やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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東方家にお邪魔しよう

side静・ジョースター

 

一通りアンジェロ岩を蹴り、東方家へ戻った私達。

誰かしら家に遊びに来るだろうと思って食材を買っておいて正解だったね。

 

結衣「会長の実家っておしゃれですね?」

 

仗助「まぁな。じいちゃんやお袋の趣味が良かったんだと思うぜ?じいちゃんもお袋も、センスは良いからよ。俺もそのセンスは受け継がれていると思うんだけどなぁ」

 

私はお兄ちゃんのセンスはカッコいいと思うんだけど。

 

朋子「あんたはちょっと独特だわ。承太郎君とか、ジョルノ君を見ていて思ったけれど、あんたのセンスは間違いなくジョースター家の血の方が濃いわね」

 

ジョセフ「そうかのう?仗助は確かにジョースター家の血は濃いようじゃが……服のセンスは……」

 

朋子「いや、ジョセフ?あんたもヨボヨボだったときのあの帽子は何?今だってセレブな服を着こなしているじゃない」

 

まぁ、実際パパはセレブだしね。修行の時はエジプトの時に着ていた茶色系の服装だけど、普段は本当に高級感漂う服装をしている。

髪型もその頃の髪型にしてるけど、総白髪だったのが最近では毛根が甦って来たのか、黒い部分もちらほらと出てきてるんだよね。

わざわざ服装に合わせて白髪に染めてるけど。

 

朋子「さて………そろそろお昼だし、一応は作っておいたけど、こんなに人が集まるなんて思わなかったから足りないわ。ジョジョ。何か追加で作りたいんだけど、何が良い?」

 

朋子ママは基本的に洋食が得意だ。

朝もパン派だし。

私?忘れられがちだけど、私はアメリカ人だよ?元々は体は日本人だけど。もちろん、普段は洋食。お兄ちゃんも東方家育ちだから洋食派。

もっとも、日本の食事が私達には体に合っているし、私も日本に住んでから長いから和洋折衷だけどね。

ちなみに比企谷家も時期によるけど基本的には朝はパン派だね。特にイーハも含めれば転生組は前世がイギリス人だったわけだし。

ちなみに川崎家は和食派らしい。サキサキの得意料理は芋のにっころがし。一度食べた事があるけどマジでうまい。

 

結衣「あ……あのさ………」

 

静「ん?」

 

結衣「あたしにも何か作らせてもらって良いかな?」

 

仗助&静&雪乃&小町&三浦「え゛…………」

 

待て待て待て待て待てぇぇぇぇ!待てっつーのぉ!

ここは杜王町!導かれし小道のすぐ近く!

まだ良平おじいちゃんの所に行く予定はないッ!

 

結衣「何?その反応………ゆきのんまで………」

 

雪乃「由比ヶ浜さん?」

 

結衣「な、何?」

 

雪乃「異世界の兄さんの所に二人ほど幼なじみがいるのだけれど………」

 

あ、ジョルノ兄さんの妹分だから、あいつも兄さんの一人になるわけね。実年齢はあっちの方が上だし。え?だとすると私も兄さん扱いしないとダメ?

あれ?でも、実年齢での私は本来は1つ学年が上のはずだったんだから、実学年的には………ううーむ………。

でもあいつも私と似たような感じだし……。

ジョースター家って何でこんなに複雑なんだろ。とりあえず保留って事で。

で、それが?

 

結衣「う、うん……知ってるけど……。一人はあたしに声がよく似ていたし………」

 

ああ、確かに何度か会ってるもんね?声がそっくりな事でイタズラにも参加してもらったし。(主犯)

いやぁ、あれは楽しかった。(性悪)

私もあっちのグラサン女(平行世界の本人)に成り済まして色々とやったし。

あ、更に思い出した。あっちのグラサン女によって徐倫お姉ちゃんを召喚されて強制送還されたんだった。

許すまじ………いつかは決着を付けねば……。でも、透明化能力はあっちの方が上なんだよなぁ……(多分、あっちはワイルド・ハニー)。

あ、思考がそれた。で、あの二人がどうしたのん?

 

雪乃「比企谷君の聖なる遺体を取り戻しに行った時の事よ。事件が比較的早く終わって、1週間ほど兄さんのご自宅に逗留させて頂いたのだけれど……」

 

あー、あの事件の異世界同位体の調査に協力してもらう関係でむこうにいたんだったっけ?

 

雪乃「やることがなかった私や姉さんはあの二人にお願いされて料理のコーチをやったわ……」

 

あ………(察し)

確かその威力(味とは言わない)……ハッチを一撃KOさせられるレベルだったっけ?

 

結衣「う……うん……それで?上達したの?」

 

雪乃「…………私にも出来ることと出来ないことがあるのだけれど、あの二人とあなたは………無理よ」

 

結衣「ちょっ!なにそれ!」

 

や、あのクッキー教室や千葉村じゃああんた……その結論は正しい気がするよ。うん。

 

結衣「ゆきのん!あたしだってあれから上達してるんだからねッ!もー頭に来た!東方先生!あたしにも作らせて下さい!」

 

朋子「う、うん。良いけど………話を聞く限りじゃあイヤな予感がするわ………」

 

由比ヶ浜に火が付いちゃったよ……。

雪ノ下って無意識に人を煽る時がたまにはあるからなぁ。

仕方がない。私が由比ヶ浜を見るか。朋子ママもそっちの方が安心だと思うし。

 

 

side東方仗助

 

お袋とジョジョが由比ヶ浜を伴ってキッチンに入っていった。

まぁ、ジョジョがいれば変な事にはならねぇだろ。

………ならねぇよな?リバースact1はもう無いんだし。少なくとも小道に迷うことは無いだろう。悪くて一発KOくらいだよな。

…………あ、そうだ。雪乃と由比ヶ浜で思い出したぜ。

ちょうど暇になったし、良いかな?

 

仗助「なぁ雪乃」

 

雪乃「はい?何でしょうか?仗助兄さん」

 

大分俺の事を兄さんって呼ぶのに慣れてきた感じだな。良い傾向だ。敬語が抜けないあたりはジョルノやトリッシュ程まだ気を許してはいないようだけどな。

 

仗助「ちょっと来てくれよ。会わせたい人がいるんだ」

 

雪乃「??ええ。分かりました。お供させて頂きます」

 

雪乃がソファーから立ち上がり、俺に付いてくる。

俺はつい先程も来た部屋に……じいちゃんの部屋に案内した。

 

雪乃「ここは………あら?」

 

雪乃は仏壇に飾られているじいちゃんの写真をまじまじと見る。

 

雪乃「この方は………何故かしら。一度お会いしたことがある気がするのですが………」

 

まぁ………死にかけた時に会ったとは口が裂けてもいえねぇよな。

ワンニャンショーの時、初めて会った億泰を見たときも怯えていたしよぉ。

 

仗助「俺のじいちゃん、東方良平だ」

 

雪乃「東方良平おじいさま…確かアンジェロに…」

 

ああ、億泰の所で聞いたのか?それともさっきジョジョと小町がアンジェロを蹴飛ばしに行くのに付き合ったみたいだから、その時にじいちゃんの事を聞いたのかもな。

 

仗助「俺のじいちゃんはよぉ、出世よりも町の人達を守ることを優先した人でよぉ。俺にとっては身近なヒーローでよぉ……。ジョルノにとっての恩人のギャングみてぇなもんだったかな?」

 

俺は仏壇の蝋燭に火を付ける。那由多がきちんと整理をしてくれているお陰で常に仏壇の物は新品が用意されている。

 

仗助「今日帰ってきたときによ、おめぇの事を報告していたんだよ。新しい妹分ができたってな。どうだ?じいちゃん。ビビったか?カワイイ妹分だろ?」

 

雪乃「良いのですか?私がお線香をお供えしても……」

 

雪乃は遠慮がちに訊いてくる。

 

仗助「遠慮すんなよ。ジョースター家に迎えられたんなら、おめぇだって立派な家族だろ?さっきジョルノもトリッシュも線香をあげてくれたしな。できれば陽乃にもあげてもらいたかったけどよ。あいつ、早人を付き合わせてエルメェス、間田と牛タン料理屋で一杯やってる最中だって話だしよ」

 

雪乃「何をやっているのかしら……姉さん……ジョルノ兄さんが聞いたらワサビものよ……それも川尻さんを巻き込んで……」

 

そりゃあもはや手遅れだ。さっき早人から連絡が入って知った事だ。ジョルノがこの部屋で線香をあげているときにな。

ジョルノのヤツ、調味料の棚から新しいワサビを準備していたのを俺は見逃さなかった。

最近ではデスソースを超えるキャロライナ・リーパーを手に入れたって言うし……。往生しろよ?陽乃。

 

雪乃「それでは………東方良平おじいさま。私が新しくジョースター家に迎え入れて頂いた雪ノ下雪乃です。おじいさまは警察官の鑑のようなお方だと仗助兄さんからお聞きしております。是非とも……直接お会いしたかったです。おじいさまとは初めてお会いした気がしないのですが……。もしまた杜王町に来ることがあれば、必ずまた参ります……お許し下さいますか?」

 

ありがとよ、雪乃。多分、じいちゃんも喜んでくれていると思うぜ?

本当に熱心に挨拶してくれてありがとな。

 

朋子「仗助ぇ!雪乃ぉ!準備出来たわよぉ!」

 

もう出来たのかよ。はやいなぁ。

それにしても陽乃の奴はどうしてくれよう……。

 

 

side雪ノ下陽乃

 

エルメェス「おっ!?陽乃、イケる口じゃあねぇか!あたしと飲み比べでここまで競った奴はいねぇぜ?徐倫だってここまでイケねぇからなぁ!」

 

陽乃「アッハッハッハッ!その前に徐倫ちゃんは泣き上戸の絡み酒だからねぇ!」

 

そんな気はしてたけど、エルメェスちゃんってお酒が強いわよねぇ♪間田さんなんてもうつぶれちゃってるのにぃ♪またお持ち帰りされて美味しくいただかれちゃうわよ?間田さん?

 

早人「昼休みが終わる!頼むからもう研究室に帰らせてぇ!」

 

陽乃「ダメダメぇ♪本番はこれからですよ?は・や・と♪」

 

早人「馴れ馴れしいんだけど!」

 

エルメェス「陽乃ぉ♪こいつは葉山じゃあねぇぜ?実は相当出来上がってんだろ!良いねぇ良いねぇ!その飲みっぷり!このまま夜まで……いや、朝まで飲み明かそうぜぇ!」

 

もっちろん♪この雪ノ下陽乃、付き合っちゃうぞぉ♪

 

『探しにゆくんだ♪そこへー♪』

 

ん?着信?誰から?ジョルノ兄さん?

 

ピッ!

 

ジョルノ『随分とお楽しみのようだね?陽乃。仗助さんから聞いたよ?』

 

陽乃「そりゃあせっかくのお休みですから♪」

 

お休みで飲み明かすなんて最高じゃん?旅行の醍醐味は観光と美味しいお酒、そして食べ物よね?

牛タンの本場、S市に来て牛タンで一杯やらないなんて勿体ないじゃない?そんなの、豚肉が入っていないトンカツ、タコが入っていないたこ焼き、八幡くんが曰くのMAXコーヒーのない千葉よ!

 

ジョルノ『そうかそうか。じゃあワサビがないお仕置きもお仕置きじゃあないよね?』

 

え゛…………何で?

 

ジョルノ『君が慰安旅行で何をしようと勝手だ。それこそ昼間から飲酒を嗜むのも構わない。ただ、就業中の川尻早人君を会社に無断で連れ出すのはどうなんだろうか?彼は東北支部開発研究室のエースだ。彼なくしては東北支部の仕事が滞るとまで言われる程にね。一応はパッショーネも財団の一部。羽目を外すのは構わないが、少し外しすぎだったな』

 

ダラダラダラダラダラダラ………

 

早人「雪ノ下陽乃が望む休暇の平穏なんて……雪ノ下陽乃が願う安心なんて……ジョルノ・ジョバァーナイタリア支部長の前に比べたら!」

 

は、早人さぁん!

 

陽乃「あ、あの………兄さん?」

 

ジョルノ『なんだ?陽乃』

 

陽乃「今回は反省したって事で………早人さんは解放するから!もうしないから!」

 

ジョルノ『当然、早人君の解放はしてもらう。仗助さんが支部長権限で東北支部に早人君の事を連絡してくれたから良かったものの……上手く逃げようなんて、考えないで下さい。二度言うことは無駄なんだ。無駄無駄。もう新しいワサビを入手しちゃってさ。とても心苦しいけど、もう『ある』んだ。楽しみにしていると良い』

 

プッ!ツーツーツー………

 

陽乃「い、い、イヤァァァァァァァ!」

 

エルメェス「絶望の悲鳴を上げたな……せめてもの救いはあたし達が聞いてやった事だぜ?ドブネズミだけじゃあ無くてな。飲み会はお開きか……。せっかく楽しくなったってのによ」

 

わたしはスポーツマックスじゃあ無いわよ!エルメェスちゃん!

 

雪ノ下陽乃(アヌビス神)……ジョルノのワサビにより再起不能(リタイア)確定

 

 

side雪ノ下雪乃

 

東方家の昼食会。

出揃っている料理…

最悪は倒れることを考えないと………あら?

 

結衣「ふっふーん!」

 

由比ヶ浜さんはその豊満な胸を強調するように張っているのだけれど……

どれが由比ヶ浜さんが作ったのかは一目瞭然だわ?

普段から作っている東方先生……いえ、朋子おばさまとジョースターさんとではどうしても経験の差が出てしまうもの。少し不恰好なのは仕方がないわ。

そう、『少し不恰好』程度なの。クッキーの時に最初に出されたジョイフ………こほん、あの木た………っんっんー!と、とにかくあの最初のクッキーなんかとは比べ物にならないほどの美味しそうな回鍋肉が出されているわ。

ちょっとキャベツがしなしなになっているけれど、そんなのは好みの範疇で済んでいるわ。

いえ、まだ油断してはダメよ?雪ノ下雪乃。

あの○○寺さんを思い出すのよ!あの人は美味しそうに作れるけれど、あの兄さんが以外は……もちろん私も記憶が一部キング・クリムゾンしたわ……。

 

結衣「もう!あたしもちゃんと味見したから大丈夫だって!さぁ、ゆきのん!食べて食べて!」

 

………良いわ。由比ヶ浜さん。あなたは私のかけがえのない友人よ。親友と言っても差し支え無いわ。

コォォォォォ……

 

結衣「何でそこで波紋の呼吸を始めるし!」

 

覚悟は出来たわ……私も覚悟を重んじるパッショーネのボスの妹的な立場……。

いざッ!

パク…………

 

雪乃「……………美味しいわ」

 

特別美味しいと言うわけでは無いのだけれど……中華料理屋でプロが作った物に比べては格段に劣るけれども…でも、由比ヶ浜さんが作った回鍋肉は……素人が作った物としては文句がない出来だったの……。

 

雪乃「ジョースターさん……手伝ったりは……」

 

静「いや?確かにずっと見ていたし、アドバイス程度の事はしたけど、全部由比ヶ浜が1から作った物。マジでビックリした……」

 

仗助「ビビらせ勝負に負けたぜ……マジでうめぇじゃあねぇか!由比ヶ浜!」

 

本当に……由比ヶ浜さんには失礼だけれど、本当に美味しくてビックリしたわ。

 

結衣「文化祭の打ち上げで言ったよね?最近は料理にハマってるって。家で少しずつ練習してたんだ。最初は上手くいかなかったけれど、練習して練習して……少しずつ上手く作れるようになったんだよ。どう?ゆきのん。あたしだってやれるんだぞッ!ってところを、見て貰えたかな?」

 

それは15年前、億泰さんのお話でも活躍された支倉未起隆さんの言葉にもあったわね。

由比ヶ浜さんは……未起隆さんと同じように、私達に努力を認めて貰うために頑張って練習したんだわ。

あなたは戦いでも料理でも一生懸命で……苦手な事でも努力して出来るようになってしまう。

由比ヶ浜さんは気が付いていないかもしれないけれど、それは誰にでも出来る事ではないわ。

 

雪乃「………由比ヶ浜さん。とても…美味しいわ。あなたの努力は……最高よ。あなた、グレートだわ」

 

この場では仗助兄さんの口癖である『グレート』が相応しい……私は何故かそう思ってしまったの。

特別美味しいわけではない由比ヶ浜さんの料理だったのだけれど……。この料理は由比ヶ浜さんの愛情というスパイスが効いていて……私達にはとても美味しく感じられたの。

 

結衣「やったぁ!やったよー!優美子、スタッチ!」

 

三浦「うん。これはマジでサイコー。やるじゃん、結衣」

 

静「やれやれだわ……でも、雪ノ下が言うとおり、これはグレート……かもね」

 

仗助「グレートだぜ、由比ヶ浜」

 

本当に………グレートよ。由比ヶ浜さん。

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

由比ヶ浜の料理の腕は原作でもある通り、確実に上げています。
それがわかるのはバレンタインの時なので、今回はその発展途上という事で特別美味しくは無いけど、以前に比べたら確実に腕を上げている……という事を表現してみました。
お菓子は料理に比べても難しいですからね。

一方で陽乃はワサビ確定です。
ズッダン、ズッズッダン!です。
キャロライナ・リーパーは世界トップレベルのハバネロの強烈版です。加工とかにもゴーグル、マスク、手袋が必要な程の物らしいです(Wiki調べ)。

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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