やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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とあるメールのやりとり

陽乃「ねえ、八幡くん。最近全然私達あってないよね?」

八幡「いや、週に何回かうちの朝食に来てますよね?しかも寝ている俺にイタズラしてきますよね?貞操の危機すらあったんですけど?」

陽乃「そうだった?何か死んじゃったようにパッタリ会ってない気がするんだけど?」

八幡「昼間だって俺が出勤の時は会社に顔をだしているじゃあないですか」

陽乃「雪乃ちゃんばかり構ってる気がするのよね?私も奉仕部で仕事しようかしら。出番が欲しい!」

八幡「メタいですよ…陽乃さん」


ファミレスの勉強会と不穏な波紋使い

side比企谷八幡

 

中間試験二週間前。善良たる男子高校生たるもの、学校帰りにファミレスに寄って勉強するものだ。それも市教研の日は学校も早く終わり、部活もないのでもってこい。もっとも、俺は人と会うためにファミレスに来たのだが。

あれ?小町も来る予定だったのにいないな。

約束の時間までは一時間ほどある。それまでは簡単な書類整理を行おう。プライベートの時間まで仕事に割く俺ってもう完全に社畜だな。ひたすら書類を番号順に並び替える単純作業。それはまるでかつての高僧、親鸞のようである。ちなみに親鸞は「他力本願」という教えを説いた人でとても偉い。俺もその考えに深い感銘を受け、今日あった別の約束を親友に押し付けてきた。仕方がない。滅多に会えない人がコンタクトをとってきたのだ。

今その教えを実行しないで、いつ実行する?仏教的に考えて俺マジ親鸞。

 

??『(英語)八幡。待った?』

 

??『久しぶりじゃあねぇか、ハッチ』

 

八幡『待っていないぞ。この前のホームパーティー以来だな、エンポリオ。そしてようこそ日本へエルメェスさん』

 

待ち人来る。承太郎の養子、空条エンポリオだ。

俺達の知人達の中では最年少にあたる人物。

承太郎の来日に伴い、一緒に来日していたのだが、家を空けることの多い千葉の滞在先では面倒を見るものが少ないため、今は義理の祖父母の家である空条家にホームステイ中だ。

そしてエルメェスだが、今は承太郎のホームキーパーとしてエンポリオの面倒を見ながら、多忙な承太郎の身の回りを世話している。エルメェスも向こうの仕事を一通り終わらせ、先ほど成田に来日した。

東京の空条家に行く前に徐輪に会いに来たのだが、生憎と今日は市教研で遅くなる。それまでの千葉の案内を頼まれたのが、承太郎の命令で由比ヶ浜の勉強会に行く予定で仕事が空いていた俺だ。本来は誘われていなかったし、無理矢理ジョジョに引き込まれていただけだし。

元々住んでいる場所が違うため、エンポリオやエルメェスさんとは長期休暇以外は滅多に会えない。承太郎は仕事柄、世界中を飛び回っているから月に一度は会っていたし、オペレーション・ブラッディ・スタンド発動により今は千葉に滞在しているし。

 

エルメェス『ほら、8月の命日巡りには千葉に来ているから、道を覚えていたからな。しかし、運がないぜ。せっかく千葉に寄ったんだから、徐輪に会いたかったんだけどよ』

 

八幡『大事な仕事ですからね。仕方がなかったんですよ。ところで、何か食べますか?エンポリオの分も含めて奢りますよ?』

 

俺がそう言うと、エルメェスさんは手をぴらぴらとさせて断ってきた。

 

エルメェス『おいおい、年下のオメェに払わせるなんてカッコ悪いこと出来るかよ。あたしのワガママに付き合ってもらってるんだぜ?』

 

八幡『いえ、そのワガママで助かったのは俺の方なんです。ええ、ジョセフや承太郎が勉強を教えるのを諦めるくらい、アホの子に勉強を教えなければならない事態になりまして…それから逃げることかできたんですから本当に助かりました』

 

エンポリオ『え……お父さんが諦めるレベルって…ハッチの学校って偏差値が高かったはずだよね?』

 

エルメェス『ハッチよぉ、ここの金を出す為の方便にしたってもっとマシな嘘をつけよ。エンポリオ程ではないにしてもよぉ、旦那が教えられないほどの酷い成績の奴がお前の学校にいるわけねぇだろぅがよぉ』

 

いや、エンポリオ程優秀な奴は滅多にいないぞ?エンポリオは俺達の中でも断トツに頭が良い。当然、既に大卒で、今は財団に科学の研究職として入っている。

もっとも、年齢が年齢なので臨時スタッフ扱いなのだが。

 

八幡『やる気と結果を反比例させるという一風変わりすぎのスタンド能力のせいです。訓練の結果、コントロールさせることに成功させましたが、地の学力が本来は総武に入ることなど到底は出来ない学力であることが判明しまして……徐倫は苦労してます』

 

エルメェス『あたしはあんたと静も頭痛の種だと聞いてるけどな』

 

エンポリオ『徐倫お姉ちゃんは水族館を出ても苦労してるんだね…』

 

おいおい、エンポリオ。なぜ淀んだ目で遠くを見ているんだ。

 

とりあえず、ドリンクバーとスイーツを何点か注文する。払いは俺。この中では一番稼いでいるしな。

一通りの注文を終え、スイーツが来るまではココアでも飲んで話でもするかとカップを持って立ち上がった時である。

 

??「ユキノン、サイゼじゃあなくてごめんね。ミラノ風ドリアはまた今度だね。あとディアボラ風ハンバーグがおすすめだったんだけど。ここに比企谷くんがいるってホント?ジョースターさん」

 

雪乃「私は別にどこでも構わないわ。やることは同じですもの。安ければどこでも。…それにしても、ハンバーグってイタリア料理だったかしら」

 

静「正式にはわからないそうよ。ドイツのタルタルステーキっていう戦闘食が有力な説だけどね」

 

なに!?ディアボロ風ハンバーグだと!?キング・クリムゾン…ボスか!?

って違うだろ。何でコイツらが!

まぁ、俺を逃がさんとするジョジョの仕業だろうけど!

俺達が外食して良いのは限られている飲食店のみだから、探すのは容易なんだけどな!

 

静「見つけたよ、ハッチ。逃がさないから。あと、エルメェスさん、お久しぶりです』

 

エルメェス『おう、久しぶりだな、静。相変わらず仲が良いじゃあねえか?お前ら二人』

 

エンポリオ『その割には、睨み合ってる気がするのは見間違いかな…』

 

実際、龍と虎のようにメンチを切りあっている。

今なら覇王翔○拳を射てそうだ。

ジョジョが相手なら、○王翔孔拳を使わざるを得ない!

 

八幡『卑怯だぞ、相棒。こっちはこっちで正式に依頼された用事だったのに』

 

静『そっちこそ卑怯よ。信じていたのに裏切られた気分だよ?相棒』

 

雪乃『こんにちは、逃げ谷くん。そちらの方は?』

 

結衣「みんな英語でずるい!って、外国の人?」

 

エルメェス「はじぃめまして、エルメェス・コステロいいます。professorクウジョウのハウスメイドしてまぁす。どぞ、よろしくおねがいしまぁす」『日本のnice

To meet you 「初めまして」はこれで合ってるか?シズカ』

 

エンポリオ『上出来だよ、エルメェス』「初めまして、僕は空条エンポリオ。空条博士の養子で戸籍上は徐倫お姉ちゃんの弟になります。年はイーハと同い年になるかな?」

 

雪乃『初めまして。私は雪ノ下雪乃です。比企谷君とは部活仲間?になります』

 

エルメェス『おう、よろしくな。ん?ユキノシタ?陽乃と同じ名前だな』

 

雪乃『はい。雪ノ下陽乃は私の姉になります』

 

エルメェス『そうかそうか!陽乃の妹だったのか!いや東洋人の顔は見分けがつかねぇから気がつかなかった。陽乃もあたしにとっては妹みてぇなもんだ!四年前には助けてもらったしよぉ!』

 

結衣「あの…あたしは由比ヶ浜結衣です。比企谷君とは同じ部活で…」

 

エルメェス『おう、よろしくな』

 

ちなみに由比ヶ浜にはジョジョが、エルメェスにはエンポリオが通訳している。エルメェスさん…あんた姉貴分の面目が丸潰れだぞ…まぁ、エンポリオが優秀過ぎるんだけどな。

 

結衣「それで、比企谷くんはここで何してたの?勉強会サボって」

 

八幡『いや、エルメェスさんが来日するから千葉を案内してたんだけど?友達だし』

 

エルメェス『ハッチィ!』

 

俺が友達呼びをしたのが嬉しいのか、エルメェスさんが俺に抱きついてきた。ちょっ!ここは日本だって!それに友達じゃあなければハッチ呼びを許すわけが無いじゃあないか!

 

結衣「ちょっと!英語で言うなし!ジョースターさんも普通に通訳すんなし!それに、何でエルメェスさんは比企谷くんに抱きついてるのよ!キモイ!」

 

八幡『アメリカじゃあこれが基本だ。最初の頃のジョジョも中々そのクセが抜けなくて困ったもんだった』

 

結衣「だから英語で答えるなし!」

 

八幡「……いちいち切り替えるのが面倒なんだよ」

 

もちろん嘘だ(第3章「奉仕部」「雪ノ下雪乃のエンジェル・ダスト」参照)。

 

結衣「それじゃあ、勉強会を始めようか!」

 

いや、何でだよ。

 

雪乃「あら、比企谷くんは元々勉強会に参加する予定だったって空条博士から聞いていたのだけれど」

 

八幡「最初はな。けど、エルメェスさんの迎えをあとから命じられていたんだよ」

 

まぁ、連絡あったから無理矢理ねじ込んだんだけどな。

本当は承太郎が直に迎えに行く予定だったが、急用が出来たからと言うことで交代した。

 

静「待ち合わせがここだと聞いたから、私達も場所を変えたのよ。良かったね、ハッチ♪両方の目的を果たせるよ♪」

 

おのれジョジョ。あくまでも俺を巻き込むつもりか…。

お互いの考えが読めるというのは良いことばかりじゃあない。

悪巧みも筒抜けと言うやつだ。

 

エンポリオ「付き合ってあげなよ、ハッチ。僕も日本の勉強に興味があるんだ」

 

チッ、ゲストに言われては仕方がない。だが、後悔するなよ。

 

結衣「あれ?そういえばエンポリオ君、学校は?」

 

八幡「エンポリオは俺達と同じで、飛び級で大卒しているんだよ。それも、俺達より優秀な成績でな。エンポリオはそのまま研究職に非常勤で就いている。その気になれば博士号取得も可能だよ。小町の永久就職先には良い物件なんだけどなぁ…」

 

俺がそう言うと、何故かみんな苦笑いをして追加ドリンクと好きなスイーツを注文し、勉強道具を展開した。

おい、雪ノ下…ドリンクバーは初めてなのかよ。もうお嬢様じゃあないんだから、一般人の生活にも慣れないと大変だぞ?子供みたいにキラキラした目でコーラが注がれるのを見ているんじゃあない。

時々由比ヶ浜の方がお姉さんに見える。ちょうどエルメェスとエンポリオのようだな。陽乃さんが可愛がるのも少しはわかる気がするよ。最初の頃は生意気で仕方がなかったがな。

それぞれがお目当てのドリンクを手にしてテーブルを2つ占領して勉強会が開始される。

 

結衣「んじゃ、始めよっか!」

 

由比ヶ浜の号令の元に雪ノ下はヘッドホンを取り出すと、スチャッと装着。ジョジョは「わからないところがあったら言ってね」とか言ってノートパソコンを開いてからイヤホンをはめて仕事を開始。エンポリオは適当な教科書を由比ヶ浜から借りて読み始める。

俺はエルメェスさんと雑談。俺まで仕事を開始したらなんのために迎えに来たのかわからなくなる。今日のメインゲストはエルメェスさんだ。承太郎の滞在期間にもよるが、せっかく来た日本でつまらない思い出を残してもらいたくはない。

 

結衣「って、なんでユキノンはいきなり音楽聴くのよ!なんでジョースターさんは仕事を始めるの!?エンポリオ君は関係ないとして、何で比企谷くんは外野のふりをしてるの!?」

 

いきなりダン!と由比ヶ浜は立ち上がった。

 

雪乃「勉強の時は音楽を聞くわ。雑音を消すために。その音楽が聞こえなくなると、集中している良い証拠になってモチベーションが高まるし」

 

静「仕事も一緒よ。それに、私は別に勉強を必要としていないから、仕事したって良いじゃない。いくら代理がやってくれるとは言っても、私が確認しなければならないことっていくつかあるし」

 

八幡「俺は元々エンポリオやエルメェスさんと遊ぶために来たんだから、元々外野だ。ジョジョに巻き込まれただけだ」

 

結衣「そうじゃあない…勉強会ってそうじゃあないよ!比企谷くんに至っては論外だし!」

 

バンバンテーブルを叩いて抗議する。

論外言われてもなぁ…。

昔、幼なじみーズで朋子さん主催の授業の宿題でも、大抵課題を露伴先生並みにシャカシャカやって、誰が1位か競いあっていただけだしなぁ…。

 

エンポリオ「じゃあ、どんなのが勉強会なの?」

 

結衣「えっと、出題範囲を確認したり…」

 

雪乃「普通は授業でも出題範囲が示されるから、確認する必要はないと思うのだけれど」

 

結衣「わからないところ質問したり」

 

静「私、最初にそう言ったじゃあないの」

 

結衣「休憩を挟んで相談したり」

 

エンポリオ「何の相談をする必要性があるの?普通に問題を解けば良いじゃあないか」

 

結衣「それから情報交換したり、たまには雑談するかなぁ…」

 

八幡「勉強はどこに行った。そんなんだからジジイや承太郎が匙投げんだよ。基本的に女性に優しいポルナレフさんが扱いに困っている姿なんて初めて見たわ」

 

エンポリオ「確かにそれじゃあお父さんでもどうしようもない…」

 

雪乃「基本的に勉強は一人でやるようにできているのよね」

 

後は教える側と教わる側の関係な。

最初は納得しない顔をしていた由比ヶ浜も、それぞれが黙々と(俺は英語でエルメェスさんと近況報告)何かをやっていると、諦めたのかため息を1つついて勉強を始めた。

結構な時間が経ち、由比ヶ浜が休憩の為に立ち上がろうとした時。

 

結衣「小町ちゃん?」

 

ん?やっと来たか。小町が約束に遅刻とは珍しい。

つられて俺もそちらを見ると、野暮ったいセーラー服を着ためちゃくちゃカワイイ美少女がいた。

確かに小町だ。気配も感じないし、あの歳でそんな芸当が出来るのは小町しかいない。

小町は厳しい目付きをしながらレジで立っている。隣にはバンダナを頭に巻いた学ランを着た男子。だが、その男が何やらおかしい。微かに体が光っている。あれは波紋か?先日の女といい、野良スタンド使いに比例して野良波紋使いが多いな。

小町が波紋使いに対して厳しい反応をするのも珍しい。

とはいえ、小町が波紋同士で負けるのは想像出来ないんだよな。だが、ワシントンでの例もある。

 

八幡「悪い、ちょっと」

 

言って俺は席を立つと、すぐさま後を追いかける。だが、店の外に出たときには二人の姿は見えなかった。

仕方なく店内に戻る。

 

結衣「やっぱり小町ちゃん?」

 

八幡「間違いなくな。だが、あの男は一体…」

 

全ての波紋使いが味方とは限らない。特に小さいときの俺や小町、それに陽乃さんやジョセフやあいつのように波紋の一族の元で修行を積んでおらず、野良波紋使いがこっそり生きている場合がある。

そんな野良波紋使いが敵として現れたことも…。

小町はそういう厄介事は内に秘めるタイプだからな。サンタナの時もそうだったし。

 

結衣「デート中だったのかな?でも、小町ちゃんが?あり得ない気がする。だってあの子は…」

 

八幡「それだったらそれだったで兄離れしたと思えば済むんだが、そんな雰囲気じゃあなかった。元々、エルメェスさんの迎えに一緒に来る予定だったしな。それに、あの緊張感は得体の知れない何かと対峙したときの雰囲気。まるでこれから敵と戦うような…」

 

結衣「兄離れって…小町ちゃんも可愛そうに…でも、あの男の子、どう見ても普通の中学生じゃん。小町ちゃんのこと心配なのはわかるけど、あんま詮索するとまたゴミぃちゃんって言われるよ?最近、うちのパパとか『彼氏いるのか』とか聞いてきてウザいもん」

 

八幡「由比ヶ浜。中間試験が終わったら、戦士としての修行をジョセフや承太郎に付けてもらえ。戦士独特の雰囲気や戦いの気配を敏感に感じ取らないと……俺の回りにいる以上は命に関わるぞ。わりかしマジで」

 

何かイヤな予感がする。

 

八幡「悪い、ジョジョ。エルメェスさんの事を頼む。俺は小町を追ってくる」

 

静「了解よ、ハッチ。やっぱりハッチはそうでなきゃ。マーチを頼むわ」

 

エンポリオ「僕たちの事は良いから、マーチを助けてあげて、ハッチ」

 

エルメェス『マーチを放置するハッチじゃあないと信じていたよ。行ってきな、頑張れよ』

 

そう言ってジョジョに10000円を渡して俺は外に出て、スマホでマップを起動。ハーミット・アメジストを通して念写を始める。

すると、高速で動く赤い点が2つ。海浜の海岸方面だ!

もうあそこまで行ったか!俺も全速力で向かう!無事でいろよ!小町!

 

side比企谷小町

 

まいったね。いくら怪我をさせないように手加減していたとは言っても、それなりに波紋の修行を積んできているよ。何者かなぁ、この人。

 

男「比企谷さんの事は前から知っていた。姉が総武高校の生徒でね。いつかは声をかけようと思っていたんだ。それに、何故か妹も君を知っていた。比企谷小町に会ってみろってな」

 

小町「ナンパ?悪いけど、小町はお兄ちゃん一筋だから無理だよ?」

 

男「いや、そうじゃあない。波紋の戦士としての力量にだよ。最近、波紋の力を乱用している者がいると聞いてな。まるで気配を感じない…そんな波紋の戦士を、野放しには出来ない。それに俺は、姉と妹にしか興味がない」

 

小町「小町からしてみたら、もぐりは君の方だよ。こう見えても小町、エア・サプレーナ島の特別師範なんだけどね。それにしても、お姉さんと妹は何者なんだろね?小町としても、野良波紋使いは放っておけないかな?シスコンは共感持てるけどね」

 

コオオオオオ…。

波紋の呼吸を整えながら、彼を見る。彼の構え…なんだろう。何だか懐かしい…。

だが、今はそんな事を考えている暇はない。

互いに間合いを詰めて拳と拳、蹴りと蹴りがぶつかり合う。

 

男「くぅぅぅ!強い…。エア・サプレーナ島の師範と言うのは嘘じゃあないみたいだな。凄く洗練され、そして高度な技術で練られている波紋だ」

 

彼は膝をついて息を乱している。波紋の呼吸は勇気の呼吸。彼の波紋は強いが、内側が未熟だ。

これではお兄ちゃんはおろか、才能ある陽乃さんにも劣るだろう。エア・サプレーナ島を知っているからもう少しは持つかと思ったけれど、良くて初級を合格できるか出来ないかのレベルだね。

 

男「仕方がない。奥の手を使おう。フロウ・バブル!」

 

男から人型のスタンドが出現した。

スタンド!?

 

男「君はこれから、何がおきたかわからない内に倒される。覚悟を…………ぐわっ!」

 

八幡「こんのクソガキがぁ!人の妹に何してやがる!小町には指一本触れさせねぇぞ!お前みたいな色ガキになんぞに、俺の大切な小町に触らせるか!」

 

小町「お兄ちゃん…」

 

見事な不意打ちだよ。

ジェムストーンで時間を止めて、背後から地面にめり込むほど思いっきり後頭部から殴り込まれれば小町だって一撃KOだよ。

それだけ小町が襲われて怒ってくれたんだから、小町的にはポイント高いけど。

出来ればスタンドの能力を知りたかったんだけどね。相手の男の子は…あ、まだ意識はある。

 

男「ぐ……姉ちゃんさえいれば…また、来るぞ…今度は姉ちゃんも交えて…勝負…だ」

ガクッ!

 

あ、気絶した。そだよね、ザ・ジェムストーンの渾身の不意討ちをまともに受ければ…ね。

 

八幡「無事か!小町!」

 

お兄ちゃんは小町を抱き締めて頭をナデナデしてくれた。

もう、基礎は小町の方が強いのに、お兄ちゃんはそれでも心配症なんだから。

小町はお兄ちゃんのほっぺたにキスをする。

 

小町「大丈夫だよ。帰ろ♪お兄ちゃん♪」

 

この男の子の事は気になるけど、もうどうでも良いや。

大した使い手じゃあ無さそうだし。

小町はお兄ちゃんの左腕を組んで、歩き出す。

次は小町が始末するからね?

 

←To be continued




かわ…かわ…何とかくん、名乗ることもできず、八幡からの不意討ちでKO!
ウィナー イーズ ハチマン!
八幡「WRYYYYYY!」

やはり彼らとの戦いはあの思い出のバーでないと♪


それでは原作との相違点。

八幡はファミレスで英語の勉強➡…など7ヵ国を喋れる八幡にはもはや不要。むしろわざと平均点とったる!エルメェス、エンポリオと待ち合わせ。

ユキノンとガハマの勉強会には誘われていない➡承太郎の命令で参加予定だったが、エルメェスの来日に伴い予定変更。むしろ、静を生け贄にして無理矢理予定を埋めた。

勉強会の場所がサイゼから変更(理由は不明)し、八幡と鉢合わせしたのは偶然➡静「ハッチ…逃がさない…」

小町が男とデートするのは許さない。小町を嫁にしたければ俺をたおせ!女としての妹には興味ないけどな!➡最近の小町のブラコンには思うところがある。相手がエンポリオなら無条件で大歓迎。だが、自身もジョースケになりつつある。もはや陥落寸前。

八幡は、どうせ二人に会ったんだし、勉強目的は同じだからすんなり合流➡往生際の悪さは相変わらず。エンポリオが説得して渋々合流。

ユキノンがヘッドホンを装着したのは変わらず。そのあとに八幡もイヤホンをはめて勉強再開➡静がイヤホンをはめて仕事を開始。八幡は俺は関係無いスタイルを貫こうとエルメェスと雑談。

小町は塾が同じのかわ…なんとか君と楽しそうに談笑➡ここが一番悩んだ!小町は塾に行く必要がないので八幡と同じくエルメェスを迎えに来ていたが、かわ…何とか君に絡まれて戦闘開始。

八幡は二人を追うのを諦める。下手な詮索はしない➡ノースカロライナの時のミドラー戦の例もある!放っておけない!念写を使って追跡!


それにしても、俺ガイル不思議の1つ。ガハマさんはどうやって総武に合格できたの?本作ではリバース・タウンで解決だったけど、原作ではわからない!真相を知りたい!

では次回もよろしくお願いします。

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