やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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ダブル主人公達との共闘と危ういバランス 2つの即席主人公チーム対即席中ボス軍団

Sideなし

 

三種の武神チームの宿泊先に近い裏路地。

 

京「まさかテメェがまけるなんてな。神楽」

庵「ふん。長いこと体を鈍らせているからそうなる」

京「テメェのように真っ昼間の公園で殺気立たせるような危ねぇ野郎と一緒にするな。いいか?公園ってのはな、未来ある子供達がお友達と楽しく遊ぶ為にあるんだぜ?力を奪われてもなお、ギラギラと俺を追って来やがって。いい加減、テメェのストーカー行為には嫌気が差してんだよ。わかってんのか?八神」

庵「ふん。未来ある子供だと?ならば貴様は20(二十歳)を超えても未だに高校を卒業出来ていないではないか。未来のない貴様には、俺の手によって灰になるのが相応しかろう。貴様の血で染まった真っ赤な灰にな」

京「なんだと八神……」

 

会えば必ず喧嘩になる京と庵。

救われないのは本心から二人は憎み合っているという点だ。

その因縁は草薙と八神の家にまつわる因縁以上のモノが渦巻いている。

京の手からは赤い、庵の手からは青い炎が暗い裏路地に彩りを加える。

 

ちづる「止めなさい、草薙。八神。オロチは三度、動き出しているの。味方同士で戦力を潰し合っている場合ではないわ」

京「ちいっ!」庵「ふんっ!」

 

ちづるに窘められ、仕方なく炎を散らす双方。両者とも、鋭く相手を睨み合っている。

 

京「けっ!三種の神器かなんだか知らねぇが、何で何度もこんな奴とチームを組んでつるまなくちゃなんねぇんだよ」

庵「それはこっちのセリフだ。それに、『祓う者』は何も貴様だけではあるまい。貴様の父親、先代草薙流継承者の草薙柴舟だってこの茶番には出ているし、何なら貴様の力はあちこちにあるだろう?」

京「八神……テメェ……」

 

庵が言っているのは京の力を移植されたK’、そしてネスツの技術を利用してシャドルーが大量に作っている京ー1、京ー2を始めとした京のクローン達の事だ。

それはかつて、KOF97大会後に復活したオロチを封じた直後、動けなくなったネスツに捕われた京の失態のことを指しているに他ならない。

 

京「はっ!そんなに俺を殺したいならば、アチコチに出回っている俺のコピーを好きなだけ燃やせば良いだろうが。あの時みてぇによ」※1

庵「馬鹿か貴様は。俺は貴様が生きている事が気に入らん。俺の生き甲斐は貴様を殺す事だけだ。貴様の断末魔の声を聞くことで俺の悪夢は終わる。何なら、今すぐ殺してやってもいいんだぞ?京。代わりはいくらでもいるんだからな」

京「おい神楽。いっそ、こいつをシャドルーに引き渡したらいいんじゃねぇか?もしかしたらK’の野郎のように、第2の八神の炎を作ってくれるかも知れねぇからな」

 

実際、ハワードコネクションやシャドルーは、庵の遺伝子を手に入れ、オロチの力を増幅させた庵のクローンを作っているのだが、本人はそのことを知らない。

庵に限らず、レオナや豪鬼や殺意の波動を増幅させたリュウとケンまで作っている始末である。

 

ちづる「ハァ………」

 

相変わらずの協調性のなさに思わずため息を漏らすちづる。

人格が完全に破綻している庵はともかく、京も庵が関わると、途端に協調性が無くなる。

 

ガイ「『あしーすー』やら『のーすふぇらっとぅ』やらの依頼は上手くいきそうにないでござるな。神楽殿」

ローズ「アーシスとノスフェラトゥよ、ガイ。本当に対オロチの人類最終兵器、三種の神器がこんなのだなんて……思わずため息を吐いてしまう気持ちがわかるわ。ちづる」

ちづる「いつもの事よ」

 

ちづるの苦労は今に始まった事ではない。もはやお手々を繋いで仲良しこよしなんて事は絶対に無いと諦めが付いている。

もう普段はどうでも良いから、オロチが出てきた時は協力してくれさえしてくれれば良いとさえ思っている始末だ。

 

ちづる(八神が言う通り、本当に草薙柴舟さんに草薙の代わりを頼むべきなのかも知れないわ。もしくはK’に……)

 

ここに空条徐倫がいれば、良い関係を作れるだろう。

徐倫よりマシなのは、既に完全に諦めている事と、あくまでも一種のビジネスライクな事であると言うことか。

 

 

 

承一郎「…………最悪ですね。草薙京と八神庵の関係は」

忍「ジョースター家とDIOの関係以上ね。1800年の歴史は伊達じゃないわ」

承一郎「ハァ……最悪、三種の神器は頼りにならないと考えるべきなのかも知れませんね。僕達の方がマシじゃあないか?サム」

サム「個人的な因縁があったとしても、プロである以上は個人的な感情は捨てる。それが我々傭兵だろう?」

 

影から三種の武神チームと神楽ちづるを見守っていた承一郎&忍チームもまた、ちづると同様に溜め息をついていた。

対オロチの専門家(スペシャリスト)がこれでは話にならない。

 

承一郎「草薙柴舟さんやK’さんの力を借りるのも1つの手段かもしれないですね」

忍「どうかしら?草薙柴舟というのも結構なチャランポラン加減よ?」

サム「趣味がおやじ狩り狩りという段階で確かにな……」

 

草薙柴舟。趣味、おやじ狩り狩り。

自分を餌におやじ狩りを誘い、返り討ちにして金品を巻き上げることを趣味にしている。

忍はジョセフ(アーシス)に近い物を柴舟から感じていた。

ならばK’やアッシュ・クリムゾンならどうか?

それも盤石ではない。KOF主人公達同士は仲が非常に悪い。

自分の意志とは無関係に草薙京の力を移植された事を快く思っていないK’。

目的があったとはいえ、ちづると庵の力を奪った過去があるアッシュ。

 

承一郎「ヤレヤレだね。スタンド使いばりに一癖も二癖もある人間ばかりじゃあないですか……」

忍「草薙京ちゃんじゃ、最悪彼女のユキちゃんを引き合いに出すっていう手もあるけれど……」

承一郎「オロチの力を増幅させる生贄、クシナダヒメの転生とからしいですよ。草薙京の彼女は……」

忍「あらぁ。よくご存知ねぇ?」

承一郎「比企谷白良………じゃあなくて、Ms・OFUKUROが調べ上げたようですね。まぁ、下手に手を出そうものなら僕達はOHANASHIの対象になるでしょうが」

忍「言ってみただけで、最初からそのつもりは無かったわよ。男の道はそれるとも……女の道はそれるとも……」

承一郎「外れてはならないのは人の道ですよね?わかってますよ。草薙流の1800年の歴史を食らいたくはありませんし」

忍「最後まで言わせなさいよ……」

 

オロチの力を増幅させる生贄、クシナダヒメ。

その転生であるユキを放置するほどMs・OFUKUROは考えなしではない。

ユキの事は京の実家にいる母、草薙静や京の従兄弟達に預け、その上で護衛にフリーエージェントのセスとヴァネッサに依頼をしていた。※2

 

???「ネズミがコソコソしていると思ったら……何だ、テメェらか?」

 

背後から声をかけられ、慌てて振り向く。

そこにいたのは……

見事な金髪を赤白のストライプのバンダナで覆い、革ジャケットを着込んだ男、ビリー・カーンが肩に朱色の三節棍を担いでニヤニヤとタバコを吸っていた。

 

承一郎「禁煙ロゴが背中に描かれているジャンパーを着込んでいながら、紙巻きタバコを吸っているなんて随分とチグハグじゃあないか?ギースの忠犬、ビリー・カーン」

忍「一緒にいるのはオロチの狂犬、山崎竜二かしら?つくづくオロチに縁があるようね?アチシ達」

山崎「けっ!誰が狂犬だコラァ!くくく……」

 

ビリーと共にいたのは香港を根城に活動している闇のブローカー、山崎竜二だった。

滲み出ている狂気はどことなくウンガロ、ヴェルサスのような狂ってしまった兄弟のようで胸くそ悪さを承一郎は感じている。

 

承一郎「なるほど、オロチ一族に嫌悪感を覚えるのはそういうことか。オロチ八傑衆の山崎竜二。あの不気味な奴らの仲間だけはあるって事か」

山崎「ああ?あんな奴らと一緒にするんじゃねぇよ。まぁ、土下座して助けて下さいって泣き付いてくりゃあ、考えてやっても良いけどよぉ?」

忍(レオナちゃんと言い、山崎と言い、オロチ八傑集も一枚岩じゃ無いってことね?)

 

 

 

Side なし

 

リュウ「出てこい。そこにいるのはわかっているぞ」

N八幡『流石は永遠の求道者、リュウ。尾行を見抜くか』

リュウ「八幡か………いや、君は俺が知っている比企谷八幡じゃないな?」

N八幡『並行世界人……と言うことらしい。DIOの奴やアンディ・ボガードと同行している比企谷八幡も、あんたが知っている比企谷八幡じゃない。母親のMs.OFUKUROは知らんがな』

リュウ「Ms.OFUKURO?ああ、比企谷白良の事か」

 

自分の異世界同位体の事であるのに、どこか他人事のような感じで話しているノスフェラトゥの比企谷八幡。

 

リュウ「それで。君は何故、俺を尾行していた?俺に何か用があるのか?」

N八幡『単刀直入に言う。大会から手を引け』

リュウ「何故だ?」

N八幡『自分でもわかっているだろう?自分の中に眠る、人外の力の事を』

リュウ「殺意の波動の事か……」

N八幡『様々な力が渦巻くこの大会だ。殺意の波動も、例外ではない。あんたは良い人だ………俺はあんたを傷つけたくない』

 

ノスフェラトゥは人の世に溶け込んでいる人外の保護と支援をしている傍らで、暴走した人外を始末する任務を請け負っている。

殺意の波動に囚われ、暴走したリュウも、この場合は始末の対象となるだろう。

 

リュウ「断る……と言ったら?」

N八幡『無理にでも大人しくなってもらうさ』

 

ノスフェラトゥの八幡とリュウは睨み合いながら構える。

…………が。

 

N八幡『………が、招かれざる客もいるようだな』

リュウ「………仲間じゃないのか?」

 

二人が目を向けると、そこには総武高校の制服に身を包んだ別の比企谷八幡がいた。

 

N八幡『格闘家の俺………比企谷八幡か』

餓狼八幡「………良く、俺の気配が分かったな。これでも気配を消していたつもりだったんだが」

 

不知火流骨法をかじっている餓狼八幡。

不知火流は基本的に忍術なので、気配を消す技術が使える。

使えはするのだが……。

 

リュウ「元々、俺の流派は空手をベースにした暗殺拳だ」

N八幡『本職と同じに見るな。その程度の技量じゃ、素人となんら変わりない』

餓狼八幡「はいはい。俺は所詮、素人だよ。悪かったな」

N八幡『で?どっちに用事だ?俺か?リュウか?』

餓狼八幡「一応はお前にかな?パオパオカフェで一回戦の祝勝会でもやろうぜって話になったのに、お前と一条、藤崎さんが消えたからな。探していたらこの事態だ。これはどういう事だ?」

N八幡『まったく……もう仲良しこよしか?こっちはお前達の仲間になった記憶は無いがな』

餓狼八幡「俺もそう思ったんだがな、いろはの奴がうるさいんだよ。ウチの川崎がお前達の世話になってるんだから、別々はあり得ないってな。あ、ちなみにそっちの一色も了承済だ」

N八幡『ならばこっちはキャンセルだと伝えてくれ。で?お前はリュウの味方に付くのか?』

 

肩を竦める餓狼八幡。

 

餓狼八幡「主義主張がぶつかったのならば、格闘家がやることは1つ。勝負だろ?第三者がとやかく言う事じゃない。そうだろ?リュウさん」

リュウ「その通りだ。流石はテリーの弟子だな。格闘家の作法をよく分かっている」

N八幡『俺は格闘家じゃ無いが……が、その意見には賛成だ』

 

構えるリュウ。

それに対して無構えで見据える。

リュウは波動拳を撃つべく一歩下がり、N八幡がそうはさせんと一気に間合いを詰めようとして………

ベシャッ!

二人と足を動かし、体重を預けようとした瞬間に足を取られて転ぶ。

 

N八幡&リュウ(なっ!)

 

そこでN八幡は思い至る。

餓狼八幡は奴とチームを組んでいたと。

餓狼八幡のお粗末な尾行を敢えて無視していたが、本命の尾行は誰だったかを。

組織的な尾行をする場合、片方を分かりやすい尾行をつけさせ、本命の尾行を別に用意すると。

 

オルタ(八幡!僕達とリュウの間に奴がいるよ!)

 

八幡のもう1つの人格、オルタが野生の勘で八幡に声をかける。

オルタは承一郎にとってのジョニィのような人格だ。

N八幡が承一郎に対して親近感を覚えているのは、こういう部分も含まれていた。

 

N八幡『こういう姑息な所は相変わらずだな。DIO』

 

すると、幻影の波紋で姿を消していたDIOが八幡とリュウの間に現れる。

その両手からはハーミット・アメジストが展開されており、N・八幡とリュウの足に巻き付けていた。

二人を転ばせたのは透明化させたロープトラップ。師匠、ジョセフの十八番だ。

シュルシュルとハーミット・アメジストを双方から外すDIO。

 

餓狼八幡「野郎……DIO!」

DIO「や、お前まで拘束しとらんし、無理して承太郎ネタをやらんでも良いから」

餓狼八幡「でもお前がボケをやらんから、俺が頑張るしかないだろう?」

DIO「それどころじゃあないからな?」

N八幡『真面目な時でもボケに走る奴が何を言う』

リュウ(何だコイツらは……)

 

比企谷白良の息子であるI八幡を知っているリュウはこのノリに付いていけないが、油断はしない。

 

N八幡『それで?お前は何しに来た?まさかボガード八幡のように、パオパオカフェで宴会するからエリナから呼んでこいとかという結衣みたいな事を言わないよな?』

DIO「確かにいろはからはそういう意味でお前を探して来いと言われた訳なんだが……そんな意味でお前や承一郎達を探していたわけじゃあない」

N八幡『だったら何だ?』

DIO「なぁ、八幡ズにリュウさん。こういう言葉を知ってる?」

リュウ「何だ?」

DIO「『主人公(いぬ)が歩けば(トラブル)に当たる』」

N八幡『犬科は義姉(陽乃)さんだろ?』

DIO「あ、お前は雪ノ下が彼女な訳ね?」

餓狼八幡「俺は結衣といろはとも一応は恋人だけどな」

N八幡&DIO「末永く爆ぜろハーレム野郎」

餓狼八幡「同じ自分に罵倒されるって酷い!」

 

二人の比企谷八幡に罵倒されて涙目になる餓狼八幡。

 

N八幡『で、誰が犬だって?俺達が動けばトラブルに当たるみたいな言葉を言うな』

DIO「ちなみに犬は比企谷八幡に置き換える事も可能。身に覚えがあるだろ?お互いに」

餓狼八幡&N八幡「…………」

 

DIOはついでにジョースターにも置き換えられると内心思っていたのだが、口にはしなかった。

責任を押し付けられても困るからだ。

DIOはガラケーを取り出してハーミット・アメジストを絡ませ、この場にいる全員に見せる。

画面にはサウスタウンの地図が映し出されており、そこには青い点と赤い点が複数あった。

 

N八幡『この赤いのと青いのは………青が俺達で、赤が敵ってことか?』

DIO「お?そっちの世界が関わった俺もこれをやったのか?イグザクトリー(その通りでございます)

 

4−1でも4−1αでもニューヨークでアラビア・ファッツの太陽(サン)に襲われた時にファッツの居場所を突き止めたハーミット・パープル本来の能力、念写だ。

 

DIO「俺の念写はジジイ……ジョセフ・ジョースター程の正確さは無いがな。まぁ、ここはギース・ハワードの庭だ……路地裏に一歩でも迷い込めば………なぁ」

 

サウスタウンはギースの街だ。

行政などギースの犬に成り下がっている。

監視カメラを駆使すれば、KOSFを開催している世界転覆2大巨頭はいくらでもターゲットを見放題、ちょっかいかけ放題というわけだ。

 

N八幡『ストーカーされ放題か。まったく……』

餓狼八幡「ヤレヤレだぜ……」

DIO「オリジナルが怒るから、そろそろやめとけ?承太郎がどこかでクシャミしてそうだし……」

 

姿を現した刺客は……ごついボクサー、長過ぎる袖のカンフー服を着たグラサン男、色白のハゲた男、そして学ランを着た……

 

DIO「バイソン、FANG……新シャドルー四天王の二人にシャドルーの下部組織のボスのセスか……」※

リュウ「サガットとバルログがいないのは安心だな」

餓狼八幡「バルログはクラウザーと何故かチームを組んでいたよな。それよりも、あれは草薙京……さん?」

N八幡『いや。草薙京は学ランを着ていなかった……材木座が言っていたネスツのクローンの……』

DIO「KUSANAGI……か……狙いはリュウさんか、それとも俺達3人の比企谷八幡かは知らんが………」

 

ドンパチは避けられない。そう感じる一同だった。

 

 

 

BGM……YAPPARI ESAKA?(KOF14、裏草薙京のテーマ。KOF96、日本チームテーマのアレンジ)

庵「ドブネズミ共がチュウチュウ煩わしいと思っていたら、何だ貴様らか」

京「あんたら。オロチ共に絡まれている選手だろ?コソコソと俺達を付けていたようだが、何を嗅ぎ回っている?神楽がいつにもましてしつけぇのと、何か関係あるのかい?」

承一郎「ちっ。ターゲットに気付かれたか」

忍「とうかしらね?案外最初から気付いていたんじゃないかしら?」

 

ビリー達と京達、両方に睨まれる承一郎と忍。

 

ビリー「何だテメェら。八神に絡んでいたのか?だったら丁度良いぜ。どちらも潰し合いな」

 

個人的に庵に恨みがあるビリー。※4

 

庵「良いだろう。京共々貴様らを殺してやる。全員纏めてかかってこい」

京「八神!テメェ!」

 

再び一触即発の雰囲気な京と庵。

 

山崎「ヒャーハッハッハッハッ!こいつぁ面白えじゃねぇか!行くぞ……行くぞ……行くぞぉ!シャァァァ!」

 

山崎が腕を伸ばして一番近くにいたビリーに対して攻撃を放つ。

 

ビリー「チッ!狂いに狂って見境がなくなりやがったか!オロチが関わったからかぁ!」

 

闘いのテンションが上がったからか、自分以外は全てが敵という認識の山崎。

元々一匹狼気質だった庵。

ギースの為なら味方関係などすぐに捨て去るビリー。

異様な三つ巴のドンパチが始まった。

質が悪いのは、三者三様に京と承一郎達もターゲットにしているところだろう。

 

忍「なんなのよ!コイツらは!京ちゃん!こんな時くらい、あんたも協力しなさいよ!?」

京「ったく!しょうがねぇな!ビリーと山崎は任せるぜ!」

承一郎「サム!ラルフ大佐達に連絡してくれ!」

 

真っ先に京へと攻撃を仕掛けてくる庵。

承一郎が叫びながら山崎へと割り込む。

忍は消去法でビリーへと突撃。

サムは撤退して応援を呼びに行く。

三者三様に手当たり次第に敵対するビリー、山崎、庵とそれらを止めようとする承一郎、忍、京。

明確な味方関係は承一郎と忍のみ。京だって下手をすれば敵対認定をしている可能性だってある。

 

承一郎「最悪のドンパチ勃発だな!」

忍「別の場所でもドンパチしているような音がしてるわ!何とかするわよ!承一郎ちゃん!」

 

即席オロチバスターズチーム(承一郎、忍、京)

VS

即席アウトローチーム(ビリー、山崎、庵)

 

 

 

BGM……ストリートファイター2 リュウのテーマ

 

バイソン「アッハッハッハ!リュウに妙な力を使いこなす同じ顔の男達が3人か!コイツらを連れ帰ればベガやギース、ルガールからたんまり金を貰えるんだなぁ?FANGよぉ」

餓狼八幡「なるほど。テリー兄ちゃん達の技を使う俺はギースが、殺意の波動に関係がある流派を使うリュウさんをベガが、スタンド使いをルガールが、じゃあノスフェラトゥの八幡は…SINかな?材木座がサイボーグだし」

DIO「勝手にマッチングしてるんじゃあない。何で俺が草薙京のクローン相手なんだよ」

N八幡『クローンか。じゃあ、SINが草薙京を始めとしたネスツの技術を悪用しているって事か?』

 

ノスフェラトゥの八幡はクローンに対して憎悪の視線を向ける。

 

リュウ「落ち着くんだ!何故君がクローンを憎むのかはわからない。だが、冷静さを失えば勝てる勝負も勝てなくなるぞ!」

N八幡『俺のクローンが、総武高校を襲撃して犠牲者を出したことがある……と知ったら、あんた達はどうする?』

DIO「なにっ!?」

 

ギリッ!と唇を噛むN八幡。

ノスフェラトゥの人間がクローン人間に対して思うところがあるというのには餓狼八幡もDIOも気付いていたが……。

 

N八幡『みんな危なかった。従妹の小町も、戸塚も、海老名も。助けられなかった命もあった!クローン技術なんて……誰が許すか!』

 

メキメキとN八幡から角が出る。

鬼の力……ノスフェラトゥの世界での比企谷の血筋は、鬼の力を宿している。

N八幡の場合は更に実の親族に体を改造され、人外の中でも特に強力な力を持っている。八幡のクローンを大量に作られたのは、その人外オブ人外の力を利用されたからだ。

本当に……ノスフェラトゥの比企谷八幡と一条承一郎は良く似ている。

 

餓狼八幡「なるほど……戸塚や海老名……それに小町までも……ねぇ。そりゃ怒るわ。どう思う?DIO」

DIO「聞くんじゃあねぇよ。流石にアホをやる気分じゃあねぇな?」

 

ノスフェラトゥの八幡の殺気を受けてか、残る二人の八幡にも影響を出し始めた。

 

リュウ(まずい……このままでは……)

 

怒りに燃えているN八幡、宿命の3人の影響で人情厚い餓狼八幡。そして………邪悪な笑みを浮かべているどこか信用ならない雰囲気があるDIO。

一見するとこの即席対シャドルーチームは手を携えているように見える。

しかし、このチームもチームワークは危うい。

DIO八幡が特に経験していることであるが、並行世界の自分同士はどういう訳か不仲な関係になり易い。

特にDIOは信用できない。必要ならば味方をも騙すし、そもそも心の中では二人の八幡を信用しているかすら怪しい。

 

餓狼八幡(こいつはいろはを平気で尋問しようとしていた。邪悪の化身DIO……こいつを信用していたら危険だ。それに、川崎が世話になっているとは言え、この八幡も…)

N八幡(DIOは気を許しちゃいけない。コイツの非常さは良く知っている……それに、ボガードの八幡……こいつの実力を俺はまだ信用していない!)

N八幡&餓狼八幡(何より……)

 

DIO八幡は両手からバチバチとスパークする波紋を発し、紫の茨の先端を出しているだけだ。

 

N八幡&餓狼八幡(この局面で、コイツは何でザ・ジェムストーンを使わない?本気を出す気があるのか?)

 

DIOは本来の自身のスタンド、ザ・ジェムストーンを出していなかった。

試合でもそうだったが、徹底的にザ・ジェムストーンを隠そうとしている。元々疑われているというのに、本気を出していないDIOに二人の八幡のイライラは更に高まっていた。

 

リュウ(バランスが崩れれば、味方同士で同士討ちを始める!)

 

自身も殺意の波動の恐怖と闘っているリュウとしては、この危うい状態に一抹の不安を感じ得ずにはいられない。

シャドルー側はシャドルー側で、互いを互いに信用していなかった。

 

バイソン(ここで上手く立ち回れば、報酬は独り占めだぜ)

FANG(ここで私が上手く立ち回れば、ベガ様の信用は私のものになる。そうすれば………)

セス(コイツらの力を上手く利用できれば、シャドルーは私の物だ……殺意の波動、人外の力、餓狼の力、スタンドパワー……ベガ、ギース、ルガール……図に乗っていられるのも今の内だ)

KUSANAGI(俺に指図してきやがって……隙を見てコイツらも燃やし尽くしてやるぜ!そして草薙も八神も神楽も全部燃やしてやる!灯蛾の如く燃えつきろぉ!)

 

危ういバランスのドンパチが今、始まろうとしていた。

 

即席シャドルーバスターズ

リュウ、N八幡、餓狼八幡、DIO八幡

即席シャドルーチーム

バイソン、FANG、セス、KUSANAGI

 

←To be Continued……




※1
KOF99の京と庵のストーリー
ネスツに捕われ、コールドスリープ状態にされていた京。そのネスツの研究所の1つを襲撃したのが庵であり、その時に庵は大量に京のクローンを殺していた。
コールドスリープから目覚めた京が最初に見たものが、庵に殺害された自分のクローンであり、最初に耳にしたのか京を探して発狂している庵の叫び声だった。
京にとって、最悪の目覚めになったに違いない。

※2
ユキ
草薙京の彼女。KOF94日本チームのステージで姿を見ることが出来る他、KOF97の三種の神器チーム、KOF2000の京&庵チームのエンディングでも登場。
KOF97で行方不明になった京の帰りを待ち続けている健気な女子高生。京よ……騒動が終わったんなら世界中をフラフラしていないでユキの元に帰れよ………

草薙静
草薙京の母で草薙柴舟の妻。雪ノ下姉妹の母のように和装の似合う上品な良妻賢母。
職業は看護師。草薙流の妻らしく、薙刀の達人で、漫画では如月影二を撃退したこともある良妻賢母。
草薙流の継承者を京に譲って以降、何年も武者修行やらなんやらでフラフラしているニートな夫と、ネスツから逃亡生活を始めて以降、父親同様にフラフラしている息子を健気に養っている良妻賢母。
………草薙一族は放浪癖でもあるのだろうか?
KOFのアドベンチャーゲーム、KOF京で登場。

草薙蒼司
草薙京の従兄。従弟の京よりも格闘センスはあったようだが、分家筋だから宗家を立てた事と、最終的には京の方が才能がある事を見抜いて格闘から身を引いた。
現在は大阪で会社員をしている。妻子持ち。
実の両親も含めて誰に対しても不遜な態度を取る京が、唯一礼節を持って接する存在。
「KOF京」にて登場する他、KOF98のスタッフロールでは柴舟と京とともに稽古をしている一枚画がある。

草薙葵
京の従妹で蒼司の妹。
SNKの世界はブラコーンが多いようで、葵もご多分に漏れずブラコーン。
蒼司が格闘を辞めた原因が京にあると誤解し、彼を恨んでいる。
そこをシェルミーに付け込まれ、「KOF京」ではオロチの力に手を染めたこともある。
誤解が解けた後は京と和解。危うく京に惚れそうになるも、ユキと京がラブラブなのを知っているため、踏み止まる。
草薙京は他人を燃やす前に自分が爆発すべきである。

セス(SNK)
KOF2000で初登場したエージェント。
プロレスチームのヴァネッサ、ラモンと行動することが多い。
KOF2000では紅丸チームに、2001では八神チームに、2002ではエージェントチームに所属。
マキシマムインパクトのレイラ兄弟とは因縁があるようだが、マキシマムインパクトシリーズがザ・ワールドとなってしまったので詳細は不明。
とある超必殺技では叫び声が「萌え!萌え!萌え!」と聞こえる。
ハイデルンからの依頼を良く受けているようで、怒チームと良く絡んでいる。

ヴァネッサ
KOFでは珍しい三十路の女性キャラクター。
既婚、息子持ちのボクサーエージェント。ビールが大好き。ボクサーキャラクターの割には結構強キャラクター。
赤髪ショートの美女で、ときメモ2の「陽ノ下光」が歳を取ればヴァネッサに似るのではないかと勝手に想像している。
マダムスキーのラモンからは本気で惚れられている。
KOF2000ではK’チーム、2001では八神チーム、2002と11ではエージェントチームに所属。
やはりハイデルン絡みの依頼を受けている。

※3
新シャドルー四天王
サガットが抜けた四天王にFANGを加えた編成。

セス(ストリートファイター)
ストリートファイター4のラスボス。シャドルーの兵器や科学技術を研究開発する下部組織、SINのリーダー。

KUSANAGI
KOF2002と2003に登場した草薙京のクローンの1つ。
KOF99に登場した草薙京1、草薙京2とは別個体。
京のクローンの中では最もオリジナルに近い性能を持つ反面、声も性格も荒々しくてオリジナルとは程遠い。


即席比企谷チーム(BGM…リュウのテーマ)
リュウ(ストリートファイター)
流浪の格闘家、永遠の求道者、元祖格ゲー主人公
比企谷八幡(ノススェラトゥ)
声を失った少年、規格外に近しき男、力の体現者
比企谷八幡(餓狼伝説)
宿命の三人を受け継ぎし男、2代目餓狼の兄弟分、3大ヒロインの彼氏
DIO(ジョジョの奇妙な冒険未来への遺産)
邪悪の化身、性悪コンビ男、格ゲーの世界に疎まれし男

※4
味方殺しの庵。
八神庵は高確率でエンディングで仲間割れを起こして終わる。
95ではルガールを倒した後に用済みとなったビリーと影二をボコって終わり。
96ではオロチの血の暴走を起こしてマチュアとバイスを殺害。
97〜2000まではエディット専用で登場してチームを組まず。
2001ではセス、ヴァネッサ、ラモンとチームを組むもエンディングで彼らに裏切られる。
11では血の暴走により京と真吾を襲って再起不能にした隙きを突かれてアッシュに力を奪われた。
2003、13、14では味方殺しをしなかった。

主人公と中ボス同士が疑心暗鬼に陥りながらの非常に危ういドンパチ開始!
果たしてどうなるか!

それでは次回も宜しくお願いいたします!

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