やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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アンジェロ岩を見物に行こう

side雪ノ下陽乃

杜王町駅前にある牛タン屋

 

 

陽乃「んん~♪おいしー♪ヤッパリ本場の牛タンは美味しいわね~♪早人さんもほら♪ぐい~っと♪」

 

わたしがビールのジョッキを渡す。

 

早人「雪ノ下さん……僕はまだ、就業中なんだけど。飲酒を勧めないでくれる?結局付き合わされてるし……お母さんのお弁当……どうしよう……」

 

陽乃「いいじゃんいいじゃん♪あぶれもの同士、一緒にランチしよーぜー」

 

早人「ビールを頼んでおいてランチと言い張るんだ……雪ノ下さん、友達いないの?」

 

陽乃「そーなの!だから相手してくれるの早人さんしかいなくて!」

 

早人「なに?そのノリ………というか、早速一杯空けてるし……ペース早くない?僕としては早く研究室に帰りたいから都合が良いけど……」

 

そんなとき、店の自動ドアが開いて新しいお客さんが入ってくる。

 

エルメェス「おっ!外から見たときはもしかしてと思ったけど、やっぱ陽乃じゃあねぇか!昼間っから酒か?」

 

じゅうじゅう焼いている牛タンの臭いに誘われてか、エルメェスさんが間田さんを伴ってやってきた。

ヤッター!飲みともゲットだぜぃ!

 

陽乃「やぁやぁエルメェスさん!エルメェスさんも間田さんもいかがっすかぁ~♪」

 

エルメェス「おっ!悪くねぇなぁ?な、敏和!」

 

ん?んん~?エルメェスさん、間田さんをファーストネームで呼んでますよぉ?これはもしかして……。

 

陽乃「大将ー!生ビール二杯追加で!」

 

大将「あいよぉ!」

 

これはどんどん飲ませて是非ともコイバナを聞かないとねぇ~♪

美味しい話だったら、お姉さんが奢っちゃうぜぃ!

 

天の声『何がお姉さんだ!お前が一番年下だろ!獲物を見つけたんなら早く早人を解放してやれよ!』

 

あーたーっのしー♪

久々の杜王町だし、堪能しちゃうぜぃ!(何度か出張で来ており、その度に杜王町組の誰かを付き合わせている。今回の被害者は川尻早人)

 

エルメェス「お?あたしと飲みで勝負するつもりかぁ?つい最近酒を知ったばかりのガキが生意気じゃあねぇかぁ?陽乃ぉ」

 

間田「エルメェスに酒で勝負を挑むなんて無謀だね。俺も昨日は飲み負けてそのまま……」

 

朝チュンを迎えたわけですね?フムフム……その辺の事を詳しく……是非とも赤裸々に……フンス!

 

早人「………研究室に帰って良いかな?エンポリオ君からも良いプランを貰ったし………」

 

定食を食べ終わり、立ち上がって帰ろうとする早人さん(隼人を呼び慣れている関係か、川尻さんと呼ぶよりもこっちの方が馴染む!馴染むわよぉぉぉぉ!(既に出来上がりつつある))。

帰さないわよォォォ!

ガシッ!

八幡君という逃げのスペシャリストを相手にしている陽乃さんをなめるなぁぁぁ!無駄無駄無駄無駄ぁ!

 

早人「ノルマが………アイデアがぁぁぁぁ!室長に怒られるぅ!」

 

むっふふふぅ……。接待費が降りれば良いね♪(仕事じゃないから降りるわけがない)

そういえば、雪乃ちゃんたちはどうしてるかな?

 

 

side雪ノ下雪乃

虹村家

 

雪乃「どうもお邪魔様でした。貴重なお話、ありがとうございました」

 

結衣「でしたー!」

 

小町「楽しかったです♪あ、また明日、かーくんとぺっちゃんを迎えに来ますね?」

 

もうちょっとカマクラさんをもふりたかったのだけれど、月に一度しかカマクラさんに会えない虹村万作さんに譲るべきよね。

それにしても万作さん、カマクラさんを始めとしてサブレさん、ペットショップさんにもなつかれているわ。スタンド使いの動物になつかれ易いのかしら?

万作さんはとてもご機嫌だわ。

 

那由多「構わないわよ。カマクラが来ると賑やかなのはいつもの事だから」

 

おさ馴染みーズが押し掛けてくるのね。賑やかそうだわ。今度また、付いて来ようかしら?

 

ジョルノ「では、次の場所に行く前に仗助さんのご実家へ行こうか」

 

鶴見先生「あ、あのPTA会長のご実家……さぞかし凄いお宅なのでは……」

 

小町「普通の一軒家ですよ?それに今の家もジョジョお姉ちゃんや徐倫お姉ちゃんと3人で住むには広いですけど、あくまで普通の家庭の範疇ですから」

 

そうなのよね。役職とかのわりには仗助兄さんやジョセフおじいさま、それにジョルノ兄さんは住んでいるご自宅は普通のお宅やマンションなのだもの。

一番ご立派なのは承太郎おじさまのご実家かしら?

元々皆さん、いずれは千葉を去るつもりのようだから、仮住まいにそんなお金をかけるつもりは無いようなのだけれど。

 

小町「お兄ちゃんとお姉ちゃんは結婚したら、一色家と比企谷家の土地を1つにして四階建ての一軒家にするとか言ってたけどね……なんでも子沢山にして大家族にするとか言ってるよ……お兄ちゃんが。お姉ちゃん、もつかなぁ……っていうか、小町の部屋って用意してくれるよね?」

 

小町さん……いくら幼なじみとはいえ、小姑が同居というのはどうなのかしら?

あなた、結婚しないつもりかしら?

 

ジョルノ「小町はパッショーネで引き取るのも良いかもね。エア・サブレーナ島も是非と言っているし」

 

小町「うわっ!せっかく生まれ変わったのにまたあの島で枯れた生活するのはイヤ!たまに行くから楽しいんじゃんか!」

 

小町さん……波紋の修行場を何だと思っているのかしら。

そうこう言っている内に目的のお宅に着いたわ。

 

雪乃「あら。普通のお宅と言っていたのだけれど、結構広いお家なのね」

 

仗助兄さんらしい、オシャレなお宅ね。

朝の露伴先生のご自宅や、先ほどの億泰さんのご自宅でも思ったのだけれど、杜王町は独特のセンスの建物が多いわ。

建築に関する研究職と建築士志望の私としては興味深い町並みよ。飽きない町だわ。支倉未起隆さんという方がこの町は面白いという理由もわかるわね。

支倉未起隆さんと私は気が合いそうだわ。

ガチャっ!

そんな事を考えていると、お宅から誰かが出てきたわ。

 

静「ん?いらっしゃい。東方家へようこそ。京さんから大分前に連絡貰ってるよ」

 

京さん……と言うよりは那由多さんかしら?いつの間に連絡を入れてくれていたのかしら……。さすがはスーパー家政婦ね……。

それにしてもジョースターさんの服装、ラフな格好よね?髪をポニーテールにしてタンクトップにホットパンツ……これが真夏なのならこれからジョギングにでも行きそうな格好なのだけれども……。

 

雪乃「どこかへお出掛けかしら?ジョースターさん」

 

静「うん。といってもすぐ近所だけど。ほんの5分程度の場所だから一緒に行く?一応は杜王町の名物だし」

 

どこへ行くのかしら?そんなに時間がかからないのならば、ご一緒するけれども。

 

ジョルノ「あそこか……僕は先にお邪魔しているよ」

 

トリッシュ「あたしも」

 

小町「小町は一緒に行く♪杜王町に来たらやっとかないとね?」

 

留美「私はジョルノと一緒にいる……」

 

静「その方が良いかもね。子供の教育には良くないことをしに行くから」

 

三浦「なにするつもりだし……」

 

結衣「何だか凄い嫌な予感が……」

 

私達は東方家へお邪魔する組と、ジョースターさんに付いていく組で別れたわ。

ジョースターさんの言うとおり、5分ほどしたところに奇妙な物があったのだけれど……。確かこれは…。

 

雪乃「杜王町名物のアンジェロ岩?」

 

結衣「アンジェロ岩?」

 

パラパラと由比ヶ浜さんが杜王町ガイドブックをめくる。

 

結衣「その不気味な見た目とは裏腹に、恋人たちの待ち合わせの場所として親しまれている。時折声のような物が聞こえて来るようで、声を聞いたカップルは幸せな関係になれる……って書いてあるけど、スタッチ達はこんなところで何をするの?誰かと待ち合わせとか?」

 

ジョースターさんや小町さんが?

それに、何で二人は準備体操みたいな事をしているのかしら?

 

静「さ~ってと………♪」

 

ジョースターはトントントンっとステップを踏んでから………

 

静「ドラァ!死ねぇ!アンジェロォォォ!」

 

ドカッ!っとアンジェロ岩を蹴り込むジョースターさん!

 

小町「ゴミィ!このゴミィ!」

 

ドカッ!ドカッ!

小町さんもアンジェロ岩を蹴る。

な、な、何をしているのかしら!この二人!町の名所になんて事を!

 

雪乃「ちょっ……ジョースターさん!小町さん!何をしてるの!?止めなさい!」

 

エンポリオ「無駄だよ……静は杜王町に来る度にこうしているんだ」

 

ま、毎回?何かアンジェロ岩に恨みでもあるのかしら?

 

静「ん?雪ノ下、何でこの岩がこんな形をして、アンジェロ岩って呼ばれているか知らないの?」

 

それは知らないのだけれど………。

ボヨヨン岩のように知られている伝説とは別のエピソードがありそうね………。

 

静「雪ノ下、由比ヶ浜、三浦。アルミラージを覚えてる?」

 

アルミラージ……確か兎のウルフスの……。ジョースターさんが追い詰め、最後は仗助兄さんによって壁絵にされた………。

 

静「こいつもそう。お兄ちゃんに岩と一体化させられた元人間……杜王町で殺人鬼といったら吉良吉影が真っ先に思い付くけど、日本犯罪史史上でもっとも下衆な人間の一人として残っているのは……こいつだよ」

 

メメタァ!とジョースターさんはアンジェロ岩をゴンゴンと殴る。

 

小町「片桐安十郎。通称アンジェロ。だからアンジェロ岩」

 

これは仗助兄さんがこんな形にした元人間……。でも、何で仗助兄さんは………。

 

静「アンジェロは……アンジェロはね?お兄ちゃんのおじいちゃん……東方良平を殺したの」

 

仗助兄さんのおじいさまを……?

え?それって………さっき聞いたばかりの……。

 

億泰『仗助のじいちゃんだって……兄貴が生んだスタンド使いが殺したんだぜ?』

 

虹村刑兆さんが生み出したスタンド使い……。

巷で語られている恋人たちの待ち合わせ場所。

ここにはどんな恋のエピソードがあるのだろうと思っていたのだけれど……とんでも無かったわ。

実に……実に……スタンド使い的なエピソードだった。

仗助兄さんは仲間に……とりわけ家族に手を出すものは許さない……。

もしかしたらそれは……このアンジェロが深く関わっているかも知れないわ。

 

静「よ、アンジェロ。また蹴りに来るから」

 

おもいっきり蹴っておいて軽く言うジョースターさんなのだけれど、片桐安十郎の事を聞けば同情する気が無くなってしまうわね。

岩と1つになってしまって痛みを感じるかどうかまではわからないし、わかりたくも無いけれども。

 

『いてぇよぉ……いい気になってんなよぉ……特にそこの○天の帽子を被ったガキとすました顔の女ぁ……お似合いだからっていい気になんなよぉ……』

 

私にも今、アンジェロ岩の声を聞いたような気がしたのだけれど………。実情を知ってしまうとそれは呪いの言葉に聞こえるわ。

聞いた限りのアンジェロという人は、同情に値しない人間だったと言うことな訳だし……。

さぁ、ジョースターさんも帰るみたいだし、今度こそ仗助兄さんのご実家にお邪魔することにするわ。

 

sideなし

 

アンジェロ岩。

その不気味な見た目とは裏腹に、町のシンボルのひとつとして恋人たちの待ち合わせの場所として親しまれる。

時折、「アギ……」などの声がスタンド使いでは無くとも聞こえ、その声を聞いた者は祝福の声として永遠に幸せな関係になれるという伝説も囁かれるようになる。

この伝説はあながち間違いではなく、その声はアンジェロがお似合いのカップルに対する怨嗟の声である。

お似合いのカップル以外には特に何も感じない為、ある意味においては祝福なのかもしれない。

だとすれば、雪乃とエンポリオはある意味では祝福を受けたのだというのだろうか?

 

また、アンジェロ岩に対して時折執拗にキックを入れている少女が目撃されるが、彼女は昔アンジェロ岩に認められず、手酷い裏切りによって失恋した少女だとも噂がある。

アンジェロ岩に蹴りを入れている少女を発見したとき、彼女に近付いてはいけない。

 

静「なんでよ!」

 

←To be continued?




はい、今回はここまでです。

アンジェロ岩には蹴られてもらいました。

それでは次回もよろしくお願い致します

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