平塚先生の奉仕部と呼ばれる部活申請の不備を指摘したら、突然襲ってきた雪ノ下雪乃のエンジェル・ダスト。
その能力は物理的、概念的に関わらず冷やす能力だった。
日頃の訓練もあり、勝利した八幡達。
さて、この後はどうなるのだろうか!?
side比企谷八幡
八幡「………」
いまだにグシグシ泣く雪ノ下をどうすれば良いのか正直解らなかった。
ハッキリといえば…なんというか…こんなんじゃあなくて、もっと敵地に乗り込むような気持ちでここに来たんだけども、蓋を開けてみれば何これ?
ただの世間知らずの小娘、戦った理由も正論をかざして不備を指摘した俺達に駄々っ子のように襲いかかってきただけ。
スタンドの能力がなまじ厄介だっただけに余計腹が立つ!
ケースYY…雪ノ下雪乃と接触して奴等を釣り出そうぜ作戦だったのだが…。いきなり暗礁に乗り上げたかな…。
こりゃ捨てられるわ。
能力的にはサバイバーだし、DIOもサバイバーは要らないと言ってたしな…。
ただ、確認することは確かにある。
八幡「なぁ、雪ノ下。お前はお前の家が持つ例の弓矢でそのスタンド能力を得たんだよな?言っちゃあ悪いが、お前程度のスタンドなら、ハッキリ言ってありふれたとまではいかないが、とてもとある吸血鬼が恐れた一族が作り出した能力とは思えないんだが。その能力はサバイバーと呼ばれる例の吸血鬼も仲間割れを誘発するから不必要と言われるスタンド能力に似ている欠陥があるし」
俺がそう言うと、雪ノ下は更に号泣した。
まぁ、可哀想だとは思わないが。
雪乃「ううっ!そうよ!私は姉と違って家に伝わる代々の弓矢で能力を得たわよ!でも、あまりにも不都合しかない能力だし、覚醒も出来ない!だから私は捨てられたのよ!せいぜい次代を産む程度にしか利用価値はないって!死んだ姉以下の価値も無いって!ううっ…」
陽乃さんは生きているんだけどね?
むしろ、あなたを養っているのは陽乃さんなんだけど?
それにしても、覚醒か…それが無ければ普通のスタンドと同程度にしか無いんだな。
レクイエムみたいな物か?まぁ、レクイエムはそれとはまた違うものだが。
あれの解明もまだ完成じゃあ無いんだよなぁ。
それはともかく、困った…
ちくちくやってりゃあ仕掛けて来ると思っていた雪ノ下&汐華双方とも陽乃さん以降の動きは特に無いし、葉山もトカゲの尻尾に過ぎなかった。
ならばいっそ、雪ノ下建設を潰して資金源を断ち切ってみればと思っても、結局は地下に潜っただけで何もなしとは…。
で、肝心要の雪ノ下雪乃はこんなんだし…
いろは「で、結局奉仕部ってなんなんですか?」
雪乃「ぐすっ…持つものが持たざる者に慈悲の心を持ってこれを与える。人はそれをボランティアと呼ぶの」
八幡「むしろ捨てられた身分のクセにか?」
雪乃「発展途上の国にはODAを」
いろは「雪ノ下先輩の立場と体にODAが必要そうですけどね?あと、ハチ君はあげません」
うん、どこかとは言わないけど貧弱貧弱ぅ!だしな。
あと、俺もいらない。いろはと小町だけで良い。
雪乃「ホームレスには炊き出しを」
静「あなたの資金援助が打ち切られたら、むしろあなたに炊き出しが必要になるのわかってる?」
まぁ、陽乃さんはああ見えて面倒見が良いから、妹を見捨てるような真似をしないとは思うけど、結局はその資金てSPW財団なんだよな。
コイツは知らないから上から目線で物を言うけど。
雪乃「モテない男子には女子との会話を」
徐倫「お前は見た目以外は色々と残念だったけどね。戦いも本気出すまでも無かったし」
ほんと、せいぜいエメラルド・ストライクくらいで特に能力を使うまでもなく勝っちまったしな。
慣らしにもならなかった。
雪乃「困っている人に手を差し伸べる、それがこの部よ」
アーシス一同「逆に俺達が色々な意味でお前の扱いに困ってるがな。それに、むしろ家から捨てられて手をさしのべて貰う必要があるの、お前の方じゃね?」
いつの間にか雪ノ下は立ち上がり、自然、視線は俺を見下ろす形になっていた。涙目で台無しだが。
雪乃「ようこそ奉仕部へ。歓迎するわ」
八幡「先ほど、めでたく廃部になったの忘れてね?頭の中身がニワトリなの?」
現実が見えてないの?さっき平塚先生の不正が見付かりまくって廃部の決定が下されたばかりだよね?
全然歓迎されている気がしない上に、どこまで自分を上に見せたいわけ?
雪乃「平塚先生曰く、優れた人間は憐れなものを救う義務がある、のだそうよ」
徐倫「言っちゃあ悪いけど、現段階で憐れな者は絶賛あなたと平塚先生よ?」
雪乃「うう…………」
発言する度に鋭い突っ込みが帰ってくるので、耐えられなくなった雪ノ下がとうとう泣き出す。
どうしよ、俺達が泣き出したいわ。
雪乃「私は…あなた達の問題を解決したかっただけなのに…」
八幡「そういうのは自分の足場が固まっている奴がいうのであって、ぐらついているどころか、転落して流されてるからな?お前」
雪乃「私はこの学年首位よ!」
いろは「私達、アメリカの大学卒業してますけど?」
本当に変な女だ。俺が集めた雪ノ下雪乃とはかけ離れている。
最初はクールな美人ってイメージだったが、今となってはメッキが剥がれた中身が子供の残念美人だ。
雪乃「居たたまれないあなた達に居場所を作ってあげようとおもったのに…居場所があるだけで星となって燃え尽きるような悲惨な最期を迎えずに済むのに」
静「あなた、本当に現実が見えてる?むしろ居場所を作る必要性があるのはあなたの方よ?よだかの星はむしろあなただからね?アタマ、大丈夫?医者を呼ぶ?SPW財団の医療スタッフは優秀だよ?」
ジョジョが普段は頭に乗っけてるだけのサングラスをかけた。哀れみの目を隠すためにかけたな…。
宮沢賢治の中でもマニアックなものをだすなぁ。
その辺の奴等には通用しないぞ?
俺達の中でも特に文学に精通しているジョジョが真っ先にツッコミいれたけど。
雪乃「よだかの容姿は比企」
いろは「ハチ君をディスったらそこから叩き落としますから。少なくとも顔面以外は不自由な方は黙っていてくださいね?もっと不自由になりますよ?顔面の方が」
八幡「お前は承太郎か。それと、せめて顔面くらいは勘弁してやれ。顔面だってお前達に比べたら不自由なんだし、それすらなくなったらコイツに何の取り柄があるんだ!あまりに可愛そうだとは思わんのか!」
雪乃「容姿に関しては少なくともあなたよりは…」
静「私達四人、既に婚約者いるから」
八幡「な♪いろは♪」
いろは「ね♪ハチ君♪」
イチャイチャ。
八幡「なぁ、このポンコツ、ホントにどうする?下手をしたらその辺にいる頭の中身がお花畑の方がマシに見えるんだが」
いろは「根本的なところから解決するしかありませんねぇ…雪ノ下先輩が学校をやめるとか」
八幡「それは解決じゃあない。臭いものに蓋理論だ」
静「鼻つまみ者だから良いんじゃあない?」
徐倫「もう親戚に任せる?ジョルノ兄さんとか」
いろは「やめてあげてよジョジョ先輩。ジョルノが雪ノ下先輩を始末する未来しか見えないです」
雪乃「ジョルノ?」
八幡「本名は汐華初流乃。SPW財団イタリア支部の支部長でヨーロッパ最大のギャング団、パッショーネのボス」
雪乃「そんな親戚が…」
雪ノ下は自分の未来に光明を見たような顔をしたが、甘い!甘すぎる!
八幡「家族扱いの俺達はともかく、汐華の縁を頼りにしてジョルノを当てにするのは止めとけ。実の弟すらも部下に始末させた男だから。お前は間違いなく散々、非人道的扱いを受けた挙げ句の始末だと思うぞ」
ヴェルサスはミスタに始末させたからな、ジョルノは。
雪乃「始末?」
八幡「殺されるって意味だよ。ギャングっつったろ?さっき、お前が戦闘を仕掛けていた中に、ジョルノが混じっていたら、お前は今頃はあの世だ。脅しじゃあなくマジで」
雪ノ下は再び涙目になった。
ん?誰か近づいて来るな。数は二人か。
平塚先生はわかるとして、後の1人は…冗談だろ?何でコイツらがここに来る?
ガラッ!
平塚「空条!比企谷!ジョースター!一色!よくもやってくれたな!おかげで私は…」
仗助「おいテメェ。更に給料カットされてぇのか!」
俺の気配探知の通り、そこにいたのは仗助だった。
平塚「ヒィッ!」
静「ダーリン!」
ジョジョは仗助に抱きついた。最近では仗助も観念してジョジョを受け入れている。ジョースケめ。
八幡「仗助。何でここに?」
仗助「問題教師が俺の家族達に迷惑をかけたらしいじゃあねえか。ちょっとした事情聴取にな。今日もそのハートのバッチが決まってるぜ?八幡」
そして、更にもう一人いた。
だよな。この面子が揃って、コイツがいないわけが無いよな?
小町「ヤッホー♪お兄ちゃんのマイエンジェル、小町の登場だよー♪」
小町が俺に抱きついて来た。うん、今日もカワイイな♪
仗助「で、どんな塩梅だ?」
八幡「想像以上に役立たずだ。例の矢で能力を得たようだが、てんで無能だ。おまけに家から見捨てられているようだし、矯正も必要だな」
平塚「おい、比企谷。そういう言い方は……痛い!いだだだだだだだ!ギブだ!ギブギブ!」
平塚先生は俺の肩に手を置こうとしたが、咄嗟に掴んでひねりあげてしまった。
八幡「次にやったら折るって言いましたよね?お望み通りしっかり折りましょうか?」
平塚「そこはうっかりだろ!しっかり折るな!」
八幡「注文の多い独神だな。何だよ?それと、この部活は結局何なんだよ?」
俺は独神を解放し、説明を促す。
平塚「端的に言ってしまえば自己変革を促し、悩みを解決するところだ。私が改革が必要だと判断した生徒をここへ導くことにしている」
小町「校長室での話を聞いてた限りじゃあ、改革が一番必要なのはあなたなんですけどね」
平塚「何だこの失礼な中学生は」
徐倫「ジョースターの作文にもあった地獄の鬼にも匹敵するアホ毛がチャーミングな女子中学生です」
小町「ジョジョお姉ちゃん…」
静「逃げるのよォォォ!」
ダッ!
ピョン!
ジョジョは3階から飛び降りてグランドを突っ切って逃げ出した。
小町「逃がさないよ!ジョジョお姉ちゃん!」
八幡「町を壊すなよー」
小町「はぁい♪」
小町も3階の窓から飛び降りてジョジョを追いかける。
平塚「本当に三階から当たり前のように飛び出した…」
仗助「そんなことが出来るのはあいつらと八幡、うちのジジイと陽乃だけだけどな」
失礼な。人を人外のように扱うな。
八幡「取り敢えず、理念はわかった。が、もう廃部になったんだよな?」
仗助「そこは俺が掛け合ってこの教室を含めて新しい部活を作った。基本的スタンスは変わらないが、どうもこの学校はキナ臭いので、それを解決する部活となる。ジジイと承太郎さんの判断により、USS日本支部はこの部室を出張所として学校の関係者は常駐する方針となった。俺も含めてな」
八幡「仕事は?」
仗助「お前らと同じで、ここでやることになるな。週1で会社に顔を出す形で。機材の搬入は明日財団がやることになっている。俺の机やお前らの机とか」
八幡「ここが三部長室になるのかよ…」
三部長室とは日本支部の支部長室、関東地方支部長室、千葉県支部長室を兼ねた部屋だ。
主に俺の逃亡を監視する為に使われている、日本支部千葉本部独特の部屋だ。
俺は頭を抱えた。マジかよ。
適当に流してやろうと思っていたのに、これじゃあ逃げられねぇじゃあねぇか。
雪乃「私が部長なんですよね?」
仗助「ハハハ。面白い冗談だ。本来なら君はSPW財団が運営するスタンド使い矯正施設送りになっているんだ。それが八幡達の上司なんてシャレが効いているじゃあないか」
平塚「私が顧問ですよね?」
仗助「ハハハ。これも面白い冗談だ。顧問どころか君は教師として職を無くしていてもおかしくはないというのに。君はまた見習いから始まりだ。顧問は徐倫を任命する」
雪乃「取り敢えず、比企谷君の更正を継続することは可能なのですね?」
仗助「何故だ?八幡はこのままで構わないが?」
雪乃「比企谷君は社会的に変わらないと不味いレベルですよ?傍から見れば彼の人間性は余人に比べて著しく劣ってると思うのだけれど。そんな自分を変えたいと思わないの?向上心が皆無なのかしら?」
八幡「ほう、これ以上向上心を持ったら、俺より上の椅子はSPW財団の日本支部の副支部長か支部長しか無くなるが。仗助、下克上を狙って良い?」
仗助「放っておいてもオメエは10年以内に支部長になることは確定してるから」
八幡「辞表を出して良い?」
仗助「ダメに決まってるだろ」
八幡「だそうだ、雪ノ下。変わらなくても将来は確定していると世界的企業の次期会長からお墨付きもらったが?」
雪乃「それじゃあ悩みは解決しないし、誰も救われないじゃない!」
俺と仗助は顔を見合わせる。
なにいってるんだ?こいつ…と。
八幡「下らん。自分自身すらも満足に救えない奴が、誰を救うって言うんだ。寝言は寝てから言ってくれ」
あきれ果て、今日はもう帰ろうとすると、じゃまをする独神が。
平塚「面白いことになってきたな。私はこういう展開が大好きなんだ。ジャンプっぽくて良いじゃあないか。古来よりお互いの正義がぶつかったときは勝負で雌雄を決するのが習わしだ。私が悩める子羊を君達の元に導く。彼らを君たちなり救ってみたまえ。そしてお互いの正しさを存分に証明するがいい。どちらが人に奉仕できるか、ガンダムファイト・レディー・ゴー」
雪乃「嫌です」
平塚「む?ロボトルファイトの方が良かったか?」
八幡「普通はメイクアップ・ラウンド、ファイト!だろ!」
仗助「それは格ゲーだ。しかもこの中じゃあDIOしか出てねぇじゃあないか!」
メタイぞ、仗助。
静「と、とにかく、自らの正義を証明するには己の行動のみ!勝負しろと言ったら勝負しろ!君達に拒否権はない!」
仗助「面白い冗談が好きだな。この俺にその言葉をいうのか?知ってるか?正義というのは権力だ。八幡、やれ」
八幡「イエッサー」
ガシッ!
コオオォォォォォォォ!
バリバリバリバリバリバリバリバリ!
平塚「ギャアアアアアアアアア!」
八幡「下らん。徐倫、これ、適当に捨ててくるわ。雪ノ下。お前も妄言は程々にな。じゃあ、会社に寄って帰るわ。じゃあな、仗助。ジョジョと小町が帰ってきたら先に帰ったと伝えておいてくれ。帰るぞいろは」
徐倫「わかったわ。せいぜいゴミ集積場くらいで留めておきなさいよ。始末を担当に頼まないでね」
いろは「はぁい♪」
雪乃「待ちなさい!比企谷君!話はまだ終わってないわ!」
仗助「帰っていいぞ。八幡、また明日からよろしくな。あと、雪ノ下。お前は放課後、ここに必ず来い。嫌ならお前は施設送りとなって自由が無くなる。以上だ」
仗助からお許しが出たのなら、もうここにいる意味はない。雪ノ下を無視して俺は教室を出た。
ガラガラガラ…ピシャッ!
俺は独神を適当なゴミ箱に捨てて、帰路についた。
まったく、不愉快な放課後だった。
雪ノ下雪乃(エンジェル・ダスト)…八幡達に敗れ、服従
奉仕部部長から平部員に降格。
平塚静(一般人?)…八幡にのされ、減給処分、降格処分の末、ゴミ箱に棄てられる。数時間後に自力で目覚め、わめき散らすが、既に教師間の信頼は失っているため、信じてもらえなかった。
アーシス日本支部総武高校組&仗助、小町は奉仕部へ入部。家から近くなったのでご満悦。
総武高校の伝説①
放課後になると、倉庫代わりに使われている3階の開き教室から時々生徒が飛び降りたり、飛び上がって出入りしている姿がたまに見受けられた。
総武高校の伝説②
①の教室が氷漬けになった。中には雪女がいたらしい。
←To be continued
雪ノ下監視網が敷かれました。
平塚先生&雪ノ下は最初から色々と詰みました。
今後どうなることやらば。
って、5話も使って俺ガイル一巻の1章がやっと終わったよ!
途中戦闘があったとはいえ、長かった(^_^;)
先は長そうだ。
原作との相違点
雪ノ下の残念美人化が加速。八幡にポンコツ扱いされる。まぁ、原作でもポンコツだしなぁ…(--;)
仗助、小町が奉仕部に介入。でないとタグ詐欺になってしまう(--;)特に仗助が。同時に奉仕部がSPWの仕事場になる。社長、やりすぎです。
平塚先生、顧問解任。雪ノ下、部長罷免。
勝負?なにそれ美味しいの?っていうか平塚先生、あなたに命令権無くなりましたから。仗助の怒りに触れてゴミ箱行き。
次回もまた、お願いします。