やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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精神をやんでしまい、しばらく療養していました。
お待たせして申し訳ありませんでし。


これが彼女の初登場

Side比企谷八幡

 

会議を………といっても俺たちSPW側はオブザーバーだったので、ほとんど見ていただけだったのだが、取り敢えずあの苦痛の空間から解放された俺達は、そのままある場所へと向かう。

コミュニティセンターにほぼ隣接しているので、打ち合わせするには楽だ。加えて市立の保育所だけに、学校を通じての話も通しやすい。

事前にアポを取っているので、訪れるとすぐに中に通される。何なら事前にアポを撮っていなくてもジョセフ・ジョースターの関係者はほとんど顔パス状態だ。

むしろ本題を勘違いされている可能性まである。

というか、保育士の皆さんは訪問の趣旨をわかってくれてるよね?彼女の迎えだと思われないよね?そう勘違いされているとしたらシスコーンの姉に激恨みされる可能性がある。

基本世界の比企谷八幡ならば『遥か大昔に目にしたであろう保育園の景色と、粉ミルクのような香りがどこか懐かしい気持ちにさせる』などとほざく所なのだろう。しかし、そういう懐かしさは少し前に味わい済みだったりする。

具体的には半年ほど前に。

教室、と呼んで良いのかわからないが、ガラス窓から覗いた部屋は何もかもが小さい。中では毎度の如く(・・・・・)園児たちが積み木だのブロックだので遊んだり、走り回ったりしている。

壁にはのったくったような字に、何を描いているのかさっぱりわからんクレヨンの絵が貼られ、それを彩るように色紙で作られたチューリップや流れ星が飾り付けられていた。

おっと、下手に見つからないようにしなければ………また泣き叫ばれてはかなわん。

おかしいなぁ………ふつう、こういうラノベやら漫画やらの主人公っていうのはさ、やたら子供とかに懐かれて振り回されるっていうのが定石だと思うんだよ。

なのに何で俺の場合は怯えられるんだろうね?不思議だね?具体的には某モッコリスイーパー漫画に登場する主人公のライバルの巨体グラサンスキンヘッドくらいには怯えられる。

毎度の事なのでもう慣れたが、その都度目から心の汗が出てくるのは何でなのだろう。

あ、因みに某モッコリスイーパーアニメの最新映画が2023に公開するらしいよ?あれぇ?おっかしいなぁ?今から7年以上後の話なのに、来年とか思っちゃうのはなぜだろう?

因みに俺も保育園出身者であったはずなのだが、その時の記憶は相当に薄らいでいる。

薄らいでいる………?いや、そもそもまともに通っていた記憶自体からしてそもそも怪しい。

その頃には既にジョースター家と関わっていたから………あれ?

おかしいなぁ………多分その頃に、ザクシャインラブとか言われたり、鍵だか錠だかをもらったりしているはずなのだが……何か平行世界の誰かの記憶と混濁しているしている気がする。

具体的にはもう一人の7代目と………一体化したからかなぁ。

まぁ、当面会うことはあるまい。具体的には約1年くらい。

それにイヤだなあ。ザクシャインラブなら既に目前にいるじゃあないか。

目の前にいるのは分かっているので何かを察して白い目で見るのはやめて頂いてよろしいでしょうか?いろは様。

後ろめたさ?もあって、へーと感心しているフリをしながら、部屋の中にいた保育士さんとガラス越しに目があった。

その保育士さんは隣にいる別の保育士さんと何事かヒソヒソと言い交わす。その視線が明らかに俺を警戒している。うーん、奥様方、ここの保育所、危機管理バッチリでお勧めですことよ。

………………って、そんなわけがない。

俺、何度かここに来ているよね?何で毎度毎度不審者扱いされなければならんの?一度や二度なら仕方ないとも思うけどさ。

とりあえず、その場からさっさと離れ、先を急ぐいろはに声をかけた。

 

八幡「毎度の事だけど、なんか俺、あんま歓迎されてないっぽいよね?」

いろは「ですねー。ハチくん、目がヤバイですし」

 

チラッと俺を見ていろはがそんなことを言う。ひどい!擁護してくれると思ったのに!最近扱いがひどい!

しかし、半顔馴染みな上に連絡してあるのに警戒されるってあるだろうか。毎度園児に怖がられているからなのだろうか?

 

いろは「それに、保母さんにどういう印象を受けようと、ハチ君には関係ないじゃあないですか。それとも何ですか?いい印象を受けると何かあるんですか?どういう意味があるんですか?」

八幡「イヤだなー。将来八重(やえ)とか彩羽(あやは)達をここに預けて大丈夫かどうかの心配に決まっているじゃあないかー」

 

何故だろう、何も疚しい事はないのに言い訳っぽく言わなければならないこの状況は………。

ああ、何だか目から心の汗が………。

 

八幡「やっぱ俺、その辺で待ってるわ」

 

園児達の視界に入らない、廊下の壁際を指して言うと、いろはは腰に手をやり、大きなため息を吐いた。

やめて。これ以上僕のMP(メンタルポイント)を削らないで。

これ以上、MPを削られたらメラすら撃つことができないまである。

メラだのファイヤだのは冗談としても、スタンド使いとメンタルは生死に直結するからマジ大事。MP大事。

 

いろは「しょうがないですね。ここはわたしがいろいろやりますんで」

八幡「頼んだ」

 

言って、いろはを送り出す。いろははこの先にある職員室で話をするようだ。そのまままっすぐ進んでいく。

それにしてもわざわざついてきたのに、ここで待っているだけとか役立たずここに極まれり、である。

そもそも、何でオブザーバーである財団側が交渉をしに来なければならんのじゃ。

や、百合ヶ丘が規模を大きくする為に保育園や小学生も誘うってなった段階でジジイやジョルノ的にはこの保育園と留美の小学校しか受け付けないだろうことは言われるまでもない。先手を打って「主催権限でここと話を付けといたから」と即刻動くのが懸命だろう。

因みに、小学校の方へはジョジョと小町が向かった。

さて、いろはの話が終わるまでどう時間を潰していこうかと周囲を確認する。この廊下で座り込んでも良いんだけど、それだと更に不審者度が上がってしまう。園児と保育士さんたちに警戒を与えないために一人残っているのにそれでは本末転倒だ。

しょうがない、立ちっぱなしでぼーっとしてるか………。

その昔(当時7歳)、小町とジョルノに拉致られてエアなサブレーナー的な島に連行されたとき、炎天下で何時間も油滴る巨大な柱にへばりつけられていた生粋の波紋の戦士である俺にとって、これくらいは余裕だ。およそ8時間………どころの話じゃあない、既に日にち単位でひたすら無心で油の柱を登り続けていた。あれは当時の俺にとっては結構つらい修行だった上に派遣だ保険だのといろいろと請求された。

「何この有料地獄めぐり」って涙目のルカになったりもした。

あれに比べれば体力の消耗も無ければ波紋の呼吸に気を使わなくても済むし、日をまたぐこともない。それだけで良環境に思える。

………うわっ!相変わらず俺、社畜適正高い。

そんな感じでボーッとし、ただただどうでもいい思考を繰り返していた時だ。近くにあった教室の扉がソロリソロリと開けられる。

なんだぁ?と思ってみていると、見慣れた一人の幼女が抜き足差し足忍び足で出てきた。そのこそこそとした足取りのまま、幼女は出入り口の方へと向かい、周囲をキョロキョロとし始める。ちなみに俺の場合は抜き足差し足油足だ。

背伸びしたりジャンプしたり、時々スタンドを出して確認したりとぴょこぴょこ可愛い仕草で、そとを見て頑張っていたが、何もいないのを確かめると、トボトボと戻ってきた。

その幼女………川崎京華の青みがかった黒髪は2つに分けられ、シュシュでまとめられている。あどけないが整った顔立ちも相まって非常に可愛らしい。

けーちゃんは俺に気が付くと

 

京華「あっ!はーちゃんだぁ!」

 

と暗めだった表情が一転、パッと輝き大声をあげてとてとてとこちらへダッシュ&フライング。

俺はけーちゃんが怪我をしないように上手く力を逃しながら、その弾丸ミサイルのハグを受け入れる。

うん、その光景を見ていた保育士さん。思わず通報しようとしない。一応家族公認の知り合いなんですから。

やっぱりこの保育園での唯一の味方はけーちゃんだけだ。

身内補正&超お兄ちゃん補正も相まって可愛らしい。いろはや小町の同時期に比べてもかわいいのでは無いだろうか?

中身が天真爛漫なスージーさんって事もあるだろう。

しかしながら、この時間にまだけーちゃんがここにいるのは珍しい。

時折ウッぺりさんの家族が来れないときなどにジジイが迎えに来ることもあるし、ジジイすら来れないときは俺達に声がかかる事も度々ある。ここの顔馴染みになっているのはそれが理由だし、この保育園がイベントに誘われる理由はここにけーちゃんがいるからだ。

来る度に不審者扱いされているけれど、顔馴染みといったなら顔馴染みだ。大事なことだから2度言いました。

ドゥーユーアンダースタン?

しかしながら今日は特にお迎えの代行のような事は頼まれていない。パンちゃんを迎えに行くピッコロさんのようなお願いはビーデルさん………じゃあなくクソジジイからも頼まれていない。

数秒前を思い返せば、保育園にビーデルさんが来なくてションボリしているパンちゃんと同じようにけーちゃんはションボリしていた。

 

八幡「おーけーちゃんじゃあないか。どした?」

京華「あれ?はーちゃんがお迎えじゃあないの?」

 

いつも通りの声音で語りかけると、けーちゃんは小首を傾けて聞き返してくる。

この場にいるのはあくまでも偶然。ここでそうだと嘘を言うのは簡単だが、天真爛漫なけーちゃんを騙すのは気が引ける。これが徐倫だったのならば遠慮なく嘘を言うところだがな。

 

八幡「ウッペリさん………じゃあなくてサキサキや大志………それかジジイはまだ来てないのか?」

京華「うん………さーちゃんがまだなの」

 

あのウッカリツェペリのウッペルwryyyyy!

2日連続でけーちゃんをほったらかすとはどういう了見じゃあ!

昨日はケルベロスが現れたから小町を助けるため仕方なかったと心得ているが、今日はなんじゃあぁぁ!

だからお前はウッペリなんじゃぁぁ!(東方不敗マスターアジア風)

 

八幡「ウッペ………じゃあなくてさーちゃんなんか放っておいてはーちゃんと帰ろう。あんな姉はうぅぅぅんんんんんんーーーーーーーっと困らせてやれば良い」

R・A「そうや!うんと困らせてやればええんや!ええこと言うではーちゃん!」

八幡「………………」

 

アクアちゃん?あなた、いつの間にこんなに柄が悪くなったのかしら?

や、昨日あたりに戸塚や材木座からそんな報告を聞いたような気もしないでもないのだけれども、この可愛らしいリーシャウロン・アクアマリンのイメージとはあまりにもかけ離れているから信じることが出来なかったわ。

思わずゆきのんモードになってしまうくらいにはアクアの変貌っぷりにキャラ崩壊をしてしまった。

いや、デュオロン化されるよりはよっぽどマシだけれどね?

 

京華「あくあもそんな事いったらだめだよ?はーちゃんもめっ!そんなことをしたらさーちゃんにゴッツンこされるよ?」

 

そうなんだよなー。ウッペリさんも最近は徐倫並に手加減なくゲンコツを落としてくるからなぁ。波紋の効果でウッペリさんのゲンコツはかなり痛い。

しかし、けーちゃんも中身はスージーさんらしく、しっかりしている。

けーちゃんはそのまま俺を教室に招き入れ、壁に貼られたクレヨン画を俺に見せる。

 

京華「ねーねーはーちゃん、けーかが描いたさーちゃん、上手?」

 

………はて、スージーさんは絵が下手だったっけ?

どれがけーちゃんが描いたウッペリさんのかまるでわからん。

いや、まぁ………周囲に合わせる気が無かった俺やジョジョと違って、けーちゃんの場合は周囲に合わせて幼児レベルにしたという可能性も………でもスージーさんだからなぁ………

 

八幡「お、おー………上手だなぁ………さ、さすがはけーちゃんだ。まるで本人がそこにいるようだ!むしろこっちが本体なまである!あのウッペリにはこれが丁度いい!」

 

うん。むしろウッペリさんがこの顔になれば良いんだ!

そうだ、それが正しい!

 

??「へぇ………あんた、本人がいないのをいい事に言いたい放題じゃあないの………」

 

ドドドドドドドドドド…

 

聞き慣れたドスの利いたハスキーボイスが背後から聞こえる。

 

八幡「あの………ウッペリさん?」

沙希「は?」

八幡「川島津………じゃあなくて川崎さん?」

 

般若の顔を見るのが怖くて振り返れず、ダラダラと汗をかきながらウッペリ改め川崎沙希に声をかける。

ああ………この沙希が忍さんの知り合いの『虹野』さんだったらどれだけ良かったか………

しかしながら背後にいるのは『虹野沙希』ではなく、『川崎沙希』だ。

 

沙希「なに?遺言くらいならきいてあげるけど?」

八幡「いつからそこに?」

沙希「そうね。『さーちゃんなんか放っておいて』がどうたらかんたら言っていたあたり………かな?」

 

ポンッとウッペリ沙希さんは優しく………それはもう本当に優しく俺の肩にサマーハプノ(・・・・・・)の手を置く。

うん。確実に血糖値を下げられてますね?これ。

詰んだ………終わった。

\(^o^)/的な意味で………

その後、パパウパウパウを食らったのは言うまでもない。

 

比企谷八幡(ザ・ジェムストーン)………再起不能(リタイア)




原作との相違点

八幡が保育園を訪れたのは卒園以来であり、懐かしんでいる

京華を川崎姉弟やらジョセフやらの代わりに迎えに来ることも何度かあったため、今さら

保育園時代の記憶は薄らいでいる

薄らいでいるのは確かなのだが、そもそもまともに保育園時代を送っていたのかが怪しい。既にジョースター家と関わっていたので、現実逃避でもしたい何かがあったのかもしれない。

ザクシャインラブネタは原作にあった

ザクシャインラブ+ジョジョの二次創作の主人公と一体化していた時期もあったので、記憶が混濁している?(4−5)

へーと感心しながらキョロキョロしていたのは物珍しさから

後ろめたさ?(言うほど後ろめたさを感じていない)からのフリ

腐り目のDKが保育園内をうろついていたら、そりゃ不審者扱いもされるだろう

でも、毎度毎度は流石にひどくね?とヘコむ。

暇つぶしの昔語らいの内容はモデルルーム展示の日雇いバイト(看板持ってひたすら立ち続ける)

エア・サプレーナー島名物、ファミコンジャンプにも登場したヘルクライムピラー。

原作における川崎京華の初登場。八幡を見かけると「あ」と小さく声をあげ、近寄ってくる。

既に知り合い。「はーちゃんだ!」と大声をあげ、ミサイルフライングボディアタックをしかけてくる。

公式アンソロジーノベルに『ときめきメモリアル』の虹野沙希ネタがあったので、虹野沙希ネタをぶっこむ。

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