「はい。じゃあ休憩しよう」
みんなその場にしゃがみ込む。それもそのはず1時間も休まず練習をしていれば当然であろう
「おつかれ様。ルビィちゃんに花丸ちゃんほら飲み物」
「ありがとうございます」
「ずら」
ラブライブ予選を目前に控えこの炎天下の中でも努力を怠らない9人
感心感心
「今日もいい天気」
「休まなくていいんですの?日向にいると体力持っていかれますわよ」
「果南はシャイニーの子だからね〜」
とは言っても果南の体力は男の零斗以上である。この程度ではなんともないだろう
「はへぇ…」
「黒い服はやめた方がいいとあれほど」
「黒は堕天使のアイデンティティ。黒が無くては…生きていけない…」
強がってはいるがここにいる全員の中で1番汗をかいている。なのに露骨に脱ごうとしない
「千歌ちゃん!」
「ナイスキャッチ!」
「飲んで」
「ありがとう」
よく考えれば梨子がここで練習するのはかなり久しぶりだ。ピアノコンクールに出場が決まってからはピアノの練習を専念したためとても懐かしい気分だ
「わたし夏好きだな。なんか熱くなれる」
「私も!」
「よーし!そろそろ再開しようか!」
「ぶっぶー!」
「オーバーワークは禁物ですわ」
「By果南。みんなのこと考えてね」
「そっかこれから1番暑い時間だもんね」
大会直前に熱中症にでもなれば今までの努力が水の泡になってしまう。さすがスクールアイドルの先輩、体調管理もバッチリだ
「みんな100円出して」
「この人数だから2人でいいよね」
これはAqours恒例のちょっとした行事
「やってきたのですね…本日のアルティメットラグナロク…くっくっ…未来が時が…見える!」
「じゃあいくよ」
「じゃーんけーん!」
ーーーーーー
「なんでいつも負けるのかしら…」
「それは善子ちゃんが絶望的にじゃんけん向いてない証拠だよ」
「ヨハネ!」
「1258円です」
「誰よ!高いアイス頼んだの!」
「まぁまぁ」
毎回毎回このパシリじゃんけんは善子が負ける。理由は1つでいつも必ず変なチョキを出すからである。それを分かっててなぜ零斗が負けなのかと言うと
「忘れてました」
「え?」
「暑さで全てが吹っ飛びました」
「何よそれ」
グーを出せばまずは負けることはないのにこの暑さのせいもあり完全に忘れていた
ーーーーーー
「ずら〜」
「ぴぎぃ〜」
「よは〜」
1年生3人が扇風機を占領して風が全く来ない
「暑い〜」
「教室に冷房でも付いてたらな〜」
「統合の話が出てる学校なのに付くわけないでしょ」
「だよね〜」
「このままじゃ俺たちドロドロに溶けて怪獣ヘドロンになっちゃうよ〜」
この暑さにみんな参っていた。本当に冷房でもあればだいぶ変わるのだろうが梨子の言う通り付くわけがない
「そうだ。学校説明会の参加者って今どうなってるの?」
千歌の質問を受け鞠莉は机をあらぬやり方で飛び越えダイヤに、とはしたない注意されていた。
「今のところ…」
皆の視線が鞠莉に集中する
「0〜!!」
「そんなにこの学校魅力ないかな すこしくらい来てくれてもいいのに」
確かにそうだ。今やAqoursはラブライブ予選に出場できるほどの実力の持ち主である。それなのに1人もいないなんて笑い話にしたって出来が悪い。そんなことを考えていると図書室の扉が開いた
「むっちゃん達どうしたの?」
「うん。図書室に本返しに」
図書室に現れたのは零斗を含めた2年生4人と同じクラスメイト。よしみ、いつき、むつだった
「もしかして今日も練習?」
「もうすぐ地区予選だし」
「この暑さだよ」
「そうだけど毎日だから慣れちゃった」
「毎日?」
「夏休み」
「毎日練習してたの?」
「うん」
そんなにびっくりするほどでもない気がするが
「そろそろ始めるよ〜」
いつまでも休んではいられないふたたび練習に入る
「じゃあね」
「頑張ってね…」
「ねぇ零斗くん」
「ん?」
「千歌たち練習毎日やってたの?」
「そうだよ。さっき千歌も言ってたけど地区予選が近いからね」
「学校存続のためにやってるんだよね」
「うん」
「でもすごくキラキラしてて眩しいね」
「じゃあ俺も戻るから」
「うん。頑張って」
ーーーーーー
「ふぅー今日も目一杯だったね」
「でも日に日に良くなってる気がする」
「それで歌の方はどうですの?」
「花丸ちゃんと歌詞を詰めてから果南ちゃんとステップ決めるところ」
完成にどんどん近づいているAqours。これは本番が待ち遠しい
すると善子、果南、鞠莉がプールの中に飛び込んでいった。またダイヤに怒られていたがそんなことはお構いなしの様子だ
「あっ!いたいた千歌ー!」
「あれ?むっちゃん?」
さっき図書室に来た3人が目の前にいた
「帰ったんじゃなかったの?」
「うん」
「でもちょっと気になっちゃって」
「千歌たちさ夏休み中ずっとラブライブに向けて練習してたんでしょ?」
「そんなにスクールアイドルって面白いのかなって」
「私たちも一緒にスクールアイドルになれたりするのかな?学校を救うために」
「実は他にももっと自分たちにも何か出来るんじゃないかって考えてる子結構いるみたいで」
「そうなのですか?」
統廃合の話が出た時は誰もが諦めていた。だがみんなこの学校が好きで何とかしたいと思う気持ちは変わらない。みんな一緒だった
「千歌ちゃん?」
千歌の目から涙が溢れる。その涙は感動の方だ
「やろう!みんな一緒に!」
急遽そんな事が決まったが大丈夫だろうか
ーーーーーー
そしてついにラブライブ地区予選当日を迎えた。集合場所でみんなが来るのを待っていた
「むっちゃんたち来てないね」
「多分ここで合ってるはずなんだけど」
「……」
何だろうか。今日は梨子の様子が変だ。何かあったのだろうか
「千歌ー!」
「いた。ここだよ!」
「ごめんごめん。ちょっと道に迷っちゃって」
慣れない場所に来てる以上それはしょうがないことであろう
「他の子は?」
「うん…それなんだけど…実は…」
「あーなるほど…」
「そっか」
「しょうがないよ。夏休みなんだし」
「でも…どうしても!」
すると3人の表情が一転する
「みんなー準備はいい?」
いぇーーーーい!!!
「「「全員で参加するって!!!」」」
周りにはたくさんの浦の星の生徒がいた。そう全校生徒が集まったのだ
「これで全員でステージで歌ったら絶対キラキラする!学校の魅力も伝わるよ!」
「ごめんなさい!」
「ん?」
「梨子ちゃん?」
ーーーーーー
後で分かったことだがステージで歌えるのは事前にエントリーしたメンバーのみという決まりがあった。それに加えステージに近づくことも禁止だそうだ
「ん〜まぁしょうがないよね〜」
[それがルールだからな]
今更だがゼロの声は他人には聞こえない。側から見たら独り言を言っているやばい奴と思われてもしょうがない
「あれ?零斗くん?」
「え?あっ志満さん美渡さんこんにちは」
「今誰かと話してなかった?」
「い、いやそんなことないですよ。多分気のせいです。あははは」
「あら、そう…」
そしてもう1人零斗と志満さん美渡さんの間に座っている女性がいた
そういえばどこかで見たことがあるがどこだったっけ?
「零斗くん久しぶりね。3年は会ってなかったよね」
「………あっ!千歌のお母さん!お、お久しぶりです」
「千歌たちのマネージャーしてくれてるんだよね?」
「えぇまぁ」
「どう?あの子またすぐに飽きなかった?」
「あいつはこの少しの間で大きく変わりましたから」
「そう。それは良かった」
それからステージが始まるまで高海家の皆さんと少しお話をしていると
「そうなの。この前東京に宇宙人が現れて大変だったんだから」
「私もニュースで見たよ。どうだったの?」
「運良く被害範囲の外にいたんだけど交通機関とか麻痺してね」
「…………」
「でもあの巨人がやっつけてくれたから助かったわ」
「あの巨人ウルトラマンゼロって言うらしいよ」
「……」
「ここ最近はそのウルトラマンゼロの話題で持ちきりなのよ」
まさかそのウルトラマンゼロが隣に座ってるなんて思いもしないだろう
そんなことを思っているとついにAqoursのステージが始まった
ーーーーーー
今日は皆さんに、伝えたいことがあります!それは、私たちの学校のこと!街の事です!
「Aqoursが生まれたのは、海が広がり、太陽が輝く内浦という街です」
「小さくて人もいないけど、海には沢山の魚がいて、いっぱいみかんが取れて暖かな人で溢れる街」
「その街にある小さな小さな学校。今ここにいるのが、全校生徒!そこで私達は、スクールアイドルを始めました」
「アキバで見たμ’sのようになりたい!同じように輝きたい!でも…」
「「作曲っ!?」」
「そう。作曲ができなければ、ラブライブには出られません!」
「「ハードル高っ!!」
「そんな時、作曲のできる少女、梨子ちゃんが転校して来たのです!」
「奇跡だよ!」
「ごめんなさい」
「「がーん」」
「東京から来た梨子ちゃんは、最初はスクールアイドルに興味がなかった。東京で辛いことがあったから…でも」
「輝きたい!!」
「その想いは梨子ちゃんの中にもあった。そして」
「お、おら…私、運動苦手ずら…だし…」
「ルビィ…スクールアイドル好きだけど…人見知りだから…」
「堕天使ヨハネ、ここに降臨!!私の羽根を広げられる場所はどこ?」
「こうして6人になった私達は、歌を歌いました。街のみんなと一緒に」
「そんな時、私達は東京のイベントに出ることになった」
「未来ずら〜」
「人がいっぱい!」
「ここが魔都東京」
「ここで歌うんだね。頑張ろう!」
「でも、結果は…最下位」
「私達を応援してくれた人は0」
「スクールアイドルは、厳しい世界…」
「そんな簡単ではなかったのです」
「やめる…?
千歌ちゃん、やめる?」
「悔しい…!」
「0だったんだよ?悔しいじゃん!」
「その時、私たちの目標が出来ました」
「0から1へ」
「0のままで終わりたくない」
「とにかく前に進もう」
「目の前の0を1にしよう」
「そう心に決めて」
「そんな時、新たな仲間が現れたの!」
「生徒会長の黒澤ダイヤですわ!」
「スクールアイドルやるんだって?」
「Hello everybody」
「以前スクールアイドルだった3人はもう一度手を繋いで私たちは9人になりました」
「こうして、ラブライブ!予備予選に出た私達、結果は見事突破!でも…」
「入学希望者は0」
「忌まわしき0が」
「また私たちに突きつけられたのです」
「どうして0なのーー!!」
「私たちは考えました」
「どうしたら前へ進めるか」
「どうしたら0を1にできるのか」
「そして、決めました」
「私達は」
「この街と」
「この学校と」
「この仲間と一緒に!」
「私たちだけの道を歩こうと」
「起きること全てを受け止めて」
「全てを楽しもうと」
「それが…輝くことだから!」
「輝くって、楽しむこと。あの日、0だったものを1にするために!」
「さぁ行くよ!」
1、2、3、4、5、6、7、8、9
10!
「今全力で輝こう!0から1へ!Aqours!」
【サンシャイン!!】
《MIRAI TICKET》
ーーーーーー
全スクールアイドルのパフォーマンスが終了し結果発表を目前にしている。上位3組が決勝に進出できる
掲示板に映し出された名前は!?
ーーーーーー
ウゥアアァァァァァァァァァァァァァァ!!
結果発表ほぼ同時だった。それは人間が出せるような音ではない。もっと絶望的で悪意を感じる何者かの咆哮
[まさか…]
「このタイミングでかよ」
この星の運命をかけた最恐最悪の闘いが今幕を開けた
終盤のミュージカルは全くいじってません。書いてて思ったのですが3年生加入のくだりはしょりすぎでは?
そして次回は1期最後の戦い。1期を締めくくるには申し分ない強敵です。それではお楽しみに