やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までの奉仕部の活動!

戸塚のホール・シンクスは強かった!
回転の能力に翻弄される八幡。
だが、それ以上に八幡の性格は悪かった!
覚えていただろうか!?
エンジェルラダーでの戦いでジョルノに使った波紋とハーミットアメジストの念写を利用した幻影を!
それで戸塚を騙し、八幡は勝利を収めた!


奉仕部&テニス部合同特訓

side 比企谷八幡

 

戸塚「癪に障るけど、僕の負けかな?一応。いい性格してるね。比企谷くんは」

 

八幡「済まんな、戸塚。四年前にも俺に似た奴に言われたよ。今はもういなくなってしまったが」

 

ハーミット・アメジストで雁字絡めにした戸塚を解放する。

これ以上の抵抗があったならば紫水晶の波紋疾走(アメジストパープルオーバードライブ)をやらなければならなかったところだ。

あの技は俺の中でも威力は最大クラスの技だからな。

 

え?ロードローラーやタンクローリー?

 

よく思い出してくれ。

ロードローラーは別の平行世界の人間がやったことで、俺は被害者だ。

タンクローリーはディオがアレッシーにやったことで、俺のやったことじゃあない。

 

戸塚「それで、いつの間に幻影と入れ替わっていたの?」

 

おれは仗助に学ランを直して貰いながら、戸塚の質問に答える。

 

八幡「ご覧の通り、あのスマッシュはまともに食らった。あれは本当にシャレにならない威力だったな。しばらく身動きできないくらいにはな」

 

いろは「多分ですけど、あの立ち上がる段階で一回時間を止めて、幻影と入れ替わりましたね?自分の気配をとことんまで消して。確信に至ったのは先輩が球を弾いたときです。戸塚先輩は知らないかも知れないですが、スタンドはスタンドでしか触れることは出来ないんです。例え波紋越しでも」

 

小町「あっ!?そうだった!お兄ちゃんって何でもありな感じだから、違和感なかった!」

 

君に言われたくないよ?

 

静「あまりにもさりげなかったから気付かなかったわ…アクトンみたいなマネするね」

 

仗助「アクトンほど完璧では無いさ。可能なら穴を掘って隠れたかったと思うぜ」

 

さすがはいろは。種に気付いていたか。

 

いろは「後は『運命』ってコードサインを言ったじゃあ無いですか。サバンナ川でやった作戦を展開中だって。あの時直接『運命の車輪』と戦った私とコードサインを扱っている仗助会長しか気付かなかったみたいですが」

 

うん、なるべく自然となるように『運命なんだ』と言ったが、あれはいろはが言うようにコードサインだ。

既に俺のやり口を熟知しているいろはと、コードサインを管理している仗助だからこそ気付いたらしい。

要はズィーズィーとの戦いの時、偽物を下に配置して本物は上から高みの見物をしたあの戦い。

それを今回は幻影で代用するやり方でやったわけだ。

波紋とハーミット・アメジストで。

ボールを砕く時だけアメジストをジェムストーンに変化させて砕いた。

もし、この場にアイツがいたら、また性格悪いと言われていたかもな。

今日はやたらとアイツを思い出すな。

まぁ、たった一週間の付き合いだったが、俺の性格の悪さを実戦で一番アイツが味わっただろうからな。

今頃は自分の平行世界でくしゃみをしてる事だろう。

 

戸塚「見事にやられたよ、比企谷くん」

 

八幡「人によっては卑怯だとか言われるんだがな」

 

戸塚「スピードワゴンとしてジョースターさんやジョセフの戦いを見ていたからね。そういった機転を利かさなければ命に関わることは僕も知っているつもりだったよ。身をもって味わうと悔しいけどね。それで、僕は合格なのかな?比企谷くん」

 

合格?ああ、戦いを助けてくれるとかのあれか。

 

八幡「こっちからお願いしたいくらいだ。とはいえ、華奢過ぎるからな。明日からは特訓が必要だが。それと、戸塚。よろしく」

 

戸塚「うん!よろしく!でも色々な意味でって?」

 

ポン!

 

仗助「welcome、USSへ。そしてようこそSPW財団へ。お帰りなさい初代会長」

 

戸塚「え゛……………」

 

八幡「助けてくれると…力になってくれると言ったよな?戸塚。早速、力になってくれ!関東支部の医療部門に欠員が出たんだ!」

 

戸塚「え、確かにそう言ったけど…」

 

小町「元々戸塚さんの…スピードワゴンさんの会社だったんですもの!何でしたら手始めに千葉支部長から始めませんか?小町が関東支部の医療機器部門に入るんで」

 

戸塚「あの…テニス部の方は…」

 

いろは「都合が悪いですか?スピードワゴンさん」

 

戸塚「う、うん。出来ればテニスは続けたいかなぁって…」

 

八幡「そうか…まあ、無理にとは言わん。だが、大抵は逃げられない」

 

戸塚「パクパク……(空いた口が塞がらない)」

 

 

翌日の昼休み…

 

俺とジョジョはジャージを着てテニスコートへと向かっていた。俺の学年のジャージは無駄無駄無駄無駄ぁに蛍光色の淡いブルーで非常に目立つ。その壮絶なまでにダサい色合いのお陰で、生徒には大不評で、体育や部活の時間以外にこれを好んで着る奴はいない。

みんなが制服の中、俺達だけがやたらに目立つジャージ姿だった。

そのせいで、面倒くさい相手に捕まってしまった。

 

材木座「ハーッハッハッハッ八幡!」

 

八幡「高笑いと俺の名前を繋げるな」

 

こんな無意味な笑い声をあげるのは総武高校ひろしといえど、材木座をおいて他にいない。材木座は腕を組み、俺達の進行方向を塞いだ。

 

材木座「こんなとことで会うとは奇遇だな。今、ちょうど新作のプロットを渡しに行こうと思っていたところだ。さぁ、刮目して見よ!」

 

八幡「もしもし、露伴先生っすか?なんか新作出来たらしいので見て欲しいらしいですよ?はい。わかりました、伝えておきます。露伴先生が早く送ってこいだとよ。じゃあ、俺は忙しいから」

 

俺はひょいっと脇にそれると、差し出された紙束を軽やかにスルーした。だが、その肩を材木座が優しく掴んだ。

 

材木座「そんな悲しい嘘をつくな。お前に予定などあるわけがない「と思うならSPWの業務を変われ。ミスひとつにつきお前の家に賠償金の請求送るから」いや、お前は超忙しい身だったな!?」

 

そんなに暇そうに見えるか?俺。学生という身分じゃあなければかなりの多忙な身の上だと思うんだが。

それに、ジョジョも一緒にいるんだぞ?

 

戸塚「比企谷くん、ジョースターさん!」

 

元気なソプラノ声が聞こえ、戸塚が俺達の腕にとびついてくる。

 

戸塚「ちょうどよかった、一緒に行こ?」

 

八幡「お、おう…」静「う、うん…」

 

左肩にはラケットケースが引っかけられている。そして、右手は何故か俺の左手を握っていた。

いろはに誤解されるんだけど。

 

材木座「は、八幡……き、貴様っ!一色殿を裏切ったのか!?」

 

八幡「いや、そんな怖いこと出来ないから」

 

静「イーハ裏切ったら間違いなくハッチは監禁されるから…わりかしマジで」

 

材木座「黙れっ!半端イケメンと半端ギャル!失敗少年と残念美女!」

 

八幡&静「いい度胸だ失敗ミリオタ!活火山の溶岩の中に沈めるぞコラ!」

 

静「あ、材木座はパパと知り合いだったよね?だったら戸塚くんの事を紹介するわ。前世で知り合いだったかも知れないしね」

 

ジョジョが思い出したかのように材木座に戸塚を紹介する。

 

静「紹介するわ、材木座。彼は戸塚彩加くん。女の子っぽいけど男の子よ。前世はジョナサン・ジョースターの盟友、ロバート・E・O・スピードワゴンさん。わが社の創始者よ。あら、どうしたの材木座。そんなにダラダラ大汗をかいて」

 

材木座は大量の脂汗をかいていた。

対するジョジョは意地悪そうな笑みを浮かべている。

ああ、そう言えばスピードワゴンに対してシュトロハイムは…

俺も自分の笑顔が黒くなるのがわかる。

 

戸塚「へぇ、材木座君も前世があるんだ。ジョースターさんから紹介があった通り、僕は戸塚彩加。僕の前世はスピードワゴンって言うんだ。君は?」

 

材木座「ケプコンケプコン!前世とは何ぞや!?自分にはとんとわからんで御座る!自分は剣豪二等兵、材木座義輝で御座る!なぁ八幡!」

 

キャラがブレブレだぞ☆

自分の前世がバレたら何か都合が悪いのかな?かな?

シャイな君の為に僕が君の前世を戸塚に教えて上げよう!

ほら、俺って優しいから☆

 

八幡「イヤだなぁ材木座。戸塚が可愛いからって焦って自分の前世を忘れるとはおっちょこちょいだなぁ♪仕方がないから俺から教えて殺るよ♪」

 

静「ハッチも優しいね☆いつもなら面倒がってそんな親切なんてしないくせに☆ほらほら材木座、逃げない暴れない騒がない」

 

ジョジョは逃げ出そうとする材木座の後ろ首を捕まえ、ヒザカックンをやって正座に座らせ、口を押さえる。残念美女と言われたのがそれなりに頭にきているらしい。

 

八幡「おいおいシュトロハイム。逃げるなんて照れ屋だなぁ?」

 

戸塚「シュトロハイム…だって?」

 

戸塚の笑みから温かさが消え、剣呑な冷たさが増した。

 

戸塚「君はあのナチスドイツ軍人の生まれ変わりだとはね。前世では世話になったね?特にメキシコでは…サンタナとの戦いでは…ねぇ?」

 

材木座「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!」

 

材木座がガタガタ震えるのも無理はない。

材木座の前世、シュトロハイムはメキシコで戸塚の前世、スピードワゴンを非人道的な拷問に処したらしいからな。

そんな事をされれば普通は怒るだろう。

 

戸塚「まぁ、その話はいつかまた聞かせて貰うよ。是非ともね。なんなら君も特訓に付き合わないかい?」

 

静「そうですね?戸塚さんもそう思いますよね?残念美女と言った代償はキッチリ払って貰うっつーの、この似非ターミネーター」

 

ジョジョは逃げ出そうとする材木座をズルズルと引きずり、目的のテニスコートへと向かった。

 

テニスコート

 

テニスコートには既にいろはと小町、雪ノ下と由比ヶ浜、それに全男テニ部員がいた。

全員がジャージに着替えている。

雪ノ下と由比ヶ浜はここで昼食をとっていたのだろう。俺達の姿を見つけると、手早く弁当箱を片付けていた。

 

雪乃「では、始めましょうか」

 

戸塚「よ、よろしくお願いします」

 

静「では、まずはランニングからね」

 

雪乃「どのくらい走るのかしら?」

 

静「そうね。死ぬ一歩手前まで…かしら。特に奉仕部の三人と材木座の四人はこれからの事を考えるとね。運動部だった戸塚くんと、サバゲーとかで独自に鍛えていた材木座君はともかく、雪ノ下さんと由比ヶ浜さんは日頃の運動不足がたたって動きが鈍いわ。なので基礎から徹底的に鍛えるからそのつもりで」

 

ジョジョは次の瞬間、一気に雰囲気を変えた。

 

静「おい、猿共。口で○○する暇があったらとっととウォーミングアップしろや。テメェらの発言はマム!イエス!マム!以外は認めねぇからそのつもりでいろ。私が合格と認めるまではテメェらは総じて猿だ」

 

雪乃「え?なにこの海兵隊の新兵教育みたいなヤツは」

 

八幡「言っておくと、こういった教官役ではジョジョが一番優しいとまである。これでもな。俺だと手加減が苦手だし」

 

小町「小町だと、肉体への手加減はともかく、精神的に壊しちゃうんだよね。二言目には明日出荷される豚を見るような目が怖すぎるって」

 

雪ノ下がダラダラと汗を流す。

米海兵隊のジョジョのやり方でもパッショーネや波紋の一族に比べたら優しいまで断言する。

 

いろは「雪ノ下先輩。ジョジョ先輩が教官の内に従っておいた方が身のためですよ?他の男子テニス部の人達も。比企谷兄妹が教官役になったら、本気で命に関わりますので、精一杯頑張って下さいね?戸塚さんが抜けても部が弱体化しないくらいには最低限鍛えますから、そのつもりで。健闘をお祈りしています♪」

 

俺達が何をしているか。

結局戸塚は俺達の説得に根負けして奉仕部…というよりは、SPW財団に入ることになったのだが、テニス部が弱体したままなのは気掛かりなので、テニス部を鍛えて欲しい…という依頼を再度する形となった。

それは俺達にも渡りに船だった。

いろははこう見ても波紋の戦士ほどではないが運動神経は良い。それくらいにまでは鍛えてある。

問題は雪ノ下、由比ヶ浜、材木座、戸塚だ。

四人とも基礎体力が足りない。なので、今日からみっちり鍛えることになった。

 

小町「さあ、鍛練の時間よ。短期間で一人前になるには死の覚悟が必要なり!」

 

静「厳しい北風は気骨あるバイキングを生んだ。果たしてあなた達にバイキングはいるのかしらね?」

 

八幡「貴様ら猿どもの貧弱貧弱ぅな惰弱な心身を基礎の基礎から叩き直してやる…猿が人間に追い付けるにはどうする?基礎から叩き直すしかないだろ?今のお前らはこの比企谷八幡にとってのモンキーなんだよ」

 

静「まずはランニングからよ。学校のフェンス外を最低十周ね」

 

結衣「最低十周?」

 

静「全員が同時に十周ゴールしたらそれで終わり。だけど、体力には現段階で差があるわよね?なので一番ビリの人が十周を走りきるまでは終わらないわ。でも、トップの人はビリが十周走りきった段階で終わり。他の人はビリが十周走りきった段階でトップが15周走っていたら、全員のノルマが15周になる。そういうルール」

 

小町「小町がつききっきりで監督するから、逃げられると思わない事ですね。反論、逃亡は一回につき、お仕置きが待ってますので素直に従って下さいね?死にたくなければ」

 

八幡「オラオラオラァ!さっさと行けやぁ!チンチラ走っていたら…」

 

俺はテストピースを生身で殴り、砕く。

 

八幡「こうなるからな?キリキリ走れよ?死にたくなければ。スタミナ切れは気にするな。小町の波紋で回復させてやるから、気にせずぶっ倒れるまで走れ。歩いていたら…わかるよな?まだまだ腕立てや腹筋、背筋、素振りとか色々あるから、楽しみにしておけ!ほらモンキー共、早く行け!」

 

全員、顔を真っ青にして走り始めた。

 

生かさず、殺さず。倒れればいろはにより回復させられ、また走らされ…。

テニス部やアーシス候補生達の地獄の特訓は、まだ始まったばかりだ!

 

戸塚彩加(ホール・シンクス)…決闘の末、敗北を認める。アーシス見習い隊員となる。また、SPW幹部待遇で雇われる。テニス部強化の後に奉仕部へ転向が決定した。

 

奉仕部非SPW組、基礎体力強化の為、地獄の特訓に突入した。

 

 

総武高校都市伝説

 

比企谷八幡は体を貫かれても生きている。実はサイボーグかゾンビではないか?という説が流れる。

真相を嗅ぎ回っていた新聞部部員やオカルト研究部部員は何故か翌日にはテニス部に入部させられ、地獄の特訓に参加させられ、二度と元の部に戻ってこなかった。

 

奉仕部は悪の秘密結社説が流れる。

異様な特訓の光景を見せたテニス部は、後に全国に名を轟かすテニス強豪校となる。

その背後にはSPW財団をバックにした奉仕部が手始めにテニス部部員に改造手術を施したという噂が立つ。

SPWの強大な医学と科学力に裏打ちされた本当っぽいデマを科学部と生物部を中心に噂が広める。

 

←To be continued




戸塚が仲間になりました。

しかも前世が前世なので、SPW入りは必須なのでありましたとさ♪


とばっちりは男テニ部員ですが。

原作との相違点

戸塚の特訓➡戸塚を含めた男テニ部員と雪ノ下、由比ヶ浜、材木座の特訓。お前らはモンキーなんだよぉ!貧弱貧弱ぅ!

雪ノ下は制服で監督役➡一番スタミナに難があるので最優先で鍛えられてます。

材木座と戸塚の出会いは好意的➡前世の因縁により少し険悪。

それではお待たせしました。
次回より、あの二人がとうとう出番…になるかもしれません。

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