やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までの八幡の日常!

高校生活を振り返ってというテーマの作文を書いた八幡と静は国語教師であり、担任の平塚先生に呼び出されていた。
いったい何が不満だったのだろうか!?

徐倫「いや、不満しかでないから」


やはり俺達の事情に深入りすることが、命がけなのはまちがっている。

side 比企谷八幡

 

ガタガタ震えている平塚先生が復活するまでの間に徐倫に着替えて来いと言われ、俺はしぶしぶ承太郎の学ランから総武高校の制服に着替えた。

 

ちぇっ!せっかく着たのに…

放課後くらい好きな服を着たって良いだろうが。

今日は歴代ジョジョバージョンの制服だ。

 

いろは「あ、せんぱ~い!今から会社ですか~?」

 

いろはがパタパタと駆け寄ってきた。

ちなみにいろはは中学以降、学校では先輩と呼んできている。「先輩」と単独で呼ばれた場合は俺の事だ。

今日はJのバッチをポケット付けている。

誰か男と話していたようだが、俺を確認するとその男を無視して俺の所に来た。

あ~…ありゃあナンパも兼ねて部活勧誘か何かして声をかけた口だな?

いろははカワイイから、中学の時でも新入生の時は大変だったしな。

ちょうどアメリカの件があったから、部活勧誘の時期は過ぎ去ってたけど。

 

サッカー部「あ、きみ!せめて名前でも!」

 

ん?あの男はクラスでいつもガヤガヤうるさい集団のリア充(笑)の男じゃあないか。

葉山弁護士の息子の。

お前の家は今大変なのにサッカーなんてやっているなんて、よくそんな余裕あるわ。

ま、関係ねぇから良いけどな。

 

いろは「何ですか?私の名前を何であなたに教えなければならないんですか?」

 

葉山「みんなと仲良くなる事は良いことじゃあ無いかと思うんだ」

 

素晴らしい理念だとは思うし、みんなが仲良くなる事は悪い事じゃあない。

だが、その理想が上手くいくなら世界から戦争なんて起こらないし、ジョナサンとDIOから始まった百年以上も続いた五年前までの因縁だってない。

 

いろは「そうですか。じゃあ、私はこれで。二度と関わらないで下さい。じゃあ、行きましょ~♪せ~んぱい♪」

 

葉山「な……ちょっと」

 

八幡「諦めろ。少なくともこいつにその意志はない」

 

葉山「ヒキタニ君、君からも彼女を…」

 

八幡「行くぞ。徐倫に…っつうか平塚先生に呼ばれてるんだ。イライラしたから承太郎学ランのスタイルで行ったら着替えて来いと怒られた」

 

いろは「え~!もう何をしたんですかぁ~!っていうかあの学ランをわざわざ来たんですか…というか持ってきているんですか…しかも呼び出し受けたときに着替えたんですか」

 

俺達は葉山を無視していろはと歩き始めた。

奴が呼んだのはヒキタニだ。俺ではない。

無視して歩いて行こうとしたときに、何かを言いかけていたが、殺気を込めた目で睨んで黙らせた。

この程度の殺気でたじろぐ位なら、例え奴等の卷族だとしても脅威じゃあない。

 

side葉山隼人

 

なんなんだ、あの二人は…

それに、またヒキタニか…

俺がこれだ!と思う、真面目に働きそうで、カワイイマネージャーを見つけても、断られる。

いや、それ以前の問題だった。

去年は静・ジョースターさん。

今年はさっきの女の子。

二人の対応は一言でいうなら「取り付く島のない」状態だった。

そして二人ともヒキタニにだけは対応が違う。

普通の女子なら逆なのに、本当に魅力的に思える人間はあいつの周りに行く。

僕の回りにいる子達もそうだ。

優美子も姫菜も俺を適当な男避け程度にしか考えておらず、近くにいることも目障りじゃない程度ならOKという塩対応だ。

一番気を遣っているのは結衣くらいか。

「一応仲間」だから、二人とも名前呼びを許してくれてはいるが、渋々ながら…というのが見てとれる。

このままでは雪乃ちゃんも…

陽乃さんが亡くなったという今、僕には彼女しかいないのだから。

彼に負けたくない。

だが、あの眼…。

不良を相手にした時ですら、恐怖を感じなかったというのに、この男の眼は別格だった…。

ヒキタニ…。あいつは一体何者なんだ…。

 

side比企谷 八幡

 

総武高校職員室

 

俺達は職員室の中に入る。

俺は平塚先生の所へ。

いろはは徐倫の所へ。徐倫は救世主を見るような目でいろはを見た。

若干涙目なのは気のせい?

あの徐倫が?まっさかぁ!

 

平塚「遅かったな。比企谷」

 

八幡「うっす。とりあえず、手短に済ませて下さい。予定がつまってますから」

 

平塚「どうせ大したことのない用事だろう?その腐った魚のような目を見ればわかる」

 

八幡「そんなにDHAが豊富そうに見えますかね?賢そうですね?」

 

静「ハッチは賢いじゃん?ホントは学年トップを取れるのに、わざと真ん中取ってるじゃん」

 

八幡「お前もな、ジョジョ」

 

ヒクッと独神の口角が上がった。

 

平塚「テストは真面目に受けろ!それで比企谷、ジョースター。このなめた作文は何だ?一応言い訳くらいは聞くぞ?」

 

平塚先生はギロリと音がするほど睨み付けてきた…つもりだろう。

だが……

 

八幡「俺達に声をメンチを切るなんざぁ…」

 

静「覚悟があるって認めて良いんですね?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 

伊達にパッショーネ構成員とかと死ぬ気で渡り合っちゃあいない。

 

平塚「ひぃ!」

 

徐倫『やめんかぁ!』

 

ポカッ!×2

 

八幡『良いタイミングだな。徐倫』

 

静『アメリカ式、イギリス式、フランス式、日本のナイス!よくやった!』

 

徐倫『やかましい!うっとうしいぞ!クソガキども!』

 

八幡『怒ると禿げるぞ?』

 

静『怒るとシワが増えるよ?』

 

八幡&静『もう二十代も半ばなんだから』

 

ゴンッ!×2

 

さっきより強い拳骨が落ちる。

 

徐倫『だったら怒らすんじゃあない!余計なお世話よ!可愛くないわね!』

 

いろは「うわぁ…先輩達、完全に徐倫先生で遊んでるなあ…」

 

鶴見先生「私には何を言っているのかさっぱりですけど、あなたはヒアリング出来るんですか?」

 

いろは「私達の交友関係は英語、イタリア語、日本語はネイティブ並みに使えないと、会話が成り立ちませんよ?相手の英語で聞いて、自分の日本語で返し、第三者がイタリア語て更に帰して爆笑しあえるくらいの事はしますから。この中にいる身内の中で一番語学力が高いのは先輩…比企谷先輩で、低いのは徐倫先生ですね。興奮したら母国語が出るなんてまだまだです」

 

鶴見先生「三か国語をネイティブ並って…。ネイティブ教師が一番語学力が低いってあなた達は…」

 

甘いな。俺はアラビア語とスワヒリ語、中国語も話せる。

DIOのせいで。

 

徐倫「まったく、アンタら疲れるわ。平塚先生。続けて下さい」

 

平塚「え、ええ…で、作文なんだが、普通はああいうのは自分を省みるものでは…」

 

八幡&静「省みる事は何もありません。以上」

 

平塚先生「小僧ども…屁理屈を…」

 

八幡&静「その小僧ども相手にマジびびりしたアマが今さら偉そうに」

 

しゅっ!(平塚先生が拳を繰り出す音)

 

ガシッ!(腕を掴む音)

 

ミシミシミシミシ(握力込めて骨が軋む音)

 

平塚「痛い痛い痛い痛い!ギブだギブ!」

 

八幡「ギブって何?あんた、覚悟があって殴って来たんですよね?人を殴ろうとするのなら、逆に始末される危険を常に持っている…ということですよね?」

 

俺は冷たい目でこの独神を見下ろす。

素人の拳としては中々だが、こちとら素人じゃあない。

表沙汰にしていないが、「本職」をそれなりに相手をしているのだ。

前に言っただろ?会社の内外に敵は多いって。

心の中をパッショーネにしなけりゃ命がいくつあっても足りはしない。

 

徐倫「はい、ストップ」

 

徐倫が俺の腕にチョップをして引き剥がす。

 

八幡「慈悲は一回だ。次はへし折るぞ」

 

平塚「お前はヤクザか!」

 

八幡「イヤですねぇ。ギャングは身内だって言ったじゃあないですかぁ。折ったって手加減しているつもりですよ?前置きは良いから何をしたいのかいい加減に話してくれません?用事があるといってるじゃあありませんか?」

 

そろそろ時間がないので本気で殺気を込めて平塚先生を睨む。

 

平塚「比企谷、ジョースター。お前達は友達はいるか?」

 

俺とジョジョは互いを指さす。

今までのやり取りで普通はわかるだろ。

似たような作文を書いている段階で互いに同じ場所でノリで書いたのがわかりそうな物だ。

 

平塚「いや、お前らがそうだとは納得できるが、他にいるのか?」

 

俺とジョジョはいろはを指差し、いろはは満面の笑みで手を降ってきた。

 

平塚「そ、そうか…では恋人はいるのか?」

 

八幡&静「いますよ?というか婚約者が」

 

ドンガラガッシャァン!

 

平塚先生はまた椅子から転げ落ちた。

さっきから一人でなにやってるんだ?この人。

 

平塚「う、嘘をつくな!お前達みたいなひねくれものが婚約なんて出来るはずがない!特に比企谷の目の腐り具合でそれはありえない!本当だというなら証拠を見せろ!証拠を!そうだ写真だ!写真を見せろ!」

 

八幡「写真は必要ないっすよ?だって…本人がここにいるんですから」

 

平塚「まさかお前達お互いがそうなのではあるまいな。奇抜な制服に改造してるし」

 

俺とジョジョは互いの顔を見合せ、互いに吹き出した。

 

八幡&静「ぶっ!まっさかぁ!」

 

酷い誤解だ。

確かにジョジョは魅力的な女の子だが、俺にとってこいつは既に幼なじみであり戦友であり兄貴分の妹兼婚約者だ。こいつにとってもそうだろう。

 

八幡&静「違います、違います別々にいますよ?」

 

平塚「なら写真を見せろ!」

 

八幡写真は必要ないな。だって…

 

八幡「いろは」

 

いろは「はぁい♪」

 

たったった…だきっ♪

スリスリ(コアラモード)

 

八幡「ここに既にいましたから」

 

平塚「…………ジョースターのほうは?」

 

静「世界経済界に関わる内容の為、秘匿します。無理に知ろうとすれば命に関わりますよ?」

 

平塚「そんな大げさな。さては嘘だな!」

 

徐倫「平塚先生。大袈裟ではなく本当に世界経済に関わりますし、命に関わります。これ以上追及はやめた方が良いですよ?」

 

鶴見先生「何で空条先生が知ってるんですか?」

 

徐倫「こいつらの身内ですから。深く関われば関わるほど疲れますけど」

 

諦めろ徐倫。

既に逃げられる位置にはお互いいない。

 

平塚「ガタガタ…(衝撃のファーストブリットをやりたいが、今度こそ腕を折られかねん。こいつら一体何者なんだ)と、とにかく、この作文は書き直しだ。それと、お前達には奉仕活動を命じる!」

 

八幡「断る」

 

静「そんな事をしている暇があったら仕事に行かせて下さい。マジでヒットマンよこしますよ?」

 

八幡「やめろジョジョ」

 

平塚「比企谷。良いやつだと思っていた!」

 

八幡「いえ、人1人消すのにも色々と経費がかかるので勿体ないからやめろと言っただけです。自分を知ってください。そんな経費をかける価値があなたにあるとでも思っていたのですか?」

 

平塚「私は殺される価値すらないのか…」

 

徐倫「お前ら、教師を脅して遊ぶな。それで、平塚先生。いい加減、建前を抜きにして思惑を話してくれません?今は冗談と脅しで済んでますが、こいつらは必要ならば本気で排除とかやりますから、観念して話して下さい。今ならばどんな内容でもあたしが抑えますから」

 

平塚「済まない。君達と似たような生徒が私の顧問を務めるある部活にいるのだが、君達で救って欲しいのだ。君達は君達の間で確固たる絆が存在しているが、彼女は孤独なのだ。私はそれを救いたいと思い…」

 

八幡「難癖を付けてその部活に放り込もう…そう考えたんですか?」

 

平塚「ああ、孤独体質の解消とか理由をつけて」

 

下らん事を考えるなぁ。

これまでのやり取りでわからんか?

難癖つけようにも不可能な相手だって。

 

静「下らない事を考えますね。それが不可能だってわかりそうな物じゃあないですか?」

 

平塚「単位とかちらつかせれば何とかなるかな…と。今にして思えば東京湾に沈みそうな結末しか見えないが」

 

八幡「正解ですね。俺達に単位は意味をなしません。既に大学卒業の資格を得ていますので。それに東京湾に沈めるなんてあるわけないじゃあないですか」

 

平塚「だ、だよな。いくらなんでも…」

 

八幡「始末するなら跡形も残さずに消す手段なんかいくらでもありますよ。その手の事が得意な人が知り合いに何人かいますので、証拠なんか残す手段を使うわけないじゃあないですか。舐めないで下さい。」

 

徐倫「止めなさい。ホントに出来る立場なんだから」

 

平塚「お前らは何者なんだ!」

 

静「私の名字で普通はわかりません?ジョースター。静・ジョースター。SPW財団日本支部副支部長です。公式には公表されてませんが。ハッチもイーハも関係者です。当然、部活なんてやってる暇なんてありませんね。我々が抜けることによって滞った仕事によって、どのくらいの損失が発生するかわかります?下手したら億単位なんですけど、あなたにその責任がとれますか?さぁ、とれますか?あなたが一生分の給料から年金に至るまでの収入を損害に充てたとしても一日分の損害を解消することなど出来ないのですが?」

 

徐倫「それが誇張じゃあないから始末に負えない」

 

いろは「だから殺す価値すらないって言ったじゃあないですか。というか、ここに拘束されてる時間だけでも先生方の年収分は既に発生しているんですけど?」

 

八幡「それが三人分ですから、実に三年分の年収分は発生してますが、それでも単位ちらつかせます?俺達にとっては紙くずにしか価値のない単位をちらつかせます?かわりにこちらは損害賠償の請求書を財団通してちらつかせますが?」

 

平塚「ガタガタガタガタ…」

 

八幡「で、誰なんです?そいつは」

 

平塚「ゆ、雪ノ下雪乃だ…」

 

ピクッ!

うちらジョースターの人間が全員反応した。

 

八幡「気が変わりました。とりあえず、先生の思惑通りで行動してみましょう。ジョジョ、いろは、徐倫。構わないな?」

 

徐倫「オッケー。仗助兄さんには伝えておくわ。多分、許可は下りるから。あと、平塚先生、あたしも顧問になるのでよろしく」

 

平塚「いや、それには…」

 

平塚先生は断ろうとしたのだが、断らせる訳が無いじゃあないか。

事が動き出す可能性がある以上、徐倫の力も必要になるし、頼りになる。

 

徐倫「静」

 

静「了解。先生、三年分のタダ働き、頑張って下さいね?」

 

平塚「すみませんでした。是非空条先生も顧問になってください」

 

まったく、最初からそうしろよ。

色々と往生際の悪い。

 

←To be continued




あれ?原作2、3ページしかすすんでないような?

平塚先生のキャラ崩壊が半端じゃあありませんが、原作八幡達と違ってこの八幡達に暴論をかざせば、そりゃあ物理的にも組織的にも社会的にも潰される未来しかないですから…

幼少期編から作られた土台が必要以上に大きくなりすぎてしまっていた(^_^;)

原作との相違点

前話同様。平塚先生の脅しは脅しとして意味をなしていない、所か権力を盾に脅したら逆に更に大きな権力で潰された。徐倫がストッパーとしていなければ、原作終了になりかねなかった。

当たり前ではあるが、いろはがサッカー部のマネージャーにはならない。八幡と言う本物を知ったいろはが葉山になびかない為。逆に示談の件で葉山家そのものに嫌悪感を持っている。

原作では反応できなかった平塚先生からの攻撃は、余裕で対処。スタープラチナ級の速度に対応してる波紋の戦士の八幡が、反応できない訳がない。ちなみに本気なら平塚先生は死んでいます。折ったところで殺してないから十分手加減しているという認識。

原作八幡には友達も恋人もいないのに対し、こちらには静という無二の親友と、仗助をはじめとしたジョースター家という家族に等しい友人、CCメンバー達戦友、いろはという恋人を通り越して婚約者がいるので孤独体質の改善という大義名分が平塚先生は使えなくなった為、ゴリ押しするしかなくなった。そっこう潰されたが。

奉仕部の入部は強制では無く、SPWからの任務となった。徐倫も顧問となる。

平塚先生はいじくられていますね。案外楽しい…

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