やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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異世界女性格闘家チーム対バーンシュタインチーム1 試合前の暗雲

バーンシュタインチームストーリー

 

イギリス某所

 

人里離れた孤島……。そこに一隻の潜水艦が停泊していた。近頃ヨーロッパを賑わせている海賊団、リーリンナイツの潜水艇である。

そのボス、Bジェニー……本名ジェニー・バーンは望遠鏡を使い、孤島の端にある邸宅をブリッジから見ていた。

 

手下「艦長。こんなところにかの御仁がいるんですかい?こんなご時世にこんな孤島のはしっこで世捨て人をしているなんて思えないんですが」

 

ジェニー「いるわ。バーン家の情報網を甘く見ちゃだめよん?」

 

手下「そりゃあ、バーン家の情報網が凄いことは知っていますが……」

 

ジェニー「まぁ、今回はこの人の情報もあっての事なのよねん」

 

ジェニーは同じくブリッジで優雅にお茶をしている人物に目を向ける。

どこかミステリアスな女性、イングリッド。出身、経歴、年齢までもが全てが謎に包まれている人物だ。伝説の仙人、オロと同じかそれ以上に……。

何故彼女がジェニーに接触してきたのかすらわからない。

 

ジェニー(まぁ、楽しめれば何だって良いけどね?)

 

Bジェニーの行動理念は楽しむことが何よりも最優先される。海賊稼業もそうだ。家が裕福なBジェニーは食うことに困ったり、稼ぐ為に海賊をやっているわけではない。

より刺激的に……よりスリリングな生活を求めての行動に過ぎない。

そういった性格はかの魔界の貴族に通ずるものがあるかも知れない。

 

ジェニー(でも……それだけじゃ無いのよねー……彼らの場合は危うくて見てられないわ………彼に似ているもの……)

 

ジェニーはセカンドサウスの彼の事を思い出す。カイン・ラインハイン。

ギースの妻、メアリーの弟であり、ロックの叔父であるマフィアのボス……。

ジェニーは彼の事を忘れる事が出来なかった。彼にどこか似ている二人の男は……ジェニーは見捨てる事ができない。

 

ジェニー(彼らも……あのカインみたいなようにしてはいけない……。依頼をしてきた彼女の為にも……)

 

イングリッド「気負うでないぞ?バーン家の娘。世はなるようにしかならんでな」

 

見た目に反して古風なしゃべり方をするイングリッド。

彼女もジェニーにとっては興味が尽きない存在だった。そして確実に戦力になる。

イングリッドはこれから向かう彼の妹が紹介してきた。

彼女と彼女の兄………。かの元凶の傀儡にされた彼女は、その呪縛から解き放れた現在、どうしても兄に謝りたい。そして、彼女の兄ならば、再び表舞台に現れた彼女の父の事を知れば、必ず動くだろう。その為に数少ない友人の自分と旧知の仲であるイングリッドを頼ったのだ。

 

ジェニー「ま、考えたって仕方がないわよねん♪オッケー♪何よりも楽しまなくっちゃ♪じゃあ、あの邸宅に通じる唯一の接岸に向けて、レッツゴー!」

 

 

バーンシュタインの隠れ別荘

 

KOF12以降、妹のローズに実権を奪われ、半ば幽閉されるような形でこの別荘に押し込められたアーデルハイド・バーンシュタイン。

そこには1人の客分を匿い、穏やかな生活を送っていた。

 

アーデルハイド「今日もそこで、故郷への想いに耽っているのかな?」

 

「……………」

 

アーデルハイドは海の見えるテラスで自慢の紅茶を客人

に出し、語りかける。

彼は……脱け殻だった。まるで少し前の自分を見ているような気分になる。

白い学ランにインテリな眼鏡……。

彼の名は鏡恭介。二度目のジャスティス学園の騒動で父の霊に体を支配され、炎の中に消えていった兄、雹。

雹が消息不明になって以来、恭介の姿も太陽学園から消えていた。

恭介は行方不明になった兄を探す旅に出ていたのだが、依然として消息は掴めていない。

あてもなくさ迷っていた恭介はアーデルハイドに保護され、この別荘に客人として招かれている。

それ以来、毎日恭介はこのテラスで一日中故郷を想ってボーッとしていた。

それは未だに消息が掴めない兄を想ってなのか……それともわずかな間とはいえ、楽しい日々を送ってきた友人、バツやひなたを想ってなのか……。それは恭介以外に知ることは出来ない。

 

恭介「すみません。アーデルハイドさんにはお世話になりっぱなしで……」

 

アーデルハイド「構わない。こうすることで私も気が紛れているのだ。私と妹は何を間違えてこうなってはしまったのかと………1人でいるときはそればかりを考えてしまっていてね」

 

恭介「僕もですよ。兄さんと僕……どうしてこうなってしまったんだろうって……アーデルハイドさんは不思議な方ですね。まるで兄さんといるようで……落ち着きます」

 

アーデルハイド「私もですよ。君と一緒にいると、まるで小さな頃に妹と仲良くしていた時の事を思い出す。君と一緒にいることで、私の寂しさは癒されているのかも知れない」

 

恭介「アーデルハイドさんは……妹さんとは和解されないのですか?」

 

アーデルハイドは首を振る。

 

アーデルハイド「妹は私に対して何度も謝罪の使者を寄越し、戻ってきて欲しいと言っている。でも、私は戻るつもりはない」

 

恭介「それは何故ですか?妹さんを許せない……という訳では無いですよね?」

 

アーデルハイドは言っていた。寂しい……と。

 

アーデルハイド「私も妹の事を……ローズの事を愛している。だが、私が側にいてはダメなのだ」

 

こうして暇を持て余し、落ち着いて振り返った末での結論だった。

 

アーデルハイド「私は商才に関しては暗愚でね。ルガールの……父の遺した財産を食い潰し、とうとう宝物であった飛空挺、スカイノアまで売り払う始末だ。それに対してローズが開催したKOF……あれは大成功を収め、私が食い潰してしまった資産をあっという間に取り戻してしまった。妹には私よりも遥かに優れた商才がある。私が近くにいては、彼女の足を引っ張る結果になるだろう。野望を持つ我が家の部下は、私を祭り上げ、妹を苦しめる事にも繋がるかも知れない。ここで幽閉されているという形にしているのが一番なのだろうな」

 

互いを想いながらもすれ違う兄と妹。それはまるで自分と雹を見ているようだと恭介は思った。

 

アーデルハイド「それに……私は未だにこの血を恐れている。ルガール・バーンシュタインの血を…いつかは父のように野望に溺れ、力を求め……」

 

恭介「僕の兄も…忌野の血に振り回され、野望に身を染め、最後には父の霊に取りつかれて……」

 

アーデルハイド「君の兄と私は……形は違えどもやはり似ているのだな……だから君と私は惹かれ合うのだろう」

 

それが傷の舐めあいだとはわかっている。アーデルハイドはいつかは妹と向き合う必要があるし、恭介は恭介で無事に兄を見つけたとしても、アーデルハイドと同じように互いを見つめ直す必要がある。

 

アーデルハイド「ボガード兄妹やユン、ヤン君兄弟のようにいつまでも仲良く出来るのが理想なのだろうが…」

 

そんな時、扉からノックの音が聞こえた。

 

アーデルハイド「入れ」

 

アーデルハイドが入室を許可すると、執事が静かに入室

をし、恭しく腰を折る。

 

執事「アーデルハイド様。お客様でございます」

 

アーデルハイド「今日は来客の予定など無かったはずだが?」

 

今日に限らず、幽閉された(正確には自ら幽閉されている)身となった自分に来客など普通はない。あるとすれば自分を祭り上げようとしている者か、もしくは……

 

アーデルハイド「ローズの手の者なら丁重に引き取って貰え。私は表舞台に戻る気はない………と」

 

アーデルハイドが命令するが、執事はハンカチを取り出して額の汗を拭う。

 

執事「それが……ローズ様のお使いの方ではなく……バーン家のご令嬢でして……」

 

アーデルハイド「バーン家の?ジェニー・バーン嬢殿が?」

 

アーデルハイドとジェニーは古くからの仲だ。そしてジェニーはアーデルハイドが開催し、失脚する原因となったKOFの出場選手でもある。

尋常ではない雰囲気の男、牙刀とその真逆とも言える正義のプロレスラー、グリフォンマスクと共に出場したアンバランスなチームのリーダーとして。

 

アーデルハイド「済まないがお引き取りを願ってくれ。私は……」

 

執事「そ、それが……更にイングリッド様もご一緒で」

 

アーデルハイド「何っ!?あのイングリッド殿も!?」

 

アーデルハイドは戦慄する。バーン家の令嬢であるジェニーだけなのならば…ローズの友人であるジェニーだけならば、後でバーン家に対しての謝罪は必要であるものの、追い返すだけで良い。

しかし………

 

アーデルハイド(イングリッド殿までご一緒とは……一体何が!?)

 

神出鬼没で経歴不詳の謎の女性、イングリッド。

彼女まで一緒となると、ただのローズの使いだけと言うことは考えにくい。

 

ジェニー「考えても仕方ないわよん?アーデルハイド」

 

執事「ジェ、ジェニー様!困ります!」

 

イングリッド「相変わらずめんどくさい性格じゃのう?アーデルハイド」

 

執事の制止など気にする性格のジェニーな訳がなく、ズカズカと入り込むジェニーとイングリッド。

そういえばこんな性格だったな……と苦笑いを浮かべ、ため息と共に諦めたアーデルハイドは笑顔でそれを取り繕う。

 

アーデルハイド「ようこそ、イングリッド殿、ジェニー・バーン嬢。本日はどのような御用向きではるばるこんな離島まで?」

 

ジェニー「これを届けによん♪あと、恭介にもね♪」

 

恭介「僕にも?」

 

ジェニーは四枚の封筒を取り出し、それを二枚ずつアーデルハイドと恭介に渡す。

 

アーデルハイド(これはバーンシュタイン家の封印…やはりローズの……)

 

片方は予想通り、二人宛のローズからの手紙。それだけだったのならばアーデルハイドは受け取らずに二人を追い返していただろう。

しかし、もう一枚がそれを踏みとどまらさせた。

 

アーデルハイド「これは……KOFの招待状?いや、ただのKOFではない!」

 

アーデルハイドと恭介は招待状の封を開ける。

 

アーデルハイド「なっ!『R』だと!バカなっ!父は…ルガールは確かに死んだとハイデルン殿から聞いている!これは一体…」

 

一方では………。

 

恭介「なっ!太陽学園がシャドルーに襲われた!?バツが行方不明だと!?招待状の『V』はベガ……一度に情報が来すぎて理解が追い付かない……」

 

アーデルハイド「見せてくれ……恭介君」

 

恭介に宛てられたローズの手紙を読むアーデルハイド。そこには………

恭介が探している忌野雹が大会にエントリーをしているとの内容が記されていた。更に……

 

アーデルハイド「覇王丸……かのナコルルの同士として知られている剣豪に、四神の楓……マッドギアのソドムらと組んで……」

 

更には当のナコルル、ヨーロッパ闇の貴族のクラウザー、アッシュ、三種の神器、武神流、元ネスツ…。

 

アーデルハイド(これはいつものローズの手紙とは違う!)

 

アーデルハイドは自分宛の手紙の封をペーパーナイフで切り、内容を確かめる。

『親愛なるお兄様へ』から始まる手紙の文面は、最初こそ回りくどくもアーデルハイドが予想した通り、ローズの謝罪文から始まった彼女の手紙。しかし、途中からその内容に変化が現れた。

 

ローズ『今更この不肖のわたくしめがお兄様を頼るのはむしが良すぎることは重々承知しております。しかしながら、亡くなったはずのお父様が現れ、魔界や伝説の一族達が動き始めた今、わたくしに頼れるのはお兄様のほかありません。身勝手なお願いだとは承知しておりますが、どうぞこの不肖な妹めにお力をお貸しいただけないでしょうか』

 

と続いていた。

ルガール、ギース、ベガ……地獄門、魔界……。

なるほど。イングリッド程の者が動くはずである。

それに、これは恭介の問題にも深く関わりそうだ。自分の問題、恭介の問題、イングリッドの問題…もしかしたらジェニーにも何か関わりがあるかも知れない。

クラウザー程の大物まで現れたのだから。

 

アーデルハイド「ローズ……私は不出来な兄であろう。お前にとっては私はただの負担でしかないのかも知れない。だが、不肖な私でも何かお前の役に立てることがあるということか……」

 

アーデルハイドはローズの手紙を丁寧に畳んで封へと戻し、執事に渡す。

 

アーデルハイド「恭介君。君の問題も含めて私は立ち上がろうと思う。付き合ってくれないか?」

 

恭介「ありがとうございます。アーデルハイドさん。僕もこのままではいけないと思っていました。是非ともこの大会に出場し、兄と腹を割って話したいと思います」

 

アーデルハイド「ありがとう……」

 

イングリッド「決まりじゃな。此度の戦いは楽ではないぞ?」

 

ジェニー「目指すは優勝!そしてギースやルガール、ベガの野望を阻止してお宝をゲットするわよん♪」

 

ジェニー(そして私も……前に進まなきゃ……)

 

アーデルハイド・バーンシュタイン!復活!

 

 

 

sideエリナ・ジョースター

 

エリナ「勝っちゃいましたか……承太郎……」

 

承太郎にタコ殴りにされ、スティーリー・ダンの如く体をクレーターだらけにされたハチ君に、こっそりとエメラルド・ヒーリングをするエリナことわたし、アーシスの一色いろはは嘆息します。

わたしとしては、あの承太郎には負けてもらいたかった気分です。

ハチ君がボコボコにされたからじゃあありませんよ?

あれは完全にハチ君が悪いわけですし。

EOH事件では共闘したとは言っても、あの承太郎にとって、ハチ君は所詮はDIOの転生です。

アーシスの承太郎を相手にする感覚で承太郎を弄ったハチ君が悪いんです。

 

八幡『まるで勝って欲しくなかったような言いぐさだな?エリナ・ジョースターの一色いろは』

 

エリナ「ノスフェラトゥの『せんぱい』……ですか」

 

音もなく、わたしに接近して話しかけてくる声を失った比企谷八幡……。ノスフェラトゥのハチ君の同位体ですね。

この人はハチ君やハチ君と組んでいるせんぱいと違い、どちらかと言えば『ボーダー』の比企谷隊長と似たようなシリアスな雰囲気を纏っています。

まぁ、アホをやらないハチ君……といったところですかね?

 

八幡『お前にとって、空条博士は家族じゃあなかったのか?』

 

確かに承太郎はわたしの前世にとって、玄孫ですから世界は違っても、家族であることには代わりはありません。

ですから負けて欲しいと言っても酷い目にあって欲しかった訳じゃあないんです。

ですが、あの承太郎は……EOHの承太郎です。

万が一にもベガのような存在に目を付けられてしまえば……。

 

エリナ「あの承太郎が持っている力は……本当に危険なんですよ。それこそ、ハチ君が拐われた時よりも、あの承太郎が拐われた時の方が危険なんです」

 

八幡『わからん。DIOの奴もそう言っていたが…。空条博士とは俺も一度、戦った事がある。確かにその時の空条博士は全盛期の空条博士では無かったが、スター・プラチナは元々ザ・ジェムストーンの下位互換性のスタンドだ。能力とか以前に空条博士本人が強いという事は認めるが、俺にはザ・ジェムストーン程脅威を感じるものだとは思えんが?』

 

それは……あなたが辿ったストーンオーシャンが、弥七の世界と同じ結末を辿ったから言える言葉なんですよ。

何故、プッチを止める必要があったのか……。

 

エリナ「せんぱい。あなたは多分、弥七に匹敵するレベルでチートな能力を持っているのだと思います。けど、あの承太郎には決して手を出さない事をお勧めしますよ?あのスター・プラチナは……強い弱いの概念がまったく意味をなさないんですから……あのレクイエムですらも……」

 

八幡『レクイエムですらも意味をなさない?どういう意味だ?あのレクイエムは……スタンドの究極形態のはずだろう?』

 

エリナ「正確には究極形態の1つ……です。でも、レクイエムとは別の、スタンドの究極形態が存在するんですよ……その名は………」

 

承一郎「オーバーヘブン……だろ?いろは」

 

奥から現れた承一郎先輩が声をかけてきます。

そう……EOH事件で……そして幻想郷で出会った天国に到達したDIOが身に付けていた『ザ・ワールド・オーバーヘブン』と同じ能力のスタンド……。

スター・プラチナ・オーバーヘブン……。

 

八幡『オーバーヘブン?』

 

承一郎「ノスフェラトゥの八幡。オーバーヘブンとは事を構えるな………。もっとも、君が望めば君や材木座君、ノスフェラトゥのいろはや陽乃は普通の少年少女になれるチャンスとも言えるけどね。承太郎さんがそう望めば、僕たちみたいな異能を持った人間でも、たちまち普通の人間さ……」

 

エリナ「真実の上書き……それがスター・プラチナ・オーバーヘブンなんです……」

 

オーバーヘブン……それはチートオブチートとも言える力です。

レクイエムの上位互換であるオーバーヘブン。

ジョルノのゴールド・エクスペリエンス・レクイエムですら、天国に到達したディオの一撃によって真実を上書きされ、魂だけになってしまいました。

今のジョルノではなく、歴代ジョジョの全盛期達が集結した時の……EOH事件の時の全盛期ジョルノが……です。

 

八幡『オーバーヘブン……記憶にあるぞ……』

 

弥七「そう言えばノスフェラトゥの先輩は、私の先輩と同じ境遇なんでしたっけ?」

 

八幡『ああ………DIOの魂が俺に入ってきた。奴の記憶からオーバーヘブンに負けた記憶がある……真実の上書き……あれがあの空条博士にあるのか……』

 

あんなものがベガに狙われたら………。

 

ルガール「ふっふっふっ………良いことを聞かせて貰ったぞ……オーバーヘブン………その力があれば……」

 

エリナ「ルガール!」

 

迂闊でした!

ここは敵地!うっかりこんなところでオーバーヘブンの話をしたら………。

 

イングリッド「本当に迂闊よのう。他人の力を奪う事に長けておるルガール・バーンシュタインに知られてしまうとはのう?」

 

エリナ「く………エメラルド………」

 

ルガール「ギガンティックプレッシャー!」

 

わたしがエメラルド・エクセスでルガールを攻撃しようとしましたが、ルガールは高速でわたしに肉薄。間に合いません!

 

イングリッド「させぬわ!」

 

イングリッドさんがわたしを突き飛ばし、代わりにルガールに捕まれました。

そしてそのまま壁まで運ばれて……。叩き付けられ、オロチのシンボルが浮かびます。

 

イングリッド「ぐっ!」

 

承一郎「ヘブンズゲート……マチュアと同じ技か!」

 

ルガール「ふん!元々は私のギガンティックプレッシャーがオリジナルよ!よくも邪魔をしてくれたものだな。ジェノサイドカッター!」

 

もう既に深手を負っているイングリッドさんに、ルガールは追撃の真空を纏った蹴りを放ちます。

ジェノサイドカッター。ギガンティックプレッシャーと共にルガールの代名詞と言える技を受け、イングリッドさんは気絶してしまいました。

 

イングリッド……再起不能(リタイア)

 

「なんだなんだ?」

「おい!選手が血塗れで倒れているぞ!」

「人を呼べ!ルガール・バーンシュタインがいるぞ!」

 

ルガール「クックックッ……まぁ良い。いずれは貴様らの能力も、この私がもらい受けよう!」

 

そう言うと、ルガールは走り去って行ってしまいました。まずいです!承太郎のオーバーヘブンが敵に知られてしまいました!

 

エリナ「エメラルド・ヒーリング!」

 

わたしはイングリッドさんにエメラルド・ヒーリングを放ち、傷を治します。

 

アヌビス「ルガールにオーバーヘブン……悪い予感しかしないわね………」

 

ハルさんが顔をしかめます。

ハルさんもEOH事件ではディオのザ・ワールド・オーバーヘブンに操られてしまっていましたから……。

 

アーデルハイド「イングリッドさん……これは……」

 

駆け付けたイングリッドさんのチームメンバー、アーデルハイドさんが顔を青くしています。

 

承一郎「実は…………」

 

状況を説明する承一郎先輩。

どうなるんでしょうか………。

 

←To be continued




アーデルハイド・バーンシュタイン
出展…SNK THE KING OF FIGHTERS´2003(アッシュ編)
今回の元凶の1人であるルガール・バーンシュタインの息子。
父親とは違い、野心は皆無で礼儀正しい人物で、対戦相手に対しては一定の敬意を払って接する人物。
ブラコンの妹、ローズを持つ。
KOF11のアーデルハイドのエンディングにて『かの地より出ずる者』の1人、牡丹により操られたローズと仲違い。その後、公式では一切の登場がない。
初登場のKOF2003では服装や必殺技からルガールの関係者ではないかと囁かれていたが、特に明言はされず、アーデルハイド・バーンシュタインの名前が出たのはKOF11のアーデルハイドストーリーにて。
ルガールに妻と娘を殺害されたハイデルンの口からフルネームが明かされた。その時のハイデルンの言葉は…『次に出会ったとき、君は私の敵だ……アーデルハイド・バーンシュタイン!』
妻と娘を殺害した肉親に対してこの言葉を放ったハイデルンと、放たれたアーデルハイド……悪人では無いが為に、どちらも救われない。アーデルハイドの心中は、暗澹たるものであっただろう。
ジョナサンから孫のジョセフが生まれたように。ジョセフから天真爛漫な娘のホリィが生まれたように。ホントにどうしてルガールのような男から、アーデルハイドが生まれたのやら……。

鏡恭介
出展…カプコン 『私立!ジャスティス学園』
主人公・一文字バツが通う太陽高校で風紀委員を務めていた優等生。
文武両道を掲げる超進学校、ジャスティス学園が全国制覇を唱え、地域の学校を制圧された際にバツ、ひなたと共に事件の解決に乗り出す。
だが、その正体はジャスティス学園生徒会長で、兄でもある忌野雹が太陽高校に送り込んだスパイだった。
本名、忌野恭介。
バツやひなたと行動していく課程で友情を育み、自らの任務・兄と友情に揺れ動く。最終的にバツとの友情を取った恭介。
続編の『燃えろ!ジャスティス学園』では再び暗躍するジャスティス学園を止める為に動くも、最終的に兄が暴走。炎の中に消えた雹の姿を見た後、太陽高校には恭介の姿はなかった………。
餓狼MOWシリーズと同様にジャスティス学園シリーズも世界がザ・ワールドとなってしまったので、その後が非常に気になるところであるが…。
カプエス2では二階堂紅丸と掛け合いがある。

B・ジェニー
出展…SNK 餓狼MORK OF WOLVES
ギースの死後、ロック・ハワードが主人公になった10年後の世界で登場した潜水艦海賊、リーリンナイツの首領。
多額の奨金と、主催者からお宝を奪うためにKOF(ネオジオ・バトル・コロシアムではマキシマム ザ・キング・オブ・ファイターズと名付けられている)に参戦。
その正体はイギリスの富豪、バーン家の令嬢であるジェニー・バーン。
海賊稼業はスリルを味わう為。
海賊と言っても義賊のような活動をしており、メンバーも悪人とは程遠いお遊戯軍団。
初恋の相手はテリー・ボガード。
本来ならば全盛期のテリーやリョウ・サカザキとは時代が違うのだが、何故か『マキシマム・インパクト』やKOF11に参戦しており、KOFシリーズが本来の餓狼や龍虎とは時系列が違うことを嫌でも認識させられる。
MOWでのエンディングではラスボスであるカイン(ギースの妻の弟。ロックにとっては叔父にあたる)に思うところがあるようで……
餓狼MOWシリーズがSNK倒産と共にザ・ワールドになってしまったため、その後がどうなったかは20年近く経った現在でもわからない。

イングリッド
出展…カプコン CAPCOM fighting jam
SNKプレイモアがSNKのオールスター格闘ゲームである『ネオジオ・バトルコロシアム』を出したと同時期にカプコンがゲームセンターにリリースしたカプコン格ゲーキャラクターのオールスターゲーム、『CAPCOM fighting jam』に登場したオリジナルキャラクター。
結果的には双方で滑ったゲーム。
うら若き少女のような容姿をしているが、白髪頭で年寄りのような口調、更には『ナウなヤング』と言うような死語を連発するなど、俗に言うノジャロリタイプのキャラクター。
実際に本当に長い年月を生きていたような設定であるので、ノジャロリと言うよりはロリBBA?
シリーズ物には出ておらず、お祭りゲームやストゼロ3↑↑(ダブルアッパー)のようなリメイクの特別参戦キャラクターの位置付けにいるので、彼女の設定はあまり掘り下げられていない。
オールスターゲームでの登場の割には技の性能が微妙だったりと、不遇なキャラクターではあるのだが、人気は結構高いらしい。


エリナ・ジョースター
出展…カプコン ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産という設定
本作の一色いろは。
最近影が薄い。濃いのがいっぱいいるからであろうか?

アヌビス神雪ノ下陽乃
出展…カプコン ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産という設定
本作の雪ノ下陽乃。
本編も含めて久々の脚光を浴びている。
第4章主人公の中で唯一、ゲッター編に登場しなかったためか?
一応はEOH編にも活躍はしている。DIOに操られてはいるが……。

盗賊アーサー
出展…SNK SNKヒロインズ
正確にはスクエニの『ミリオンアーサー』よりSNKヒロインズにコラボ参戦したDLCキャラクター。
『ミリオンアーサー』の格ゲーでは逆にSNKから八神庵が参戦しているので実質二回、公式で八神庵とコラボしている事になる。
声がいろはと同じ中の人。
ジェニーと同じく義賊。

いろは
出展…SNK サムライスピリッツ 天下一剣客伝
サムスピシリーズの異色作、天下一剣客伝にて初登場した鶴の妖怪。
罠にはまっていたところを『旦那様』に救われて以来、正体を隠して押し掛けメイドになった和風メイド。
服装が不知火舞や未来への遺産におけるミドラー並みに際どい。
それどころかKOFで言うところのマックス2にあたる絶命奥義では、障子に遮られた奥のシルエットで服を脱ぐ演出も………。
SNKプレイモアが開発したシューティングゲーム、SNKシューティング(東方シリーズに匹敵するレベルの鬼畜弾幕シューティング)ではリョウ・サカザキや覇王丸、ナコルルを差し置いてプレイヤーキャラクターにまでなっている。(他のキャラクターは草薙京、八神庵、テリー・ボガード、不知火舞、麻宮アテナ、クーラ・ダイアモンド、マルコ・ロッジ(メタルスラッグ))

オーバーヘブン>レクイエム
ゲームのEOHでは、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムですらザ・ワールド・オーバーヘブンによって一撃で葬られました。
オーバーヘブンとレクイエムがぶつかりあった時、勝つのはオーバーヘブンという構図が出来上がった瞬間とも言えます。
第5部ではあれだけ物語の中核にあった『矢』と『レクイエム』も、第6部では見向きもされなかったのは、真実を操る能力はオーバーヘブンの方が上だったという確信がプッチにはあったからかも知れません。
ASBでもプッチのメイドイン・ヘブンがオーバーヘブンを発動させると、無条件で勝利となっていましたし。

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