さぁ!お仕置きの時間だ!
sideなし
BGM「ねっ!」
(KOF94 女性格闘家チーム)
小粒のエメラルドショットで恭介の目にダメージを与えたアーシスの一色いろは。
恭介「ぐぅぅぅ!」
恭介は目から涙を流し、目を押さえる。
エリナ「さぁ、お仕置きの時間ですよ?ベイビー」
まるで叔父の花京院典明のような言葉を発するいろは。
エリナ「エメラルド・ヒーリング!」
緑色の光を体に包むと、先程まで痛々しかった体の傷が治癒されていく。
しかし………
エリナ(いつものナイチンゲールほど回復はしないみたいですね。本当にスタンド使いには不利な世界です)
いつもなら傷も体力もあっという間に治るエメラルド・ヒーリングだが、この世界はとことんスタンドの力が制限されてしまう世界なのか、まるで幼少期の頃のような回復量だ。
エリナ(それならばそれならばで、そういうものだと把握していれば良いんです!『たら』『れば』なんて考えるだけ無理なんです!無理無理!)
兄貴分、ジョルノ・ジョバァーナのような発言を脳内で再生させ、攻撃に転じる。
エリナ「空中で制御を失しているのは悪手ですよ?」
エリナは恭介の襟首と袖を掴む。
エリナ「ジョセフ直伝!裏背負い投げ!」
別名逆背負い投げ。
背負い投げの要領で相手を投げるのだが、相手の向きが逆になっている場合は逆関節を決めて顔面から相手を叩き付ける形になる。
この世界では自分の力が通用しないと判断したエリナは、得意とする投げ技で地球を武器にすることに決めた。
承太郎「あんな技を使ったてたのか?ジジイ」
ジョセフ「いやいや、使っておらんわ!なんなのじゃ?未来のワシは!」
EOH世界のジョセフが知らないのも仕方がない。
アーシスのジョセフはいろはや八幡達と出会った際に、先々でエンリコ・プッチ、ブラッディ・スタンド、ウルフスと気の遠くなるような苦難が待ち受けていたことを知っていた。
そんな未来から家族に力を付けさせる為に、引退して有り余る時間を利用し、波紋の再修行と平行して世界の格闘技を追求したのだ。
中でも非力で波紋の戦士でも無ければ前世の技術財産のない祖母の転生、一色いろはの為に研究・習得し、伝授させたのが柔術と日本拳法である。
非力ないろはに相手の力を利用して投げる技術と波動の型を始めとした非力でも破壊力に特化させた日本拳法は彼女の危機を何度も救った。
腕をいわされ、顔面と腹を打ち付ける古来の柔術の荒々しい洗礼を受けた恭介に、いろはの猛攻は止まらない。
エリナ「古式柔術や日本拳法はですね……投げで一本にはならないんですよ」
投げを決めて試合終了となるのは精々柔道や合気道くらいのものだ。
例えばレスリングでも投げの後にフォールしなければポイントにならない。
いろははあえて掌を開き、そして恭介の脳天に向けて腕を下ろす。
素早く恭介の脳天に向かっていく過程で拳は徐々に握られ、インパクトの瞬間に拳を握り終えるという型。
素早く、そして重い一撃が恭介の頭にヒットし、スパーン!と非力な少女が繰り出したとは思えない打撃音が響く。
これこそが………
エリナ「波動拳!」
日本拳法の波動拳である。
別名、マッハ突き。
リュウ達が使う気の塊を飛ばす物ではなく、独特の殴り方をする攻撃に特化させた格闘スタイルの代表的な技だ。
恭介「ぐおっ!」
非力ないろは本体の波動拳だったからこそ悲鳴をあげるだけでとどまった恭介。
波動拳とマットにサンドイッチされたのだ。
これをDIO八幡や静がやれば、超必殺技級のダメージだったに違いない。
雹「恭介!」
覇王丸「まったく……とんでもないねぇ。あれがこの時代の武芸ってやつかい」
弟が蹂躙され始め、風向きが変わった試合に雹が身を乗り出す。
雹「覇王丸殿、何故あのエリナという少女の実力を知っていたのですか?」
覇王丸「目と……それと雰囲気よ」
雹「雰囲気?」
覇王丸「お前さんは過去の過ちを悔いているようだが、あのオナゴ………あんたよりもよほど業が深いぜ?人殺しというヤツの業ってのはよぉ」
覇王丸は理由はどうあれ、数ある武芸者を切り伏せて来た剣豪だ。
老年の覇王丸は幕府にも名を覚えられている剣豪であり、その頭角はこの頃から既に出ていた。
天草、羅生神ミズキ、壬生斬紅朗、壊帝ユガ……数々の凶事をその腕と愛刀「河豚毒」で切り抜けてきた。
その覇王丸だからこそわかる。エリナいろはの業の深さを。
雹「人を……」
覇王丸「覚悟を決めた者はこえぇぜ?かぁっ!これまでナコルル絡みの戦いってのは毎度毎度腕が鳴ったモノだけどよぉ、今回も中々のもんじゃねぇか!くぅぅぅ!腕がなるねぇ!今夜は呑むか!」
雹(既に飲み過ぎのような気をするのですが……)
先程とは別の意味で覇王丸の事を心配する雹。
雹(伝説の剣豪、覇王丸殿にここまで言わせるとは……恭介……)
一方で試合は先程とは逆の意味で一方的になっていた。
あと一削りで勝負が決していたエリナいろはと鑑恭介。
しかし、その一削りが今はとても遠い。
折本かおりのアースブルース63の能力、テンションの加速化。
負けムードの加速状態を今、恭介は味わっていた。
恭介「雷神クロスカッター!」
開幕に射った飛び道具、クロスカッターの超必殺技バージョン……雷神クロスカッターを放つ恭介。
しかし……
エリナ(無闇やたらに放てば良いというものでは無いんですよ。その技は既に見ているようなものです!無理ですよ!)
クロスカッターの強化版……早い話が弾数が多くなったクロスカッターそのもの……。
軌道等は全く変わらないその攻撃を……攻撃避けで余裕で回避するエリナいろは。無言で避けているのは未だに視界が回復していない恭介に位置を悟られない為だ。
恭介「くっ!」
苦し紛れに蹴りを放つ恭介。
エリナ「はっ!」
それを難なくいなす。軌道を上に逸らし、体勢が崩れた所を軸足を刈り、体を浮かせる。
エリナ「レイジング…………」
浮いた恭介の体の腹部にナイチンゲール・エメラルドが掌を当て………
エリナ「ストーム!」
恭介の体をリングに叩き付けるように双掌打を放つ。
アンディ「レ、レイジングストーム?」
餓狼八幡「や、確かにロックのレイジングストームみたいなモーションだったけど……全然レイジングストームじゃないし………」
ギースやロックの放つレイジングストームは足元に気を当て、気の檻か竜巻を発生させる技だ。
いろはが放ったのはただの打撃である。
静「あれって………」
DIO「なんかごめんなさい……あの似非レイジングストームは俺が川崎にやったヤツです……はい」
沙希「あたしに?」
DIO「正確にはツェペリさんの川崎にです……はい」
(第3章・エンジャルラダー編を参照)
アンディ「下らないネタに走ったという訳だね……」
静「イーハがあのネタ技を使うなんて……」
DIO「本城、丁度エンジャルラダー編の時にKOSFを書き始めたもんなー……」
沙希「ちなみにその戦いの結果は?」
DIO「俺が川崎に負けました。そしてジジイに仇を取ってもらいました……以後、川崎はジジイをライバル視しています……ハイ」
沙希「似非レイジングストームなんかやって余裕見せているからだよ。バカじゃないの?比企谷はあたしに勝ったっていうのにさ」
DIO「げふっ!言葉の刃が鋭すぎる……これならアンディさんにツッコミ必殺技を食らった方がマシなまである」
餓狼八幡「そうだぞDIO。何で似非レイジングストームなんだ!どうせなら似非パワーゲイザーの出番だろうが!」
DIO「それがあったか!」
沙希「ツッコミ幻影脚!」
DIO&餓狼八幡「ぶはぁ!」
鋭い連続蹴りを食らい、吹き飛ぶ二人の八幡。
承一郎「まったく………自分の彼女が戦っている時くらい、大人しく観戦出来んのか?君は」
声八幡『結果が心配にならんのかね?』
忍「いろはちゃんはあんたの婚約者でしょ?」
DIOはちらりとリングの外にあるそれに目を向けた。
DIO「結果なんて見えていますよ……とっくにね」
エリナ「とどめです!お仕置きの時間です!」
エリナいろははナイチンゲール・エメラルドを接近させる。
恭介「くっ!そこにいるのはわかっている!クロス……」
声のした方向に向けて雷神クロスカッターを放とうとする恭介。しかし、いろはの叫びは………
アーデルハイド「罠だ!恭介君!」
罠だった。
思い出して欲しい。ナイチンゲール・エメラルドは近距離パワー型の戦い方が可能な「遠距離パワー型」のスタンドである。
回復能力、無理無理ラッシュ等の能力に特化した代わりに、叔父……そしてその転生の海老名姫菜のスタンド、ハイエロファント・グリーンが持つエメラルド・スプラッシュの弾丸の強さや触手化等の変幻自在の能力は劣るものの、遠距離パワー型の本質はハイエロファントと変わらない。
エリナいろはが敢えて声を出した理由……。
それはナイチンゲールを遠距離モードにして本体から切り離し、恭介の背後に忍び寄らせたものである。
そして、声によって恭介に背後を隙だらけにして……
N・E「お仕置きの時間ですよ?ベイビー」
ラバーズ戦の時にジョセフの耳に入り込んだハイエロファントとチャリオッツのように、恭介の耳に入り込むナイチンゲール。
耳から脳に入り込んだナイチンゲールは………。
N・E「エメラルド・ストライク!無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!無理ぃ!」
脳の内側からエメラルド・ストライクを射たれ、ボロボロにされる。
恭介「ぬぉぉぉ「………」ぉぉぉぉ!」
波動拳、柔術の乱舞、極めつけに『未来への遺産』におけるハイエロファント・グリーンの『お仕置きの時間だ!』のナイチンゲール版、『お仕置きの時間です!』でボロボロにされた恭介は、断末魔の声をあげてKOとなった。
弥七「うわぁ……あんなかくし球を持っていたんですね……気が付きませんでしたよ……」
声いろは「あー……デラウェアでありましたね?ラバーズのスティーリー・ダンの時に……ね?はるさん?」
声陽乃「思い出させないでくれる?あれは痛かったんだから………」
ノスフェラトゥの世界でスティーリー・ダンの被害に遭ったのは陽乃だった。
最後は陽乃自身で『プチッ♪』とラバーズを潰したが。
承一郎「これでいろはが1勝か……」
DIO「そうでもないんだなぁ。これが」
忍「そう言えば、KO宣告が出ないわね……」
餓狼八幡「あ………そう言えばさっき………」
何かに餓狼八幡は気が付いた。
KOFの試合に一番近しい位置にいる彼だからこそ、気が付いたというべきだろうか?
アナウンス「WINNER!IS!恭介!」
エリナ「……………わ、わたしの負けですかぁぁ!?」
実は恭介の断末魔がうるさすぎて、かきけされていたのだが、恭介がKOされるちょっと前にタイムオーバー宣告が出ていたのである。
アヌビス「やっぱり……」
アーサー「急いで下さいと叫んでいたんですけどねー。罰金ものですよ?エリナさん」
エリナ「ちょっと待ってください!体力はエメラルド・ヒーリングで回復してるんですよ!?」
アヌビス「いやいやいろはちゃん?それはアーシスに関係している人じゃあないとわからないから」
声陽乃「それこそゲームならば体力ゲージでわかるかもだけど、傍目じゃわからないわよねー?」
一度は誰の目から見てもKO直前まで追い込まれていたエリナいろは。
タイムオーバーが宣告された瞬間までは恭介の方が体力があったと判断されたのだろう。
エリナ「…………」
一度ガックリと肩を落とし、その後にあざとく自分の頭をコツンと拳骨してから………
エリナ「間に合いませんでした。テヘッ♪」
ペロッと舌を出すアーシスの一色いろは。
それでズキューン!とハートを撃ち抜かれるのはアーシスの比企谷八幡……DIOだけである。
エリナ・ジョースター(ナイチンゲール・エメラルド)……判定負け。勝負には勝ったが試合には負けた。
鑑恭介(太陽学園(休学中))……判定勝ちであるが、実質
先鋒戦……実質ドローゲーム
トボトボと帰ってくるエリナいろは。
静「………イーハ。結構髪の毛、ボロボロになっちゃったね?」
ハァハァと息をあらげながら櫛とブリーチ剤を手にした静・ジョースターがエリナいろはに近付く。
エリナ「え?ええ……あんな電撃を貰ってしまったんじゃあ………って、まさか……ジョジョ先輩……禁断症状が……」
静「ハァ………ハァ………しばらくお兄ちゃん(仗助)の髪を整えてない………私のライフワークが……ハァ………ハァ………」
静のライフワーク……それは徐倫いじりと仗助の髪の毛のセットだった。
徐倫いじりの方はアンディで代用することが出来たが、髪を整えることに関してはどうにもならなかった。
その代用をいろはで満たそうとしているのである。
エリナ「ア、アンディさんがいるじゃあ無いですか!美形会議に出席するほどの餓狼伝説の美形キャラが!」
クルッ♪と一度アンディを見る静。
しかし…………意味深に肩を竦めてため息を吐くと、再び爛々とした目でいろはを見る。
エリナ「に、に………」
クルッ♪シュゴォォォ……
エリナ「逃げるんですよォォォォ!」
静「ブリーチさせろぉぉぉぉぉ!イーハァァァ!」
追いかけっこの始まりである。
静「ブリーチさせろブリーチさせろブリーチさせろブリーチさせろBLE○CHさせろ
エリナ「それはブリーチじゃあなくてBL○ACHです!自分で
静「ブリーチさせろぉぉぉぉぉ!」
もう既に負けているので逃げに入ったエリナ。
それを追う目を爛々と輝かせ、「ブリーチさせろ」と叫ぶ静。
アンディ「…………僕のやり場のない怒りは……どこへぶつければ良いのだろうか………」
餓狼八幡「アンディ兄ちゃん……その背中に漂う哀愁は……10万美形に値するよ」(美形会議ネタ)
DIO&餓狼八幡&声八幡&承一郎&忍&承太郎
「まったく…………ヤレヤレだぜ………」
←To be continued
本城本人は柔道の崩しで相手を防御不能状態にして腹部に波動拳をぶちこむのが得意ですヽ(・∀・)ノ
身内からはデスブローと呼ばれています。
衝撃が防具を貫通するらしく、ダウンKOを奪った事もありました。
崩しからデスブローか顔面打ちか投げ技か腹か顔面に膝蹴りか………
柔道の崩しって万能ですよね♪
覇王丸の声
元々の声優は大門五郎、リョウ・サカザキと同じく臼井さん。
現在の有名な声優さんで、似ている声の方は「うえだゆうじ」さんでしょうか?
特に戦国無双における前田慶次は覇王丸とどことなく雰囲気が似ている感じがします。
美形会議
アンディ・ボガード、ロバート・ガルシア、サムスピの橘右京、八神庵がレギュラーの謎の会議。
庵がツッコミ担当。
『KOF読本』というファンブックのおまけCDでは草薙京もゲスト参戦した。
京「八神の先祖には、怨念がおんねん……」
B八幡「…………久々に名前が登場したような気がする」
静「ブリーチさせろブリーチさせろブリーチさせろBLEAC○させろ卍解させろ………」