「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「今度はなに?」
鞠莉が携帯を片手に大声で叫ぶ。一体どうしたと言うのだ
「いい知らせではなさそうですわね」
「実は学校説明会が1週間延期になるって…」
「そんな…」
「1週間って」
「翌週の日曜ってこと?」
「Yes.雨の影響で道路の復旧に時間がかかるので1週間後にした方がいいと」
「確かにその考えは分かるけど」
「でもよりによって」
「タイミング悪すぎるな」
「どうしたのみんな?その分もっといいパフォーマンスになるよう頑張ればいいじゃん」
屋根の上を歩きこちらの近くに寄ってくる千歌。危なっかしい上にこの状況を理解できていないようだ
「問題です!ラブライブの予備予選が行われるのは?」
「学校説明会の次の日曜でしょ?」
「ですがそんな時その説明会が1週延びると言う知らせが届きました。ラブライブ予備予選の開催日は変わりません」
「「2つが開かれるのはさていつでしょう?」」
「そんなの簡単だよ!…ん?うわぁぁぁ!」
「危なっ!」
とバランスを崩し屋根から落ちる千歌。しかし地面に落ちる寸前で千歌の周りに金色に輝くバリアーのようなものが現れ無傷で済んだ
「大丈夫?」
「同じ日曜だ!」
危うく死ぬところだったと言うのに発するのはその言葉かい!とツッコミたいところだ
「今の碧さんの力ですか?」
「いえ僕にあんな力はないです」
「と言うことは…」
「こんなことが出来るのは1人だけですよ」
「あぁ〜朝っぱらから何危なっかしいことしてんだよ〜」
大きなあくびをしながら曜と梨子の窓とは違う窓からその男神田零斗が姿を現した
「ん?なに?どうなってんの?」
ーーーーーー
今朝の一連の出来事は果南から大体は聞いて理解している。曲は完成したがラブライブの予備予選と学校説明会の日がかぶったとか
「ここがラブライブ予備予選が行われる会場」
「ここ?」
「山の中じゃない」
「今回はここで特設ステージを作って行われることになったのですわ」
ラブライブ予備予選を終えてから学校説明会に間に合うかどうか全員であれこれ調べてみるがとても間に合うような距離じゃない
「到底間に合いません」
「空でも飛ばなきゃ無理ずらね」
「フフフッならこの堕天使の翼で!」
「おぉその手があった」
「堕天使ヨハネの翼で大空から会場入りずら」
「嘘よ!嘘!常識で考えなさい!」
「そうずら?」
「ふーん」
「あんた達!わざとやってるでしょ!?」
ルビィと花丸まさかのドS発言に笑いをこらえる零斗と碧
「そうだよ!空だよ!」
「…えっ?」
「空?」
千歌の考えは小原家の力でヘリを用意しそのままひとっ飛びという考えだ
「さすが千歌っち!その手がありました!すぐヘリを手配して…と言えると思う?」
「ダメなの?」
「Of course!パパには自力で入学希望者を100人集めると言ったのよ!今更力貸してなんて言えまセーン!」
というわけで小原家の力を借りるのは不可能ということになった。しかし千歌にはもう1つの策があった
「なら…零斗くん!」
「ん?」
「ちょっとお願いがあるんだけど〜」
「ゼロに変身して連れてってくれと言うつもりだろ?」
「そうそう分かってるじゃん!」
「うん。断る」
「えぇ!なんで!?」
「ダメなものはダメだ!」
[俺は別に構わないぞ]
(こういうのは自分たちでなんとかしないといけないんだよ)
ウルトラマンの力はそんなことのために使うものじゃない。いくら千歌の頼みでもそれを認めるわけにはいかない。厳しいようだがAqoursが進化するためには自分たちの力でなんとかしなければならないのだ
「空がダメなら海は?」
「船ですわね」
「うちはダメだよ。日曜仕事だし」
果南の家の船もダメで最後の頼みの曜の父の船もダメという八方塞がり状態になった
「なら俺が力を貸しますよ」
「ほんと!?」
「碧くんも船持ってるの?」
「いえそんなにお金持ちじゃありませんよ。だからゴモラの背中に乗って〜」
「いやさすがにそれは…」
「無理だろ」
「えぇ!なんでですか?」
「普通に考えて怪獣が現れたら学校説明会がなくなるだろ?」
「……たしかに」
「現実的に考えて説明会とラブライブ予選2つのステージを間に合わせる方法は…1つだけ」
「1つ…」
「あるの?」
「えぇ予備予選出場番号1番で歌った後すぐであればバスがありますわ」
「ほんと?」
「ただしそのバスに乗れないと次は3時間後つまり予備予選で歌うのは1番でなければいけません」
「それってどうやって決めるの?」
「そ…」
「それは!」
ーーーーーー
出場番号を決めるのは抽選だった。確かに基本的にどの部活の大会でも抽選が主流であろう
零斗と碧は抽選会場には行かずお留守番をしていた
そのため結果は後から聞いたのだがなんと抽選に参加したのは善子だそうだ。あの悪運の持ち主の善子に引かせるとは思ってもいなかった。結果は案の定24番というど真ん中
そのため我々はラブライブか学校説明会のどちらかを選ばないといけなくなった。当然両方共に参加したい、が現実を考えるとそうは行かない。全員は悩みに悩んだ結果1つの案が出された
「2つに分ける?」
「うん。5人と4人二手に分かれてラブライブと説明会両方で歌うそれしか無いんじゃないかな」
「でも…」
「それでAqoursと言えるの?」
「それに5人で予選を突破できるか分からないデース」
確かにこれなら両方ともに出場ができる。があまり良い作戦ではないのも事実
今時点これ以外に方法がないのだ
ーーーーーー
「ほんとうによかったのかな」
「よくはない…けど最善の策をとるしかない。私たちは奇跡は起こさないもの。この前のラブライブの予選の時も学校の統廃合の時も…だからその中で1番いいと思える方法で精一杯がんばる」
ガードレールを超えみかん畑の近くにいく梨子
「それが私たちじゃないかって思うの」
「そうだね…あっ」
「どったの?」
千歌の視線の先にはたくさんのみかんと畑用のモノレール
「もうこんなに実ってるんだ」
「そりゃ内浦のみかんはおいしくて有名だもんね」
「俺なんて朝昼晩みかん食べてるからね」
「嘘でしょ?」
「嘘です」
なんてしょうもないことを言っていると
「みかん!みかんだよ!」
「千歌ちゃん?」
「千歌?」
「みっかーーーん!」
ーーーーーー
そして学校説明会当日
つまりラブライブの予備予選の日でもある。Aqoursは二手に分かれて歌うことになっている
ラブライブ予選に千歌、曜、梨子、ルビィ、ダイヤ
学校説明会に花丸、善子、果南、鞠莉
マネージャーの2人は零斗がラブライブ予選に碧が学校説明会の担当となった。そしてまもなく本番が始まる
「志満さん美渡さんこんにちは」
「あら零斗くんも来てくれたのね」
「マネージャーですから」
「学校の方には行かなかったの?」
「あっちにはもう1人のマネージャーがいますから」
「えっ?もう1人?」
「あっ…千歌から聞いてませんか?じゃあ今度紹介しますね」
高海家の方々と話しをしていると会場の照明が消えAqoursの5人が登場した
「みんな!」
「頑張って!」
だがメンバーが少ない分迫力に欠けてしまうのか周りからの拍手が少ない。観客席から見ていても千歌たちが不安げな表情をしているのがよくわかる
「勘違いしないように!」
「やっぱり私達は1つじゃなきゃね」
そこには今学校にいるはずの4人の姿があった。これは一体どういうことだ?
「あっいたいた。零斗先輩」
「碧!お前どうして?」
「やっぱり9人でやらないと意味がないってことになったんですよ」
「そうか…」
「零斗くん彼は?」
「あっそうそうこいつがもう1人のマネージャーです」
「この人たち誰ですか?」
「千歌のお姉ちゃんの志希さんと美渡さんだ」
「おぉ!はじめまして如月碧です」
「はじめまして碧くん」
「よろしくね」
「はい!」
そして9人揃ったAqoursのステージが始まった。1年生と3年生でつくり上げた曲
《MY 舞☆TONIGHT》
1年生と3年生だからこそつくることが出来た
そこには全員の個性が詰まっている
踊れ踊れ
熱くなるため
ひとは生まれたはずさ
ラブライブ予選を無事に終わらせることができた
ーーーーーー
だがこれだけでは終わらない。ここからが本当の勝負だ
9人と合流し勢いよく走り出す
「ちょ…まさか」
「学校説明会に」
「間に合わせるつもり?」
その通り全員で学校説明会に参加するために
クラスメイトが所有しているみかん畑を経由して学校まで一気に向かう。そうすれば説明会に間に合う、最後まで諦めなかった千歌のアイデアだ
「おぉこれがね〜」
みかん農家で使われるモノレールを貸してもらえるのことになったのであとはこれを使って学校付近まで一直線だ
全員が搭乗し果南がエンジンをかけた。が
「冗談はよしこさんずら」
「ヨハネ」
何というか全くと行っていいほど進んでいない
「これなら歩いた方が早いんじゃ…」
「って言われても仕方ないないんだけどね」
「もっとスピード出ないの!?」
果南がハンドルを力強く動かした時
ガチャン!
嫌な音がした
「取れちゃった…」
「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」
そのまま猛スピードで坂を下っていき気がついたらもう見えなくなっていた
「おぉ早いな〜」
「感心してる場合じゃないっすよ!早く俺たちも行かないと」
「あぁそうかじゃあ走るぞ!」
2人もみんなの後を追いかけて走り出すがしばらくして
「おーい!何やってんだ遅いぞ!」
「はぁはぁ…ちょ…俺…普通の人間…なんですけど…」
「それ俺が普通の人間じゃないみたいじゃないか」
[まぁ俺がいるからな]
確かにその通りだ
しかしこのままだと追いつかない。しょうがない最終手段だ
<碧貸せ>
「…へぇ?」
何のことか分からぬまま碧は零斗に肩をかける
<飛ばすぞ!>
体をゼロに託しあとは自前の身体能力で学校まで走り抜けた
ーーーーーー
不可能だと思われたラブライブと学校説明会の両立をAqoursはやり遂げたのだ。それは最後まで諦めたかったことの結果である
今度は我々2年生が輝きをテーマにつくり出した新曲
《君のこころは輝いてるかい?》
今みらい
変えてみたくなったよ
だって僕たちは
まだ夢に
気づいたばかり
「どっちにするかなんて選べないし。どっちも叶えたいんだよ」
「だから行くよ!諦めず心が輝く方へ!」
今回は短めでしたね。まぁカットする部分が多かったですから
というわけで次回は第4話
次の戦闘は4話完結した後ぐらいを予定してます