やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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第1回戦 承一郎&忍チーム対魔界チーム2~鎮魂歌~

魔界チームのストーリー……

 

魔界

ドーマ家領

 

そこでは人間界の騒動により復活しつつある地獄門の影響が大きく出ていた。

 

ジェダ「彼等の魂はどうかね?」

 

「間もなくです。順調に魂が回復してきているもよう。肉体の方も間もなく修復が完了致します」

 

ジェダ「結構。人間達の魂を救済する……彼らは私に共鳴するはずだ……」

 

ジェダはおかしくなった冥界から逃げて来たその存在達が再生されるのを今か今かと待ちわびていた。

その存在の名前はオロチ八傑集の中でもとりわけ力を持ち、主の忠実なる僕達……オロチ四天王。彼等の復活がもう間もなく完了しようとしていた。

 

 

社(ここはどこだ………)

 

クリス(僕達は三種の神器に敗れてそれから……)

 

ゲーニッツ(確か私は自ら命を………)

 

シェルミー(私達は地獄門に呑まれて………)

 

冥界に呑まれ、亡者としてさ迷っていたオロチ四天王の四人。朧気に覚えているのは地獄門から抜け出て魔界と呼ばれる地に逃げ込んだところまでだ。その後にどうなったかは分からない。

 

ジェダ「気分はどうかね?オロチ四天王の諸君」

 

社「お前は誰だ?ここはどこだ……」

 

ジェダ「ここは魔界の一角、ドーマ家の領土だ」

 

シェルミー「私達を復活させたのは貴方?私達を復活させてどうするつもり?」

 

ジェダ「私の目的は人間、魔界すべてに集う者達の魂の救済。人間を嫌うあなた方オロチを代表する地球意思とは利害が一致すると思うが?」

 

ゲーニッツ「魂の救済…ですか。まるで聖職者のような物言いですね」

 

クリス「確かに僕達は人間が嫌いだね。でも、君達ダークストーカーだって人間と大して変わらないんじゃないの?」

 

クリスが言うとおり、活動する世界が違うというだけで人間とダークストーカーは大して違わない。

 

ジェダ「確かにそうだ。我々ダークストーカーとて人間と変わらない。しかし、私の魂の救済が成されれば物質界から人間は駆逐され、君達オロチの目的は果たされる。魂の救済によって魔界の住人も地獄門の者達も物質界に行くことは無くなり、自然界の楽園は完成される。我々の利害は一致すると思うがね?」

 

確かにジェダが言うとおり、事が成されればオロチ一族の悲願は達成され、地球意思であるオロチの望む自然界の楽園は取り戻せるはずであろう。

オロチ一族に損はない……。

更に言うなら、とある一族のせいでただでさえ千年単位の眠りについたオロチが無理矢理起こされ吸収されるという事件により、次にオロチ復活が復活するのはいつになるかわからなくなってしまった。

その間に地球はより破壊され、人間を滅ぼしても地球が再生不可能になってしまう恐れがある。

 

ゲーニッツ(魔族が何を考えているのかはわかりませんが、オロチの為にはここで乗っておくのが吉でしょう)

 

社「良いぜ。テメェらの目的が何であれ、まずは人間、そして魔族が駆逐されればこっちとしては何の問題もない」

 

オロチ一族の代表であるゲーニッツと社がジェダに協力することを誓う。オロチ一族が了承すると、ジェダは満足そうに頷く。そして、自身の部下を呼ぶ。

 

ジェダ「紹介しよう。私の部下のキュービーだ」

 

ジェダは女王蜂と言うべき存在を呼ぶ。実際女王蜂のようで、彼女には知性という物をほとんど感じない。

 

ジェダ「他にも私の協力者、ザベル・ザロックとケルガー君だ」

 

更に人間の幽霊と……

 

ゲーニッツ「グール……ですか」

 

社「待てよ。ザベル・ザロックっつったら…」

 

シェルミー「人気ギタリストの…」

 

クリス「堕ちれば堕ちるものだね。典型的なグールじゃん?」

 

ザベル・ザロックと言ったら社達のようにバンドをやっていた者にとっては知らぬものはいない程の有名な人物である。それが死してゾンビとなっていたなんて誰が信じるであろうか……。

 

ジェダ「ザベルについては良くご存知のようだ。もう一人のケルガー君はメトロシティという都市で犯罪組織マッドギアを率いていたが、武神流とその協力者に潰された無念でゾンビ化したものだ」

 

そちらも社達は聞いたことがある。マッドギアのこともさることながら、武神流は三種の神器と等しい存在であり、オロチ一族にとっては邪魔な存在であるとも言える。

 

ゲーニッツ「お話はわかりました。そして、我々は何をすればよろしいのですか?」

 

ジェダ「この大会に出場し、愚かな人間達の力を奪い、開こうとしている地獄門を完全にこちらの物にしてもらいたい。三種の神器や武神流、アーンスランド、マキシモフ、天界、その他の勢力や時代を超えて邪魔をしようとしているものが多いようでね」

 

社「良いだろう。こちらとしても好都合だ。オロチ復活には集中力を集める必要があるからな。並々ならぬ集中力が持った格闘家が集うKOFの流れを汲む大会が開催されるならばこっちとしてもやりやすい」

 

ジェダ「交渉成立だな。招待状は君達宛に届けられたものをこちらで回収してある。互いの為に良い協力関係を……」

 

ゲーニッツ「ところであなた方、その格好で物質界に行かれるのですか?」

 

ザベル「人間に化ける術くらいは使えるってんだよ」

 

クリス「そう。期待してるよ?ドーマさん」

 

ゲーニッツ(何を企んでいるかは分かりませんが、オロチを甘くみないことですね……)

 

 

 

sideなし

 

DIO「あのぉ………承一郎くん?」

 

承一郎「なんだ?八幡」

 

DIO「何で俺、サムを縛り付ける役をやってるのん?」

 

DIOは現在、サムをハーミット・アメジストで縛り付けて承一郎の後ろを歩いていた。

 

承一郎「後ろの規格外から襲われても良いなら解放しても構わないが?」

 

陽乃「まだかなまだかなぁ♪」

 

DIO「メルブラのアルク○イドと一緒にいる気分だ……じゃあノスフェラトゥの俺は遠野○貴?」※1

 

鼻歌気味にテクテクと付いてくる雪ノ下陽乃。

ノスフェラトゥの陽乃だ。

天界チームとの試合の直後、真っ先に取っ捕まったDIOを救ったのは承一郎だった。

ちょっと力を貸して欲しい……と。

 

忍「命が惜しいなら、頑張って説得することね(あちし自身の為にも……)」

 

DIO「命が惜しいからな……善処する。もしダメだったら忍さんを差し出す」

 

ゴン!

徐倫に変身した忍がDIOに拳骨を落とす。

 

DIO「うん。アンディさんも悪くは無いけど、やっぱりツッコミは徐倫が一番だな。やはり本物の徐倫からツッコミは貰いたい……」

 

陽乃「徐倫ちゃん、懐かしいわねー。そう言えばDIO?あなたに聞きたかったんだけれど、あなたの第二次ストーンオーシャンと、私の世界に来たDIOの第二次ストーンオーシャンは結末は一緒だったのよね?それならば………あなた、弱くなってない?」

 

DIO「そうですね。正確には元に戻ったと言った方が正しいですね。魂が砕けた後よりは、俺は確かに弱くなっています」

 

そう。今のDIOは諸事情により、一年半前よりも弱くなっている。そして、スタンド能力の成長は……これ以上望めない。

成長E……ザ・ジェムストーンはDIOが18にして完成してしまっている。

いや、ザ・ジュエルは短時間だけならば使えるのだが、それに伴う反動は修学旅行の時の比ではない。

今、DIOの目の前に申の孫悟空や酉のフェニックスが現れればひとたまりも無いだろう。

 

陽乃「へぇ?じゃあ、もう1つの魂は……」

 

承一郎「それは僕も気になるな……何故、お前は弱くなった?」

 

DIO「そうか。お前は俺にとっての過去の承一郎なんだな」

 

承一郎「はぁ?」

 

DIO「いずれ語られるよ。お前にとっては未来、俺にとっては過去で……俺自身の口からな。あの時……はちまんくんや比企谷隊長、幻想郷の承太郎に兵藤丈城、そしてお前もレクイエムに導かれるように現れたんだからな」

 

陽乃「……少し知らない名前が出てきたわね……もしかしたら、あなたと私が関わったDIOには……また別の違いが存在するのかしら………」

 

DIO「かも知れないですね?」

 

その可能性は多いにあるだろうとDIOは考える。

 

DIO「世界の壁はフラスコの壁……俺達はそのフラスコの中で踊らされている微生物に過ぎない……真実に気付いてしまえば何の事もない……。今、この時だって真なる神からしてみればただの座興だろうよ………」

 

陽乃「はぁ?」

 

DIOにとってのクリスマスに何があったのか。

何故、DIOは弱体化しているのか。

凍結したウルフスとの戦いの結末は……。

それはまだ、今語るべきではない。

 

DIO「何でも無いですよ。陽乃さんがそちらの俺から何も聞いていないのであれば、俺が辿った結末と、そっちの俺が辿る結末は別かも知れませんので。話せませんね。まぁ、多分大きくは変わらないでしょうが」

 

DIOは呂布と陳宮を見る。

 

DIO「見たことがあると思ったが、忍さん……この女達は………まさか」

 

つい最近、分岐した2つの世界の結末を見てきたDIO。

 

忍「ええ。予想通りよ。三國志の世界に残ったあちしの世界から来たみたいね」

 

DIO「うわぁ………ってことは、山伏仗助や宮内も関わってるのかよ……めんどくせ」

 

呂布「司馬昭?」

 

DIO「それは無双違いだ。つうか、何で司馬昭を知っている?」メメタァ!

 

呂布「さぁ?」

 

恋姫無双には後に司馬懿が「魏」から独立して作る国、「晋」は登場しないので、司馬懿の息子である司馬昭の事は知らない筈なのだが……。

 

DIO「なんつーか………戦国時代をモチーフにした恋姫無双が無ければ良いな?世界が融合したりするかも知れないから」

 

承一郎「それは無双OROCHIだろう……」メメタァ!

 

オチが付いたところでDIOは承一郎に顔を向ける。

 

DIO「で、何でサムを縛り上げてるのん?そういう趣味があったのん?」

 

承一郎「一応は理由があるんだ。サムは地獄門の力で甦った存在。その上、今回僕達が戦う相手もオロチ関連の敵だからね。本人の希望もあって、今回はストライカーに回るつもりらしいが、暴走を危惧しているんだ」

 

サム「済まんなDIO……いや、今は八幡だったか?お前ならば、俺の暴走を止められると思ったのだが……」

 

DIO「悪かったな。弱体化していて」

 

ぶっちゃけて言えば、サムが暴走してしまえばハーミット・アメジストで押さえるのは無理だろう。

むしろDIOはナコルルの協力者(正確に言えばまだ違う)の中では弱い方に部類される。

分かりやすく言えばスカ○ターで図れば「戦闘力たったの5か……ゴミめ……」と龍玉の主人公の二十日大根に評価される農夫のようなものだろうか?

 

DIO「そこまで弱くねぇよ!農夫レベルまでの弱体化はしてないからね?第5章より少し弱くなってるレベルだからね!?つうか、身体能力は第3章からずっと変わってないから!」メメタァ!

 

忍「あれね。八幡ちゃんが強いんじゃなく、そのスタンドの能力のおかげと言うことね?」

 

DIO「俺はモビ○スーツですか?ガン○ムなんですか?」

 

承一郎「そこまで上等じゃあ無いだろう。言うなればシャ○ザクってところだね」

 

DIO「だから俺はザ○か」

 

語り部である私本人としては○クは好きである。

 

忍「オーダーは恋ちゃんが先鋒、承一郎ちゃんが中堅、あちしが大将で、ねねちゃん(陳宮)がストライカーね」

 

本来、陳宮は呂布が控えに回った時に交代するストライカーなのだが、今回はサムが縛られているので、特別処置にしたのだとか。

 

DIO「伝説の呂布奉先がいるんだから、下手したら三人抜きするんじゃね?」

 

陽乃「そうとも限らないわよ?この世界には別の呂布奉先がいるみたいだけど、この世界の格闘家と同格らしいと言うことだから」

 

その別の呂布とは『ワールドヒーローズ』の呂布である。

この世界に来たばかりの呂布(恋)は、いきなりその呂布とぶつかり合い、互角のままで終わったのだとか。

 

DIO「三國最強の呂布がこの世界では基準なのか…まぁ、頑張れよ?呂布。サムがどうにかなったとき、どうにか抑えるから。ま、これも一年前に世話になった借りを返すってことで」

 

呂布「???」

 

一年前、ゲッターの世界に行った時、DIO達アーシスと忍は三國志の英雄の魂に助けられた。

その中には、呂布の姿もあったはずだ。

この場にいる呂布としては遥か未来の話になるので、何の事かわからないだろうが。

 

呂布「……負けない。見ていて、忍……」

 

忍「ええ。見ていてあげるわ。あなたの藤崎忍に代わってね」

 

呂布「ん………」

 

6人はリング袖に集まる。

いよいよ試合開始だ。

 

実況「レディース&ジェントルマン!第一回戦も中盤に差し掛かりました!次なるチームはニューフェイスチーム!あのKOF97で活躍したシェルミー選手、クリス選手を筆頭としたチーム!対するは本当にニューフェイスの一条&藤崎チーム!全くの無名ばかりで集まったチームですが、果たして彼等は善戦する事が出来るかぁ!?」

 

承一郎「おいおい。何だか完全にアウェイじゃあないか」

 

あんまりなアナウンスに承一郎達は嘆息する。

アーシス絡みの6チーム中、下馬評での承一郎達の扱いは低い。

6チームの評価は……

ウィップとムイムイがいる陽乃&弥七チーム

アンディがいるDIOチーム

拳祟がいるノスフェラトゥチーム

後は横ばいでの評価だ。

上記のチームとて、精々中間より下という評価。

陽乃&弥七チームは神楽ちづるやダルシムがいる天界チームを陽乃が余裕の三人抜きしたことで一気に評価が高まったが。

 

忍「見せてあげると良いわよ。あの人界最強の呂布の力を」

 

呂布「ん………」

 

呂布がリングに上がる。

 

呂布VSザベル!

 

敵のチームのオーダーはこうだ。

先鋒…ザベル・ザ・ロック

中堅…シェルミー

大将…クリス

ストライカー…ゾンビベルガー

オロチ四天王の二人が出てきた。

 

呂布「ご飯の為に……頑張る」

 

一方でザベル・ザ・ロックはギュインギュインとギターをうるさく鳴らす。

 

呂布「………うるさい音色。貂蝉の楽曲の方がまだ落ち着く」

 

DIO「え……貂蝉って……あの真空管ハゲ?」

 

DIOの顔色がみるみると青くなっていく。

 

陳宮「真空管が何かはわからないけど……筋肉モリモリで……」

 

DIO「具体的な表現は良いから!思い出したく無いから!」

 

忍「ああ………あの後の様子を見に行ったのって最近だったものね?」

 

詳しくはゲッター編のエピローグで。

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!噂は本当だったんだ!」

 

「あのザベル・ザ・ロックは死んでいなかった!」

 

「俺達にまたあの神のごとき楽曲を届けてくれぇ!」

 

DIO「ザベル・ザ・ロック?はて………」

 

DIOが思案に暮れていると、とうとう試合が開始されてしまう。

 

呂布 VS ザベル!

ラウンド1!

レディー………ゴー!

 

呂布「先手必勝………一騎当千!」

 

呂布はその体のどこにそんなパワーがあるのか問いただしたいレベルの一足飛びで斬りかかる。

が………

 

ザベル「デスハリケーン!」

 

独楽のように体を回転させた対空技で跳ね返す。

 

呂布「ぐうぅぅぅぅ!」

 

威力そのものは一騎当千の方があるのだろうが、技の性能で負け、呂布は対空技に巻き込まれてダメージを受ける。

 

呂布「………やっぱり………この世界の人間は異常。恋がこうまで傷を負うなんて……あり得ない……」

 

ザベル「あひゃひゃひゃひゃひゃ!」

 

狂気を滲ませ、ザベルが呂布に猛追する。

 

DIO「ザベル………ザベル………はっ!ヴァンパイアのザベル・ザ・ロック!あのゾンビ野郎か!」

 

DIOが何かを思い出したかのように叫びをあげる。

 

承一郎「知っているのか?八幡」

 

DIO「ああ……ゲームキャラクターとしてな……ヴァンパイアのキャラとしてのあいつが相手なら……」

 

呂布「どこまで力を出せば良い?殺しちゃダメ……でも、そのくらいの力を出さないと恋がやられる……」

 

呂布もDIOや静、そして陽乃と同じように悩んでいた。

人中の呂布。

三國志の歴史で語られる最強の呂布を称える称号である。

このチームの不運さは、DIOや陽乃のように基準となるチームメイトがいないことだろう。

参考になるレベルがギース・ハワードや暴走したレオナでは基準としては高すぎる。

一番の参考になるのがマチュアとバイスだったが、それもどちらかと言えば殺しあいのドンパチ。参考になるわけがない。

実のところ、一番の基準が今、試合している呂布そのものだったりする。

この世界に降り立った時、恋の呂布はワールドヒーローズの敵であるダクトの呂布と互角に渡り合った。その呂布と互角に渡り合うハンゾウやフウマらワールドヒーローズ達。

それらとイコールなのが草薙京達この世界の格闘家だ。

つまり、呂布は本来の力を出せば良いだけだったのだが、根が優しい呂布にはただの演舞で本気を出すことができない。

強すぎるのが孤独の原因となっていたのがあるのだろう。

これがダクトの呂布を始めとした数ある呂布のように、強さこそが全て的な龍玉の世界のブロッコリーのようなものならば、そんなことを気にするタマではないのだが、この呂布は……恋は根が優しすぎた。

本気で戦えない呂布は、じわりじわりと追い込まれていく。

 

忍「八幡ちゃん。つまり、恋ちゃんは普通に戦えば良いってこと?」

 

DIO「この世界に降り立ったばかりの『ワールドヒーローズ』のキャラである呂布との戦いを聞いた限りだと、そんな感じだと思いますけどね。それに、ザベル・ザ・ロックと言いましたよね?あれって、もしかしてヴァンパイアのザベルですか?」

 

承一郎「ヴァンパイアというのがどういうのかはわからんが、確かラルフ大佐はあいつを死人だと言っていたな……」

 

DIO「と言うことはおかしいな……ヴァンパイアのザベルと言ったならば、むしろ分かりやすい屍生人のような見た目だったはずだが……少なくともゲームでは。幻影か何かか?」

 

DIO八幡が言うように、ヴァンパイアというゲームで登場していたザベルは本当にゾンビそのものという出で立ちで登場していた。

 

レイレイ「正解あるよ。少年」

 

フェリシア「まんま妖怪の姿じゃ、色々問題だからね」

 

承一郎達に話しかけて来たのは同じヴァンパイアの登場キャラであるキョンシーのレイレイと猫又のフェリシアだった。

 

レイレイ「さっきの試合、見ていたあるよ?DIO君だったかな?兄弟の八幡君が戦ったキム兄弟のお父さんとチームを組んでいるレイレイある。キムさんが燃えていたよー?君と静さんは指導しがいがありそうだって」

 

もちろん、テコンドーの方面ではなく、更正という意味での指導である。性悪コンビは目をつけられてはいけない地獄の使者……もとい、正義の体現者に早速目を付けられてしまったようだ。

 

DIO「勘弁してくれません?声が雪ノ下のキョンシーさん」

 

忍「そう言えばレイレイちゃんと雪乃ちゃんは声がそっくりね」

 

共にCVが早見沙織である。

閑話休題

 

承一郎「で、なんでレイレイさんとフェリシアさんは僕らに情報を?」

 

フェリシア「そりゃあ、森羅との共同作戦ではザベルに何度も邪魔されたからねー」

 

レイレイ「フェリシアはまだマシある。私なんて死人同士で気に入られたのか、ほとんどストーカー被害を受けているある。いい加減、アイツを何とかしたいあるよ」

 

本気で嫌がっているのか、レイレイからは嫌悪感が滲み出ている。

ストーカーはダメ!絶対!

 

レイレイ「それに、ノスフェラトゥには許せないタイプの妖怪あるよ?あいつ」

 

陽乃「どういうこと?」

 

フェリシア「どうせ魔界三大貴族のドーマ家と組んでろくでも無いことを企んでそう……魔界三大貴族はどれも関わり合いたくない種族だけど、特にドーマ家は魔界の秩序そのものを弄くろうとしているヤバい貴族だよね。アーンスランド家やマキシモフ家の方がよっぽどマシだよ」

 

レイレイ「元魔王の力を欲していたこともあったよね?アイツは」

 

陽乃「つまり、始末した方が良いって事かな?あなた達と違って」

 

リアル魔界の人外に対して目を光らせていた陽乃であったが、その矛先がザベルに向く。

 

レイレイ「ちょっとちょっと!キムさんみたいな目で私を見ないで欲しいある!私は正義のダークストーカーある!」

 

フェリシア「ついでに言えばマキシモフ家のデミトリやアーンスランド家のモリガンも森羅と協力していたから、ドーマ家程危ない奴らじゃないかも?まぁ、正義の為と言うよりかは、吸血鬼のデミトリやサキュバスのモリガン的には人間を滅ぼされたら食料が無くなるからが理由だろうけど」

 

フェリシアの見解は間違いでは無いだろう。モリガンはどちらかと言えば快楽主義であり、デミトリに関してはモリガンよりは魔界の事を考えているが、世間一般の正義とは別の方面で森羅に協力していたに過ぎない。

 

忍「そんな事はどうでも良いわ。要はあのゾンビ、騙して恋ちゃんを苦しめているのね?正体を晒せば、恋ちゃんは本気を出せるのよね?八幡ちゃんの口振りだと、どうにかする手段があるのよね?」

 

DIO「あるにはありますが………承一郎の協力が必要ですね。あと、いろはの………」

 

承一郎「僕の?」

 

DIO「ブラッディ・シャドウ……だな。後は……弱体化した俺じゃあ、極力やりたくないが……」

 

承一郎「ブラッディ・シャドウを?構わないが……」

 

DIOは目を瞑る。

すると、ブラッディ・シャドウの空間を操る穴から、あるものが出てくる。

スタンドを出現させる矢だ。

 

承一郎「お前……まさかレクイエムを……」

 

DIO「確かにザ・ジュエルを使うつもりでいたが、お前が矢を持っていたとはな……」

 

スタンドが関係していない世界に本来、矢があるわけがない。しかし、DIOはこの世界に矢があることを知っていた。

Ms.OFUKUROこと比企谷白良。

4-1でプッチが持っていた矢。

はちまんくんの世界でプッチと対峙したとき、それをすり取ったDIOは、はちまんくんのザ・ワールド・ネオと自身のザ・ジェムストーンを融合させ、トゥルー・ザ・ワールド・ネオ・レクイエムを発動させた。

プッチを倒した後に、DIOは確かにその矢を破壊したのだが、白良はその破壊した矢を回収して直していた。DIOはその事実を知っていたので、ある意味で命懸けで矢を手に入れようとしていたのだ。

そして、思い出して欲しい。

子のウルフス、アルミラージを静が倒した時、アクトン・モリオン……アクトン・クリスタル・レクイエムを発動させる時、矢が召喚されたことを。

真実に到達した者にとって、レクイエムを欲した時はどこからともなく矢が召喚される。

Ms.OFUKUROが暗躍している今、矢は確実にこの世界にあると踏んだDIO。

まさか承一郎も持っていたとは思わなかったが、これはDIOにとって喜ばしい事であろう。

 

DIO「いやぁ、規格外オブ規格外からすりとる形になるだろうから、お仕置きされる覚悟は持っていたけど、お前が持っていて助かった。白良さんにはレクイエムを使ったことは内緒な?」

 

忍「レクイエム!?でも八幡ちゃん……あなたはもうレクイエムを……ああ、それでいろはちゃんなのね?」

 

忍は知っている。

DIOがゲッターの世界で左慈を倒した時のように、自在にレクイエムを操る事を出来なくなっていることを。

 

DIO「魂が砕けることは無いのでご安心を。メルシー承一郎。ブラッディ・シャドウをザベルと繋げていろよ?ザ・ジェムストーン・レクイエム!おおおおお!」

 

DIOはザ・ジェムストーンを出現させ、その水色のザ・ワールドに矢を突き立てる。

矢はザ・ジェムストーンの額へと吸い込まれ、変質を始める。

ザ・ジェムストーン・レクイエム……またの名をザ・ジュエル。

磨かれたザ・ジェムストーン(原石)宝石(ザ・ジュエル)へとなる。それがザ・ジュエル……。

能力はハーミット・アメジスト・レクイエムの真実の投影とザ・ワールド・レクイエムの真実の消滅。

 

ピシピシピシピシ……

早速、ザ・ジュエルに入るヒビ。スタンドのダメージは本体へとフィードバックされるので、DIOの体に無数の傷が生まれる。

 

承一郎「おい……大丈夫なのか?そのザ・ジュエル…」

 

DIO「俺に構うな……ブラッディ・シャドウの空間をザベルの頭上に繋げてろよ?更に……幻影の波紋!ぐぅぅ!」

 

幻影の波紋はハーミット・パープルの念写の力と波紋のスパークを利用した複合の力だ。

レクイエム中に他の能力の同時使用は能力者に更なる負担を強いる。

DIOの体が更に傷が刻まれ、血塗れになる。

が、それに構わずDIOが陳宮に変身。

 

DIO「ザベル・ザ・ロック!その幻の人の体を……その能力を消滅させる!ザ・ワールド・レクイエム!くらえザベル!世界の鎮魂陳宮キィィィィック!」

 

苦し紛れの呂布の必殺技、暴虎馮河がヒットすると同時に陳宮に変身したDIOはブラッディ・シャドウに飛び込み、偽ストライカー援護攻撃を慣行。その時にもう一本のハーミット・アメジスト・レクイエムを本物の陳宮に巻き付けて見えなくしているあたり、念には念を入れている。ジョセフ譲りの抜け目のなさと言うべきか。

 

ザベル「タコス!」

 

ザ・ワールド・レクイエムの力を込めた偽陳宮キックがもろにザベルにヒット。

その際、更に波紋の力を込めているあたり、性根が腐っていると言うか、抜け目が無いというか……。

 

偽陳宮「アリーヴェデルチ(さよならだ)……」

 

陳宮(本物)「もがもが!」(何語ですかー!ねねはそんな言葉を使わないです!)

 

念には……以下略。本物の陳宮を喋れないようにしているあたり、性格がどうかしていると言うか、抜け目が…以下略。

ザ・ワールド・レクイエムの力を受けたザベルは幻影が解かれ、本性であるゾンビの姿が晒される。

 

ザベル「ゲゲェ!変化の術が!何をしたぁ!そこの小娘ぇぇぇぇ!」

 

陳宮「ひぃぃぃぃ!超睨まれてるです!今の音々音は誰ですか!?忍さんですかぁぁぁぁ!」

 

変身する能力と言えば忍。

偽陳宮が忍だと誤解した陳宮は忍を涙目で睨む。

そりゃ、ザ・ゾンビから睨まれれば誰でも怖いだろう。

 

DIO「後は……頼んだ……大好きだったよ……みんな……」

 

ガクッ!

DIO(ザ・ジュエル)…再起不能(リタイア)

 

陽乃「いろはちゃんを呼んできたわ」

 

ザ・ジュエルを使うリスクはこれである。

2つのスタンドを同時にレクイエムにさせる為、本体であるDIOが持たない。反動でスタンドがボロボロになるため、長時間使用するには向かないのだ。

ゲッターの世界のその後を見る前日、飛騨で使用したのはレクイエムの意志があった上での例外中の例外だ。

 

陽乃「そう………弱体化した理由は……そういうことね」

 

陽乃はDIOの弱体化の理由に見当を付ける。

それは………本編が大きく関わるので割愛する。

予想が付く方は予想してみてください。

 

「ギャアアアアア!」

「ゾンビだぁ!ザベル・ザ・ロックはゾンビだったぁぁぁぁ!」

 

呂布「仗助達の敵……鬼……鬼が相手なら……容赦しない!」

 

呂布……怒ゲージマックス状態に。

方天画戟を縦横無尽に振り回し、ザベルの体力を次々と削る。

優しい人中の呂布。面目躍如である。

 

呂布「豪放磊落(ごうほうらいらく)!」

 

愛用の鉾である方天画戟をアッパー気味に振り回す。

呂布の気が上乗せされ、赤く、太い気がザベルを巻き上げる。

それを呂布が追い、空中でガッチリと掴む。

 

呂布「鬼は倒す……。絶対に………」

 

呂布はパイルドライバー気味に掴んだザベルを下に向け、そして自分の体重も加えてリングに叩きつける。

ゴォォォォン!

 

ザベル「あが………ゾンビに投げは……無しだぜ……」

 

ガクッ!

 

KO!

Winner is 呂布!

ザベル・ザ・ロック(屍生人(ゾンビ))…再起不能(リタイア)

 

呂布「ん……これ、私だけの力じゃない。ここでりたいあする」

 

呂布奉先(恋)…再起可能。2ラウンド目を棄権。中堅戦は承一郎に託される。

 

Drow game!

 

呂布は血塗れで倒れているDIOに近付く。

 

呂布「さっきの陳宮は陳宮じゃない。何でここまでしたの?そんなになってまで?」

 

DIO「ゲッターの世界で……世話になったんでな。お前にとっては未来の出来事だろうが………お前達のお陰で、俺と相棒は左慈と于吉を倒せた……その借りを返しただけだ……」

 

単に借りを返しただけ。

これは一年前の出来事で、呂布達にとっては遥か未来の話だ。

 

呂布「そう……覚えておく。DIO……」

 

そして……

 

陽乃「いろはちゃんを連れて来たわよー?」

 

イロハ「あの……多分、エリナちゃんの事だと思うんですけど………」

 

確かにそこには一色いろはがいた。

しかし、DIOが求めた一色いろははエリナ・ジョースターの一色いろは。

今、ここにいる一色いろははノスフェラトゥの一色いろはだ。

 

DIO「違う……お前じゃあない………」

 

ピクピク痙攣しながら言うDIO。

 

イロハ「まぁ、精神的な治療は得意なので、わたしで我慢して下さい」

 

実はノスフェラトゥの一色いろはは時々精神的に不安定になるノスフェラトゥの八幡の精神を安定させる為に度々こうして施術をしていたりする。

DIOの内情はともかくとして、エリナを呼ぶよりもこっちの一色いろはを呼んだ方が有効だったりする。

 

DIO「うーん………うーん………いろはの臭いだけどこれじゃあない………何かが違う………うーん………うーん………」

 

気を失い、うなされているDIO。

 

イロハ「何かが違うのはこっちだって同じですよ……何でわたしがDIOなんかを………。せんぱいならともかく………」

 

DIO「うーん………うーん………何かが違うのに……癒されている……せっかく衰弱して次の試合はストライカーになろうとしていたのに………うーん………うーん………」

 

忍「せっかく少し見直したのに撤回よ。八幡ちゃん。かっこよく力を貸した体に見せて、実は打算もあったのね」

 

承一郎「ヤレヤレだな。他にも手段があったのに、何でわざわざレクイエムを使ったのかと思ったら……。さて、次は僕の試合だ」

 

呆れながら承一郎はリングに上がる。

相手側のフランス美女、シェルミーも既にリングに上がっていた。

 

シェルミー「初めてだから、優しくしてね♪」

 

承一郎「何をだ?オロチ八傑衆、シェルミー」

承一郎(マチュアといい、ミストラルといい、何で僕はこういう色気がムンムンな女の相手ばかり……)

 

目元を前髪で隠し、独創的でピチピチの服をスタイリッシュに着こなしているシェルミー。

実はフランスファッションデザイナー界では名を馳せていたシェルミーは、お洒落には余念がない。更にはその思わせ振りな態度も合いまり、ミステリアスな美女として人気が高い。

承一郎にとって大切な人達の方向性とは明らかに違うシェルミー。

 

シェルミー「うふふふふ♪人が見てると、燃えるわね♪」

 

承一郎「悪いけど、お前みたいな女は好きじゃあない。ましてや人外ならば尚更だ」

 

陽乃&アヌビス「へぇ……?」

 

別々の方向からダブル陽乃の声が聞こえるが、無視することにした承一郎。

 

承一郎 VS シェルミー!

ラウンド2!

レディー………ゴー!

 

シェルミー「そんなに緊張しなくても、大丈夫よ♪今の段階では何もしないから♪今はね?あは♪」

 

シェルミーは滑るように承一郎に肉薄する。

 

承一郎「クリスタル・ボーン!」

 

性悪コンビの二の轍を踏まないように最初からスタンドを展開する承一郎。

 

シェルミー「へぇ?あの幽霊、あなたも使えるんだ♪」

 

承一郎「そういう事だ!オラァ!」

 

クリスタル・ボーンのフックがシェルミーに決まる。

 

シェルミー「いったぁい!女の子の顔に拳を入れるなんてぇ!失礼じゃないの!」

 

承一郎「ぬかせ!対して効いていないクセに良く言うじゃあないか!オラオラオラオラ!」

 

シェルミー「だから引っ掛かるのよ……失礼♪」

 

さっと避け動作を行い、クリスタル・ボーンのラッシュから逃れるシェルミー。

シェルミーは承一郎の頭によじ登り、肩車のような体勢になりながら太股で承一郎の頭を挟む。

スケベな人間ならばニヘラァとなる動作だが、もちろんこれで終わるシェルミーではない。

 

シェルミー「うふふふふ♪」

 

太腿を中心にスピンを加え、承一郎を頭から落とす。

 

承一郎「ぐっ!味な投げ技を………」

 

シェルミーの攻撃は更に続く。

投げた直後に立ち上がって承一郎の腹部にダッシュからのジャンピングニードロップを落とす。

 

シェルミー「ダメね♪」

 

承一郎「ぐほぉ!」

 

何でもない攻撃だが、しつこいようだがこの世界の人間の力は普通の世界の人よりも強い。

その世界の人間のダッシュジャンピングニードロップ。

もちろん、とんでもなく痛いことだろう。

 

承一郎「野郎………シェルミー……」

 

シェルミー「好きなんでしょ?こういうの?」

 

承一郎「好きなわけがあるか!」

 

こういう特殊な趣味を持つ人間はいるだろうが、承一郎にそういう趣味はない。

クラクラする頭を振りながら、立ち上がる承一郎。

 

シェルミー「あは♪ほらほらぁ♪我慢しなくても良いのにぃ♪」

 

妙なポーズで挑発してくるシェルミー。

 

シェルミー「えい♪」

 

昨晩、忍が食らったネガティブゲインよろしく側転しながら承一郎の頭を脚で掴み、またもや投げられる。更に転ばされた承一郎の背後に回り、背中から抱きつかれる。

豊満な胸が承一郎に押し付けられる。

会場にいる男性からはやっかみの声をあげられるが、二度も頭から叩き付けられた承一郎はそれどころじゃない。

 

シェルミー「投げっぱなし♪」

 

そのまま承一郎ごと背後に倒れ込むシェルミー。投げっぱなしジャーマン。

そのままダイレクトに叩き付けるジャーマンスープレックスとは違い、途中で腕を放して大きく投げるのが投げっぱなしジャーマンだ。

勢いが強く、今度はうつ伏せで地面にダウンする承一郎。更におまけで……

 

シェルミー「ダメね♪」

 

再び背骨に降ってくるニードロップ。

 

承一郎「この野郎………」

 

シェルミー「うふふふふ♪濡れちゃったぁん♪」

 

承一郎「はぁ?」

 

シェルミー「汗で♪」

 

承一郎「……………オラァ!」

 

シェルミー「なぁんて♪トゥ!」

 

くるくると上体を捻らせて回転させ、クリスタル・ボーンの拳を器用にかわすシェルミーが承一郎の前に綺麗に着地するシェルミー。

 

承一郎「ぐぅ!」

 

そして鋭い蹴りが鳩尾にヒットする。

 

シェルミー「決まった?♪ららんららーん♪ららんららーん♪あは♪」

 

サイドステップを踏み、歌って踊るシェルミー。

 

承一郎(くっ!こいつ、思わせ振りな言動とトリッキーな技で良いように翻弄される!)

 

トリッキーな投げ技だけならばここまで翻弄される事は無いだろう。だが、その前後にある男をくすぐる言動が承一郎の調子を狂わせる。

 

承一郎(なんというか……ホントにこいつはオロチ八傑衆の一人なのか?)

 

どこにでもいる男を転がす……言うなれば基本世界の一色いろはみたいにあざとい女。加えて言えば……

 

承一郎「グラマーな体を上手く使う、セクシーさがある一色いろはのような女だ……とてもオロチ一族には見えない……」

 

いろはズ×4+盗賊アーサー「へぇ?」

 

エリナ、弥七、イロハ、餓狼一色、そして分類敵に似た者同士の盗賊アーサーらの冷たい視線が突き刺さる承一郎。

これも女難の相がなせる業なのだろうか?

 

承一郎(………何だか気のせいか、千葉の女子勢を無駄無駄無駄ぁ!に敵に回している気が……ええい、これ以上やられる訳にはいかない!僕の体力的にも、精神的にも、そして社会的にも!)

 

調子を狂わされ続けた承一郎だが、ここからは本気になる。それに………

 

シェルミー「あは♪」

 

あざとく笑っているシェルミー。しかし、前髪に隠れているその目を見てしまった。

顔はあざとく笑っているシェルミー。しかし、その瞳から感じるのは………

背筋が凍りつくような明確な殺意。

 

承一郎「騙されるところだったよ。シェルミー……その瞳を見るまではね………」

 

シェルミー「あは♪女の子の隠された場所を見るだなんて、承一郎君だいたーん♪」

 

胸を隠すように大袈裟に叫ぶシェルミー。

 

「ブーブーブーブー!」

 

男女問わず、ブーイングが巻き起こるが、先程までなら調子を狂わされていただろうが、今の承一郎には……本気になった承一郎には通用しない。

 

承一郎「なんて奴だ……その隠された瞳に映る殺意…こんなやつ、見たことがない……」

 

シェルミー「うふふふふ♪………あなた、死ぬわ……」

 

ゾクリ……。

とても同じ人間から発せられた声とは思えないほど、低く、そして暗い意思を感じさせる声。

こっちのシェルミーの方が本性なのだろう。

 

シェルミー「その時が来ればね♪あは♪」

 

先ほど一瞬だけ見せた本性を嘘のように、再びあざとい態度に切り替えたシェルミーが迫ってくる。

 

承一郎「ブラッディ・シャドウ……」

 

フッ……と消える承一郎。

標的を失ったシェルミーは動きを止める。

 

承一郎「シェルミー……お前、プロレスは好きか?」

 

シェルミーの背後に現れた承一郎は、その腰に腕を回す。

 

承一郎「特に番狂わせの大技は……手に汗握るよなぁ!僕からのプレゼントだ!」

 

ブゥンと大きく持ち上げ、そして……ジャーマン・スープレックス!

 

承一郎「まだまだ!」

 

手を放さず再びシェルミーを持ち上げ、ジャーマン!

 

承一郎「もうお前を女だとは思わない……もう一丁!」

 

ジャーマン!ジャーマン!

 

承一郎「よっと!」

 

五回目のジャーマンで上に放り投げる。投げっぱなしジャーマンだ。そこで更に承一郎は一捻り加える。

投げっぱなしジャーマンのブリッジ状態からクリスタル・ボーンを出現させ、シェルミーを追いかける。

クリスタル・ボーンは空中に浮いたシェルミーの頭を太腿に挟み、回転させてマットに落とす。

承一郎は知らないが、これはシェルミーが使う超必殺技のシェルミーカーニバルと全く同じ技である。

 

シェルミー「人の技を……逃げちゃダメよ!♪」

 

今度はシェルミーが承一郎の頭を支店に手を置いて飛び越し、背後に回る。そして……

 

シェルミー「高角度!」

 

高く持ち上げられ、頭からジャーマンスープレックスで落とされる。

そして無理矢理立たされ、再びジャーマン。

そして…………ビリビリ!

体に電気を流されるような感覚が承一郎を襲う。

 

承一郎「くっ!力が!」

 

シェルミー「走ってきて……戻ってくるのよ♪」

 

壁のバリアに押され、自分の意思とは関係なく走る承一郎。

バリアに激突し、そしてまるでプロレスのロープに当たったかのように、今度はシェルミーに向かって走る。

 

シェルミー「この私ではオロチの力をあまり引き出せないけれど………」

 

ビリビリと電気を脚に纏わせるシェルミー。

 

承一郎(こいつのオロチとしての能力は電気か!だったら……)

承一郎「コォォォォォォ!」

 

シェルミー「稲妻レッグラリアッド!」

 

同じように走ったシェルミーが飛び上がり、承一郎の首を目掛けて回し膝蹴りを放つ。

迫る稲妻の飛び回し膝蹴り(シャイニングウィザード)

それを見て承一郎がニヤリと笑う。

 

承一郎「僕もジョースターだ……今度はお前が騙されたな!輝く魔術の波紋疾走(シャイニングウィザード・オーバードライブ)!」

 

同じように波紋を脚に纏わせた承一郎のシャイニングウィザードがシェルミーの顔面に突き刺さる。

カウンターによる波紋のシャイニングウィザード。

 

シェルミー「キャアアアアァァァァァ!」

 

感電して吹き飛ばされるシェルミー。

 

KO!

Winner is 承一郎!

 

シェルミー「何で……自由に動けて………」

 

承一郎「さぁな。それを一々教える義務はないだろう?ましてやオロチのお前に……」

 

雷で自由を奪われた承一郎だったが、何故逆に稲妻レッグラリアッドをやり返す事が出来たのか。

それは、持ち前の身体能力に加えて波紋を使用し、持ち直していたからだ。

そしてかかった振りをしてタイミングを見計らい、シャイニングウィザードでやり返す。

 

承一郎「相手が勝ち誇った時、既にそいつは敗北している。残念だったな……シェルミー。……がぁ!」

 

バタッ!

その場に倒れ込む承一郎。

 

承一郎(バカな……まだ僕には体力が残っている…倒れたのは体がさっき以上に感電したからだ……何が……)

 

アナウンス「Drow game!」

 

承一郎(違う!僕はまだ動ける!くそ!動けない!)

 

承一郎は周囲に目を配る。

 

承一郎(アイツは……!)

 

見つけた。

目の前で気絶している、桃色のピチピチな服を着たシェルミーと、全くの同じ姿をしたもう一人のシェルミーを。

違うのは桃色の服が深紅に染まっており、栗色の髪の毛が真っ黒になっている点。そして、あざとさを全く感じない無表情な点………。

 

荒れ狂う稲光のシェルミー「次は必ず死んで貰うわ……それがあなたの運命よ………おやすみなさい……」

 

落ちてきた雷をその手で掴む深紅のシェルミー。

 

承一郎(どういう事だ……何故、シェルミーが二人いる?あれが………本当の………)

 

一条承一郎(クリスタル・ボーン)…再起不能(リタイア)

 

気絶したシェルミーと、感電によって動けなくなった承一郎がリングの外に運び出される。

 

忍「感電の後があるわ。あの稲妻キックが命中したのね。上手くカウンターが入ったように見えたけど…」

 

承一郎「………違いますよ。忍さん………攻撃は別の場所からやられました……」

 

陽乃「別の場所から?」

 

承一郎「僕には全く意味がわかりませんでした……シェルミーが会場にもう一人いたんです……どういう原理か、そのシェルミーが僕に電撃をやって来たんです」

承一郎(飛び道具が飛来した様子はなかった……あの攻撃が本気でやられていたら……)

 

リングの外から誰にも気付かされずに攻撃を与える事が出来る……。そんなものは恐ろしくて仕方がないと思う承一郎。

ブラッディ・シャドウのような攻撃がオロチの力を解放したシェルミーに出来るのだろうか?

 

承一郎(あのシェルミーの反則を立証できる手段は無い。試合の行方は………忍さんに一任された……)

 

忍「八幡ちゃん。クリスの情報はないの?」

 

忍が振り返ってDIOを見るが………

 

DIO「うーん……うーん……これは違う………決定的な何かが違う………」

 

イロハ「…………悪夢を送り込んで良いですか?」

 

肝心な所で役に立たないDIOであった。

 

好感度

一色イロハ→DIO

△→×

 

これは同一チームならピヨリ中や不利な状況の時等のピンチの時限定なら呼び出しが無くても乱入出来るストライカーシステムにおいて、一切の援護が受けて貰えないレベルだ。

また、敗北した場合、超必殺技のゲージを1つ繰り下がって引き継がれる好感度である。※3

 

忍「行ってくるわね。みんな」

 

承一郎「忍さん………気を付けて………」

 

忍「わかったわ」

 

忍がリングに上がると、対戦相手のクリスも既に上がっていた。

 

忍(やりづらい相手ね………)

 

クリス。

見た目は15歳前後の美少年という感じだ。

名前も合いまり、男女の区別が付き辛い可愛らしい感じの少年である。

サラサラな髪質で、目がクリクリしている。

黒いアンダーTシャツの上に、短めの青いTシャツを着ており、メダル型のペンダントを付けている。

下は白いズボンを穿いており、実にスタイリッシュだ。

美少年ショタ好きのお姉さんのストライクゾーンを直撃する見た目である。

 

陽乃「あら、可愛いじゃない。戸塚君を男にしたら、あんな感じかな?あら?アーシスの彩ちゃんは、確か男の子だったっけ?」※4

 

うん。実にショタ好きのストライクゾーンを直撃しているようだ。

もっとも、忍としては戸塚彩加よりももっと思い出す存在がいる。

坂城匠………。

忍の高校時代に3年間、クラスメイトであったハズだった、クリスに似た少年だ。

何故、言い方がボヤけた言い方なのか。

それは忍が高校3年生のバレンタインデーの翌日、チョコレートに仕込まれていた毒物により、他界してしまったからだ。※5

 

クリス「やだなぁ……強そう」

 

忍「……………」

 

クリス「どうしたの?何か調子が悪そうだねぇ?」

 

前屈みで忍の顔を覗き込むように上目遣いで見てくるクリス。

そのあざとい言動にイラッとしてくる忍。

長い人生経験で……特に客商売で培ってきた人間観察の眼力は伊達ではない。

クリスがオロチ四天王という予備知識が無かったとしても、忍はクリスに対して良い印象を抱いてはいなかっただろう。

ますますクリスと坂城匠を重ねてしまう。

 

忍「………オロチが白々しいのよ。その態度が本心で心配しているのか、それともただそう装っているかなんてのは臭いでわかるわ。こいつはクセェ!ゲロ以下の臭いがプンプンするわ!オロチの血があんたを悪にした!?違うわね!あんたは生まれついての悪よ!こんな悪は滅多に見ないほどにねぇ!」

 

承一郎「スピードワゴンさんですか?忍さん……」

 

DIO(ビクンビクン!)←気絶中だが

 

クリス「ゲロ以下なんて酷いなぁ~……」

 

忍「いいえ。あんたはゲロ以下の悪よ。子供が遊び半分で蟻を踏み潰すように、笑顔で無邪気に人を殺す事が出来る悪よ!」

 

クリス「…………あは♪それのどこが悪なのか、僕にはわからないなぁ………。本当に悪なのは、君達人間の方じゃない?」

 

忍「まるであんたが正義のような口振りね……それで世界を壊されちゃ、たまったものじゃないわ!」

 

クリス「くす♪そんな目で見ないでよ。世界を壊す?違うね。地球大好き、人間きらーい♪僕はね、人間だけが大嫌いなんだ。人間なんて滅べば良いと思うよ?」

 

クリスは笑顔でにこやかに、サラッと恐ろしい事を口にするクリス。

 

忍「そう。話し合いなんて、本当に無駄だったみたいね?あんたは………同じよ。ウルフスやインベーダー、それに鬼達と………もうあちしはナコちゃんやハイデルンちゃん達とはダチよ……明日の食う飯が旨くするためにも……あんたを倒すわ」

 

構える忍と、あくまでも笑顔を崩さないクリス。

言葉は要らない。

種族としてオロチ一族と人間はわかり合えない。

 

忍 VS クリス!

ラウンド3!

レディー………ゴー!

 

クリス「ヒューン!」

 

クリスはおもむろに素早く……残像を残すスピードで縦横無尽に動く。

 

忍「!?」

 

あまりの速さに目を剥く忍。

 

忍「くっ!」

 

忍はすぐさま仗助に変身し、クレイジー・ダイヤモンドを展開する。

クリスのスピードに目が追い付かない。そこでクレイジー・ダイヤモンドの目に頼ったのである。

基本スペックだけで言うならば、クレイジー・ダイヤモンドよりもスター・プラチナの方がスピード、精密において上なのだが、仗助との付き合いの長さで咄嗟の場合においてはクレイジー・ダイヤモンドが出てしまう。

 

忍「これでも辛うじて見えるなんて……」

 

忍はクリスを見失わないようにする。

 

クリス「おじさんも歳だからね。僕の動きに付いてこれないんじゃないかな?鎮元斎やタン・フー・ルーとかが例外でさぁ♪」

 

忍(言ってくれるわね!それを言ったらジョセフのジジイはどんだけ化物なのよ!)

 

忍は今ここにいるジョセフではなく、歩くトラブルメーカーことアーシスのジョセフを思い出す。

 

クリス「ヒュン!」

 

今度は高速の動きで目の前に迫るクリス。

全くの無防備だった忍の懐に飛び込んだクリスは…

 

クリス「はい!スライドタッチ!」

 

一瞬だけ消えたかのように更に潜り込み、忍の鳩尾に掌底を入れる。

 

忍「ぐっ!」

 

クリス「更にシューティングダンサー!下です♪」

 

更に素早く忍の間合いに潜り込んだクリスは、肘打ちを鳩尾に入れ、スライディングキックを脛に入れる。

屈強な戦士と言えどもここだけは鍛えられない。たまらずダウンしてしまう忍。

 

クリス「今夜、何を作ろうかな?」

 

既に相手にならないと判断したのか、クリスは今夜のおかずについて考えを巡らせる。

一種の挑発だ。

 

忍「なめるんじゃ無いわよ!」

 

流れる血をクレイジー・ダイヤモンドの力を使ってカッターのように投げる。

 

クリス「クスッ♪簡単な挑発に引っ掛かっちゃってさ♪」

 

クリスは血のカッターをジャンプして回避し……

 

クリス「グライダースタンプ!」

 

急降下して踏みつけ攻撃をやってくる。

 

忍「読めてるわよ!そんなの!」

 

伊達に観察をしていない。

物理的法則を無視して急降下をしてくる技の存在を知っていた忍は、クリスならばやってくるだろうと読んでいた。

 

忍「ドラァ!」

 

クレイジー・ダイヤモンドのアッパーで迎撃。

 

クリス「ぐっ!」

 

忍「もういっちょよ!ドララララ!」

 

アッパーで体勢を崩したクリスに追撃を仕掛ける忍。

だが……。

 

クリス「エアッ!」

 

ハンティングエアという、バク宙しながらキックをする、いわゆるサマーソルトキックを放つ。

 

忍「しまっ…………」

 

クリス「本気出しますね♪」

 

浮き上がった忍に対し、ハンティングエアを1回のジャンプで三回のサマーソルトをお見舞いする超必殺技、ツイスタードライブを放つ。

シャリリンシャリリンシャリリン!

 

忍「がはぁぁぁ!ま、まさかこんなサマーソルトがあるなんて…………」

 

普通とは違うダメージを受けた忍がダウンする。

 

クリス「楽しかったです♪ハイ!」

 

勝った気でいるのか、クリスは良い笑顔で血まみれの忍を見下ろす。

忍は自分の血まみれの体を見下ろす。

 

忍「このスタンド……クレイジー・ダイヤモンドって言うのだけれど、このスタンドはあらゆる物を直すことが出来るの………」

 

クリス「へぇ?だったら完全な止めを刺しちゃおうか?ずっと復活してくるなんて厄介だものね?」

 

忍「話は最後まで効きなさい。弱点もあるの。まず、死んだものを直すことが出来ない。死人であるあなた達には残念なお知らせね。そして……自分自身を治すことは出来ないの………」

 

承一郎「忍さん!何故スタンドの弱点を!」

 

承一郎は忍の正気を疑う。

スタンドを見せること、そして能力を語ることは完全な降伏、服従、信頼をスタンド使いの常識では意味をする。

忍はオロチ一族に屈服してしまったのか!?

なお、承一郎は体力が尽きた上でのKOではなく、突然流された電撃による感電で動けなくなっていただけなので、感電が治まった今では動くことができる。

 

クリス「へぇ。じゃあ、今のあなたは結局、自分を治療することが出来ないんだね?それって、要はギブアップって事かな?」

 

忍「………でもね?固まった血は……既にもう、自分自身じゃ無いわよね?」

 

忍の体がすぅっと浮き、クリスの方向へと飛んで行く。

 

忍「受けなさい!あちし自身が弾丸になった自動追尾弾を!」

 

クリス「うわっ!」

 

忍の自動追尾弾となった体当たりをまともに受けるクリス。

 

忍「ゴールド・エクスペリエンス!」

 

忍は次にジョルノ・ジョバァーナに変身する。

そして、ゴールド・エクスペリエンスで破れた服で体のパーツを作り、傷口を塞ぐ。

ダメージは残ったままだが、傷が開きっぱなしで体の機能が落ちているよりは良い。

 

忍「仕切り直しよ!クリス!」

 

クリス「そうだね。僕じゃ力は使いこなせないけど…本気を出しますね?変わるよ!」

 

クリスが力を溜め、青いシャツが深紅へと変わる。

 

炎のさだめのクリス「出ておいで。僕の炎」

 

両手に青い炎を揺らす、クリス。ただ無邪気だったクリスは、殺意を伴った雰囲気へと変貌する。

最初に忍が看破したように、無邪気に人を殺せる雰囲気へと………

 

炎のさだめのクリス「ここまでやった君に敬意を評して……一撃で殺してあげる」

 

炎のさだめのクリスは右人指し指に青い炎を溜める。

 

忍「青い炎……珍しいわね……」

 

炎のさだめのクリス「いさぎ良いんだね……ハイ、死んでください♪」

 

暗黒大蛇薙ぎ。

草薙流古武術の奥義である巨大な炎の塊をぶつける大蛇薙ぎを模した超必殺技である。

 

忍「そうね……ただ、死ぬのはあなたよ。クリス」

 

あわや青い炎で火だるまになると思われた忍。

しかし、青い炎に包まれたのは………。

 

炎のさだめのクリス「がぁぁぁ!」

 

炎のさだめのクリスの方だった。

 

忍「止めよ!アン!ドゥ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

ゴールド・エクスペリエンスによる無駄無駄ラッシュによりボコボコになる炎のさだめのクリス。

 

炎のさだめのクリス「ああ………光が………」

 

クリスは雰囲気が一変する前の姿に戻っており、既に炎を扱う力を失っていた状態で動かなくなるクリス。

 

クリス「一体………何が………」

 

忍「あんたが攻撃したのはこれよ」

 

忍は右手に持っていたものをクリスに見せる。

それは、クリスが首から下げていたメダル型のペンダントだった。

ジョルノに変身していた忍は、密かにクリスのペンダントをテントウ虫へと変えていた。

ゴールド・エクスペリエンスの第1の能力。

無生物から生物を生み出し、その生物が受けた攻撃を相手に跳ね返す。

暗黒大蛇薙ぎの前にテントウ虫を間に展開。

クリスは自分の力を自分の道具によって跳ね返され、止めを刺される糸口を作ってしまったのである。

 

忍「さぁ、答えなさい。あんたのボスはどこにいるの?復活したオロチ一族の目的は何!?」

 

???「もちろん、オロチの復活だよ?」

 

???「咄嗟にこんな手を思い付くなんてね?大した集中力だわ」

 

承一郎&忍「お、お前達は……」

 

先程の承一郎が見た深紅の服を着たシェルミーと、目の前に倒れているクリスとは別の、深紅のシャツを着た炎のさだめのクリスがそれぞれ現れた。

 

承一郎「異世界同位体……か?」

 

忍「八幡ちゃんやいろはちゃん達と同じように……」

 

荒れ狂う稲光のシェルミー「さぁ?あなた達に教える義務は無いわ……」

 

炎のさだめのクリス「だけど、こっちの僕達がやられたりするのは困るんだよね?だから、回収させて貰うよ」

 

二人はそれぞれの自分を担ぎ上げ、走って逃げていく。

 

荒れ狂う稲光のシェルミー「天に委ねなさい……真なる裁きを!」

 

承一郎&忍「くっ!?」

 

荒れ狂う稲光のシェルミーが腕を振り下ろすと、極太の雷を落下させる。

そのエネルギーで視界を奪われる承一郎と忍。

 

承一郎「逃げられたか……あれが、本当のオロチ四天王のシェルミーとクリス……」

 

忍「じゃあ、もう1つのクリスとシェルミーは……」

 

承一郎「さぁ………」

 

1つの疑問を残しつつ、承一郎達は1回戦は終わった。

 

 

 

路地裏

 

ザベル「負けちまったじゃねぇか!?おい!この木偶の棒も結局は使わねぇでよぉ!どうすんだ!?おい!」

 

ベルガー「…………」

 

クリス「大丈夫だよ。僕達の目的は大体順調だから♪」

 

シェルミー「だから、安心しなさい」

 

炎のさだめのクリス「でも、もう負けたんだから肉体と精神を分けている必要はないよね?」

 

荒れ狂う稲光のシェルミー「さぁ、もう1つになりましょう?」

 

二人のクリスとシェルミーが1つになる。

 

クリス「どちらの僕達も同じ存在……一方が死んだりしたならば、大変だもんね?」

 

炎のさだめのクリスを吸収したクリスは、青い炎を指先に溜める。

 

シェルミー「ふ………降りて来なさい」

 

荒れ狂う稲光のシェルミーを吸収したシェルミーが右手に雷を溜める。

 

ザベル「へへへ……何だよ。じゃあ次は何をやるんだ?おお?」

 

シェルミー「それを知る必要はないわ……暗黒雷光拳!」

 

シェルミーが放った暗黒雷光拳により、ザベルが黒焦げになる。

 

クリス「ドーマ家。生き返らせてくれたのは感謝するけどね?どうせドーマ家の目的と僕達の目的はすれ違う。君達は所詮、頭数なんだよ。ハイ、死んでください♪」

 

元々考える事も出来なかったベルガーを、炎のさだめのクリスは暗黒大蛇薙ぎで消し炭へと変える。

信じられるのは同族たるオロチ四天王のみ。

クリスとシェルミーにとっては、ドーマ家など手駒に過ぎない。

 

シェルミー「一条承一郎……次は確実に殺してあげるわ……うふふふふ♪あなたが闘えば闘うほど……待っているのは地獄だけど♪」

 

クリス「藤崎忍……今度は三種の神器と一緒に、君を灰にしてあげるよ。君の血で染まった、真っ赤な灰にね」

 

ザベル・ザ・ロック……死亡

ゾンビベルガー……死亡

 

シェルミー&クリス……手駒に使えなくなったチームメイトを始末し、闇に消える。

 

←To be continued……




※1
アル○ェイド
Fateの作者が書いていた別のシリーズ、月姫のメインヒロイン。
月姫における規格外オブ規格外の吸血鬼の真祖。
首チョンパされても死なない。満月の夜は弱点そのものがない。そもそも昼間でも弱体化せず、普通に最強。
ノスフェラトゥの陽乃とアルクェ○ドは見た目も似ているような気がします。
裏と表の性格も含めて。

呂布の必殺技
呂布奉先こと恋の必殺技は「恋姫演舞」より。

※3
好感度
KOF97と98にあったキャラ好感度。
ストライカーシステムが導入される以前は待機しているチームメンバーが背景で控えているのだが、以下の条件下で援護を受ける事ができる。
・控えチームメンバーが画面内にいる。
・まだやられていないチームメンバーがいる。
・ピヨリ状態、または掴み技の攻撃を受けている。
以上の条件下である場合、次のメンバーが乱入してきて相手に対してダメージ無しの飛び込み攻撃を行う。
その際、関係するのが好感度。
・好感度が高い…条件を揃えていれば、いつでも援護攻撃をしてくれる。
・好感度が普通…相手より体力が低い場合にのみ、援護攻撃をしてくれる。
・好感度が低い…まったく援護をしてくれない。

また、超必殺技ゲージの引き継ぎにも影響し…
・好感度が高い…ゲージを1つ繰り上げて引き継ぐ
・好感度が普通…中途半端を切り捨てて、ゲージを引き継ぐ
・好感度が低い…貯まったゲージを全く引き継がない(KOF97)。または1つゲージを捨てて引き継ぐ(KOF98)。
という形である。

※4
ノスフェラトゥの世界の戸塚彩加
女の子である。やったね☆(作者のキャラ紹介より)
女性になっただけで、特に何の変哲もない普通のテニス少女である。
4-1αではダブル戸塚でコンビを組んだ。

※5
坂城匠
ときメモ2における情報屋キャラクター&ライバルキャラクター。
実は男装した隠しキャラクターなのでは?と思われる程の女顔。中身はチャラい。……が、卒なく女の子と仲良くなっていく為、本命のヒロインが被り、決闘で敗れた場合はほぼ間違いなくヒロインが奪われる(隠しキャラクターは別)。
「ボンクレーが~」ではアンチがかかっており、作中では本文に書かれている通り死亡。ゲッター編(コラボでは登場せず)でもコーウェン&スティンガーと組んで敵として現れた。


このチームの中ではクリスかわ最強キャラです。
忍が苦戦をしたのも頷ける程にキャラクターランキングは高いクリス。
下手をしたら裏の性能である「炎のさだめのクリス」よりも強い………それがクリスというキャラです。
クリスに限らず、社もシェルミーも裏よりも表の方がプレイヤーとしては扱いやすいのはオロチチーム全般に言える事ですが。設定上はオロチ四天王の裏バージョンの方が強い設定なんですけどね?KOF97では中ボスな訳ですし……。

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