大相撲本場所。千秋楽。
結びの大一番。優勝決定戦。
番付こそ大関であるが、実力は横綱のエドモンド本田は当然この土俵に立っていた。
本田(むぅ?)
土俵の上で四股を踏み、立ち会いの準備をするなか、気になる人物が升席にいるのを本田は発見した。
体格に合っておらず、ピチピチの背広を着た角刈りで糸目の大男が妻であろう女性と息子であろう良く似た子供と一緒に相撲を観戦している。
大門五郎
オリンピック金メダリストにして日本柔道選手団を選手兼監督として日本柔道会、しいては世界柔道を牽引して頂点に立つ男である。
本田(これは下手な立ち会いは出来んのう)
世界巡業と称しては角界の制止を振り切って世界中の猛者達を求めて旅をしている本田は、当然大門の事を知っている。
キング・オブ・ファイターズの常連選手としても有名な大門五郎とはいつか会ってみたい、いつか立ち会いたいと願っている相手だった。
そんな大門五郎が自分の立ち会いを見に来ている。
本田とて立ち会いではいつも全力で挑んでいるが、今日は特に気合いが入った。
一方で大門五郎もこの結びの大一番に対して身を乗り出して観戦モードに入る。
これまでの対戦も楽しんで見ていたが、エドモンド本田が土俵に上がった瞬間にはその意味が変わった。
大門とて格闘家。
四条雛子のように素人相撲でありながらKOFという大舞台で活躍するものがいる。ならば本場の相撲を生で見てみるのも一興だと思い、本場所の千秋楽のチケットを前々から予約していたのだ。
その中でも目的はエドモンド本田。
並みいる横綱達も悪くはない。だが、その中でもエドモンド本田はテレビ越しでもその強さが輝いているように見える。是非とも一度生でエドモンド本田の立ち会いを見てみたい。
実力は横綱以上でありながら、破天荒な行動から角界に目を付けられ、伝統ある横綱に相応しくないと未だに大関の番付にいる本田。
その本命がついに土俵に上がった。
大門(見せて頂こう。角界の風雲児の取り組みを!)
相手は横綱。だが……
大門(格が違う)
土俵で見るとどちらが横綱なのかわからない。
本来なら格下の大関が横綱に挑む形式なのだが、どっしりと構えているのは大関であるエドモンド本田の方だ。
大門(これでは良い立ち会いは期待できそうもない。あの土俵にいるのが儂であったのなら)
時間いっぱい。結びの大一番。
行司「はっけよ~い………のこったぁ!」
本田「百烈張り手!」
横綱「ぶほぉ!」
大門(これは凄まじい張り手の連撃!関取の張り手はボクサーのパンチ以上とは言われておるが、エドモンド本田のあの連撃は一発一発がそれ以上!)
大門が本田の百烈張り手の物凄さに戦慄を覚える中、角界の重鎮達は……。
角界幹部「なんだあの張り手は……華々しさの欠片もない」
角界幹部「結びの大一番でこのような立ち合いを…角界の恥だ!やはり横綱昇進は見送るべきだ!いや、関脇への降格も視野に入れた方が良い!」
大門(むぅ…何を見ておるのだ!華々しさも十分あるではないか!)
柔道の強さに限界を感じ、柔道界を一度は去った大門。
相撲の強さを十全に発揮しながらも、その格式により評価されないエドモンド本田。
自分達はどこか似ているような気がすると大門は感じていた。
大門(ぬっ!?)
張り手の最中、大門は一瞬だけこちらをチラリと見たエドモンド本田の視線を感じた。
大門(ワシの存在に気付いておったのか。本田殿)
一方で相手の横綱もプライドが傷付いた。
横綱(立ち合い中によそ見とは!侮るな!)
張り手の猛攻をダメージ覚悟で無理矢理掻き分け、四つ組に入ろうとする横綱。だが、無理矢理百烈張り手を掻い潜った代償は大きく、その時には消耗で力の大半が奪われてしまう。
本田(結びの大一番がこれとは……やはり相撲も異種格闘技を稽古の一貫として取り入れるべきじゃのう)
本田は得意の上手投げで横綱を土俵に沈める。
相撲取りとしては頭突きや頭部を狙ったキックなど、破天荒な戦いかたをすることが多い本田だが、投げ技が苦手な訳ではない。
むしろ上手投げは異種格闘技戦でも使う必殺技「大銀杏投げ」に組み入れる程までに得意な技だ。
力業のみの本田と思われがちだが、実際に技のバリエーションは多い。実際は技巧派なのである。
本田(やはり相撲にも異種格闘技を稽古の一環として取り入れるべきじゃのう。本場所が終わったら例の大会に出よう。ワシの考えが正しいと証明できる上に世界に相撲を広められて一石二鳥だわい)
大会の招待状は本田の元にも当然届いてはいるが、角界は当然、出場を禁じた。
だが、それを素直に聞く本田ではない。本田とてまだ見ぬ強者と戦いたい願望は強い。むしろ同じ取り組みばかりで飽きてきていた。
本田(ワシを例の日本チームに入れては貰えんかな?丁度大門五郎もおることだし、頼んでみるか)
ー路上ー
優勝会見のあと、エドモンド本田は両国の街を歩いていた。もう両国の街にいないかもしれないが、大門五郎と接触できるかもしれない。
大門五郎も自分との接触を望んでいる。
確証はないが、なんとなく勘がそう言っている。
部屋への車を断り、本田は両国の街を彷徨く。
そんな時だ……戦いの音が聞こえたのは。
興味をもった本田はその音に惹かれて歩いていく。
???「く……ここまでとは……藤堂流。侮っていた」
???「それはこちらもです……」
そこにいたのは袴姿の二人の美少女だった。
片方はKOFでもお馴染みの藤堂香澄。藤堂流の継承者候補で実は藤堂流の開祖、竜白よりも強いのではないかと言う噂がある娘。
もう片方は水神流の継承者候補、水神ほくと。
表舞台に立つことはないが、草薙流や八神流と同様に非常に歴史が長い流派だ。一説には八神流と同様に何かしらの呪いが込められているのではないかと格闘仲間のリュウから聞いたことがある。
勝負は一進一退。
すもうや柔道では失われた細かい技の応酬は、遠巻きに見ていた本田にも彼女達が並の武芸者ではないことがわかる。
ほくと「お遊びはここまでです。私の前に立ったからには、その命……捨てる覚悟は出来ていると見受けられます」
香澄「なんの!こちらも武術に身を染めた身です!覚悟、よろしいな?」
必殺の力を込めるほくとと香澄。
本田(いかん!若い才能の芽がこんなところで潰れるのは見過ごせん!)
しかし、距離が離れている。
間に合わない!そう思われた時。
大門「ふんごぉぉぉぉ!」
反対側から大門五郎があらわれ、両手を地面に叩きつけた。
地雷震。
大門が山での修行で身につけた、局地的な地震を発生させる荒業だ。大門五郎の代名詞とも言える技である。
その地震を受けた香澄とほくと、それにエドモンド本田はひっくり返ってしまっていた。
大門「真剣勝負の最中に割り込んでしまって申し訳ない。が、そちらのお嬢さんを見ておると、わしの戦友の宿敵によく似ておるがゆえに放っておけなくてな」
ほくと「あなたは……大門五郎」
香澄「大門さん!」
大門五郎はほくとに対して言葉をかける。
彼女をみていると、何となく八神庵を思い出してしまうのだ。
こんなうら若き少女を八神庵と同じような道に進ませるのはしのびない。
ほくと「草薙京と八神庵か……余計なお世話だ。大門五郎」
そこにエドモンド本田も話に加わる。
本田「日本の裏社会におるからそんな暗い目になってしまうんじゃ!一度表舞台に立ってみるのはどうかのう?ちょうどKOSFも開催されるようじゃしな」
大門「エドモンド本田殿…」
香澄「エ、エドモンド本田関!だ、だ、大ファンです!え?もしかしてエドモンド本田関も出場されるのですか!?」
どうやら香澄は本田のファンであったようだ。
その瞳はキラキラと輝いている。
ほくと「格闘大会か……確か裏ではギース・ハワードが関わっているとか……ふ、日本古武術の面汚しを誅するのも一興か」
ほくとはギース・ハワードに思うところがあったらしい。
それに、裏の一族とはいえ、彼女も一介の格闘家。草薙京や八神庵、以前に戦った事のあるリュウやケンと戦える機会を得られるのならば血が踊ることも確かだ。
ほくと「良いだろう。その大会は四人一組と聞く。私は他に水神流の者しか武芸者を知らぬ。お前達と組めば良いのか?」
香澄「うーん………」
香澄は考える。いつもKOFで組んでいる女性格闘家チームのメンバーもそろそろチームを組んでいるだろう。
アンチ極限流チームも普段どこで何をしているのかわからないし、ユリ・サカザキと組むのはもう真っ平だ。
父親も相変わらず行方不明。
それに憧れのエドモンド本田とチームを組める大チャンスだ!大門五郎とも付き合いは長いがチームを組んだことは一度もない。これは良い機会だろう。
香澄「是非ともお願いします!水神ほくとさんも!」
大門「わしも構わん。そろそろ京や紅丸以外のメンバーとチームを組む機会が欲しかったところだ。真吾も本当の仲間を得て一人立ちをする頃だしな。よろしく頼む。エドモンド本田殿、藤堂香澄殿、水神ほくと殿」
なんと、大門五郎自らがチームを組むことを提案した。
大門も考えていた。これまでのKOFでは京や紅丸、真吾以外とチームを組んだことは無かった。
特に紅丸とは一度も決着を付けたことがない。
今回はそのチャンスだろう。
本田「これは幸運!一丁、日本武術チームで世界巡業と、相撲………いや、日本武術の素晴らしさを世界に広めるとするかのう!がっはっはっはっ!」
SideDIO
大会2回戦目の初日
サウスタウン安ホテル
普段の習慣から早起きした俺は、堅いベッドによってバキバキに凝り固まった筋肉を波紋を流してコキコキとほぐし、寝巻きから総武高校制服へと着替える。
簡素なベッドに机と椅子、ハンガー掛け。トイレ、シャワー、洗面所は共同。歯ブラシや石鹸類、リネン関連なども無料などではなく、外で購入して来なければならず、当然食事など出るはずもない。
男のDIOですら多少の手狭さと不便さを感じているのだから、女性である静と一色はもっと不便さを感じていることだろう。
DIO(知らず知らずの内に、贅沢に慣れてしまったんだな)
思えば普段使っているホテルもホテルロイヤルオークラやら杜王グランドホテルなど、高級ホテルばかり使っているような気がするし、考えてみれば家で使っている寝室の家具もけっこう値が張るものばかりだったような気がする。
もうそろそろ生活水準を落とすことも考えるべきなのかも知れない。
俺は同部屋で寝ている八幡や、早起きの習慣でもあるのか既に空になっているアンディさんのベッドに目をやる。
ただでさえ狭い部屋に三人はキツイ。
DIO(まぁ………ほとんど姉弟感覚のジョジョと同部屋だったのなら特に問題は感じないが、一色と同部屋はマズイか………。向こうとしても困るだろうし………)
寝惚けていろはと間違えてガバーッ!とでもしてしまったのならば由花子ショック一直線だ。
あの人、平行世界の一色が相手でもToLOVEる的な意味の事を起こしたら豹変するし。ソースは弥七。
やはり男女で部屋を分けるのがベストだろう。
とりあえず、余計な事を考えていないで次の対戦相手の事を考えるべく、対戦表を確かめる。
日本武道チーム
あの尊敬してやまない大門五郎さんと各界の異端児、エドモンド本田さんが率いるチームだ」
アンディ「何が尊敬してやまないだ………不敬の極みだと思うけどね。どうやったらあの温厚な大門をあそこまで怒らせるのか、僕には理解が追いつかないよ」
シャワーを浴びた後なのか、アンディはシットリした金髪をタオルで入念に拭き取りながら、部屋に帰って来ていた。
普段なら髪を傷めないようにドライヤーやらを使って丁寧にケアをしているのだろうが、ほぼ着の身着のまま大界で参加し、資金的にも厳しい今回の旅では髪のケアはそれなりになってしまうらしい。これでまた髪が後退………
アンディ「ツッコミ飛翔拳!」
DIO「ぐはぁ!」
アンディさんが放った気の弾が俺の頬にヒットする。
毎度思うのだが、徐倫にしても葉山にしてもウッペリさんにしてもボケモードの時に限り、サトリになるのは何でなのだろうか?
マジモノのサトリである、ノスフェラトゥのいろはが念波でも流しているのかしらん?
アンディ「まったく………そういうところだよ。大門を怒らせている所は。それで?君は誰と対戦したいんだい?」
うーん………
俺は飛翔拳がヒットした頬をさする………やはり………
DIO「ストライカーで」
アンディ「またストライカー希望かい?1回戦での君はほとんど活躍しないまま負けたじゃないか。いくら格闘家ではないにしても、少しは悔しいという気分にならないのかい?特に君は大門や本田関あたりに性根を叩き直して貰うべきだよ」
DIO「人格者として有名な大門さんならばともかく、角界の異端児に根性を叩き直されてもなぁ………それに、大門さんと戦いたいのはあなたの方なんじゃあないですか?アンディさん?」
俺は八幡からボガード兄弟やジョーとの出会いの話を聞いている。幼少期、イジメられていた八幡を救ったテリーさん。何故テリー・ボガードが千葉にいたかと言うと、たまたまKOFの試合会場に向かっていたときに通りがかったからなのだとか。
その時の対戦相手は草薙京。
アンディさんはその日本予選で草薙京とぶつかり、敗北したようなのだが、この世界でその草薙京と長いことチームを組んでいる友人兼ライバルの大門五郎に興味がないわけがない。
DIO「それに、八幡が戦いたいと思うのはむしろこの人じゃあないんですかね?知らんけど」
俺は対戦表に載っているある人物に指を差す。
藤堂香澄。
ポニーテールに髪を纏め、古武術特有の袴姿の美少女である。
どうやら八幡の世界では彼女が雪ノ下姉妹の武術指南役として手ほどきをしたらしく、八幡は20年後の彼女に会ったことがあるそうだ。
既に雪ノ下との試合経験がある八幡にとってみれば、若くて全盛期の藤堂香澄と戦ってみたいと思うだろう。
DIO「それに、多分藤堂香澄も八幡を狙い撃つぜ!という程の勢いでロックオンしたんじゃね?」
アンディ「香澄師範が八幡を?それはどうしてだい?」
DIO「何でって………そりゃあ、八幡はウッペリ………じゃあなくて、川………川………川なんとかさんと楽しそうに会話していたじゃあないですか」
極限流空手を扱う川なんとかさんとな。
アンディ「川なんとかさん………て。ロバートの弟子の川崎沙希さんのことかい?君といい、八幡といい、彼女をよく名前で弄くるね………それで、それが何で彼女が八幡との対戦を望む理由になるんだい?」
あ~………そっか。餓狼伝説の世界はKOFの世界とは微妙に違いがあるもんなぁ………。
DIO「そっちの世界じゃあ、藤堂香澄とリョウ・サカザキは男女の仲に発展するかも?的に円満な解決をしたみたいですが、KOFの世界をベースにしているこの世界の藤堂香澄は………本気で極限流空手を憎んでるんですよねぇ………」
うん。1回戦の会場で川崎と八幡が青い春臭漂うやりとりをしていたときに、何かキツイ視線を感じるなぁ………と思って見てみたら、いたんですよねぇ………藤堂香澄(と同じく極限流憎しの如月影二)が………。もうね?アーシス含めてこの世界に転移してきた全員をターゲットロックオン・ストラトスしている感じだったんだよね?あの川崎さん、ノスフェラトゥの八幡ともチーム組んじゃってるしね?同じ比企谷八幡である俺もターゲットにされている感じしかしなかったまであるんですよね?
やめてよー。僕、極限流と関係ないよ?悪いスライムじゃあないんだよ?
アンディ「そんな事になっているなんてね………まぁ、藤堂師範がこの世界の僕やジョーよりも歳下である事を考えれば、色々と違うとは思っていたけど………」
八幡「まぁ、俺とジョジョはそういうのは特に無いんで、誰が相手でもバッチコイですが、結局はオーダーの組み合わせ次第なんでしょうけど」
餓狼八幡「甘いなDIO。スタンド使いとスタンド使いが惹かれ合うように、格闘家と格闘家は惹かれ合う。お前がそう感じたのならば、その予想は必然じゃあないのか?」
DIO「起きていたのか。八幡………」
いつの間に起きていたのか、八幡が話に割り込んでくる。
まぁ、これだけペチャクチャ喋っていたならば、よほど熟睡していない限りは起きるか。
ましてや普段から早朝トレーニングとかをしているならば尚更な。
餓狼八幡「それで?お前は本当にストライカー希望?確かにお前は大会そのものに………一つ一つの試合自体には興味無さそうな感じだったが………」
DIO「イグザクトリー。その通りでございま………」
そこまで言いかけた所でジョジョとまだ半分寝ている一色が部屋に入ってくる。
シャワーを浴び終えた時にアンディさんが鍵をかけ忘れたようで、扉があっさり開いた。
静「ハッチ………服を脱げ」
ザ・ワールド!時よ止まれ!
………………………。
………………。
………。
おいおい相棒。おもむろに入ってきて第一声がそれか?
そもそも、何で男子部屋に何の躊躇いもなく入ってきてるの?
それに、服を脱げって何?君は仗助一筋でしょ?僕達は姉と弟のような関係でしょ?仗助欠乏症がとうとう末期レベルまでに進んじゃった?
隣に立っている一色が一気に目が覚めたって感じで驚いているよ?
うん。ともかく………
DIO「だそうだ。八幡、生まれたままの姿を相棒にみせてやってくれ」
俺がそう言うと、ある意味ではアホアホ八幡の同好の士であるボガードの八幡は即座に反応。
八幡「よしきた!ふぅじこちゃぁぁん!じゃなくて、いろは!そして静・ジョースター!鍛えられたこの肉体美を………コッチを見ろォォォォ!」
ル◯ンダイブもかくやと言わんばかりにワンモーションでパンツ一丁になってその肉体を披露する。
俺と同様に幼少期から鍛えているだけあって良い肉体をしているなぁ………
静「お前じゃあない!タコスと叫べぇぇぇ!ドラァ!」
八幡「脱げと言ったから脱いだのに酷い!タコォォォス!」
しかし、その代償は大きく、ライダーキック並みの弾丸キックをカウンター気味に命中させ、八幡を蹴り飛ばす。
まぁ当然か。俺ですらパンツ一丁で前にでたら、流石のジョジョも「せめてズボンをはけ」と言うものなぁ。
それが弟分でもない比企谷八幡がパンイチでルパンダイブをしたなら流石のジョジョもキレるか。
靜「イーハ。あとの処理は任せ………」
餓狼いろは「うふふふふ♪はちくん?いま、何をしようとしましたかぁ?なにジョースター先輩の前で脱いでいるんですかぁ?よっぽどお前の罪を数えたいらしいですねぇ?」
餓狼八幡「ギャアァァァ!針が!針がァァァァ!その箱の扉を閉めないでぇぇ!いろはやめてぇぇえ!」
一色………早い早い、いろはす早い。怖い。
あとそのアイアン・メイデンはどこから出したの?スタンド能力に目覚めた?先日にレクイエムを使った時にうっかり矢が刺さっちゃったの?部屋が狭いんだから勘弁してくれない?
静「………………ある意味でウチのイーハよりもヤバいね。一色………それよりもスタンド使いのハッチ。あんた、脱げ」
うん。そう言われると俺個人だわ。仕方がない。
俺はガチャガチャとバックルに手をかけると………ジョジョはこの展開を読んでいたのかアクトンを展開していた。
流石は相棒。よくわかっていらっしゃる。
俺は観念して上半身をさらす。
ボガードの八幡同様に鍛えられた上半身。違う所といえば首筋の星形の痣があることと、耳のホクロ………そして………
アンディ「君………その包帯だらけの体は………」
俺はため息をついた後にスタンドを………ザ・ジェムストーンを出す。
オーバーヘブンによく似た水色のザ・ワールドのアチコチには細かいひび割れが多数走っており、そのひび割れに呼応するように俺の身体には傷が走っていた。
ナイチンゲールに治療されていようと、魂の具現であるスタンドが傷ついてしまっていれば本体である俺にも傷が残ってしまう。
先日、無理にザ・ジュエルを使ってしまった反動で出来たひび割れだった。
DIO「八幡。シャドルーに襲われた時、俺が何でハーミット・アメジストしか使わないかを聞いてきたな?知っているやつ以外に極力ザ・ジェムストーンを隠していたかったこともあるが………まともに使える状態じゃあなかったんだよ」
よくこんな状態でバイソンとかとドンパチ出来たものだと自分でも思う。
ひび割れたスタンドは脆く、そして砕かれやすい。
ザ・ワールドのひび割れがスター・プラチナのワンパンで全身を砕かれたように。
ギガントブローを食らったのが俺本体じゃあなく、ザ・ジェムストーンだったのならあの段階でアボンだっただろう。
アンディ「さとりのいろはやエリナのいろはでは治せなかったのか………」
全く効果が無かったわけじゃあない。エリナのエメラルド・ヒーリングやノスフェラトゥの一色が施した精神治療がなければ本体でもあそこまで動き回るのは不可能だった。
しかし、魂の衰弱は経験からある程度の時間をかける必要があった。
静「このバカ………ボケナス………八幡。アンタは今日、ストライカー確定ね。水神ほくとは私に任せなよ」
DIO「そうしたい所だが………」
俺は一色に折檻されている八幡に目を向ける。
プラグは八幡によって立てられてしまっていた。
スタンド使いとスタンド使いが惹かれ合うように、闇と闇は惹かれ合う。
前世は吸血鬼という闇の俺は………水神ほくとの血が持っている殺意の波動に似た闇の血と惹かれ合うだろう………。
そんな確信に似た予感が………俺の中にあった。
キング・クリムゾン!
本日の試合会場はサウスタウンにある海水浴場、サウンドビーチ。
餓狼伝説シリーズでは度々キング・オブ・ザ・ファイターズの試合会場となった有名な場所だ。
そのサウンドビーチでは海水浴シーズンではないのに沢山の人で賑わっている。
大会が開催されていなくても、ここでは常にストリートファイトの野試合が行われているようで、人が常にいるようなのだが、今日から数日間は大会関連で更に人が集まっているようだ。
その特設試合会場は簡素なもので、足場はビーチの砂場。リングとなる場所にバリア発生装置が設置されており、ストライカーの乱入専用台がリング端にポツンと双方の角に置かれている。
そのストライカーの待機台に俺
スタッフ「あの………ストライカーの待機台には一人だけ乗ってもらいたいんですけど………」
そう。この台の上には今、俺と一色いろはが座っており、それをスタッフが注意している。
DIO「すいませんね。乱入する時は俺だけがやれば良いんだから問題ないでしょ?諸事情につき必要な事だし、一色も同じチームメンバーなんだから、差別は良くないぞ?」
スタッフ「いや、まぁ………そうなんですけどね?」
俺に暴論で説得され、仕方なしといった感じでスゴスゴと引き下がるスタッフ。
ナコルルさんの鷹、ママハハといった例外もあるので、一色いろはが援護乱入しないのであれば………という条件で渋々納得してもらった。
いろは「あの………これ、バレたら事ですよ?」
DIO「バレなければ問題ないだろ。マジで頼むぞ?いろ…一色」
スタッフが去った後にコッソリ耳打ちする一色いろは。その首元には星型の痣がある。
そう。この一色いろははエリナのいろはだ。
体中傷だらけの俺を治療するべく、エメラルド・ヒーリングを施してもらっている。
身体的にも精神的にも俺のいろはがヤッパリベストだわー。俺の嫁が最高だわ〜。思わず戸部になるくらい最高だわー。
エリナ「はぁ………呼び方でボロを出しているじゃあ無いですか?いろはさんもアッチでハコフグのようにむくれてますし」
会場の別チーム待機スペースではボガードの一色が陽乃さんの隣で腕を組んでむくれている。
メンバー待機位置という特等席でボガード八幡の活躍を見れないのだから不貞腐れてしまっても無理はない。
おまけに陽乃さんがこれ幸いにと餓狼世界の雪ノ下雪乃の事を色々と聞き出そうとしてくるので、試合観戦に集中できないのも不満の原因であるだろう。
俺がストライカーとしても役立たず状態では話にならないのでやむ無し………ということで我慢してもらっているが、感情では納得できていないのだろう。
だって仕方ないじゃあないか。あの一色じゃあいろはのようにエメラルド・ヒーリングが使えないし?俺の魂の回復でも他の一色じゃあ無理無理無理無理ぃ!だし?
俺にとっちゃあボガードの一色、弥七、ノスフェラトゥの一色が3人がかりで癒やしてもらったとしてもいろはほどの精神回復には効果がないし?
いや、ノスフェラトゥの一色の精神回復術は確かに効果があったけど、そういう問題じゃあない。あの一色に施術されていた時は材木座の視線も痛いから何かイヤだし。
エリナ「それにしても………バッチリフラグ回収してしまいましたねぇ………」
DIO「だな………」
オーダーはこうなった。
アンディチーム
先鋒…比企谷八幡
中堅…静・ジョースター
大将…アンディ・ボガード
ストライカー…DIO。つまり俺。
セコンド…一色いろは(偽物で本当はエリナ・ジョースター)
日本武術チーム
先鋒…藤堂香澄
中堅…エドモンド本田
大将…大門五郎
ストライカー…水神ほくと
ストライカーは援護専門。攻撃するにしても敵の妨害以上の攻撃は出来ないか、盾役にしかなれないとはいえ、奇しくも俺と水神があたってしまったわけだ。
藤堂香澄は案の定八幡を睨んでいるし、大門さんは俺達性悪コンビを見つけると苦々しそうな表情を浮かべている。
MC「レディース&ジェントルメン!次の試合は日本武術チーム バーサス アンディィィィチーム!あのKOF常連選手、大門五郎と角界の異端児、エドモンド本田が手を組んだぁ!そして女性格闘家チームの一角としてこちらももはやKOFの顔と言える選手、藤堂香澄に噂に名高い水神流の次期当主とされる水神ほくと!優勝も夢ではないこの豪華メンバーは果たしてどこまで駒を進めることができるのか!」
Oh………流石は世界的に有名な選手が3人もいるチーム。MCの熱も半端じゃあない。トトカルチョのオッズも俺達は相当低かったもんなぁ………。
MC「対するアンディチームはこれまた意外な組み合わせ!リーダーのアンディ・ボガード以外は全員が高校生!果たしてこの異質なチームはこの強豪チームに対抗することが出来るのか!?それとも大激流に飲まれてしまうのか!?」
雑すぎね?俺達の紹介雑すぎね?あれか?1回戦はほとんど俺とジョジョが役立たずだったからこの扱いか!?
なんか下馬評でも俺達の扱いって転移者のチームの中ではかなり低い扱いだったし!
エリナ「まぁ、1回戦ではボガード先輩がギリギリで2人抜きしてハチくんとジョジョ先輩はほとんど足を引っ張っているように見えましたものね?」
DIO「ぐぅの音も出ない」
リングには八幡と藤堂香澄が入り、相対する。
香澄「あなたは新しく現れた極限流空手の使い手の知り合いね。後で彼女の正体を話してもらうわよ」
ああ、今は日本語だからぶっきらぼうな口調じゃあないのね。
期待していただけに残念だ。
餓狼八幡「うわぁ、話半分に聞いていたけど、マジで恨まれているなぁ………まるで雪乃を取られた時の陽乃さんのように鋭いめ゙だ………」
あー………そっちの陽乃さんは超絶壮絶ダイナミックなガチユリシスコンだったっけ?良いなぁ………俺の所の陽乃さんはあんなんだからなぁ………。
香澄「極限流の味方は私の敵。覚悟、よろしいな?」
餓狼八幡「オッケー!レッツ パーティー!」
香澄バーサス八幡!
ラウンド1!レディー………GO!
戦いの火蓋が………落とされる。
←To be Continued
大門五郎
出身…日本
格闘スタイル…柔道+我流格闘術
趣味…自然と戯れること
嫌いなもの…精密機械
好きな食べ物…ざるそば
大切なもの…下駄、家族
得意スポーツ…柔道
職業…柔道日本代表選手兼監督
初登場作品…ザ・キング・オブ・ファイターズ94
藤堂香澄
出身…日本
格闘スタイル…藤堂流古武術
趣味…ビデオ観賞(特にホラー物)
嫌いなもの…母親仕込みのお稽古(日本舞踊、華道、茶道)
好きな食べ物…学校の帰り道にある肉屋のコロッケ、ナポリタン
大切なもの…ある人から貰ったお守り
得意スポーツ…合気道、弓道
職業…高校生
初登場作品…アートオブファイティング龍虎の拳外伝
エドモンド本田
出身地…日本
格闘スタイル…ジャパニーズスモウレスラー
趣味…風呂
嫌いなもの…優柔不断
好きな食べ物…ちゃんこ鍋、ティラミス
特技…鍋奉行、風呂掃除
職業…力士
初登場作品…ストリートファイター2
水神ほくと
出身地…日本
格闘スタイル…水神流古武術
趣味…おしゃれ
嫌いなもの…洋酒、機械の説明書
好きな食べ物…京都宇治の番茶
特技、職業…不明
初登場作品…ストリートファイターEX
DIO八幡
本名…比企谷八幡
格闘スタイル…波紋法+アーシス流格闘術
出身…日本
趣味…人間観察、徐倫いじり、読書、ゲーム
嫌いなもの…青春、リア充、楽器演奏全般、辛いもの(特にワサビ)
好きな食べ物…マックスコーヒー、ラーメン、イタリアン
大切なもの…家族(一色家も含む)、ジョースター家、アーシスの仲間、歴代ジョジョ達の衣装
得意スポーツ…格闘技以外(格闘技だとどうしても反則になるから)
職業…高校生、SPW財団職員(休職中)、アーシス隊員
特技…徐倫いじり、川崎いじり、葉山いじり、絵
静・ジョースター
格闘スタイル…波紋法+アーシス流格闘術
出身…アメリカ
趣味…兄の髪を整える事
嫌いなもの…犬(サブレを除く)、辛いもの(特にワサビ)、実の両親、養子であることに偏見を持つやつ、基本世界の静・ジョースター
好きな食べ物…トラサルディのイタリアン
大切なもの…リサリサのサングラス、家族、ジョジョという誇り、星型のタトゥー
得意スポーツ…スポーツ全般
職業…高校生、SPW財団職員(休職中)、アーシス隊員
特技…猫を被ること
相手:佐世保の中年ライダー
餓狼八幡
本名…比企谷八幡
格闘スタイル…マーシャルアーツ+骨法+ムエタイ
出身…日本
趣味…古いマンガ、アニメ、昭和の邦画(クレージーキャッツの日本一の◯◯男シリーズが特に好き)鑑賞
嫌いなもの…虐め、理不尽な暴力
好きな食べ物…甘いもの全般、辛い物も割とイケる、ラーメン
大切なもの…家族(師匠である兄貴分や姉貴分と兄弟分含む)雪乃、結衣、いろは、格闘技を通して出逢った人達(サキサキや留美含む)愛車(カワサキNinjaZX−25r)
得意スポーツ…一応、山田十平衛に手ほどきを受けた柔道
職業…高校生、パオパオカフェ日本支店アルバイト
特技…意図せずして出くわすラッキースケベ(サキサキの黒レースに遭遇する確率大)
餓狼いろは
本名…一色いろは
格闘スタイル…なし(異界へと渡った影響か、何やら特殊能力に目覚めそう、但し本来の世界へと帰還した後にその力を持ち帰れるかは?)
出身…日本
趣味…最近は八幡に影響を受けてマンガやアニメの鑑賞、甘党の八幡の為にお菓子を作ること、ファッションセンスの無い八幡の為の服装選び
嫌いなもの…下心あり気で近付いて来る男、自分に敵対的な同性
大切なもの…はちくん(八幡)雪乃先輩、結衣先輩
好きな食べ物…八幡に連れて行ってもらった某ラーメン
得意スポーツ…特になし(武道以外はある程度卒無くこなす)
職業…高校生
特技…長台詞による八幡への求愛
アンディ・ボガード
格闘スタイル…骨法
出身…アメリカ
嫌いなもの…犬
好きな食べ物…納豆スパゲティ
大切なもの…修行時代の写真
得意スポーツ…ショートトラック
職業…不知火流体術師範
特技…断食