やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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第一回戦前夜・中編

side一条承一郎

アメリカ…サウスタウン・怒部隊セーフハウス

 

サウスタウンの某所。

5階建てのマンションの一部屋。その一室のソファにて腰を落ち着かせる僕達。

本来ならばリビングルームとして使われるのであろうその部屋は、銃器や弾薬類、無線機らしき物がゴロゴロしている。

そんな中でポンとコーヒーメーカーやら茶器戸棚が置かれているのは異質に見える。

コーヒーメーカーや茶器戸棚の方が本来あるべき物であるのにも関わらずだ。

こんな中に通されて落ち着けと言われても、落ち着くことなど出来るだろうか?一般人ならばまず落ち着けない。

こんな状況でも平静を保てるのは僕やサムがこちら側(・・・・)の人間であるからだろう。

忍さんとその連れ……というよりは、彼女達時代を超えて来た三國志の英傑・呂布奉先とその軍師、陳宮(何で三國志の英雄が女なのかはわからないが)の三人からしてみれば現代兵器がゴロゴロしている中で寛げと言われても落ち着けないのは当たり前の事だと思う。

 

忍「………落ち着けないわね」

 

承一郎「忍さん程の方でもそうですか……」

 

忍「八幡ちゃん(DIO)の話だと、あちしは特異点の1人だと言われているけれど、このあちし自身はちょっと特殊な能力を持っているだけに過ぎないただのカフェの店長よ。こんな物々しい場所なんて初めて来たわね。それよりも、大丈夫なの?恋ちゃん………だったかしら?あの娘、銃器に興味津々よ?」

 

確かに銃器が発明される以前の人間が勝手に銃なんて取り扱ったりしたら……。

 

レオナ「構わない。壊しさえしなければ」

 

青い髪を適当にポニーテールっぽく結び、タンクトップにホットパンツ姿の美少女が許可を出してきた。

 

承一郎「しかし、間違ってトリガーに手をかけてしまっては………」

 

レオナ「弾は装填されていないわ。私達がそんなミスをするとでも思ってるの?」

 

何の感情もなく淡々と言う彼女。

僕は彼女に嫌われているのだろうか?

レオナ・ハイデルンさん。

怒傭兵部隊のハイデルン総司令の養女だ。

とても整った顔をしており、これで愛想が良ければさぞかし魅力的な少女であるだろう。

しかし、この人は終始無表情で、とにかく無口。

必要最小限の会話もえらくぶっきらぼう。

これまでに出会った事のないタイプの人間だ。

ただ、1つ………

 

サム「隙が無い……」

 

呂布「レオナ………強い………」

 

それはある。

おそらく僕自身が相手をしても勝敗がどちらに転ぶかわからない。

だが、彼女から感じるのは………。

 

忍「希薄ね……」

 

承一郎「ええ……」

 

流石は忍さんというところか。

クリスタルファングにも稀にいるが、過去に何かがあって感情そのものが欠落してしまっている人間……それがレオナさんだ。

 

「これでもマシになった方なんだぜ?こいつはよ」

 

承一郎「………止めてくださいよ。突然背後を取るのは……」

 

僕の背後を取ったのはデニムパンツに白いシャツに黒い防弾ベストを羽織り、赤を基調とした迷彩バンダナで黒髪のボサボサ頭をすっぽりと覆った人物が僕と忍さんの背後を取り、肩を抱いてくる。

ランボーという戦争映画が昔にあったが、この人はそのランボーがスクリーンから出てきたのではないかと思うくらいにそっくりだ。

ラルフ・ジョーンズ大佐。

怒傭兵部隊のエリート特殊部隊を束ねる39歳の隊長だ。

しかし、それはほとんど名ばかりだと本人も豪語している。

大佐という階級は連隊規模の部隊を指揮する階級であるけど、実際のところ、部隊の運用的な指揮はハイデルン総司令が兼任でやっており、本人は小隊規模の現場指揮ぐらいしかやっていないそうだ。

というのも、39歳で大佐という階級は士官学校をトップで卒業したとしてもそうそうなれるものではないのだが、なんとラルフ大佐はキャリアなどではなく、叩き上げでそこまで上り詰めたそうだ。

ラルフ大佐の2つ名は『ワンマンアーミー』

その物騒な1人軍隊という通り名に相応しく、敵地のど真ん中で墜落した航空機から脱出し、ただ1人生還してきたのだとか。

ただ生還してきたわけじゃあない。敵の要塞をたった1人で壊滅させてだ。※1

……実際、その芸当は僕にも、そして忍さんにも出来るだろう。

ただし、ラルフ大佐のように普通の装備(場合によっては丸腰の状態で、敵から武器を奪いながら)で、なおかつスタンド等の何のチートも無い状態で……ともなると……難しいどころの話ではない。

そんな作戦を実に4度も経験したラルフ大佐。

しまいには大統領から直接勲章を授与されるくらいの功績を積み上げた結果、この階級というわけだ。

いや、本当……僕にとっては雲の上の存在過ぎて…。

 

ラルフ「レオナ。ここはもう良いから、お前は明日に備えて資料のまとめに入れ」

 

レオナ「了解。資料のまとめに入ります」

 

敬礼をした後にキビキビと部屋を出ていくレオナ少尉。

 

忍「もう遅いし、休ませた方が良かったんじゃ無いかしら?」

 

ラルフ「待機命令を出すと、生真面目なアイツは筋トレとか武器の整備とかを消灯までやるんだよ。ったく面倒な奴だぜ……休ませるのならば、そういう仕事をやらせるのが一番なんだ」

 

サム「そんな休ませ方など聞いたことが無いがな……」

 

呂布「むしろ労働………恋的には拷問……」

 

陳宮「恋殿……それはそれでどうかと思います……私は少し手伝って来ます。資料から何かわかるかも知れませんので」

 

陳宮さんがレオナさんを追って部屋を出ていく。

大佐という階級は自分には相応しくないとか言って、何だかんだと言いながら、しっかりと上司をやってるあたりはこの人もそれなりには……

 

???「教官の二番煎じですがね」

 

僕達のコーヒーを持って(ちゃっかりと自分達はバーボン)現れた大佐の相棒、クラーク中尉がニヤニヤしながら入ってきた。

大佐と同じような格好だが、サングラスをかけており、整えられた金髪の上に青いアーミーキャップを乗せている。

クラーク・スティル中尉。

ラルフ大佐と共に戦場を駆け抜けてきた怒部隊の副官だ。

本来ならばラルフ大佐と一緒でもっと上の階級のはずなのだが、ラルフ大佐と同じ現場を望む本人がそれを嫌がり、全ての功績をラルフ大佐に押し付けたのだとか。

罪を擦り付けるのならばともかく、功績をなすりつけるなんて……この人達はある意味で規格外だと思う。

 

忍「ラルフ大佐、クラーク中尉。レオナちゃんは……」

 

クラーク「おっとミスター。それ以上の詮索は止めてもらおうか。レオナの事に関してはプライベートというだけじゃなく、うちの極秘事項も含まれていてね。もっとも、あのお多福仮面が少し調べれば解ることだがね」※2

 

忍「そう……彼女はあちしのバレェ仲間によく似ていたものだから、放っておけないと思ったのだけれど…極秘事項というならば仕方ないわね」※3

 

承一郎「しませんよ。誓って」

 

普通の装備でクリスタル・ファングのような真似をやってのける人物達に対する払う敬意だ。

 

承一郎「それにしても、よくあの比企……いえ、Ms.OFUKUROと協力する気になりましたね?」

 

話題を変える意味もあり、僕はMs.OFUKURO……比企谷白良さんの事について話す。

あの八幡にして規格外オブ規格外と言わせる人物。

そんなのと対等な取引をしたというハイデルン総司令の胆力に驚かされる。

 

ラルフ「なぁに。目的が同じならば、互いに手を組むってものだろ?」

 

クラーク「別に敵対しているわけでも無い上に、こちらでも手を焼く案件に手を貸してくれるって言うんだ。後は利害が一致する落としどころを決めれば良い。奴さんは力で物を思い通りに動かす暴君じゃないからな」

 

ラルフ「その辺の落としどころってのを決める交渉は、うちの教官や経理総務部がやってくれるだろうぜ」

 

クラーク「大佐だっていつまでも戦場(げんば)ってわけにはいかないんですから、そういう術も学んでいってもらいたいものですがね」

 

ラルフ「嫌なこったぜ。俺は体が動かなくなるまで戦場(げんば)にいたいんでね。そういうのはお前の方が向いてるってんだよ」

 

この人の業績なら本当に生涯戦場(げんえき)を通してもおかしくなさそうだから怖い。

それにしてもなるほどそうか。

あの人の規格外ぶりばかりに目が行っていたけれど、あの人は話が通用しないモンスターじゃあない。

そこに気が付かなかったなんて、僕もまだまだ若いな。

千棘に頼んでビジネスと言うものをもっと勉強できる機会を設けてもらおう。

 

ラルフ「で、本題だ。教官から情報が入ったぜ?お前達の最初の対戦チームは………こいつらだ」

 

ドーマチーム2

シェルミー、クリス、ザベル・ザ・ロック、ベルガー

目が前髪に隠れており、独特のセクシーなファッションが特徴的な欧米人の美女。シェルミー。

中学生くらいの中性的な……まだ少年と言っても過言じゃあない少年、クリス。

音石明さんを彷彿させるロックミュージシャン風な男。

そして僕の実家と同業者風の風格を持つ男。

………まったく整合性が取れていないメンバーなのだけど、どういうチームなんだろうか……。

 

クラーク「うちのチームにとっては厄介な相手だが、あんたらならおあつらえ向きかも知れないな」

 

忍「どういう意味かしら?」

 

ラルフ「こいつらは全部……死人なんだよ」

 

僕達は全員、サムを見る。

サムも地獄門とかの影響で復活した存在だ。

他にもそういう存在がいないとも限らないとは思っていたのだが……。

 

承一郎「確かな情報……なんですか?相手が死人と言うのは」

 

ラルフ「例えばこいつだ……」

 

ラルフ大佐はザベル・ザ・ロックという男を指す。

 

ラルフ「こいつは世界を震撼させた天才ロックミュージシャンだ。それだけならば大した奴だが、奴はとち狂っていてな。ライブ中に集団無理心中をして死にやがったんだよ」

 

な………っ!まるでドラゴンズ・ストリームのケンゾーみたいな真似を!

そんな有名人の所業ならば知っていてもおかしくない。

 

クラーク「他にもこいつだ。ベルガー。このサウスタウンに負けず劣らず治安の悪い街、メトロシティで暴れていたストリートギャング・マッドギアの首領だった男だがね。こいつもメトロシティの市長達が直接解決に乗りだし、ベルガーは高層ビルから転落して死んだはずだったんだが……」※4

 

ラルフ「そして残る二人は………オロチ八傑集の中でも特に力が高い四人、オロチ四天王の内の二人だ。そいつらが問題なんだよ……」

 

この美女と少年がオロチ………だと?

聞くからにヤバい。

八幡達が戦ったウルフス……そいつらの中にも蛇のオロチというものがいたらしいが………。

 

陳宮「キャアアアアアアア!」

 

呂布「!!!」

 

絹を引き裂くような陳宮さんの悲鳴が聞こえ、呂布さんが駆け出す。

 

ラルフ「何だ!」

 

それを追ってラルフ大佐とクラーク中尉が追う。

僕達もそれを追うと、その先には怯える陳宮さんと、それを守るように矛を構える呂布さんがいた。

そして……その矛先には……

レオナさんが立っていた。

しかし、雰囲気がまるで違っていた。

青かった髪の毛がブラッディレッドに染まっていた。

そしてその様子は明らかに正気を失っている。

 

承一郎「こ、このレオナさんの変わり様は……」

 

ラルフ「覚悟はしていたけどよ……血の暴走かよ……」

 

忍「血の暴走?」

 

クラーク「オロチ一族の血を引くレオナが時々起こす癇癪みたいなものさ。オロチが絡んでいるからこういう事態も想定していたが、こうも早くに暴走を引き起こすなんたぁ……最悪だねぇ」

 

???「ふふふ♪気に入ってくれたかしら?正義の傭兵さん?」

 

ベランダから聞こえた声に反応し、そちらに目を向けると、妖艶な笑みを浮かべるスーツ姿の美女が二人。

片方は金髪をロングにしており、眼帯をかけている。色気を不自然なまでに出していて、あのミストラルを思い浮かべさせる。

もう片方は濃い茶髪をベリーショートにしており、粗暴な印象を受けさせる美女だ。その粗野さが妙な色気を誘う。

 

ラルフ「マチュアとバイス……毎度毎度謎の復活をしてきやがってよ。うちのお姫様をどうするつもりなんだ?」

 

クラーク「オロチ一族の使命とやらかい?八神のお守りはやめたのかねぇ?」

 

承一郎「あの二人もオロチ八傑集……なんですか?」

 

この場にいるというだけで、この二人がただ者じゃあ無いことだけはよくわかる。僕はクリスタル・ボーンを出現させ、臨戦態勢を整える。

 

バイス「………あんたらには関係ないことさ。こっちにも色々と事情はあるんだよ」

 

マチュア「伝説の傭兵さんには、あっちの相手をしてもらおうかしら?」

 

マチュアというミストラルを思い浮かばせる女が空を指すと、そこには赤い悪魔が三匹、空を滞空していた。

あれは……確か魔界村と呼ばれるゲームに登場していたレッドアリーマー!

 

ラルフ「チッ!……あんなもんまで現れるなんてな。なぁお前ら、そこそこ出来ると見ていいんだよな?」

 

ラルフ大佐は僕達をちらりと見て言う。

 

クラーク「うちのお姫様の面倒を頼もうか」

 

呂布「恋も赤い鬼をやる………陳宮をお願い」

 

三人はレッドアリーマーの方へと向かい、外へと飛び出す。

 

ラルフ「行くぜクラーク!」

 

クラーク「おう!」

 

ラルフ&クラーク「クロスチェンジャー!」

 

二人は謎のポーズを決めると、まずはラルフ大佐が懐からバーボンを取り出して一瓶をイッキ飲みし、瓶を投げ捨てる。

 

ラルフ「しゃあ!行くぜ!」

 

駆け出して軽くジャンプし、体重を乗せたエルボードロップをレッドアリーマーに落とす。

そして顎にショートアッパーを決め、流れるように一歩ずつ前に進みながらストレートを左右に繰り出し、最後にアッパーを見舞う。

 

ラルフ「テリャー!ガトリングアタック!そのままバルカンパンチ!オーリャリャリャリャリャ!」

 

バルカン………と名乗るだけあり、まるでスター・プラチナのようなパンチの連打をレッドアリーマーに浴びせるラルフ大佐。

技術も何もない力任せの攻撃だ。

一方でクラーク中尉もラルフ大佐のフォローに回るように動いている。

 

クラーク「スーパーアルゼンチンバックブリーカー!とりゃあ!」

 

相手を掴んだかと思うと真上に投げあげ、落ちてきたところをアルゼンチンバックブリーカーの要領でキャッチ。見ているこっちまで背骨が痛くなる技だ。

そしてそのまま頭から投げ落とした後に………

 

クラーク「ブラッシングエルボー!」

 

ダウンした相手をダッシュで追いかけ、ジャンピングエルボードロップ。体重が乗った容赦ないエルボーが鳩尾に決まる。

 

忍「容赦ないわね。流石は伝説の傭兵よ」

 

承一郎「こっちも負けてられませんね……」

 

こちらの闘気に反応したのか、暴走したレオナさんがこちらを見る。

 

レオナ「ハァ…ハァ……ウオオオオオオ!」

 

サム「!?」

 

サムVSレオナ

ラウンド1!レディー、ゴー!

 

レオナさんがサムに急襲をかける。

獣のように四つ足で駆け、間合いに入るレオナさん。

 

レオナ「アグア!」

 

ガキィィィィィン!

レオナさんの手刀がサムを襲うが、サムは愛刀のムラサマの腹で受ける。

 

サム「なんていう力だ!おまけにこの手刀、完全に刃となっている!」

 

確かに手刀で鳴る音ではない。

あんな刃をまともに受けたらただじゃあ済まない。

 

陳宮「陳宮ーーー……跳び膝蹴り!」

 

陳宮さんがサムの背中を飛び越して飛び蹴りを放つ。

それは膝蹴りじゃあなく、ただのキック……

いや、そんなしょうもないツッコミは今は良い。重要なのはその結果だ。

陳宮さんの攻撃がレオナさんの顔面にヒットし、どういう原理かレオナさんがキリモミ回転をしながら浮く。

そのチャンスをサムが逃すはずもなく……

 

サム「良いフォローだ!陳宮!ソニックスラッシュ!」

 

炎の属性を持つ刀、ムラサマの力とこの世界の気の力をミックスさせた炎の真空波を飛ばす。

空中に投げ出され、無防備になっていたレオナさんはそれをまともに喰らい、吹き飛ぶ。

 

承一郎「サム……少しやりすぎじゃあ……」

 

サム「遠当てという日本の技を使っただけだ。あの真空波に斬撃の効果はない………だが………」

 

サムは脂汗を流しながらレオナさんを見据える。

 

サム「斬撃の効果をやっておけば良かったと後悔している……」

 

レオナさんの方を見ると、少しダメージを受けた様子はあるが、ノックダウンには至っていない。

 

サム「手加減をしていて勝てる相手じゃ無さそうだ。ったく、どうなっている?この世界は……」

 

そうだった。ギースの時でもそうだったが、この世界の人間の身体能力は高すぎる。

普通だったのならばあれでKOなのに……。

 

レオナ「ガァ!」

 

レオナさんはウルトラセブンがアイスラッガーを投げるようなモーションで気の刃を投げてくる。

 

サム「そんなものが当たるか!」

 

サムは前転をして気の刃を避け(前方緊急回避)、レオナさんに迫る。

 

承一郎「何故レオナさんは普通に必殺技を使えるんだ?理性を失っているのに……」

 

忍「理性を失っているからこそよ。だから普段から体に染み付いている必殺技を使えるんだわ……」

 

承一郎「そういうことか………!サム!後ろ!」

 

もうじきレオナさんに迫るところで気が付いた。

アイスラッガーのような気の刃がブーメランのように戻ってきた!

ジョセフ・ジョースターさんのクラッカー・ヴォレイじゃああるまいし、マジであれじゃあアイスラッガーじゃあないか!※5

 

サム「何!?ぐっ!」

 

戻ってきた気のブーメランが背中に刺さり、一瞬だけ隙を晒すサム。

 

レオナ「へやっ!」

 

レオナさんがその隙を逃さず、サムの腹に膝蹴りを2発入れる。

その際に耳のイヤリングを外す。

 

サム「ぐはっ!」

 

レオナ「うおおおおお!」

 

そして間髪入れずにダッシュをし、イヤリングを持ったその手でサムの腹に手刀を刺す。

 

サム「ぐほっ!」

 

レオナさんの手刀がまともにサムの腹を抉る!

そこから一歩引いたレオナさん。その手にはイヤリングを持っていない……

もしかしてあのイヤリングは……

ドカァァァァン!

爆発音と共にサムの体が炎に包まれる。

あのイヤリングは超小型のプラスチック爆弾か!エグい技を………。

 

承一郎「サム!」

 

炎上したサムがダウンする。

 

サム「まだだ!まだ終わっていない!」

 

立ち上がるサム。しかし、体には少なくないダメージが残っている。

 

サム「自信を失うぜ……理性を失ったビーストにここまでやられるなんてな……。大会にはこんなのがゴロゴロと出てくるのかよ……」

 

白い血を吐くサム。

 

サム「どこかでこの世界の事を舐めていたんだろうな…ギースで痛い目を見たと言うのに……後は頼んだぞ、承一郎……レオナ・ハイデルン!俺の体と引き換えに正気に戻ってもらう!」

 

サムが突進すると、レオナさんは丸い気の弾を放出する。その弾には真空の斬撃が纏っている。サムはそれにも構わず突っ込む。

ザシュザシュザシュザシュ!

サムの体を斬り刻む弾。しかし、サムはそれに耐え…。

 

サム「やられたらやり返す……最後の最後には根性だよな……オラァ!」

 

全身血まみれになりながらも、倒れずに最後まで耐えきったサムが、先程のレオナさんの焼き増しのように膝の二段蹴りを放ち……。

 

サム「返すぞ………リボルスパーク……だったか?このムラサマなら、その技が可能だ!食らえ!リボルスパーク!」

 

ムラサマをレオナさんの脇腹に刺し……そこに炎の効果を埋め込んで爆発させる。

 

レオナ「うわぁぁぁぁぁ!」

 

倒れるレオナさん。

今度こそ、動かなくなる。

 

サム「しっかりしろ。レオナ……。オロチの血………そんな運命なんてのはな……くそ食らえなんだよ!」

 

膝を着いて荒い息をするサムが叫ぶ。

その言葉を聞いたレオナさんの髪が、赤から青に戻る。

 

レオナ「……運命なんて……くそ食らえ……お父さん

、大佐………」

 

そう呟いて気を失うレオナさん。運命なんてくそ食らえという言葉……いったい、その言葉に何かがあったのだろう。少なくとも、レオナさんにとっては特別な言葉だったようだ。※6

 

KO!

Winner is サム!

 

辛うじて勝利をもぎ取ったサム。

しかし、サムも限界だったのか、そこで意識が落ちる。

体の内側から爆弾を爆発させられ、その上で切り刻まれたんだ……。

さすがのサムも限界だったのだろう。

 

忍「クレイジー・ダイヤモンド!」

 

忍さんが仗助さんに変身し、サムとレオナさんの傷を治す。こういう時のクレイジー・ダイヤモンドは便利だな。

そして、忍さんの能力も……

 

忍「良くやったわ……サムちゃん。次はあちしが行くわよ」

 

忍さんが前に出る。そのコメカミには血管が浮かんでいた。

 

忍「やってやるわ!」

 

一方で向こうはバイスが出てきた。

ふぅ~………と、猫が伸びをするようなポーズを取り、構える。

 

バイス「面白い。やろうか?」

 

忍 VS バイス!

ラウンド2!レディー、ゴー!

BGM…嵐のサキソフォン2(KOF96八神チームのテーマ)

 

先手を打ってきたのはバイス。

鞭のように腕を払ってきた。しかし、その腕は全然届くような距離じゃあない。

自分の間合いを理解していないのだろうか。

忍さんは冷静にフェイントと見切って動かない。

しかし………

 

忍「!?」

 

あろうことか、その腕がズームパンチのように伸びてきて、忍さんの体を掴む。

 

バイス「落ちろ!」

 

そのまま忍さんはバイスの後方に投げられてしまう。

 

バイス「なめてたねぇ……私のディーサイドを。私の腕はこうして伸びるのさ」

 

忍「初手でやってくれるわね……それに何よ?そのバカ力は………片手であちしを投げ飛ばすなんて……」

 

バイス「オロチ八傑集は何らかの特別な力があるのさ。そこの八傑集のなり損ねの小娘にも、斬る力があっただろう?それはこいつの父親、ガイデルの八傑集の能力が遺伝したからさ。私の場合は……」

 

ゴキゴキゴキゴキ!

 

バイス「この怪力さ」

 

こいつ……要はアームストロングのパワーに投げを得意とする技術があるって事じゃあないか……。

 

忍「万丈や清川さんみたいな奴ね。厄介だわ……」

 

バイス「初手で良いのを受けたじゃないか。どうしたんだい?殺してくれるんじゃ、無かったのかい?」

 

忍「こう見えてもあちしはフェミニストなのよ。例えあんたが何者だったとしてもねぇ!」

 

バイス「だったらじわじわとなぶり殺してやるよ!」

 

バイスは忍さんの胸ぐらを掴むと、そのまま押し倒す。

 

バイス「楽しいねぇ!」

 

そのまま忍さんを引き摺りながらダッシュし、最後に上へと投げる。

そして………

 

バイス「バカめ!」

 

浮いた忍さんをジャンプで追いかけて掴み、フライングパワーボム。

 

バイス「アハハハ……ハァ。早く殺してよぉぉぉ!」

 

完全に舐めきっているのか、バイスは狂気そのものの奇声をあげる。

狂っている……これがオロチ一族なのか。

 

忍「キルッ!」

 

ザシュ!

鋭い手刀がバイスを体を斬る。

いつの間に変身したんだ……忍さん。

その姿はレオナさんの養父、ハイデルンさんだ。

 

忍「……男の道は逸れるとも……女の道は逸れるとも…外せぬは人の道………それがあちしの座右の銘のつもりでいたわ……」

 

バイス「小娘の養父に化けて、何のつもりだい?」

 

忍「あちしも人の親だから分かるわ。娘を傷つけられた親の気持ちを………もしここにハイデルン司令がいたのならば、きっと腸が煮えくり返っているはずだもの…だから、あちしが代わりにやってやるのよ。ハイデルン指令の代わりにね……」

 

バイス「ハッ!あのクソ親父に人の愛情ってのがあるとは思えないけどねぇ!ましてや血の繋がりがないってのにさ!」

 

何だと?

僕はその言葉に我慢がならなかった。

今の僕の両親は実の親じゃあない。だけれど、僕の今の父さんだって、実の息子のように僕を可愛がってくれている。

その親子の絆に偽りはない。

 

忍「………そう。やっぱりあんたはオロチよ。……親子ってヤツァ血の繋がりなんて関係ナッシングよ!……そんな親子の絆を踏みにじられるのを見捨てて、明日の食う飯がうめぇかよ!」

 

ここまで忍さんが怒るなんて……初めて見た。

 

バイス「へってんじゃないよ!こいつを食らいな!オカマ野郎!ネガティブ・ゲイン!痛いよぉぉ?」

 

バイスが忍さんの顔を両足で挟む。

あの型は………フランケンシュタイナー!

いや………違う!妖精の舞(ニンフズダンス)

飛びフランケンシュタイナーだ!

フランケンシュタイナーは太ももで相手の顔を挟み込み、反り返るようにして相手を頭から地面に叩き落とすプロレス技だ!

ニンフズダンスはそれに加えて更に跳び跳ねて行う非常に危険な技だ!

バイスはそれを忍さんに対して1回転……そしてそのまま離さずに2回転……3回転、4回転、そして更に一際高く跳び跳ねて………

 

バイス「アハハハハハハ!」

 

サディスティックな声をあげて……最後の一撃を叩き込む。そして黒く、ドクロの顔を描いた火柱が上がる。

ニンフズダンスを五回も……それも一度も離さずに。

ツェペリさんだって出来ないぞ……そんな技!

 

忍「………痛い………わねぇ!ファイナルブリンガーよ!ゴー・トゥー・ヘル!」

 

かなりのダメージを受けていたはずの忍さんが涙目で立ち上がり、バイスの腹を掴む。

すると、バイスの体から何やら光の玉のようなエネルギーが出て、忍さんに流れ込む。

ハイデルンさんの超必殺技、ファイナルブリンガー。

ストームブリンガーという相手の気の流を吸収し、自分の気へと変換させるハイデルンさん独自の必殺技を更に強化した技だ。

なるほど。最初から結構なダメージを受けていた忍さん。もし、忍さんの体のままでネガティブ・ゲインを受けていたら、下手をしたら命に関わるダメージを負っていたかもしれない。

 

忍「そして……サムちゃんの二番煎じになるけれど、あんたに食らわせるのに相応しい技をやるわ!」

 

忍さんは手刀でバイスを斬り上げ、そして………

ザシュ!

 

レオナさんのリボルスパークのようにバイスの腹に手刀を突き立てる。

 

忍「ハイデルンエンド!アン・ドゥ・オラァ(いち・にの・さん)!」

 

爆発。

いや、これが元祖リボルスパークなのだろう。

ハイデルン司令の場合は「ジ・エンド…」と言うのに、敢えて自分流の「アン・ドゥ・オラァ!」と叫ぶのはこだわりだからだろうか?

 

バイス「バカなぁぁぁぁぁ!」

 

KO!

Winner is 忍!

 

バイス「満月の夜に………また会おうか……」

 

そう良いながら、光に包まれて消えていくバイス。

 

忍「ハァ……ハァ……次はあんたよ………」

 

マチュアを指差しながら言う忍さん。

ヤレヤレだぜ……。

 

承一郎「僕にも出番くださいよ。忍さん」

 

忍「………そうね。まだあなたがいたわね……承一郎ちゃん。少し……休ませて貰うわ」

 

色んなスタンドを使いこなし、人生経験が豊富で臨機応変に対応できる忍さんは確かに頼りになる。なるが、純粋に僕だけが何もしないのは気が引けると言うのもある。

それに、あんな危険な技を食らってダメージがないわけがないじゃあ無いですか。平気な振りをしていてもバレバレですよ?忍さん。

 

マチュア「さぁ、いらっしゃい。虜にして差し上げますわ」

 

承一郎「その無駄に色気を振りまく態度。気に入らないな……」

 

承一郎VSマチュア

ラウンド3!レディー・ゴー!

BGM…嵐のサキソフォン2

 

マチュア「とあ!」

 

マチュアは遠間から腕を振るってくる。

この技は……

 

承一郎「当たるかッ!」

 

体を反らし、腕の延線上から逃れる。(攻撃避け)

明らかに間合いから離れているのに、僕の体があった位置に腕が通り過ぎる。

やっぱりバイスがやっていた技、ディーサイドか。

ズームパンチを避けるつもりで攻撃を避けておいて正解だった。

波紋の戦士をやっていて正解だったな。

 

マチュア「とお!エボニーティアーズ!」

 

両腕を大きく振りかぶり、今度は衝撃波を放ってくる。

 

承一郎「クリスタル・ボーン!」

 

僕はスタンドを発現させる。

この世界に来てからというもの、スタンドの能力がいまいち発言し辛いが、この程度なら………

 

承一郎「爪弾!」

 

クリスタル・ボーンの骨の能力を応用した攻撃だ。

爪の部分を切り離し、そして回転させて飛ばす。

一巡した世界の7代目ジョジョ、僕のもう1つの人格と同じ名前である、ジョニィ・ジョースターのスタンドであるタスクact1の技を参考に編み出した技だ。

波紋の能力を加味してあるからか、爪弾には若干のオーラが混じっていた。

爪弾はマチュアが放ったエボニーティアーズと相殺され、打ち消す。

巨大な衝撃波だが、威力はそれほどでも無いようだ。

しかし………

マチュアも対処されるとわかっていたのか、衝撃波をブラインド代わりにしてダッシュしてきていた。

 

マチュア「殺してあげる!」

 

僕の目の前まで迫ってきていたマチュアが横凪ぎに腕を振るう。

すると、マチュアの爪先からレオナさんの斬撃のような衝撃波が発生し、クリスタル・ボーンの胸を傷付ける。

 

承一郎「くっ!」

 

クリスタル・ボーンがダメージを受けたことにより、本体である僕にもダメージが入る。

 

承一郎「お前の能力は『爪』か!マチュア!」

 

マチュア「そら!そら!そらぁ!」

 

シャカシャカシャカ!

アッパー気味に三本、反対側の手で横凪ぎに三本、更に大きく横に薙いで三本の斬撃が僕に襲いかかる。

鋭い上に素早く、着実にクリスタル・ボーンのガードの上から削ってくる斬撃により、僕の腕に次々と引っ掻き傷が生まれる。

 

マチュア「どう?効くでしょ?メタルマサカーからのデスロウ。どうやらそのゴーストに傷を付けたら、あなたにもダメージが行くみたいね?」

 

何でスタンド使いじゃあ無いのにスタンドが見えて、おまけにスタンドに触れる事が出来る?

この世界の特性なのか?スタンド使いの強みが半減しているじゃあないか!

鋭い爪の攻撃にさらされたせいで僕の腕からドクドクと血が出てくる。

 

マチュア「痛いの?でも安心して。痛いのは一瞬だけ。後からどんどん気持ち良くなるから」

 

承一郎「とんだサディストだ………試合が始まるまえからとんでもない相手が現れたものだな……」

 

マチュア「あなたは幸運よ。人生で最悪な日なんて、中々経験できるものじゃないから」

 

承一郎「それならもう間に合ってるから遠慮するよ!」

 

僕は力を敢えて抜いて抜き手を放つ。

そしてインパクトに合わせて徐々に拳を作っていき、力を込める。

八幡達アーシスが得意とする日本拳法の波動拳。

素早く、そして鋭く攻撃を放つマッハ突きだ。弱パンチの素早さと強パンチの威力を併せ持つ攻撃と言うべきか。八幡に体を乗っ取られた時の経験が生きるとはね……。

しかし、僕の波動拳はマチュアにガードされる。

 

マチュア「鋭い攻撃だけど、後が隙だらけよ?坊や」

 

僕の技後の硬直を見てマチュアがデスロウと呼ばれる三連撃を繰り出そうと腕を振るうモーションに入る。

 

承一郎「間抜けだな!わざとそうしたんだよ!」

 

波動拳はそんな技の硬直などない。

鋭いマッハ突きを何発か連続で繰り出せる技だ。言っただろう?弱パンチの素早さと強パンチの威力を併せ持つ技だと!

 

承一郎「隙だらけはそっちだったな!」

 

C・B「オラオラオラオラオラオラ!」

 

ドカドカドカドカドカ!

言うなれば強パンチずらしキャンセルオラオララッシュとでも言おうか。

マッハ突きの硬直はマチュアのガードを崩す為の囮。

本命は反撃をしてこようとガードを解いた瞬間を狙ったオラオララッシュだ。

 

マチュア「キャア!……やってくれたわね……」

 

浅かったのか、ダウンまでには至らず、今度こそ僕は隙だらけになる。

 

マチュア「オーホッホッホッホッホッホッ!」

 

マチュアが持ち前のスピードを生かして突進してくる。

そして、僕の腹を掴むと、勢いをそのままに駆ける!

なんて力だ!

 

マチュア「すべてを私に………委ねなさい!ヘブンズゲート!」

 

何メートル運ばれたのか、マチュアは一切の勢いを殺さずに僕を壁に叩きつける!

 

承一郎「ガハッ…………」

 

オロチのシンボルなのか、黒いドクロを描いた気の柱が浮かび上がり、その気柱が更に僕の体力を奪い取る。※7

 

マチュア「そのまま好きな歌を口ずさみながら、死に身を委ねなさい。さぁ、残りを始末してあげるわ」

 

効いた………本当にこの世界の人間の身体は丈夫だな。

これでも結構強くなったって言うのに………。

でも………。

 

承一郎「………相手が勝ち誇った時………そいつは既に敗北している………確実にとどめを刺してから勝ち誇れ……だったかな?」

 

ジョセフさんが考えた冗談のような家訓。

そうさ………マチュア。ツメが甘いんだよ……。僕達ジョースターの家系は………タフでしつこいんだ!

 

承一郎「ブラッディ・シャドウ!」

 

ジョニィ(忘れられたのかと思ったじゃあないか。相棒)

 

悪かったな。相棒……僕のもう1つの人格……ジョニィ。君のスタンドを使わせてもらう!

クリスタル・ボーンで精製した骨の剣を手に取り、ブラッディ・シャドウの空間を繋げる力で瞬間移動をする。

 

マチュア「!!!」

 

瞬間移動をした先はマチュアの目の前。

さぁ、ジョニィ………好きなだけやってくれ。

この世界の人間に………手加減は不要だ!

 

ジョニィ「ブラッディ・アクセルダンス!無駄ぁ!」

 

僕と意識が入れ替わったジョニィは、突進してマチュアの鳩尾にブラッディ・シャドウの拳を入れる。

 

ジョニィ「今度こそダウンさせてやる!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

乱舞とでも言うのだろうか?

ジョニィのスタンド、ブラッディ・シャドウはパンチをあらゆる角度から踊るように繰り出し、マチュアを殴る。

 

ジョニィ「技を借りるぜ!承一郎!壱の太刀、小咲!」

 

横凪ぎに剣を斬る。僕の必殺技連続剣を繰り出す始まりの剣だ。

 

ジョニィ「弐の太刀、千棘!」

 

アッパー気味に剣を振り上げ、マチュアの顎に峰打ちをヒットさせる。

 

ジョニィ「とどめの………参の太刀、万里花!」

 

最後に渾身の袈裟斬り。

千棘からの技には派生があり、少し跳ねて兜割りを仕掛ける「参の太刀、鶇」、足元を狙って斬る「参の太刀、春」がある。

 

マチュア「キャアアアアアアア!」

 

ジョニィ「これが、一条流奥義………秀英乱舞!」

 

いや……そんな技はないんだけど……。

好きなように暴れて最後に得意技を放っただけじゃあないか!

あれ?これ………極限状態になったら鶇と春も併せてもっと手数を増やせそうだな……(マックス版・秀英乱舞)

 

KO!

Winner is 承一郎!

 

マチュア「ふふふふ……負けたわ……あなた、けだものの匂いがするわ………」

 

マチュアは最後の最後まで、妖艶な笑みを浮かべながら消えていった。

 

承一郎「ハァ……ハァ……コオオオオ………」

 

失った体力を早く回復するために波紋の呼吸を練る。

 

クラーク「お疲れさん。こっちも終ったぜ」

 

僕の肩を叩くクラーク中尉。

レッドアリーマー達も手強かったのか、あちこち傷だらけだ。

 

承一郎「………僕達の相手は、今の二人よりもオロチとしての力は上なんですよね………?」

 

オロチ四天王とか言ってたもんなぁ………。

最初から強敵だな……。

 

ラルフ「クリスとシェルミーか……オロチの力を使われたらそうだろうな。取り敢えず、今日はゆっくり休んで体力を回復しておけよ。明日からはキツイ大会が始まるんだからよ」

 

もう一本、バーボンの栓を開けて煽るラルフ大佐。

さ、酒臭い………。

 

承一郎「まずは治療が先ですね……忍さん。クレイジー・ダイヤモンドを………忍さん?」

 

いつの間にか世紀末覇者の姿に変身していた忍さん。

 

忍「むにゃ………あちしはもう、眠っている………ぐぅ」

 

し、忍さぁぁぁぁぁん!

性悪コンビの影響を受けすぎやしませんかぁぁぁ!?

 

マチュア(自己流格闘術)…死亡

バイス(自己流格闘術)…死亡

ヤミノナカ オロチノチニ メザメタ レオナ(本物)(本能)…正気に戻る。再起可能。

 

side戦国卍丸

 

なんか、おいらの名言を誰かが使ったような……

 

 

side静・ジョースター

 

なんか、だいぶ昔のネタを使われたような……

 

←To be continued……




※1
たった1人で敵の要塞を潰したワンマンアーミー、ラルフ・ジョーンズ
TANK、及び『IKARI』シリーズでのラルフの活躍を指す。
正確には『IKARI』の場合ではクラークも含むのだが。
『IKARI』シリーズは動画サイトでも語り草になるほど全クリはおろか、2面に進むのすら難しいと言われるクソゲーとして名高い。
格ゲーではないが、ラルフとクラークの二人は『アテナ』の初代アテナに並ぶSNK最古参主人公である。
さて……この嘘のようなラルフの武勇伝。
これだけの事をやってのけてチート装備も能力も何もない一般人のラルフ&クラーク。
若冠20代にして大佐の地位を得たラルフ。
このSNK公式設定に対し、GIOGIOさんに代わって叫びます。
「お前のような一般人がいてたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!20代にして大佐ってお前はどこの赤い彗星なんだぁぁぁぁぁ!」
ほんとマジで。
ですが、ホントにラルフとクラーク、ついでにハイデルンら初代怒チームの面々には特殊な○○の力的な能力も無ければ、使っている作戦の装備も普通の軍隊が使用している装備なんですよね(^_^;)
いっそ、何らかのチートがあった方が納得のいく戦績だと思います。

※2
極秘事項
レオナのオロチの血、ウィップの出生に関するネスツの技術の事。
二人は……特にウィップに関しては各国、各機関から狙われている極秘事項である。
もし承一郎がウィップの素性……記憶や能力をも完全にコピーする事に成功したクローン人間であると知ったならば、どう行動していただろうか……。

※3
忍のバレェ仲間
ときメモ2のヒロインの1人、八重花桜梨の事である。
内輪のゴタゴタにより、心を閉ざした八重とレオナを重ねての忍の発言。
もっとも、スケールは段違いであり、レオナの場合はオロチの血の暴走の果てに引き起こした両親惨殺が原因なのであるが。

※4
ベルガーの死亡
ストリートファイターより前にゲームセンターやスーパーファミコンで大ブレイクしたカプコン発売のアクションゲーム、ファイナル・ファイトのエピソード。
使用キャラであるハガー、コーディーはテリー・ボガードと、ガイは草薙京や八神庵とチームを組んでいる。

※5
レオナの必殺技
ムーンスラッシャー
手刀を振りかぶるように1回転させて斬撃を繰り出す。
養父ハイデルンの必殺技をそのまま受け継いだ技。ジャンプしないサマーソルトの性能と考えて良い。
避け方法が充実しているKOFでは避けられると隙を晒す事になるが、スト2シリーズならば非常に強力な技となっていただろう。
アイスラッシャー
モロに元ネタはウルトラセブンのアイスラッガー。
所見ではサムのように戻ってきた気のブーメランを食らう羽目になる。
近距離強キック→リボルスパーク
超必殺技(手刀刺しからの爆弾)のリボルスパークを左足で膝蹴りを放った後に反対側の足でもう1発膝蹴りをかます近距離立ち強キックにキャンセルをかけて放ったもの。
KOF97以降、お手軽に繋げられるコンボとしてお馴染みの連続技。
テリーの近距離強パンチ(原理はわからないが、2発ヒットするボディブロー)からのパワーゲイザーのようなもの。
ボルティックランチャー
少ししか飛ばないレオナの飛び道具。
飛ばない代わりに刃を纏った弾が命中すると、相手は多段ヒットし、浮かし状態になる。

※6
運命なんてくそ食らえ
天外魔境の卍丸の名言なのだが、その言葉はKOF97にて自殺をしようとするレオナに対し、ラルフが言った言葉でもある。そして、暴走したレオナに殺害される前にレオナの父、ガイデルが幼い彼女に対して言った言葉。
間違いなく卍丸のオマージュであろう。
なお、レオナはそれでラルフやクラークに対して信頼感情は持ったようだが、恋愛感情には発展しておらず、その時にラルフからリボン代わりにもらったバンダナは私室に無造作に放り投げられている模様。
まぁ、2倍以上に歳も離れてれば……ねぇ?
ジョセフと朋子?知らない子ですね。

※7
ヘブンズゲート
ルガールが使うギガンティックプレッシャーと同質の超必殺技。

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