やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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第3章のプロローグです。

今回は第2章からの4年間のお話です。

ではどうぞ。


第3章 俺ガイル1学期編 「bloody snow」
そして、俺ガイルへ…


side比企谷八幡

 

あれから4年の月日が流れた。

それまでの俺達の事をダイジェストで伝えよう。

 

まずは仗助とジョジョ、二人の婚約が身内ないでは完全に成立した。

結婚自体は成人後になるが、元々兄妹で生活していたので、既に結婚しているようなものだ。

正式な対外発表は高校卒業後になる。

仗助自身はまだジタバタしているが、あのマウントロックでの黒ジョルノによる録音と、承太郎邸での決闘が決まり手となり、もはや仗助は外堀はおろか本丸突入を果たされている。

諦めろ、仗助。

そしてお空の上のアレッシーよ、その点だけはお前は大金星だぞ。

 

ありがとー!アレッシー!

 

いろは「ハチ君…誰に感謝してるんですか…」

 

人のモノローグにツッコミを入れるんじゃあない!いろはす!

 

-地球衛星軌道上-

 

アレッシー「アギ…」

 

カーズ「アギ…?」

 

再び回想

 

次に徐倫とアナスイさん。

二人の婚約が成立した。

もっとも、アナスイさんの刑期が終わってからの話になるのでまだまだ先の話になるが。

本人はヤレヤレだわ。

とか言っているが、その表情は満更でもない。

そして徐倫の方は容疑が完全に晴らされ、大学に復学。

代わりにロメオが逮捕され、復旧された「水族館」に収容された。

元々家絡みで当局からはマークされていたらしい。

ジョースターを敵に回した報いを受けるが良い。

ちなみに、アナスイが刑期を終える数年までだが徐倫の来日も決定した。

これは徐倫の意思だ。

根源的人類の天敵との戦いに自分も力になりたいと申し出てくれたのだ。

立場的には日本の英語教師としてネイティブ教員として俺が進学した総武高校の臨時教員として来てくれるらしい。

その為に、この4年間は大学の学部を変更して教育学部を勉強しなおし、国際資格を取得して来るらしい。

俺達の為に良いのか?と聞くと徐倫は…

 

徐倫「『水族館』での生活を見て思ったのよね。もし、人並みの生活を送れていたら、道を踏み外さずにプッチの犠牲にならずに済んだ人間はどのくらいいたのだろうって。だからあたしは教育の観点から少しでも出来ることをやろうって思ったのよ。ゆくゆくは教育の道の研究者となって、未来の若者の未来を支えて行きたい。それが父さんとは違う形で進む、父さんの跡継ぎよ」

 

と言っていた。

承太郎は…

 

承太郎「お前まで巻き込みたくは無かったんだがな…だが、立派になったな…徐倫」

 

と徐倫の意思を尊重していた。

 

次にパッショーネの方に動きがあった。

 

長年の交際の末、ジョルノとイタリアのトップ女優、トリッシュ・ウナさんが結婚した。

結婚式には元クリスタル・クルセイダーズ全員が招待された。

刑期を終えたエルメェスさんや、アラビア支部に転勤したミドラーさん、ラスベガスでディーラーをしているダニエルさんもだ。

でもさ、結婚披露宴パーティーでジョルノ、ミスタさん、フーゴさんの3人でギャングダンスを踊るのはやめてくれね?

あのズッダン、ズッズッダンはあのワシントンの夜の一件で軽くトラウマになってんだよ。

おいジョルノ。日本支部にだけ見えるようにワサビのチューブをチラッと見せるのは止めろ。

俺と仗助とジョジョの三人がダラダラと変な汗を流してしまったではないか!

事情を知っている元クリスタル・クルセイダーズのみんなとジジイは吹き出してたし、小町はギャングダンスに参加したそうに見ている。

やめなさい。あなたは今、スカートでしょ。

ちなみに、ヴァレンタイン大統領閣下は激務の為に電報のみの祝福だった

大統領閣下は非常に人気が高く、今期三度目の再選を果たしている。

あの人との同盟関係は良好で、関係が維持されている限りはSPW財団は安泰だ。

俺の仕事が増えるから嫌だけどね!

また、パッショーネを含むSPW財団にもまだ内々の決定ではあるが、近々組織改編が予定されている。

イタリア支部を主軸としたヨーロッパの各支部を統合して、ヨーロッパ支部が新編される予定だ。

支部長はやはりジョルノ。

パッショーネによるイタリアの治安回復の功績が認められての決定だ。

これはジョースター家の内輪評価ではなく、純粋にジョルノ達パッショーネの功績だ。

実際は現段階での昇進でも良かったのだが、ジョルノ自身は俺の問題が片付くまで待ってくれるとの事だ。

ちなみに、ヨーロッパ新支部の副支部長はミスタさんで決定している。

ポルナレフさんが継続昇進するべきだとミスタさんは言っているが、ポルナレフさんはいつまでも死人に頼るんじゃあないと言っている。

もう亀のココ・ジャンボも老齢だし、成仏の時が近いのかも知れない。

ジョルノが抜けたイタリア支部の支部長は麻薬対策チームのフーゴさんが最有力候補だ。

イタリアの治安回復に大きく貢献した評価を買われての抜擢だった。

副支部長候補はシーラEさん。

たかだか現場チームの構成員だった自分が一気に幹部候補に挙がってしまい、本人は涙目のルカだ。

ルカって誰だよ。

 

次に俺達日本支部だ。

義務教育を終えた小町を除く俺達クルセイダーズの学生組は、正式に関東支部に雇われる形となった。

もっとも、まだ高校生なのでアルバイトという形であり、実質は関東支部の支部長だが、肩書きはそこのアルバイトとなっている。

アルバイトがやる業務内容じゃあないよね?

俺が関東支部支部長(変わらず)、いろはが副支部長(変わらず)、小町が千葉県支部支部長(昇進)。

中でも一番出世したのが陽乃さんだ。陽乃さんは高校を卒業し、去年から大学に通いながらジョースター不動産建築業部門の千葉支部部長に就任した。

表向きの立場は小町の部下にあたるが(SPWとジョースター不動産は形の上では別の会社だが、実質は合併している)実質は吸収合併した雪ノ下建設の社長だ。

元々家業のノウハウを持っていた陽乃さんは、メキメキと頭角を現して力を付けてきている。

完全に自らの力で自分の立場を確立し、身の安全を手にしたのだ。さすがは魔王、陽乃さん。

戸籍も偽名であった「茅ヶ崎陽乃」を裏から手を回して元の本名、「雪ノ下陽乃」に戻した。

ちなみに、雪ノ下建設の重役達は徐々に経営から外され、雪ノ下さんの両親も本家の汐華に逃げたらしい。

陽乃さんの妹はその事実を知らないらしく、普通に一人暮らしをしているとのこと。

家の行事とかが無くなって不思議がってはいるようだが、面倒ごとが無くなった程度にしか感じていないようである。

陽乃さんの妹は、本人が知らないだけで陽乃さんが養っていることになる。

 

陽乃さん本人は…

 

陽乃「これで良かったのよ。両親と争う形になるのは悲しいけれど、せめて雪乃ちゃんだけでも切り離すことだけは出来たんだから…。今後どうなるかは雪乃ちゃん次第だけどね」

 

と哀しみの表情の中に安堵の表情も混じっていた。

この人は俺達だけに対しては本当の顔を見せるようになった。この数年の付き合いで打ち解けてくれた証だ。

ちなみに、雪ノ下建設の吸収合併は去年、急速に行われた。

その原因は俺がやらかしたから。

元々、雪ノ下及び汐華に対しては俺達の目的の為に力を削ぐ動きがあったが(これは関東支部建設部門に転勤してきた康一さんの働きが大きい)、決定的だったのは去年、俺が遭った事故。その時の事を詳しく思い出す。

 

高校入学の日、俺は登校時間を一時間勘違いして家を早く出た。

いつもなら一緒に登校してるジョジョやいろはも、「まだ支度中だから先に行ってて」というグループメールが返って来たので、波紋の修行がてら走って登校していたら、リードが外れて車道に飛び出したミニチュアダックスフンドがいた。

それだけなら良かったのだが、その犬めがけて一台のリムジンが!

 

八幡「ザ・ジェムストーン!時よ止まれ!」

 

俺は時を止めてギリギリのタイミングで犬を助ける!そしてスタンドで車を止めたまでは良かったのだが…

あれ?この犬、なんか見覚えがあるような…

そんな事を考えていると…

 

犬「バウバウ!」

 

なんと犬は砂のスタンド使いだった!

いきなり現れた俺にビックリしたのか、はたまたザ・ジェムストーンを警戒してなのかはわからないが、

砂のスタンドは俺に突撃してきて吹っ飛ばされた。

 

八幡「あ、これ…やば…」

 

飛ばされた俺は骨折した上にガードレールに頭を打ち付けられた。

犬は謝罪の為か、顔をペロペロ舐め始めた。…は良いんだけど、何で髪の毛をむしり始めるの?

俺が飲み途中だったこぼれたマックスコーヒーを勝手にペロペロ舐めないでくれない?もう飲めないから良いけど、その舌で顔を舐められたら顔も髪の毛もベトベトになるから勘弁なんだけど。

あと、気紛れで買ったコーヒーガムを勝手にクチャクチャするのはやめようね?コーヒーガムが好きな犬って何なの?そんな犬は聞いたことないよ?

あ、段々意識が…

そのまま俺の意識はブラックアウト。

 

後で聞いた話だが、本当の原因は犬のスタンドだったとはいえ、端から見たら俺はリムジンに轢かれた高校生。

そのまま俺は葉山総合病院という病院に運び込まれ、何故かVIPな病室で目を覚ました。

問題はここから。

事故の相手はあの雪ノ下の車。

不祥事を嫌った雪ノ下家は事故を無かったことにしようとし、示談を持ち掛けて来たのだが…。

そんな事を許す比企谷家…ではなく、ジョースター家ではなかった。

既に入学式を終え、事故を知って駆けつけて来た両親、いろは、小町、仗助(PTA会長)、静、ジジイ、承太郎(静の入学式に保護者として参加、ついでにその年からネイティブ教師として勤務になった徐倫の晴れ姿を見に来た)、徐倫、陽乃さんの所に葉山と名乗る雪ノ下の顧問弁護士が示談交渉にやって来た。

 

八幡「はい?要約すると、事故を無かったことにしろ…?と言うことですか?」

 

葉山弁護士「はい。そちらにしましても悪い話では無いかと思いますが」

 

いや、まぁ、本当の理由はスタンドで吹っ飛ばされただけだから、別に車は関係ないから良いんだけどさ。

むしろ車側としても被害者の方だし。

 

だけどさ、世間の常識的にそれはどうなの?

事故原因の犬と飼い主も勝手に帰らせたらしいし。

 

陽乃「舐められたものね、葉山。あなたは私達や八幡がどういう存在か知っていて言っているの?」

 

葉山弁護士「は、陽乃さん!あなたは死んだはずでは!何故ここに!」

 

陽乃「そう…私はそういう扱いだったのね。まぁ、それは構わないわ。それよりも、この面子を見て、まだ上から物を言えるあなたの度胸に尊敬するわ。それと雪ノ下にも」

 

葉山弁護士「この面子…?ハッ!SPW財団の日本支部の支部長の東方仗助氏!それとジョースター不動産の元会長、ジョセフ氏!なぜ比企谷君のお見舞いにSPW財団が!」

 

ジョセフ「名前を呼ばれたからには既に引退して10年もなるが、ワシから説明しようかのぅ。ワシらジョースター家は、この比企谷八幡とは家族ぐるみでの付き合いをしておる。つまり、八幡はワシの孫同然という訳じゃ。そして、ここにいる空条家や東方家はワシの子供や孫一家じゃ。つまり…」

 

承太郎「こんなふざけた事をしてきた段階で、もう完璧に雪ノ下家はジョースター家を敵に回したわけだ」

 

葉山弁護士「く、空条…承太郎…博士」

 

承太郎「ほう、あなたは俺の事を知っているのか。高々一介の日本の弁護士が俺の事を知っているのは、おかしな話だな。俺の名前は生物学学会では売れてはいるが、政界や財界ではアメリカでしか売れてはいない。まぁ、この場では関係のない話だからどうでも良いが」

 

葉山弁護士はガタガタと震えている。

もう既に地道に根を張り、雪ノ下から千葉の主導権はSPW財団が奪っているので、雪ノ下の傘を着る事が出来ない。

 

陽乃「覚悟することね、葉山弁護士」

 

葉山弁護士「陽乃さん!雪ノ下はあなたのご実家では無いですか!」

 

陽乃「私はもう死んだことになっているんでしょ?もう縁は切れているのだから、関係ないわ。わかったらとっとと失せなさい」

 

仗助「転院の準備だ。千葉支部に連絡しろ、小町」

 

小町「アイアイサー!っていうか、もう済ませてるよ!仗助お兄ちゃん!」

 

まぁ、俺の胸元でグシグシ泣いているいろはがナイチンゲールで早々に治してくれたから、もう入院する理由は全く無くなったんだけどね?

それにしても、小町は対処が早いなぁ。

 

葉山院長(葉山母)「待って下さい!医師として、患者を勝手に転院させられたら困ります!」

 

お袋「私の大事な息子の事なのよ?!どうしようと私達家族が決める事じゃあないの?!」

 

親父「八幡を雪ノ下の息がかかっている病院なんかに置いておける訳が無いだろ!それに、八幡の素性を知らなかったとはいえ、私達家族に内緒で勝手に事故を改竄するカルテを作るとは…絶対に許すことは出来ん!仗助さん!お願いします!」

 

仗助「わかっていますよ。比企谷さん。俺達と比企谷家の仲じゃあないですか」

 

俺の両親も怒りを顕にして葉山弁護士夫妻に猛抗議。

仕事をほっぽり出してこうやって駆けつけて来てくれた両親だ。

こんな事をされて黙っている訳がない。

 

葉山院長「しかし、医師としては患者の安全を守ることが大事です!」

 

陽乃「八幡くんを葉山病院に任せること自体が安全じゃあないわ。それに、葉山病院はSPW財団以上の医療技術を持っているとでも言う訳?世界の医療の権威を持っているSPW財団と渡り合える技術力があるとは知らなかったわ」

 

葉山夫妻「く…」

 

今やあちこちの分野に進出しているSPW財団だが、元の専門は医療系技術の研究と発展に力を入れてきた組織だ。

それ以上の技術力は世界のどこにも存在しない。

それを出された葉山夫妻は、とうとう黙り込んで出ていった。

それからすぐにSPW財団の医療スタッフが飛んできて(文字通りヘリで)、俺は幕張にある子供の時にお世話になった(ことになっている)直系の病院に搬送された。

勿論、いろはによって治療は終わっていたので、形だけの入院となったのだが、一度書かれたカルテの内容を変える訳にはいかないので、即退院というわけにもいかず、そのまま一月は入院する形となった。

長すぎじゃあないか?

 

そして、雪ノ下建設の件はそこからすぐだった。

勿論、葉山弁護士は顧問弁護士を解任している。

もっと優秀な弁護士がSPW財団と契約しているからね。今は城廻という弁護士が千葉の顧問弁護士として契約している。

元々フリーの弁護士だったらしいのだが、陽乃さんが高校時代の後輩、つまりは俺の先輩にあたる城廻弁護士の娘さんと交流していた際、城廻さんの話を聞いて接触したところ、優秀な事が判明したのでそのまま契約に至った。

契約資料は康一さんが検印し、俺やいろはも目を通してから押印し、仗助やジョジョに回してある。

ちなみにだが、入院中はゆっくり休めるかと思っていたのだが、そうは問屋が卸さなかった。

ホリィさんや貞夫さん、朋子さんを始めとしたジョースター家の人達、ジョルノ達パッショーネの面々に杜王町の人達等が見舞い客としてやって来た。

特に驚いたのがヴァレンタイン大統領が国旗と共に「どジャアァァン」と突然現れた事だ!

本当に色々な意味で心臓に悪いから止めて欲しい!

勿論、仗助達も来た。大量の仕事が入ったパソコンとUSBを持って。

 

仗助「学校がないなら暇だろ?これでしばらくは仕事に専念出来るな」

 

仗助ぇぇぇぇぇぇ!

 

ちなみに、小町がある日、菓子折りを持ってやって来た。

なんでも事故の原因となった犬の飼い主がお見舞いとして家に持ってきたらしいのだが、ならば何故直接入院先に持ってこないの?

普通は直接本人に謝りに来るよね?

転院したのを知らなかったとは思うのだが、それだったら転院先を聞いて持ってくるのが常識じゃあないかな?

 

小町「近いうちに病院にもお見舞いに来るとか言っていたけど…あと、総武高校の一年の人だって言ってたよ?カワイイ人だったけど、お兄ちゃんには関係ないよね?」

 

八幡「まぁな。俺にはこいつがいるし」

 

俺のベットに勝手に入り込んで俺を抱き枕にして眠っているいろはす。

おい、イチャイチャするのは俺も構わないが、というか大歓迎だが、仕事しろよお前。

ついでに片腕を解放してくれやしませんか?

俺の仕事まで止まるんですけど?いろはさん。

 

いろは「うう~ん…ハチくぅん…」

 

チュッ!

 

唇にキスをしてきた。

Oh…もう仕事は良いや…このままお互いを抱き枕にしながらイチャイチャしてよう。

 

小町「…………まぁ、毎日これだと困るけど、今日くらいはイチャイチャするのは良いよ。それでこれはどうする?」

 

八幡「要らんわ。直接渡されたんならともかく、謝罪にすら本人の所に来ない奴の物は受けとりたくない。処分してくれ。即効性の毒でも入っていたら困るし。俺はいろはとイチャイチャしながら寝るわ」

 

こう見えても俺には仕事の関連で会社の内外で敵が多い。まぁ、重役の宿命だな。

俺もミスタさんみたいな凄腕の護衛が欲しい。

 

小町「アイアイサー!今日はお姉ちゃんに譲るけど、今度は小町が布団に潜り込むからね♪あ、これ小町的にはポイント高い♪」

 

小町は謎の敬礼をした。

 

八幡「俺を『ジョースケ』(第2章アレッシー戦参照)にするな」

 

小町「きっこえっませ~ん♪じゃあね~お兄ちゃん。明後日は仕事するんだよ~♪」

 

そう言って小町はスキップしながら帰っていった。

明日は?お前、明日は俺を『ジョースケ』にするつもりだな?

 

いろは「ハァチくぅん♪もっとぉ♪」

 

チュッ!

 

うん!とりあえず今はいろはを堪能しよう!

 

イチャイチャイチャイチャ

 

翌日、俺は『ジョースケ』になった。これはこれで千葉の兄としては大満足だ!

いろはは「むぅ~」とハコフグのようになって、『バカ!ボケナス!八幡!』とか言ってきたが。

 

2日もサボって仕事を貯めた俺だったが、仗助には「同士よ…」と言われてお咎めはなかった。

 

徐倫「ヤレヤレだわ。はい、これは学校の課題ね」

 

八幡「ありがとう、徐倫」

 

徐倫「プライベートだから、今はそれで構わないけど、学校じゃあちゃんと空条先生って呼びなさいよ?100歩譲って徐倫先生ね。あたしも学校ではハッチの事を比企谷って呼ぶから。OK?」

 

八幡「ジョジョ先生は?」

 

徐倫「ハッチになら別にジョジョと呼ばれても構わないけれど、静がむくれるわよ?それに、他の生徒に真似されても困るから、出来ればやめて頂戴。あたしも静と同じで家族や仲間以外からジョジョって呼ばれたくないのよ。わかるでしょ?」

 

八幡「うっす。空条先生」

 

徐倫「よろしい」

 

徐倫は徐倫でしっかり教師をやっている。

新任ゆえにまだ担任はやっていないが。

ちなみに、3年前(今からみたら4年前)の一件で、これまでは少し疎遠気味だった徐倫と俺達との距離は一気に縮み、今ではニックネームで呼び合っている。

ジョジョに遠慮して俺達は普通にファーストネームだが、その辺りは徐倫も弁えている。

 

徐倫「それにしても、まだ飼い主はきていないの?」

 

八幡「ああ。まぁ、もういいけどね」

 

徐倫「ハァ…あのバカは…一応、あたしから言っておこうか?誰だかわかってるし」

 

八幡「いや、良いわ。人から言われて見舞いに来るようじゃあ、誠意なんてたかが知れてるから。誰かなんて知る意味もない。覚悟がない人間に興味ねーよ」

 

徐倫「それもそうね。じゃあ、課題はやんなさいよ。じゃあね。お大事に…って言うのも変だけど」

 

そう言って徐倫は帰っていった。

まぁ、怪我なんてしていないんだから、お大事に…はねぇよな。

 

結局、退院までの間に犬の飼い主と、雪ノ下家の人間が現れる事はなかった。

まぁ、後者は来たとしても病院の人間が通さないだろうがな。

それでも来たとしたら、それは戦いの時だろう。

俺がディオだったとき、億泰さんの親父さんに探させていた物の一つを、あの家か、その本家が持っていることは調べがついている…。

陽乃さんの証言もあるしな。

 

そして登校初日。

 

静「ハッチ、同じクラスね。女の子には気を付けてよ?中学の時の折本さんの件みたいな面倒ごとは起こさないように。良いね?」

 

ジョジョが頭のサングラスをいじくりながら言ってきた。

今のジョジョは中学の時に愛用していたカチューシャの代わりにサングラスを頭に着けている。

成長してサイズが合わなくなったからだ。

その代わり、小町からプレゼントされた古びたサングラスを頭に乗せている。

このサングラスは小町の前世、リサリサが愛用していた物をジジイが形見として持っていたもので、子供の時に小町に返された物だ。

小町はずっと宝物として大事に持っていたのだが、カチューシャが合わなくなって寂しそうにしていたジョジョに手渡した。

 

小町「これを付けて、ジョジョお姉ちゃん。これは小町の前世、エリザベス・ジョースターとしてのプレゼント。これが小町に似合うようになるまではジョジョお姉ちゃんに持っていて欲しいんだ。家の中で飾られているよりは、使ってもらった方が良いしね。なんだったらお姉ちゃんがずっと持ってても良いよ?あ、これは小町的にポイント高い」

 

最後のがなければな…。

それ以降、ジョジョはカチューシャの代わりにサングラスを頭に付けて生活している。

ちなみに、胸には仗助が高校時代に愛用していたピースマークの大きな金のバッチ。

耳には星形のピアスだ。

もうジョースターコンプレックスは無くなったが、何となく気に入ったから付けているらしい。

ちなみに、俺は承太郎が高校時代に愛用していた学帽と学ラン一式、仗助やジョルノ、億泰さん、間田さん、未鬼隆さんの当時の制服も貰った。

サイズを直して俺用にし、クローゼットに入れてあるけれど、みんなとの絆として承太郎の学帽から掌が彫られているバッチ、仗助の学ランからピースマークとは対になっていたハートのブローチ、ジョルノのからはてんとう虫のブローチを。

予備の制服には億泰さんからは校章に付けていた¥マークを片方、反対側には未起隆さんの土星の校章、間田さんからはボタンの田の部分のボタンの、露伴先生のベルトのレプリカを着けている。

俺オリジナルの「JOJO」「DIO」と彫られたボタンはどちらにも付けてある。

これを作っていたら徐倫が「随分と無節操な…」と呆れていた。

何か徐倫もくれ!と言ったら、徐倫は「特にないわ。それにあげるなら静やいろは、小町によ」と言われた。

ケチッ!

ちなみにそれらのシンボルのレプリカは俺達全員が持っている。ジョースター家のやつだけだが。

幼なじみ達は気分によって日毎に付けている。

 

そして、ジョジョが言っている折本とは中学の時のある事件の事を指している。

まぁ、大した事じゃあないのだが、元々学校が嫌いだった俺が、もっと嫌いになった事件だった。

折本自体は悪くはない。

だが、折本の取り巻きが軽いイタズラが目的で話を大きくし、捏造された噂を翌日にばらしていたことだ。

それによって傷つけられたのは俺達幼なじみ四人組の名誉だ。

いろはと小町はしばらくクラスの人間とは口を利かなくなり、俺とジョジョはお互い以外、必要最低限の会話すらしなくなった。

この話はいつか心の整理がついたときに語るかも知れない。

正直に言えば、高校だって通いたくも無かった。

既に俺達はアメリカでSPWが運営している大学の卒業資格を得ている扱いになっており、学歴には何の支障もない。

公式には秘密となっているが。

一応は日本の学歴も持っておく必要があるという事で総武高校に入学した。

何故総武高校なのかと言えば、総武に入学できる学力を持っていたのは俺とジョジョだけだからだ。

既に大卒している俺達を舐めるな。

まぁ、別の理由もちゃんとあるがな。

 

復学した俺を待っていたのは理想のボッチライフだった。

ジョジョ以外は特に話しかけてくる者はいない。

昼飯はいろは特製のお弁当を売店の裏にある風が気持ちいい俺のベストプライスでジョジョと二人で食べている。

いろはが入学してからはいろはも参加してきた。

雨が降ったときは教室だが。

放課後は…わかるだろ?

 

さて、あれから高校2年に至るまでの五年間はこんなところか?

あ、仕事に没頭していたらもう帰る時間だ。

今日は作文の宿題が出ていたっけ?

どうしようか…面倒だから適当に書くか?

ジョジョも?OK、じゃあお互いに書いてから帰ろうぜ。

 

これが、後に大きく運命を左右する事となるとは、俺達はまだ知らない。

 

←To be continued

 




読んで頂いてありがとうございました。

とうとう俺ガイルの本編へと突入しました。

ジョジョ八幡を想像したら、八幡の制服が凄い事になりましたね(^_^;)
徐倫じゃあなくても無節操な…と言いたくなりますわ。

そして、今まで空気に近かった徐倫も本格参戦。
今までどうやってジョジョ勢を関わらせようかと考えたところ、こういう形に落ち着かせました。
特に徐倫は難しかったです(^_^;)
こういう形なら徐倫が校内をウロウロしていても問題はないかと思いますし。
一応仗助もPTA会長として、承太郎は生物学者の特別講師として参加可能?

とりあえず、やっと本編に入ることが出来ました。
長かった…特に2章。
雪ノ下、由比ヶ浜、葉山、平塚先生は…どうしよ。
この三人ってジョースター家が嫌うタイプの人間ですからね。
もう、由比ヶ浜に関しては徐倫も呆れていますし…。

感想やメッセージでご意見を頂けたら幸いです。

それではまた次回もよろしくお願いします。

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