強敵禍々アークベリアルとの決戦
「…………」
[おい]
「…………」
[おい!零斗!いつまでそうやってる気だ!]
「…………」
ゼロが何と言おうとも何も一切の返事をしない零斗。部屋は暗く2、3日何も食べていない日が続いていた
[いつまで負けたの引きずってんだよ!次は勝てばいいだけだろ]
「…………俺はもう戦わない」
[な、何!?]
「俺は戦わないって言ってるんだ。だけどゼロはあいつを倒さないといけないんだろ?だったら俺から離れて誰か別の宿主を探してくれ」
[零斗…お前本気で言ってんのか!!]
「今の俺に何ができるって言うんだ!!」
[…!]
「もう限界なんだ…」
それからしばらくの沈黙が続いた後零斗の腕からウルティメイトブレスが消滅する
「……くっそ…うぅ……」
ーーーーーー
「フハハハハハハハハハハハハッ!これですよ!これが私の求めていた力」
薄暗い建物の中で1人の男は声を上げて叫んでいた
「この力さえあればウルトラマンゼロはおろか光の国のウルトラマン共を血祭りにできる!全て私ものだ!」
「そうか、なら何故トドメをささなかった?」
「単純ですよ。それじゃあ面白くない。私はメインディッシュは最後にとっておくタイプでしてね」
「………」
「私は最強だ!断じて負けはしない!フハハハハッ!」
その男東仙カイはそのまま建物の奥へと入っていった
「……あいつ力に飲まれかけてやがるな」
ーーーーーー
ピンポーン
「……あれ?いないのかな?」
「家の電気はついてないわね」
ピンポーン
「……やっぱり留守なんじゃないかな?」
「何よ!せっかく来て上げたのに〜」
「まぁまぁ善子ちゃん」
「善子言うな!ヨハネ!」
「どうします?」
「うーん、そうだな〜」
「やっぱり出直した方がいいんじゃない?」
インターホンを鳴らしても一向に出てこない零斗。きっと留守にしているのだろう。そう思い出直そうとした時
ガチャ
「あ!な〜んだ零斗くんいるんじゃん」
「………何だお前たちか」
「心配したんだよ。部活に顔を出してくれないと」
「………ごめん」
「…ねぇ零斗くん。とりあえず部室に来てよ。そこで色々話したいからさ」
「………」
「ダメ…かな?」
「すまない…」
「あっ!ちょっと!」
千歌の言葉を最後まで聞かずにドアを閉めた。これで分かる通り今の零斗からはかつての雰囲気は感じ取れない
「こうなったら最終手段だよ。行くよ!曜ちゃん!果南ちゃん!」
「了解であります!」
「任せといて」
零斗かドアの鍵を閉める前に曜と果南によってドアが勢いよく開かれる
「うわっ!な、何だ」
「零斗くんちょーっと来てもらおうかな〜」
「大丈夫。悪いようにはしないから」
「悪いようにするのね」
と梨子が小声でつぶやく
「「さぁ!観念しなさい!」」
「う、う、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ーーーーーー
部室に強制連行され部室の机に座らされる羽目となってしまった。状況的に取り調べに近い。ただ取り調べは1人か2人でやるのが基本だがこの取り調べは9人もいるのだ
「で、何が聞きたいわけ?」
「それはもう全部だよ」
「全部って何だよ」
「例えば今まで何してたのかとか」
「ずっと家にいたよ」
「…あれ?零斗くん腕のブレスが無くなってるけど…ゼロは?」
さすが果南さんだ。まさかそれに気づくとは
「……ゼロならもういませんよ」
「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」
「どういうことです?」
「いなくなったの?」
ーーーーーー
ありのままのことを話した。流石のことに皆動揺を隠せない
「そんな…」
「何でよ!何でそんなこと言ったのよ!」
「善子ちゃん落ち着くずら」
「そうだよ。今の零斗は零斗くんらしくない。一体どうして」
「何だよ俺らしさって」
「いつも私たちを支えてくれて頼りになって相談にものってくれる零斗くんのこと」
「………」
千歌の言葉に返す言葉が出てこない
「ねぇどうして?零斗くん…」
「……………………怖いんだ」
「えっ…」
零斗は全てをさらけ出し始める。心なしか零斗は震えているようだった
「あの時戦って分かったんだ。あの怪獣には勝てない。俺の力じゃどうにもならないって」
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」
「そしたら思ってしまったんだ…死にたくないって。まだ生きたいって」
「今の俺にゼロと戦う資格なんてない」
禍々アークベリアルの力は想像をはるかに超えていた。ゼロビヨンドでさえ歯が立たない敵に零斗は始めて恐怖を覚えていた
「ありがとう」
「えっ?」
「私たち零斗くんに頼りすぎてた。零斗くんは特別だって思ってた」
「千歌…」
「だからもう心配しないで。零斗くんがいなくても私たちは大丈夫だから」
「……」
「零斗くんにはたくさん助けてもらったし!」
「だからもう1人で悩まないで、私たちに相談してね」
「曜…梨子ちゃん…」
「うん!」
「ずら!」
「ギラン!」
「Yes!」
「そうね」
「しょうがないですわね」
誰一人今の零斗を責めようとはしない。皆心の底から零斗には感謝していたのだ
「みんな…すまない…ありがとう」
ウゥアアァァァァァァァァァァァァァァ!!
町に怪獣の咆哮が響き渡る
ーーーーーー
「あの時の怪獣!」
「皆さん!早く避難を」
ダイヤの迅速な指示で避難場所に向かう。幸いに避難所はここ浦の星。
「みんな急いで!」
避難所である浦の星に次々と人が入ってくる。そんな時悲劇が襲った
怪獣が壊した建物の瓦礫が飛んできたのだ
「きゃぁぁぁぁぁぁ!」
「ち、千歌!」
「「千歌ちゃん!」」
運悪く千歌の足が瓦礫の下敷きになる
「待ってろ今どかしてやるから」
だが零斗一人の力では瓦礫はビクともしない。梨子と曜も加わるがそれでも動かない
「みんな!こっちにきてくれ!」
零斗はみんなを呼び9人で瓦礫を持ち上げようとするがそれでも動かない
「みんな私のことはいいから…」
「何馬鹿なこと言ってんだ!」
「そうよ!諦めないで!」
「千歌ちゃん!今助けるから!」
「鞠莉とダイヤはそっちを持って!」
「わかりましたわ!」
「オッケー!」
「ルビィちゃん!善子ちゃん!行くずらよ!」
「ヨハネ!」
「ピギィーー!!」
1年生は3人で同じ場所を持ち上げ3年生は分担して持ち上げる。だがそれでもビクともしなかった
「くっそ…くっそぉぉぉぉぉ!」
「みんなありがとう…だから早く逃げて」
なぜだ。なぜどいつもこいつも自分の命は後回しで他人のことを気遣うんだ
死ぬことを恐れていた零斗には分からなくなっていた。ただ1つだけ
「もう一度…もう一度俺に!」
「護る力を!」
零斗がもう一度瓦礫を押したその瞬間、大きく動いて千歌の足が露わになる
「…!?」
「れ、零斗くん?」
「まさか…」
零斗の左腕を見るとそこには無くなったはずのウルティメイトブレスがくっついていた
「ゼロ…ゼロなのか?」
[あぁ、久しぶりだな零斗]
「どうして?」
[色々探したが相棒はやっぱりお前しかいなかったよ。それにしてもお前もやる時はやるじゃねーか]
「……ゼロ。もう一度俺と戦ってくれるか?俺はもう逃げない。今度こそみんなを護りたいんだ」
[その言葉を待ってたぜ!]
「みんな、千歌のことを頼む」
「うん。任せて」
「気をつけてね」
みんなを信じて零斗はゼロアイを掴む
ーーーーーー
[俺はゼロ。ウルトラマンゼロだ!]
ゼロは怪獣の前に再び立ちふさがった
「現れましたねウルトラマンゼロ。預けておいた命頂きにあがりました」
[へっ!預かった覚えはないけどな!]
先手を打ったのはゼロだった勢いをつけて怪獣の腹部に拳を入れる。大して効いてはいないが勢いがついており少し怪獣が後退する
怪獣も負けんと巨大な尻尾を振り回し遠心力を使いゼロに攻撃を仕掛ける
[うぉらぁぁ!]
振り回した尻尾を全力で受け止めてその尻尾を掴み遠心力を使い怪獣を投げ飛ばす
「なるほど、ならこれなら!」
怪獣の口にエネルギーが一気に集まっていく。背部のエメラナ鉱石からエネルギーを吸収しているのだ
(まずいぞまたあの技だ)
[俺に考えがある]
「くらえ!マガマガアークデスシウム!」
ゼロは自分前にバリアー貼る。しかし簡単に突破されていゼロの肩を掠めた
[ぐわっ!……やっぱな]
(えっ)
「何をごちゃごちゃと」
[何でもねぇよ!さぁ反撃だ!]
「[ギンガ!オーブ!]」
「[ビクトリー!エックス!]」
「ネオ!フュージョンライズ!」
「[俺に限界はねぇ!]」
「ニュージェネレーションカプセル!α!β!ウルトラマンゼロビヨンド!」
[俺の刃を刻み込め]
展開した4つの刃を一つにまとめてゼロツインソードに変化させる
「そんなものでこの私を倒すことなどできませんよ!」
再びエネルギーを溜め始める怪獣。ゼロはゼロツインソードを構える
「マガマガアークデスシウム!」
再び放たれた破壊光線は真っ直ぐゼロに向かっていく
[うぉぉぉ!!]
ゼロは自身の体をそらし光線をギリギリでかわし一気に距離を詰める
[ツインギガブレイク!]
Zの文字を怪獣に刻み込んでいく。ゼロビヨンド最強必殺技の1つだ
怪獣こと東仙カイが反撃をしようとするが体が動かないことに気がついた
「ど、どうなってるんだ」
[その光線の威力は絶大だ。だがそれゆえに次の攻撃まで20秒ほどのインターバルがある]
1度目の光線でそれを見極め2度目で実行に移す。それはたくさんの修羅場をくぐり抜けてきたゼロだからできることだった
「調子に…調子に乗るな!!ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
[何だ]
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ぐわぁぁぁぁぁぁ!」
突如東仙カイの様子がおかしくなる。すると怪獣も見境なしに建物を破壊しだす。ウルトラマンゼロが目に入っていないようだった
(どうなってるんだ。あいつおかしいぞ)
[おそらく暴走だ。マガオロチとアークベリアルの力を制御できなくなったんだ]
冷静に分析するがそのまま放っておけば間違いなく内浦は更地と化すだろう
[一気に決める]
ゼロツインソードを4つの刃に戻しそれと同時に周囲に8つの紫色の球体を出現させる
[バルキーコーラス]
バルキーコーラスにクワトロスラッガーを加え同時に放つバルキーコーラスの強化技スラッギングコーラスを放った
「ぐぅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
奇声を放ちながら禍々アークベリアルは爆散した
ーーーーーー
「うっ…くっそ!」
東仙カイの体はボロボロになって地面を這いずっていた
「情けねぇ奴だな」
「完全に舐めきってきた私のミスです」
そこに立っていたのはデスレムだった
「だろうな。それにあんな強大な力を使えば体が負担に耐えられるはずがねぇ」
「………」
「とりあえず帰るぞ」
デスレムは東仙カイを連れて姿を消した
ーーーーーー
「零斗くーん!ゼロー!」
「ただいまー!」
「おかえり」
「全く心配しましたわよ」
「まあまあ無事に帰ってきたんだし」
「千歌…足大丈夫か?」
「うん。少し痛むけど平気」
幸いにも怪我は大したことなく安心した
「みんな…ありがとう」
みんな笑顔を返した。そのみんなが思い出させてくれた、誰かを守ることが戦うということ。大切な何かを守ろうとした時人は本当に強くなれるということを
禍々アークベリアルを倒した方法は至ってシンプルでしたね
およそ攻撃と呼ばれるものはその威力が強いほど回数に制限がかかるものなのでそこを狙ったゼロの戦略勝ちです
1期最終回を迎えましたが2期があるので輝きのAqoursとゼロはまだ終わりませんよ
それでは2期突入までもう少しお待ちください