やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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異世界女性格闘家チームVSバーンシュタインチーム6 ルガールの血統

SIDE なし

 

陽乃「アーサーちゃん。もう棄権した方がいいわよ?ジョジョちゃんは私が止めるから。八幡くんが……」

DIO「え?俺が?や、相棒を止めるのは無理なんですが?」

アーサー「ま、まだまだ余裕ですよー。DIOに庇われるのはちょっとあれですし………」

DIO「いろは声で言われるとムカッと来るんだが……」

 

一色いろはと盗賊アーサーの声は瓜二つ。

エリナいろは、弥七いろは、盗賊アーサーが組み、ストライカー目的で餓狼八幡かノスフェラトゥ材木座(共にストライカーが餓狼いろはとノスフェラトゥいろは)で組めば「あやねるチーム」が完成する。※1

ちなみにジョー・東、デミトリ、一文字伐、材木座が組めば「檜山チーム」が。(炎をバックにジョー、バツ、材木座が暑苦しく燃えていて、デミトリが背後で黒幕っぽく笑っている1枚画※2

DIO八幡、餓狼八幡、ノスフェラトゥ八幡、キム・カッファンでチームを組めば「江口チーム」が完成する。(テコンドーの服を着させられ、必死にキムから逃亡している三人の八幡を目を光らせ、悪魔の笑みを浮かべたキムが鳳凰脚で追っている1枚画)※3

 

閑話休題

 

陽乃「まぁ、無理してでもやると言うなら、止めないけどね」

アーサー「スタンド使いの世界の人は、私達の世界の人と比べると非力じゃないですか。ここは私がやりますよ」

陽乃「否定はしないけど、お姉さんは例外なんだけどねー」

陽乃(ついでに言えば承一郎君と忍さんも……ね)

 

確かに地の力は陽乃はDIOや静に劣る。しかし、特定の条件の下では陽乃も例外だ。場合によってはおつりが来るだろう。しかし、敢えてそれを口にしない陽乃。

 

「時間です!さぁ、追い込まれたバーンシュタインチームのリーダー、アーデルハイド選手の登場です!思わぬダークホース!今回は大番狂わせが多いこの大会!この無名の新人が集まったチームが……ミリオネアファイターズで活躍した鑑選手、KOFの出場経験者のB・ジェニー選手の実質的な敗北を誰が予想出来ていたでしょうか!これだからKOFはわかりません!どんな新人が現れるか毎度読めない!」

アーサー「まるで悪役ですね……」

陽乃「トトカルチョをやっている人にしてみれば、そうでしょうね。私達がアッサリと負ける構図が出来ていたと思うわよ?」

 

元来、KOFという大会はそういう物だ。

ギース・ハワードがテリーに敗れるまで毎年、サウスタウンで開催されていたのも経済効果もさることながら、トトカルチョの元締めをやっていた事によって私腹を肥やす事が出来ていたのが主な理由だからだ。

もちろん、今回のKOSFも例外ではない。

裏ではしっかりとトトカルチョが行われていた。

当然だが金儲けになるならDIOや静、ジョセフが動かない訳がない。

キッチリと知り合い達に賭けてせっせと小銭を稼いでいる。

 

シーフ・アーサーVSアーデルハイド!

 

リングに立ったアーデルハイドがチームメンバーに目を向け、拳を握る。

 

アーデルハイド「任せておけ……」

 

その言葉はチームメンバーに向けられたものか、それともこの場にはいない妹のローズに向けられたものなのか……。

 

ラウンド3

レディー!ゴー!

 

アーサー「せいっ!」

 

盗賊アーサーは早速、双風短剣をアーデルハイドに向けて放つ。

しかし……

 

アーデルハイド「はぁ!Gワンド!」

 

前に出したアーデルハイドの利き手から、気の塊が展開される。

 

アンディ「あれは……まずい!避けるんだ!」

アーサー「はい?」

 

アーサーが投げた2本のナイフはGワンドに触れると……

投げナイフがそのままアーサーに向けて戻ってくる。

 

アーサー「なっ!」

 

ザシュッ!ザシュッ!

虚を突かれたアーサーはガードが間に合わず、自らのナイフをそのまま受けてしまう。

 

アンディ「やはりダークバリヤー!」

 

ダークバリヤー。

アーデルハイドの父、ルガールが使用する飛び道具返しの必殺技だ。

その反射能力は優秀で、極限流の覇王翔吼拳ですら跳ね返す性能を持っており、更にGワンド自体にも攻撃判定が存在する。

 

餓狼八幡「アンディ兄ちゃん!知っていたのかよ!ダークバリヤーとかいう技を!聞いたことがないぞ!飛び道具返しの技なんて!」

アンディ「ルガールとは戦った事があるが、僕も飛翔拳を跳ね返された事がある!それに、飛び道具返しの技なんて最近じゃ珍しい事じゃない!」

 

麻宮アテナのサイコリフレクター、ローズのソウルリフレクト、秦兄弟の弟、秦祟秀の帝王他心拳、如月影ニの流影陣。変則なものを挙げれば山崎竜二の「倍返し」も飛び道具返しの必殺技だったりする。

覇王翔吼拳クラスの超必殺技を跳ね返すものは稀だが、アーデルハイドのGワンドのような飛び道具を持つ者は結構いる。

 

沙希「ごめん、比企谷。極限流にも飛び道具返しの技はあるから」

餓狼八幡「マジで?」

 

ユリ・サカザキが使う砕波とタクマ・サカザキが使う猛虎無頼撃が時と場合によっては飛び道具返しの性能を持っていたりする。※4

極限流でも取り入れるくらいには飛び道具返しの技は珍しくないのだ。

 

アーデルハイド「苦しませるのは好きではない。悪いが一気に決めさせて頂く!Gドラッケン!」

 

アーデルハイドは痛みで隙を見せていた盗賊アーサーに向けてダッシュ。

片手でアーサーの腹部を掴み、勢いを落とさないままリング端まで運び、そして壁に叩きつけた。

オロチのシンボルこそ上がらなかったのだが……その技を承一郎は良く知っていた。

 

承一郎「あれはマチュアのヘブンズゲートやルガールのギガンテックプレッシャー!」

 

自身がマチュアのヘブンズゲートを受けた事があるので、その痛みは良く知っていた。

 

アンディ「いや!あれはゴッドプレス!名前は違うがルガールのゴッドプレスだ!」

 

ゴッドプレス。

ギガンテックプレッシャーの原型となったルガールのジェノサイドカッターと並ぶ代名詞的な技だ。※5

リングを仕切るバリアの壁に叩きつけられた盗賊アーサーは、「罰金ものですよー!」と悲鳴をあげ、そのまま動かなくなった。

 

KO!

ウィナー イズ アーデルハイド!

パーフェクト!

 

盗賊アーサー…再起不能(リタイア)

 

ヒト削りもできずにKOされた盗賊アーサー。

しかし、それも無理もない。元々B・ジェニー戦で体力のほとんどを使い果たしていたのだ。

加えて威力が高いゴッドプレスをまともに受ければたちまちKOとなるのは仕方のない話だった。

 

陽乃「ギガンテックプレッシャーじゃあ無かっただけでも幸運だったと言うべきかしらね?」

陽乃(ギガンテックプレッシャーを使わなかったのか、それとも使えなかったのか……それによって対応が変わるわね)

 

ルガールがイングリッドに叩きつけたゴッドプレスの強化技、ギガンテックプレッシャー。

あの技にはオロチの力が使われている。

もし、アーデルハイドがギガンテックプレッシャーを使えるのならば、それはオロチの力を使えるという事の他にならない。

 

陽乃(オロチの力を使うとなるんなら、お祭り気分もここまでね)

 

試合そのものには興味が無かった陽乃だったが、オロチの力が関係してくるなら話は別だ。

 

陽乃「負担は減らすわよ。承一郎君、忍さん」

忍「どういうことよ」

陽乃「目をつけられてるんでしょ?オロチ一族に」

 

怒チームと交流があるせいか、やたらとオロチ一族に縁がある承一郎と忍。

特に………

 

陽乃(普通の人がオロチの力を扱うのは危険よね。忍さんにまだ自覚はないようだけれど)

 

時間一杯となり、陽乃はリングへと上がる。

 

アヌビスVSアーデルハイド!

 

陽乃「ぶった斬ってあけるわ。アーデルハイド・バーンシュタイン」

 

ラウンド4!

レディー!ゴー!

 

陽乃「コォォォォォ………」

 

波紋のポーズで呼吸を整える陽乃。

気のせいか足下から気が沸き上がっているように見える。

 

沙希「気力溜めみたいな感じだね」

拳祟「むしろパワー溜めやな」

DIO「あれ?波紋の戦士ってエキストラモードなの?システム的にはアドバンスモードオンリーじゃあないの?じゃあ、俺達もパワー溜めが可能なの?」

承一郎&弥七&N八幡&忍&N陽乃(え?うちらもパワー溜め可能?)

陽乃(やめなさい!気が抜けるじゃあないの!赤ゲージなんて存在しないわよ!どっちの味方なのよ!)※6

 

溜めた波紋を極限流娘とサイコソルジャーと性悪波紋の戦士にぶちかまそうかと考える陽乃。

オロチの力を使う可能性があるアーデルハイドなので、気を張っていたいところを邪魔されて苛つく気持ちはわかる。

 

アーデルハイド「はぁ!」

 

アーデルハイドが足を蹴り上げ、そこから地を這う気を放つ。

 

餓狼八幡「あれは………烈風拳!馬鹿な!烈風拳はギースとロックのハワード親子の技!しかも足から!」

陽乃「波紋疾走(オーバードライブ)!」

 

陽乃は水平チョップを放ち、波紋のカッターを発生させてアーデルハイドの放った烈風拳……正確にはGキッケンを相殺する。

 

陽乃「資料はきちんと見てるわよ。ルガールの資料はね。足から烈風拳を出したのは意外だったけどね」

アーデルハイド「正確にはGキッケンという技だがね」

 

ルガールは今回のターゲットの一人だ。

ルガールが好んで使う必殺技は資料で研究するのは当たり前だった。当然、烈風拳も警戒していた。

相手の能力がわかるなら、分析して対処する。スタンド使いの基本だ。

 

餓狼八幡「ギースの烈風拳……ロック以外に使える奴がいるなんて……」

材木座「うむっ!ゲーマーとしてはルガールがギースから烈風拳をパクったというのは有名であるのだがな!」

餓狼八幡「や、同一世界の人間からしてみたら烈風拳はギースファミリーの技という認識だから」

材木座「ふむ……ではあの技も八幡殿は驚くやもしれぬな」

餓狼八幡「あの技?」

アンディ「あの技?もしかしてカイ……」

材木座「おっと!今それを言ってしまってはネタバレになろう!それは見てからのお楽しみと言うものだ!そうであろう?八幡殿とDIO殿!」

DIO「や、俺は知ってるから」

餓狼八幡「あと、お前から殿付けで呼ばれるとかないわ」

DIO「同じく」

八幡『だそうだ。答える気がないなら、ノスフェラトゥの恥になるから黙って見てろ。この残念イケメン』

 

少なくともここに集まっている三人の比企谷八幡にとって、材木座義輝の扱いは基本世界とあまり変わらないようである。

 

陽乃「上手く対処は出来たけど、流石はルガールの血統って言ったところかしら?本気でいくわよ、アヌビス神」

 

陽乃の手にスタンドの刀が出現する。

はるのんや九尾の陽乃が使用していたエジプト九英神を模した人型スタンドだったものに対し、陽乃のスタンドは前世の刀が形となった刀型のスタンドだ。

 

アーデルハイド「刀の幽霊……か」

陽乃「幽霊と言っても、刃が当たれば斬れる真剣よ」

陽乃(同時に刀が傷付けば、私が傷付くけどね。でも、私の波紋じゃあ負けるわ。アヌビス神ありきの戦いね)

 

DIO、静と名高い波紋使いが波紋だけでは苦戦した。

二人よりも波紋の力が弱い陽乃では、この世界の格闘家……ましてやアーデルハイドクラスのレベル相手ではまず勝てない。

 

アヌビス「正直に言えば、勝っても負けても良かったけれど、確かめたい事ができたからねー。負けるにしても、ただじゃあ負けないわよ?あなたがどんなに品行方正でもね?アーデルハイドさん」

 

陽乃の目付きが、暗殺者のそれに変化した。

 

 

 

承一郎「本気を出したか。陽乃さん」

呂布「確かめたいことがあるとか言っていた」

忍「オロチの力の事ね……」

サム「厄介な力だな……」

 

 

 

陽乃はじわりじわりと近付きながらアーデルハイドと距離を詰める。

 

アーデルハイド「ハァ!」

 

再び足を蹴り上げ、Gキッケンを放つ。先程と違うのは飛び上がりながら烈風拳を放って来たところだ。

 

陽乃「こんな近距離で飛び道具なんて!波紋疾走(オーバードライブ)!」

 

アヌビス神をしまわず、波紋カッターで烈風拳を相殺する。

しかし……

 

アーデルハイド「烈風拳を知っているからこそ、そういう隙が生まれる。先入観こそ、危険なものはない」

 

Gキッケンを放った時の飛び上がりを利用した勢いで回し蹴りを放ち、それが陽乃の顔面に命中する。

 

陽乃「ぐっ!」

 

回転受け身をしてダウン回避をする陽乃。しかし、アーデルハイドは次の行動に出ており、スライディングを仕掛けてきた。

 

アーデルハイド「Gクレイス!はぁぁぁ!」

 

ルガールはスライディングを使わない。その先入観が陽乃の油断を誘い、足元がお留守になってしまっていた。そして、そのまま足をぐるりと回転させながら飛び上がる。足の回転の軌跡を追って真空の刃が陽乃を襲う。

 

陽乃(ぐぅぅ!ジェノサイドカッター!?こんな連続技を持っているなんて!)

 

ジェノサイドカッター。ルガール式の対空技だが、アーデルハイドはそれをアレンジし、Gクレイスとして超必殺技化させたものだ。

 

陽乃「ジェノサイドカッターをこんな撃ち方をしてくるなんて…完全に油断していたわ……」

アーデルハイド「あなたの研究心は素晴らしい。Gキッケンを丁寧に対処し、避けるのにも無闇に踏み込んでこなかったのもGクレイスを警戒してのものだろう」

 

アーデルハイドが言うように、烈風拳を安易に飛び込んで避けなかったのも、ジェノサイドカッターを警戒してのものだった。※7

 

アーデルハイド「だから、その裏を突かせてもらった……知っているという先入観を利用してな」

陽乃「分かっていたつもりだったのに、先入観って怖いわね……」

 

元々この世界の人間の身体能力は高い。変形烈風拳のGキッケン、変形ジェノサイドカッターのGクレイスをまともに受けた陽乃のダメージは相当だった。

更に………

 

アーデルハイド「はぁぁぁ!」

 

ダッシュを仕掛けてくるアーデルハイド。

陽乃は体を掴まれ、リングの端まで運ばれる。

 

陽乃(ゴッドプレス!?いえ、これは……)

 

壁に叩きつけられ、そして………

オロチの気が込められた柱が立ち上る。

 

陽乃(ギガンテックプレッシャー!これがオロチの気!?)※8

 

自身を蝕む暗黒の力に苦しむ陽乃。

Gスクラーゲン。

アーデルハイド版のギガンテックプレッシャーだ。

あまりの暗黒の威力にクラクラとしながら立ち上がる陽乃。

 

陽乃「ふぅ……なんて日よ。ここまでボロボロにされたのは八幡君やヴァニラ・アイスと対峙したとき以来かしら?いろはちゃんもアーサーちゃんも綱渡り状態だし……」

 

本当に笑えないとフラフラする。

エキストラモードなら体力ゲージが赤く点滅している状態だ。

 

アーデルハイド「棄権して欲しい」

陽乃「………しないわよ。身体能力でマウントが取れたのはここまでよ………その力、覚えたわ」

 

陽乃がアヌビス神をしまわないまま、波紋カッターを放ったのも、アーデルハイドの力を記憶する為だった。

 

陽乃「次元斬!」

力に

高速でアーデルハイドの脇を通り過ぎ、その胴を斬り裂く。

 

アーデルハイド「ぐぅ!そのスピードは……!」

陽乃「あなたのスピードと力を私のものにしたのよ。加えて私の波紋を相乗したのよ!」

 

力に不利があるスタンド使い達。

しかし、陽乃と承一郎、忍だけは身体能力的に不利はない。

元々承一郎は高い身体能力が高く、忍は変身能力を駆使すれば不利を覆せる。そして陽乃は……アヌビス神の能力。

相手の力を受けることによってその力を相手に合わせる事ができる。

加えて………

 

陽乃「コォォォォォ……」

 

波紋の力を相乗させ、得た力に上乗せさせる。

 

陽乃「立場逆転よ。アーデルハイド・バーンシュタイン。力で私に有利に立てたのはさっきまでよ。それに、その力はあなたみたいな人には不釣り合いよ。オロチの力……まるで吸血鬼や柱の一族の力みたいだわ。アヌビス神の力が忍さんの力のように能力そのものをコピーする力じゃあなくて却って良かったわ」

承一郎「やっぱりあの力は……」

忍「オロチの力……ね。あちしも思ったけど、オロチの力は危険よ。迂闊に使えば身を滅ぼすわ。ルガールのように……」

 

ルガールはオロチの力の暴走で消滅した。

 

陽乃「あなたをルガールに会わせる訳にはいかないわ。紳士的なあなたを、オロチの力に関わらせる訳にはいかないもの。そう言うのは………」

 

陽乃は闇の力に耐性がある承一郎や忍を見る。

 

陽乃「三種の神器やオロチに目を付けられている人達に任せるべきよ」

承一郎「押し付ける気……」

忍「満々ね……」

 

アーデルハイド「私はここで倒れる訳にはいかない……父の所業を止めるのは……私の役目だ!」

 

アーデルハイドは大きく両手を広げ、気を溜める。

 

餓狼八幡「あ、あれは!」

 

アーデルハイド「Gプリッシィン!」

 

アーデルハイドは気の力を解放し、突き出した両手から巨大な気の塊を発射する。

 

アンディ「カイザーウェイブ!やはり彼も使えるのか!」※9

餓狼八幡「」

 

迫りくるGブリッシィン。

陽乃はGブリッシィンを見てニヤリと笑う。

 

陽乃「銀色の波紋疾走(メタルシルバー・オーバードライブ)!」

 

縦にアヌビス神を振り、波紋のエネルギーでGブリッシィンを打ち消す。

 

陽乃「カイザーウェイブの力を覚えたわ!あなたの力と私の波紋を上乗せして……食らいなさい!うりゃりゃりゃりゃりゃりゃあ!」

 

陽乃はもう一度横薙ぎにアヌビス神を振るう。

打ち消したGブリッシィンの気の力に波紋を加え、波紋を伴った気の刃としてアーデルハイドに迫る。

 

アーデルハイド「まさか…私が飛び道具返しを受けるとは…」

 

苦し紛れにアーデルハイド版のダークバリヤー、Gワンドを展開しようとするも、Gブリッシィンを放った硬直が大きかったのか、それとも陽乃のアヌビス神によって加速が速くなったのか、Gワンドの反射のバリアが追いつかず、波紋の気の刃が直撃した。

 

アーデルハイド「ぐっ!がはぁぁぁぁ!」

 

K・O!

ウィナー イズ アヌビス!

 

陽乃「くっ!」

 

カッコよく勝利ポーズを決めようとするも、カイザーウェイブの力をアヌビス神で受けた影響は大きく、片膝を突く。

アヌビス神はただの刀ではない。陽乃の力と精神を具現化したスタンドそのもの。

傷付けば陽乃自身もダメージを受ける。

 

陽乃「波紋の力で紙一重で立っていられたけど……私本来の力だけじゃあ、危なかったわね……」

 

辛うじて勝利を掴んだ陽乃。

 

アーデルハイド「ローズ………私は………君の願いを果たせなかった………」

エリナ「エメラルド・ヒーリング!」

 

エリナいろはは回復の弾丸を双方のチーム全員に放つ。

体力が回復したアーデルハイドは立ち上がり、陽乃に手を差し出す。

 

アーデルハイド「素晴らしい闘いだった。負けたことは悔しいが、これまで戦ったことのない良い経験だった。指摘されたオロチの力は今後、極力使わないことを誓おう……父のように自滅をしたくないからな」

陽乃「かつての弟分を思い出すわね。あなたも強かったわ、アーデルハイド・バーンシュタイン」

 

アーデルハイドの手を取り、立ち上がる陽乃。その脳裏には葉山隼人の姿が浮かぶ。

こうしてアーシスが関連する一回戦が終わった。

 

試合後………

 

いろは「しくしくしく……。うううう………皆さん、わたくしの事を忘れてませぬかぁ?」

 

ストライカーとしての出番もなく、手足を縛られたまま鶴のいろはが泣いていた。

 

Ms・OFUKURO「はいはーい。災難だったわね?鶴のいろはちゃん」

 

忘れられたままのいろはを救出し、Ms・OFUKUROが彼女を助け起こす。

もう片方の手にはイングリッドからルガールの暗黒の力を抜き取っている。エメラルド・ヒーリングだけでは回復しきれないオロチの力を抜き取っているのだ。

 

イングリッド「まさかワシが人間に助けられるとはな」

Ms・OFUKURO「かの仙人も、オロチの力には手を焼いたようね」

イングリッド「ワシからオロチの力を抜いておいて、平然としている者が言うか。主は本当に人間か?」

Ms・OFUKURO「失礼ね。ただの人間よ?イングリッドちゃん」

 

仙人ですら手を焼くオロチの力を制御する規格外オブ規格外を誰かただの人間と誰が認めるかと思うイングリッド。

 

イングリッド「しかし、ただの大会が色々ときな臭いのう。オロチの力、サイコパワー、魔界、地獄門…お主のような規格外がいる方が丁度良いくらいじゃ」

 

若い見た目に反して年寄り臭い話し方をするイングリッド。

実際、イングリッドは長い時間を生きている。

 

Ms・OFUKURO「そうね。色々と蠢いているわね。まだ宇宙からの脅威が迫っているもの。宇宙生物のパイロンとかね♪」

イングリッド「パイロンまで動いておるとは…仕方がない。ワシも行くとするかのぅ?」

 

イングリッドとMs・OFUKUROは空を見上げ…そして……

 

Ms・OFUKURO&イングリッド「シュワッチ!」

 

と空へと飛び去っていった。

 

いろは「………わたくしは、狐にでもつままれているのでしょうか?」

 

←To be continue




※1
あやねるチームのエンディング画面のやりとり
3人のいろはと総武高校の制服を着た盗賊アーサーが集まってウインクと投げキッスをする。
その背後で餓狼八幡と材木座が肩身が狭そうに立っている。
アーサー「チームあやねる、プレイしてくれてありがとうございます♪」
弥七「みんな同じ声で「あやねる」さんは非常に大変だったと思います♪」
エリナ「ボーダーのわたしやギャスパーさん、小野寺春さんがいたら完全な「あやねるチーム」が出来ていたんですけどね?」
Nいろは「わたしと餓狼いろはちゃんはストライカー専門ですからねー」
餓狼いろは「設定上、ノスフェラトゥいろはちゃんは接近戦が苦手ですし、わたしは格闘家じゃありませんから仕方がないですよねー」
餓狼八幡「なぁ、俺達って……」
材木座「うむ………完全な場違いであるな……」
アーサー「そんなことはないですよー♪」
エリナ「ハチくんや材木座先輩の……」
弥七「カッコいいところ、もっと見ていたいです♪」
Nいろは「全試合、責任とって見せて下さいね♪」
餓狼八幡&材木座「う、うおおおおおおーーーー!」
餓狼いろは「ちょろいですね♪」

※2
檜山チームのエンディングのやりとり
ジョー「オラオラぁ!ジョー伝説の始まりだぜ!」
バツ「気合弾!熱血アッパー!忌野流百舌落とし!」
材木座「我がノスフェラトゥのサイボーグ技術は世界一ぃぃぃ!ネスツなど物の数ではなぁぁぁぁい!」
デミトリ「レッツ………プレイ………」
ジョー「ちげぇぞデミトリィィ!もっと熱くなれ!」
バツ「熱血だ!気合だ!それでもカプコンの檜山キャラかぁ!」
材木座「熱くなるのだ!デミトリ!」
ジョー、バツ、材木座「うおおおおおおおおおお!」
デミトリ「勢いだけで勝手にやってくれる……楽なモノだな」
ニヤリと笑うデミトリ

※3
江口チーム
キム「悪は許さん!」
餓狼八幡「なぁ……何で俺まで悪人認定なんだ?」
N八幡『DIOが悪人なのはわかる。前世が前世だしな。だが、俺達まで悪人認定なのが良くわからん』
DIO「や、お前は暗殺者だし、餓狼は俺の徐倫いじりと同じでネタで周囲をいじくるじゃん?似た者同士じゃん?似た者同士の比企谷八幡同士、仲良く鳳凰脚の餌食になろうじゃあないか」
餓狼八幡「声が似ているというだけで俺達まで巻き込むな!」
N八幡『そもそも俺は声が出せん!江口チームから脱退させろ!』
DIO「俺だけギャグエンドばかりなのが納得いかないんだ!間抜けめ!」
キム「そのなすりつけ合う腐った根性がダメなんだ!このキム・カッファン!生涯をかけてお前達を更正させると違う!鳳凰きゃぁく!」
八幡✕3「ぎゃぁぁぁぁ!逃げるんだよぉぉぉ!」

※4
飛び道具返しの砕波と猛虎無頼撃
KOF98UMでの裏ユリの砕波とタクマの猛虎無頼撃がこれに当たる。
砕波はユリが両手で前方に展開して気を放つ技なのだが、98UM以外では飛び道具を相殺するだけで、それ以外では先読み対空としてしか使用できない存在意義が問われる技であったが(特に超アッパーが出てきたKOF95以降は)、98UMでは飛び道具返しの技として使え、知らないプレイヤーの度肝を抜いた。
更にそれ以上に存在意義が問われる技だったのがタクマの無頼撃。
出掛かりにガードポイントが発生し、正拳突きでカウンターを入れるという技だったのが、98UMではその正拳突きで飛び道具を反射させるという性能を見せた。
正拳突きで飛び道具を反射させるとは……流石はSNK界最強とされる元祖Mr.KARATEだ……

※5
ゴッドプレス
本文でもある通り、ギガンテックプレッシャーの原型となったルガールの必殺技。
例え画面端からでも確実に反対側の画面端まで相手を運ぶ為、別名「ルガール運送」と言われている。
食らった方は一気に画面端に追い込まれる為、立ち位置で一気に不利になる。
Gドラッケンはモーションこそゴッドプレスだが、作品によっては画面端まで運ばない事もある。
95以降はただの必殺技に落ちたが、94ではラスボスルガールの超必殺技だったゴッドプレス。のこり体力が少なかった盗賊アーサーがゴッドプレスで一撃KOとなるのも仕方が無かったと言える。

※6
アドバンスモードとエキストラモード
KOF97とKOF98にあったシステム。
KOF94、95のシステムベースのエキストラモードとKOF96ベースのアドバンスモードが存在。
99以降のシステムはアドバンスモードがベースとなったシステムに統合された。KOSFはアドバンスモードが基本となっている。
パワー溜めはエキストラモードのシステムで、ゲージが最大になると「超必殺技が使える」「攻撃力が上がる」「防御力が下がる」という特性がある。

※7
ジェノサイドカッターとGクレイス
「じゃ、さいなら」と空耳が聞こえる驚異的な威力と当たり判定を持つ対空必殺技。
94と95ではあまりの威力で、条件次第では体力の半分以上を持っていかれる始末。ジェノサイドカッターがトラウマになっているプレイヤーは多いだろう。
一方でアーデルハイドは必殺技として対空技を持っておらず、ジェノサイドカッター的なGクレイス技は超必殺技として保持。
Gクレイスは2種類の撃ち方があり、ルガールのようにその場でジェノサイドカッターを放つパターンと、本文にあるようなスライディングからのジェノサイドカッターを放つパターンが存在する。意外と高速かつ射程が長いスライディングの為、棒立ちしていると、思わぬクリーンヒットを貰う。
アーデルハイドはAクンスト・ヴァイアという下段ガードを崩す特殊技をあるので、下段ガードばかりしていてもダメージを貰ってしまうのだが……。

※8
Gスクラーゲン
アーデルハイド版のギガンテックプレッシャー。
アーデルハイドがオロチの力を使うという設定の有無は不明だが、Gスクラーゲンはギガンテックプレッシャー同様、オロチのシンボルが浮き上がる。
KOF97の97スペシャルチームのデモではオロチの力は血筋以外は遺伝しないということだったのだが……

※9
烈風拳とカイザーウェイブ
餓狼伝説と龍虎の拳がコラボした作品に相応しいルガールの必殺技。
ギースの烈風拳とクラウザーのカイザーウェイブを真似して使ってきた。KOF94で初めてその2つを使われたプレイヤーは度肝を抜かしたものだろう。
特にカイザーウェイブはオリジナルのクラウザーが滅多に登場しない関係からか、ルガールの技と勘違いされている。
クラウザーとアーデルハイドはカイザーウェイブ、またはGブリッシィンを超必殺技として使うが、ルガールはカイザーウェイブを必殺技として使っている。威力はクラウザーやアーデルハイドの方が上だが。

それでは次回もよろしくおねがいします。

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