は仲間達を伴い、アメリカの国旗に包まれ、その姿を消していた。

 

 

N八幡(仮に俺の前に地獄門が現れたとしても………仮に雪乃が封印の巫女だったとしても、俺は………必ず雪乃を守ってみせる。俺がどうなっても………)

 

閉じていた目を開け、楓がいたであろう場所を見下ろす八幡。

 

N八幡『………面倒事はこっちに押し付けて、影でコソコソと………どうりで早々に敗退したわけだ。これで、もう一人のアイツに因縁をつける理由が出来た訳だ。どっちのアイツも相変わらず気に食わない』

承一郎「それに関しては同意するよ。君も1つ、これに入るかい?」

 

被害者の会の封筒をブラッディ・シャドウの空間から取り出す承一郎。

地獄門が消えた今、ブラッディ・シャドウも本来の力を取り戻したらしい。

 

N八幡『受け取ろう。もっとも、俺はお前もライバルとして見ている。次に会ったとき、今度こそ本当の決着を付ける。それが俺の知る一条なのか、それともお前という一条なのかはわからないけどな』

承一郎「出来れば、僕であって欲しいね。あんな『格闘ごっこ』で、僕に勝った気でいてもらっては困るからね」

 

静かに笑い合いながら、バチバチと火花を散らす二人の主人公。

その承一郎にアメリカの国旗が被せられる。

 

沙希「比企谷………あいつは………?」

N八幡『『邪悪の化身の転生』に勝った男………だな』

Nいろは「彼は先輩を出し抜いて勝ち、一条先輩は彼に勝った過去を持ち、先輩は一条先輩に勝った………不思議な三竦みですね?」

 

目を閉じるN八幡

 

N八幡(まったく………ヤレヤレだぜ。今になって、空条先生のゲンコツを思い出したわ………)

 

 

 

エンディング

ノスフェラトゥの世界

雪ノ下家、リビング

テーブルを挟んでソファーに対面で座る八幡と陽乃。

八幡の隣には雪乃が当然のように腰を掛けている。

 

雪乃「そう………結局、姉さんは裏で動いていたわけね」

N陽乃「本当よ。規格外オブ規格外も、私を良いように使ってくれちゃって………『鬼門封じ』なんて仙狐の大技、私にはまだ早いってのに………」

N八幡『もっとも、陽乃さんの『鬼門封じ』がなければ、封印の儀が間に合わなかったと思いますから、助かりましたよ』

N陽乃「これで、完全に貸し借りは無しよ?八幡(おとうと)くん?」

N八幡『俺としては、とっくに貸し借りなんて無かったことにしていたんですけどね。あと、義弟呼びは早いです。いずれは陽乃さんをお義姉(ねえ)さんと呼ぶつもりではいますけど』

雪乃「あら、随分とストレートに言うのね。流石の私も照れてしまうわ」

 

クスッと笑う雪乃。

雪乃にスポットが当たり………

 

N八幡(そうだ。絶対に守ってみせる………雪乃を………)

 

N陽乃「ねぇ、八幡君?封印の儀で見た『雪華結晶』と『封印の巫女』の幻影を見たとき、やっぱり雪乃ちゃんを思い浮かべたのかしら?」

N八幡『ええ………奇しくも『封印の巫女』の名前は『雪』でしたから、嫌でも考えてしまいますよ。もし、この世界でも地獄門が現れたとしたならば………そして雪乃が封印の巫女だったとしたならば………俺はどうするべきなのか………でも、』

 

目を閉じる八幡。

 

N八幡『仮にこの世界に地獄門が現れたとしても、そして封印の巫女が雪乃だったとしても、俺は四神のように封印の巫女の犠牲なしで地獄門を封じて見せますよ………絶対に………』

雪乃「は、八幡君………」

 

手を繋ぎ、二人だけの世界を作り出そうとする八幡と雪乃。

 

N陽乃「あーはいはい。万が一でもそうならないように、天狐への修行も鬼門封じの修行も続けていくから、イチャイチャは私がいない所でやって頂戴。『あの人』に頼んで、弥七ちゃんと修行してこようかしら………今度は義妹の小町ちゃんを誘って………」※3

 

ハート型の枠が八幡と雪乃を包む。

 

ノスフェラトゥ………それは世界の影に潜む人外達による、人外と人類の融和を目指す組織である。

比企谷八幡は材木座義輝と一色いろはとチームを組み、エージェントとして時には迫害を受ける人外の保護をし、時には暴走する人外を相手に死闘を繰り広げ、傷付くこともあるだろう。

しかし、彼は止まらない。

大切な物を守る為に………

彼の本物である雪ノ下雪乃を守る為に………

 

FIN




※1
ファイナルサイコクラッシャー
画面全体攻撃のサイコクラッシャー。初出はストリートファイターZERO3のラスボスベガ。
その威力と攻撃範囲はむしろアベンジャーズを相手とするVSシリーズで披露するレベルの攻撃である。

※2
封印の巫女
月華の剣士シリーズより。
幕末で混乱する時代、この世(現世(うつしよ))とあの世(常世(とこよ))を結ぶ境界線である地獄門を巡る戦いを描いた物語でキーパーソンとなる人物。
その2作目の『第二幕』において、ヒロインである主人公、楓の義姉である雪がエンディングにおいて光の矢へ姿を変えた。
雪はブラックホールのような地獄門に放たれ、地獄門を封印することを成功させた代償として、そのうら若き生命を散らしてしまう。
この結末はプレイヤーが雪を使用していたとしても変わることは無く、サムライスピリッツシリーズの『ナコルル』と同様に公式に死亡したことを意味する。
サムライスピリッツシリーズとは違い、月華シリーズは『第二幕』以降の続編が出ておらず、結果死亡してもコロボックル化して現世で大自然のお仕置きを継続しているナコルルとは違い、雪はそれ以降の登場は果たしていないので、ナコルルよりも扱いが悪いとも言える。
もう一人のヒロイン、一条あかりは月華シリーズのヒロイン扱いとしてコラボ作品には(主人公の楓をも差し置いて)登場しているというのに………。
もっとも、本城もKOSFにはあかりを参戦させ、雪は楓のストーリーにチラッと登場させているので人の事は言えないのだが。

※3
N小町とN比企谷家
原作と違い、N八幡は比企谷家に引き取られた養子であり、小町との本当の関係は従兄妹同士である。
鬼の人外一家。
勿論、小町はブラコーン、八幡はシスコーンである。
もっとも、リサリサ小町程重度ではないが………

DIO八幡αの悪行
4−1αにおけるDIO八幡は4−1のDIO八幡同様にN八幡の体をジャックしては様々な悪行を行っています。
・陽乃の口の中にワサビを突っ込む
・承太郎を煽ってN八幡にけしかける
・徐倫を弄ってはN八幡を拳骨の餌食にする
・戸塚(女性)が女であるかを確かめようと体に触ろうとする
・億泰のザ・ハンドの能力を語り、脅しをかける(細胞から再生できる不死の肉体もザ・ハンドやクリームのガオン!には流石に対抗策がない)
・DIO八幡同様に味方を騙してレクイエムを完成させる
・静のアクトンを使ってこっそり左右の靴紐をキツく結ぶ(しかも固結び)
そら恨まれるわ………
DIO八幡にとっては完全にトバッチリなのだが、結局はDIO八幡αもDIO八幡も完全な異世界同位体。
同じ穴の狢である。

次回はN材木座のエンディングです。
これまでほとんど空気だったNいろはも活躍するかも?

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