やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までの八幡の日常!

平塚先生に連れてこられた教室は、空き部屋を勝手に使っている感じの部室だった。
部員も一人しかおらず、教師である徐倫も知らない部活。
不審に思ったUSSのメンバーは学校側に確認を取る。
案の定、非公認の部活であったことが判明し、廃部を言い渡す徐倫。
そこに逆上した雪ノ下雪乃はスタンドを出現させて襲いかかってきた!
全身氷の塊のようなスタンド、その能力は!?


雪ノ下雪乃のエンジェル・ダスト

side雪ノ下雪乃

 

許せない。

せっかく出来た私の居場所をいきなりやって来たこの四人は奪おうとしている。

 

雪乃「あなた達、何様なのかしら?何であなた達に私の居場所を取られないといけないのかしら?」

 

すると比企谷君が口を開く。

 

八幡「いや、部員一人では部活はおろか、同好会すらも成り立たないから。あと、落ち着け」

 

次にジョースターさん。

 

静「あとこの教室の使用許可、学校側に確認したけど、下りてないから。あと、落ち着いて」

 

次に一色さん。

 

いろは「そもそも、何部だったんですか?ここ。あと、落ち着いて下さい」

 

最後に空条先生。

 

徐倫「奉仕部とかいう部活だったわ。部活申請書は提出されていたっぽいけど、押されていた校長の印鑑に本人は身に覚えがなかったみたいだし、生徒会長の城廻さんも首を捻っていたわ。明らかに平塚先生の独断と書類の偽造ね。一応、公文書偽造という犯罪だわ。でも、貴方の事じゃあないから、まずは落ち着いて」

 

そんな…そんなことはあり得ないわ。

大体、あんな僅かな時間で何て動きのよさなの?

こいつらが何かしたのよ!

 

雪乃「許せない!卑怯者達め!」

 

アーシス組「いやどこが?」

 

雪乃「私の居場所を返しなさい!」

 

アーシス組「だから、取り敢えず落ち着いて話を聞け」

 

雪乃「問答無用よ!」

 

エンジェル・ダストのフリージングビームを放つ。

 

八幡「見た目通りにアイスビ○ムを射ってきやがった!しかもそれなりに速い!」

 

卑怯谷君が失礼にも安直な名前を勝手に付ける。

 

雪乃「アイスビームじゃあないわ!フリージングビームよ!」

 

八幡「氷のビームか凍結するビームかの名称の違いでやってることは同じじゃあないか!」

 

だから失礼な!ただの氷のビームだと思ったら大間違いよ!

 

徐倫「くっ!」

 

足にビームが当たった空条先生。

当たったといってもかすった程度だが、それで十分よ。

 

フリージングビームは相手を負かすだけが目的の技じゃあ無いのよ。

それを今からじっくり味わいなさい。

 

その時、視界の外から緑色の宝石が飛来してきた。

一色さんのスタンドの攻撃みたいね。

 

雪乃「効かないわよ。一色さん」

 

私は氷のプロテクターを自分自身とエンジェル・ダストに纏う。

更にビームを四人に向けて放つ。

ところが四人とも今度は簡単に避けていくのには驚いたわ。

なんて適応力の高い!空条先生にしかまともにあたっていないじゃあないの!

こんなの姉さんくらいしか出来ないと思っていたのに!

 

でも、それでもいい。

ここが室内である以上、私の有利には変わらないわ。

 

いろは「徐々に気温が下がってきてさむいですぅ~」

 

雪乃「させないわ!」

 

私は窓やドアにフリージングビームを放つ。

これで固めてしまえば開けることは出来なくなるはずだわ。

 

静「こんな程度の氷で閉じ込めたつもりかしら?」

 

A・C「ドララララララ!」

 

八幡「俺もだ!」

 

G・S「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

いろは「わたしだって!」

 

N・E「無理無理無理無理無理無理無理無理!」

 

ドカドカドカドカドカ!

 

バリンバリンバリンバリンバリンバリン!

 

驚いたわ。あの強固なエンジェル・ダストの氷を砕けるだけのパワーがあるなんて。

でも、これでこの勝負は貰ったわ。

 

徐倫「気を付けて!モードサバイバーよ!」

 

八幡「なんだって!?モードサバイバー?」

 

徐倫「ええっ!五年前にあれと戦っていてよかったわ!ただの幸運だったけど!ぐ…」

 

空条先生が訳のわからないことを叫び出す。

もっとも、スタンド越しとはいえ、私の氷に触ってしまえば終わりだ。

 

エンジェル・ダストの真の能力がそろそろ空条先生を蝕む頃だろう。

 

徐倫『そう言えばさぁ、ハッチ。何、あんた人の黒歴史を勝手に作文で書こうとしてんのよ。正直かなりむかついたんだけど、どういうつもりなわけ?ああ?』

 

いきなり英語で比企谷君に絡み始める空条先生。

 

八幡『あっ?昔ヤンチャをしていた自分が悪いんだろ?作文に書かれたく無かったら大人しくお嬢様やってりゃあ良かっただろうが』

 

静「Ora iniziamo a istruire barare」(さあ、騙しの訓練を始めよう)

 

え?なんて言ったのかしら?

 

いろは「Lo faccio seriamente, ma per favore non farti male, vero?」(それなりに本気で行きますけど恨まないで下さいね?)

 

八幡「Colpa. E preparati」(恨む。そして覚悟しろ。)

 

徐倫「Non cambiare improvvisamente in italiano!

Non sono abituato all'italiano」(急にイタリア語に変えるな!私はまだイタリア語に慣れてないんだ!)

 

い、イタリア語!?

彼らは咄嗟にイタリア語に切り替えた?

何故かしら?

 

八幡「Prima vittoria! Essere battuto!ジョジョ」(先手必勝!ぶっ飛べや!ジョジョ!)

 

静「L'idea è incredibile! Puoi volare! Hatch!」(考えが甘いのよ!あんたこそ飛べ!ハッチ!)

 

いろは「C'è un buco! Emerald Strike! 」(隙あり!エメラルドストライク!)

 

八幡&静「Dannazione! Iroha!」(ざけんな!いろは!)

 

徐倫『だからイタリア語で話すなといってるだろうが!』

 

何を喋っているのか解らないけれど、私の作戦は上手く行ったわ。

私のエンジェル・ダストの第二の能力、それは凍らせる能力は物理的にも概念的にも凍てつかせてしまうこと。

例えば人間関係とかがそうね。

 

温かい心の繋がりを凍らされ、冷えた愛情は憎悪へと転換される。

いま、四人の間にあるものは深い憎悪よ。

所詮は絆なんてそんなものね。

さっきまで背中を守り合っていた四人は、すでに部屋の四隅に散り散りになって互いを睨み合っているわ。

あとはとばっちりを受けない位置で見物をしていれば良いだけの簡単な事で終わるはず。

倒れた彼らを脅し、あとは学校側を何とかすれば、居心地の良い場所は無くならないで済む。

雪ノ下の使命とか、汐華の野望とか、人外の目的なんて私には関係ない。

私は静かに暮らして行きたい。

あの吉良吉影と呼ばれた存在のように。

そう、思って積み上げられている机の上から高みの見物でもしようかと思っていたのに…

 

八幡「Quando la vittoria dell'avversario,Già è sconfitto.Hai visto le nostre cravatte alla leggera」(相手が勝ち誇った時、そいつはすでに敗北している。俺達の絆を甘く見たな)

 

G・S「inutile inutile inutile inutile inutile inutile inutile inutile inutile inutile inutile!」(無駄無駄無駄無駄無駄無駄)

 

雪乃「きゃああああ!」

 

比企谷君のスタンドが私に攻撃してきた!

 

徐倫『スタンドまでイタリア語にならなくても良いだろうが!』

 

S・F「Oraoraoraoraoraora」

 

今度は空条先生の攻撃を避けた比企谷君の先に私がいて巻き込まれる!

 

八幡「 لا يتغير حتى لو كان مكتوبًا باللغة (アラビア語)」(それは英語で言っても変わらないんだな)

 

いろは「L'arabo non può comunicare con nessuno!」(アラビア語は誰にも通じませんから!)

 

そして一色さんは比企谷君を攻撃しながら私にも攻撃を仕掛けてくる!

 

八幡「Kwa sababu hii haijatibiwa.┐( ̄ヘ ̄)┌(スワヒリ語)」

(これだから無学は)

 

静『何語を喋っているのかはわからないけど、その表情からバカにされていることだけはよくわかったわ!』

 

本体ばかり攻撃されてフラフラのところをジョースターさんは中国拳法の寸剄と呼ばれる内側に衝撃を与える攻撃をしてきた。

不味いわ…なぜだか解らないけれど、何かがまずい。

 

八幡「你理解得很好!?老实说我印象深刻!?(゜д゜)(中国語)」

(よくわかったな!素直にビックリした!)

 

徐倫『お前、後で殺す』

 

八幡「Uff(イタリア語)」(やれやれだぜ)

 

とか言いながら、比企谷君もスタンドの寸剄で氷のプロテクターなんか無関係と言わんばかりに打ってくる!

 

いろは「こっちがやれやれですよ!」

 

ちなみに、比企谷君が一人多国籍軍をしている間に私は彼らにボコボコにされていた。

何で?どうして?!

 

 

side比企谷八幡

 

La strategia ha successo.(ふう、作戦は成功だ)

 

え?地の文までイタリア語で書くな?

わかったよ!最初から和訳で書けばいいんだろ?

まあ、言語をイタリア語メインに変えたのは、会話から作戦を雪ノ下に悟られない為だ。

まあ、実際にそれらしい発言はなかったが。

 

徐倫の言ったモードサバイバーとはサバイバーの特性に対処法を合わせろという意味だ。

 

数々のスタンド能力の資料を研究して俺達アーシスはすり合わせ、○○のスタンドの特性を持っている可能性が高いから、対処法○○で応戦しろ!

という一種のマニュアルを作った。

俺と徐倫は「サバイバー」というスタンドを知っていた。

力の有無だけでいうならもっとも最弱のスタンド。

それがサバイバーだ。

しかし、その能力は身近な者にすら怒りを持たせて仲間割れをさせ、最終的には殺し合いに発展させるという能力。

実際に能力にはまった事がある徐倫は、サバイバーの攻撃を受けた時の感覚を訴えた。

身内同士で殺し合いになる可能性がある…と。

そうなったつもりの対処法訓練も俺達はやったきた。

今回は自分以外が全部敵になったつもりのバトル・ロワイアルの対処法。

この対処法は自分以外が操られた場合、もしくは自分が操られた場合の対処法訓練。

敵と味方を上手く区別し、冷静に対処しつつもあわよくば敵の作戦を逆手にとって逆にかかったふりして仕留めようぜ♪作戦だ。

作戦は上手く行き、元々体力が無いのか雪ノ下はグロッキー状態でダウンしていた。

なぜ自分の作戦が上手くいかなかったのか、その理由について聞いてきたので上記のように答えると…

 

雪乃「私は上手く遊ばれていたのね…屈辱だわ」

 

八幡「لا ، لا.لأنه لا يوجد شيء من هذا القبيل.」(いやいや。そんな余裕はなかったから)

 

徐倫「そろそろ本気で殴るぞ。コイツは本気で遊んでいたっぽいな」

 

もちろん、そんな演技をやる余裕は全然なかった。徐倫がモードサバイバーを提示したから、訓練の時みたいに全員が敵と認識した上で、一番倒しやすそうな雪ノ下に攻撃が集まった…と言うのが真相だ。

だって作戦が成功したのを確認した後、雪ノ下は無防備だったから、一番倒しやすそうに見えたんだもの。

普通は狙うでしょ。

 

それにさ、マニュアル化されたのはこの五年間の間だけどさ、こういった訓練を俺達は経験してきた仲だ。

徐倫はマニュアルに従っただけで、まだ日が浅いが、アーシス…特に幼なじみ四人組+仗助に関しては、互いの呼吸やら動きやら癖やら…そういうのが無意識レベルで刻まれており、表層意識を多少操られた程度ではどうにもならない。

ならば、多少のダメージを味方から貰う覚悟をもって戦えば、自ずと普段と同じ結果になる。

そういう作戦だ。

 

雪乃「そう…私がこれまで相手してきたり、簡単に連携を崩せてきた相手は、本当の絆というのを持った相手ではなかった…という訳では無かったのね。完敗だわ」

 

雪ノ下は悔し泣きの涙を流しながら負けを認めた。

 

雪乃「私にも、貴方達のような本当の絆が、欲しかったわ…」

 

いや、まぁ、色々言いたいのだが、先ずは一番聞きたいことから先に聞くか。

 

八幡「なぁ…雪ノ下…」

 

 

←To be continued




雪ノ下戦が終わりました。

本作での当初はこうなりました。
スタンド使いとしての雪ノ下雪乃はこんな感じになりましたがいかがでしたでしょうか?
雪ノ下が今後どうなるかは…展開次第ですね。
原作を読み返しながら、物語のプロットを再構築していますので、今後はどうなるかはわかりません!

なお、雪ノ下のエンジェル・ダスト。
気付かれた方もいらっしゃると思いますが、「city hunter」に登場する麻薬です。
エンジェル・ダスト。
元ネタを知っている方は何かピンと来るものがあるかと思いますが、投与された人間は怪物並みの怪力を得る代わりに理性を失い、敵も味方も問わずに暴れ始める暴走兵器。雪ノ下の能力に合った名前だと思いました。

能力のホワイトアルバムとサバイバーが掛け合わせたような能力になってしまいました(^_^;)
一応偶然なんですがね?
雪ノ下らしい能力を考えたらこうなってしまいました……

それでは次回もまたよろしくお願いします!

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